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2014年6月26日(木)

『俺の屍を越えてゆけ2』レビュー。前作との最大の違いとなる“遠征”が楽しすぎ!

文:長雨

『俺の屍を越えてゆけ2』

 SCEが7月17日に発売するPS Vita用RPG『俺の屍を越えてゆけ2(俺屍2)』。その最新ロムをプレイしたレビューをお届けします。

 本作は、ゲームデザイナーの桝田省治さんが手掛ける世代交代RPG『俺の屍を越えてゆけ』の最新作で、2年しか生きられない“短命(たんめい)の呪い”と人との間に子を残せない“種絶(しゅぜつ)の呪い”をかけられた一族が、呪いを解くために宿敵である阿部晴明に立ち向かうことになります。

 前作の基本要素はそのままに、新キャラクターや新システムはもちろんのこと、他プレイヤーとの交流も行えるようになったのが特徴です。PS Vita TVにも対応しているので、大画面でじっくりとプレイできるところもポイントですよ!

 今回は、前作からの大きな違いとなる他国への“遠征”をクローズアップ。この遠征はオフラインでも楽しめますが、オンラインで他のプレイヤーの国に遠征すると、より楽しめること請け合いですよ!

■金雀枝国の迷宮にて、日々力を蓄えています!

 前回の戦いで船を手に入れ、他国へ“遠征”できるようになりました! 宿敵・阿部晴明への復讐をするには、まだまだ力が足りない我が一族。現在は遠征で行ける“金雀枝国”の迷宮を探索して、一族を鍛える毎日を送っております。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲金雀枝国に出現している迷宮は、“富士見ヶ原”と“根の子参り”の2つ。ここを重点的に探索しています。

 迷宮の1つ“富士見ヶ原”を探索していた時のこと。戦利品スロット(勝利時の戦利品を決定するスロット)で、緑色の武器“面影鉾”のところで止まりました。無事に鬼を討ち取って“面影鉾”を入手すると、鬼の1匹が風の女神“風車ノお七(カザグルマノオシチ)”様に!?

 どうやら、緑色の武器や防具は天界の神々に縁のあるもののようです。神々に関係する品物はいろいろな鬼が持っているみたいなので、今まで以上にスロットに注目しようと決意しました。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲緑色の武器や道具を入手すると、神様が解放され交神できるようになる!

 また迷宮を探索していると、いろんな場所で鍵がかかった門を発見します。この門を開ける鍵は、緑色の宝箱を開けることで入手することが可能。私は自国の迷宮で黄色い鍵を入手していたので黄色の鍵の門を開けられたのですが、緑色に光っている門は開けることができませんでした。

 どうやら鍵の色によって、開けられる門が違うみたいですね。鍵は迷宮内にある緑色の宝箱から入手できるので、鬼を倒すついでに探すようにしていこうと思います。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲よく見ると、鍵の色が違います。門の位置と色を覚えておくと、迷宮探索がスムーズになりそうですね。

 これまで自国に出現している“竜宮渡り”、“ねうねう亭”、金雀枝国の“富士見ヶ原”、“根の子参り”の4つの迷宮を探索してみました。迷宮は前作よりかなり広く、ギミックも多彩になっている印象があります。

 中でもおもしろいなと思ったのが、“根の子参り”。この迷宮は真っ暗で、蝋燭の灯を頼りに進んでいくことになります。そのため、宝箱や鬼は見えるのに道が見えず、たどり着けないというもどかしさを感じることも……。

 道は特定の道具を迷宮内で発見することで見えるようになり、探索もサクサク進められるようになります。最初の道具を見つけるまでの手さぐり感が、とても冒険している感じがして好きでした。他の迷宮もいろいろな仕掛けが張り巡らされており、ひと癖もふた癖もある場所ばかりでおもしろいですよ。

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▲迷宮では、火時計の中に地図が表示されます。しかし“根の子参り”では、一部地図が見えない場所が……。

 また他国の迷宮では、自国とは違った鬼神が登場します。“富士見ヶ原”では、怖い蜘蛛のお姉さま・土公ノ八雲(ドクノヤクモ)様がいらっしゃいました。リアルな御姿なので、蜘蛛が苦手な人はいろんな意味で苦戦しそうなお相手ですね。攻撃手段も、すごく蜘蛛らしかったです。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲鬼神の中には状態異常や、攻撃力や俊敏さを下げる術を使うものもいます。

 “根の子参り”では、梵ピン将軍(ボンピンショウグン)がいらっしゃいました。前作で自軍全体の攻撃力を上げる術“梵ピン”に大変お世話になったので、梵ピン将軍は個人的にとても思い入れの深い人物だったりします。

 この方はどうも異国の出身らしく、なんの言葉を話しているのかわからない方でした。それは、本作でも変わっていません。戦闘前の会話でも、相変わらず彼らしい言葉を聞くことができました。攻撃手段は、「きっと、この神様は武神だろうな」と思うようなおもしろいものでした。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲梵ピン将軍の後ろに輝く多数の武器。この武器がどうなるのかは、ぜひぜひその目でお確かめください。

■迷宮“根の子参り”に新たな“百鬼祭り”の影が!

 しばらく迷宮で力試しをしていたら、コーちんが金雀枝国の迷宮“根の子参り”で新たな“百鬼祭り”がありそうだと教えてくれました。どうやら、祭りは1つだけではないようです! 

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▲“百鬼祭り”が起こる迷宮には提灯が登場。祭りの月になると、提灯が光りますよ。▲この提灯が“百鬼祭り”の入り口。祭りの時期以外は“百鬼祭り”への入り口が固く閉じられ、黄川人(きつと)さんが横に立っています。

 さっそく新たな祭りを見るため、“根の子参り”に行ってきました。“百鬼祭り”に行くためには、迷宮の中にある入口を見つける必要があります。祭り開催期間の前の月から迷宮にこもり、出入口を見つけておくと楽かもしれませんよ。

 私も前の月から迷宮にこもり、無事に“百鬼祭り”の入り口を発見しました。2回目の祭りは、違った雰囲気。1回目が夏祭りなら、今回は冬のお祭りといった感じですね。

 奥には当然のようにボスが待ち受けていたのですが、……かなりの強敵です。うちの一族は、敗走しました。詳しくは書けませんが、心して挑むことをオススメします。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲今回の“百鬼祭り”でも名所がたくさん。いろいろな場所で、記念撮影をしてみてくださいね。

■我が家に、夜鳥子様がやってきました!

 だいぶ強くなったんじゃないかなという思い上がりを、2回目の“百鬼祭り”で見事に打ち砕かれた我が長雨一族。そんな意気消沈した我が家に、救いの神様が降臨されました。

 なんと一族を蘇らせてくれた夜鳥子(ヌエコ)様が、ある事情から一族と一緒に戦ってくれることになったのです!! 女神様の力があれば百人力! 再度戦力を整えて、次の“百鬼祭り”で絶対にリベンジをしようと思います。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲一族にとっての命の恩人・夜鳥子様(声:林原めぐみ)。彼女は他の一族と違って、陰陽士という特殊な職業についています。武器も、彼女専用のものを使用。▲夜鳥子様が来てから、うちの香月の苦手なものが鍋料理に変化しました。夜鳥子様の得意なものが鍋料理。無理やり食べさせられたりしているんでしょうか? ちょっと、心配。

■新たなる力を求めて、『電撃PlayStation』版の長雨国へ

 より一族を強化するために、新たな国に遠征することにしました。本作はネットワークを利用することで、他のプレイヤーが育てている国にも遠征することができます。その機能を使って、『電撃PlayStation』誌上でプレイレポートを連載しているもう1つの長雨国に遠征してみることにしました!

 本作ではセーブデータを4つまで制作でき、『電撃PlayStation』版の長雨家と電撃オンライン版の長雨家も同じPS Vitaとソフトを利用しています。同じソフトを利用している国同士でも、ネットワークを利用して遠征できるのがうれしいですね。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲ネットワークにつなぐと、同じくネットワークに接続している国に行けるようになります。ここをみて『電撃PlayStation』版と電撃オンライン版、両方とも長雨国というまったく同じ名前にしたのは失敗だったなと反省。本家と元祖などに分けるべきでした。

 かくして『電撃PlayStation』版の長雨国にやってきました。屋敷では他家の紹介を見たり、養子・結魂候補選びをしたりできます。

●養子・結魂(けっこん)とは?

・養子……他家の子孫を自国の一員として迎え入れられる。養子にしても、元々の家からその人物が消えることはない。
・結魂……同じ宿命を持つ一族同士で、子孫を残す儀式。友だちや家族の一族との間の子が生まれたら、より思い入れが深くなりそう。

 養子・結魂候補選びとは、他家の一族を候補として選んでおくことで、自国に帰った時に養子や結魂候補に加えられます。他国に遠征に行った時、かわいい子や能力が高いステキな人を見つけたら、候補に加えておくのがオススメですよ。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲好きな人物を候補に加えることができます。ただし実際に養子にしたり、結魂したりする時はお金がかかりますのでご注意を。

 今回は、本作の新要素である交流試合というものにも挑戦してみました。これは遠征先の一族と、家紋をかけて勝負するというもの。

 戦闘はすべて自動で進行するため、コマンド入力はできません。プレイヤーは、一族の戦いを手に汗握りながら見守ることになります。私の場合は、手塩にかけて育てている一族同士の戦いに……。どちらが勝ってもうれしいけど切ないという不思議な立場です。

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▲交流試合を挑むためにはお金が必要。試合が始まると俊敏さが高いキャラクターから自動で行動していきます。通常攻撃だけでなく、範囲攻撃や回復の術も使って戦うことに。早く強力な術や奥義を覚えさせ、強くしてあげたいですね。

 両家とも熱い戦いをくり広げましたが、今回は『電撃PlayStation』版の長雨家の勝利となりました。負けてしまったので、残念ながら家紋を入手することはできませんでした。家紋はかなりの種類がありそうなので、いろいろ集めてみたいですね。

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▲家紋の種類は、全部で150種類以上あるとか。中には希少なものもあるようです。

 『電撃PlayStation』版の長雨国の街は、雑貨と神社を中心に投資していきます。現在の我が国にはない商品もたくさんあるので、買い物もしてみました。

 例えば武器屋には、風属性のついた大筒が売っています。これは神社に風の神様・ヤタノ黒蝿(ヤタノクロハエ)様をお祭りしている効果なのですよ。神社に神様をお祭りしておくと、まれに属性効果が付いた武器や防具が売られるようになります。その他にも天災から街を守ってくれるなど、いいことばかり!

 電撃オンライン版の長雨家は武器屋ばかりに注力していましたが、属性武器も欲しいですし、神社で神様を愛でたいので、自国に戻ったら神社に投資しようと思います。

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▲神社1つにつき1柱の神様を祭れます。お祭りした神様によって、武器や防具に付く属性も変化します。

 雑貨屋への投資によって、装飾品や道具もいろいろ増えています。我ながら、真面目に街に投資したものだとしみじみしました。

 品揃えのいい街を見ると、雑貨屋とか道具屋とかいろいろな部門に投資したくなります。ただし本作では投資できる区画が決まっていますし、投資するたびに必要なお金も多くなっていきます。そのため、全部の区画をまんべんなく投資するのは少し厳しそう。

 自分の育てたい部門に集中して投資して、足りない部分は遠征先などで買い物するなどしていくのがよさそうです。

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▲雑貨屋では、装飾品や道具をたくさん買って帰りました。本作では、売っている品物の数に制限があるみたいですね。そして、道具の中に鍵らしきものも! お金をためれば、鍵も買えるのでしょうか?
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▲街も少しずつですが、発展していっています。いろいろ投資していくと、職業比率もどんどん変化していくようですよ。

■うちの国&一族もこれからどんどん魅力アップしますよ

 もう1つの長雨国に触発されて、オンライン版の長雨国ももう少し街作りを頑張っていくことにしました。とりあえず神社に投資して、六ツ花御前(ムツハナゴゼン)様を祭ってみました。するとさっそく、水属性の付いた武器が売られるように! 六ツ花御前様ってば、仕事早い!!

 うちの国は武器屋を中心に育てている国なので、属性付きの武器が販売されるようになったら、より便利で強くなりそうです。

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▲うちの神社にお祭りしているのは、とっても涼しげなお姿をした六ツ花御前様。武器屋では、水属性の大筒が売られるようになりましたよ。
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▲『電撃PlayStation』版の長雨国に比べれば、お店や建物の数がまだまだ少ないですね。そして職人比率でも、無職の方が多いです。まだまだ、頑張って育てないと……。

 街だけでなく、一族も鋭意育成中。本作ではコーちんコマンド内の一族史で、“歴代勇姿録”や“一族成長記録”などを見ることができます。ここで、一族の成長を見守ることができますよ

 “歴代勇姿録”は、一族のさまざまな記録が記されています。種類は“戦闘自慢”、“能力自慢”、“その他”の3種類で、その中にいくつもの部門が用意されています。子どもが親の記録を抜いたり、逆に何代か前なのに記録の上位に残っている子がいたり、一族のいろんな記録が確認できるのはよいですね。

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▲ここに掲載した以外にも、たくさんの記録が記されていきます。

 また、本作の“歴代勇姿録”では自分の一族だけでなく、他の一族も交えた記録を見ることができます。私は他家を含む記録を見ることで、もっと頑張って育てようというモチベーションが上がりました。

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▲他家を含む情報を見る時は、自国の一族は白い名前、他国の一族はオレンジ色の名前になります。自分の一族が上位に入っていると、かなりうれしいものです。

 “一族成長記録”では、一族の成長が折れ線グラフで表示されます。これで一族の戦力がどのように成長していったのか、ひと目でわかりますよ。能力を見たり、迷宮で戦ったりするだけでは、なかなか一族の成長を実感できないことも。そういう時は、ぜひこの“一族の成長記録”を見に来てみてくださいね。

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▲戦力は、装備ありと装備なしの2種類を確認できます。

 というわけで、今回はここまで! 今後も『俺屍2』をじっくりとプレイして、記事をお届けしていきたいと思います!

→体験版からの追加・変更点をまとめたレビューはこちら
→ゲームの流れや新要素“百鬼祭り”を中心としたレビューはこちら


[CHECK]期間限定でPSP版『俺屍』を無料でプレイできる!

 『俺屍2』発売を記念して、7月16日までの期間限定で前作『俺屍』をエンディングまで遊べる『俺の屍を越えてゆけ ご新規体験版 ~俺屍2の前にバーンとォ!遊んでみましょ~』が無料配信中。ぜひこの機会にダウンロードしてみては?

 そして、『俺屍2』のゲームシステムを体験できる『俺の屍を越えてゆけ2 体験版(ゲームシステム編)』も配信中。こちらも期間限定なので、早めにプレイしてみてほしい。

『俺の屍を越えてゆけ2』

 また、『電撃PlayStaiton』の記事担当スタッフ3人が自分たちの一族を立ち上げてゲームをプレイし、その様子をTwitter(@DPS_Oreshika2)でお届けしている。ぜひチェックしてみてほしい。

■体験版『 俺の屍を越えてゆけ ご新規体験版~ 俺屍2の前にバーンとォ!遊んでみましょ~ 』の概要

【配信期間】2014年5月8日~7月16日
【対応機種】PS Vita/PS Vita TV/PSP
【内容】
 PSP版『俺の屍を越えてゆけ』の物語をゲームクリア(エンディング)まで遊べる。

※ゲームの難易度設定は“あっさり”で固定。
※ゲームクリア後にプレイ可能となる“裏京都”へは進めない。
※体験版のセーブデータは、PSPの製品版でも使用できる。
※PSPの製品版のセーブデータ(裏京都へ進んでいるもの以外)は体験版でも使用できるが、難易度設定は強制的に“あっさり”に変更される。


(C)Sony Computer Entertainment Inc.

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