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2014年7月14日(月)

『俺の屍を越えてゆけ2』をプレイした本音を語る! レビューなどを担当したライターによる座談会を掲載

文:あんまさ

 SCEが7月17日に発売するPS Vita用RPG『俺の屍を越えてゆけ2(俺屍2)』。その最新ロムをプレイした4人の編集・ライターによる座談会をお届けする。

 座談会に参加したのは、15年前にPS版をプレイした『俺屍』ファンが2人と、『俺の屍を越えてゆけ ご新規体験版』からプレイし始めた1人。そして、『俺屍2』で初めてシリーズを遊んだ1人の計4人。さまざま視点から『俺屍2』のおもしろさを紹介していこう。

⇒『俺の屍を越えてゆけ2』攻略wikiはこちら

『俺の屍を越えてゆけ2』
▲レビューなどを担当した4人が、本音で『俺屍2』の見どころを語る!

●座談会メンバー

長雨:『電撃オンライン』、『電撃PlayStation』で『俺屍2』の記事を担当している女性ライター。PS版『俺屍』は、まだライターの仕事を始める前に趣味で遊んでいた。

あんまさ:『俺の屍を越えてゆけ ご新規体験版』で『俺屍』デビューを果たした男性ライター。『俺屍2』に興味を持ったきっかけは、テレビCMで見た岸部一徳さんの迫真の演技。

おふ:『電撃PlayStation』の男性スタッフ。前作『俺屍』は未プレイで、『俺屍2』から遊び始めた。

そみん:大学時代にPS版『俺屍』にはまった電撃オンラインの男性スタッフ。『俺屍2』は体験版はそれなりに遊んだが、製品版は序盤のみプレイ。今回は進行役として座談会に参加。

■シリーズ初経験でも大丈夫! 新登場の“コーちんの提案”がとにかく便利!!

そみん:今回の座談会メンバーは『俺屍』初心者から上級者までそろっている感じですが、まずは『俺屍2』のプレイ感覚を聞いてみようと思います。かなり特殊な要素が多いゲームですが、すんなりと遊べましたか?

長雨:私は15年前に発売された『俺屍』からプレイをしているので、まったく問題なく楽しめました。新要素もたくさんありますが、システム的には前作とほぼ同じですからね。

 正直なところ、前作はかなり昔のゲームということもあって、そんなにチュートリアルが用意されていなかったのですが、今回はかなり親切にゲームの流れを教えてくれる感じです。そのあたり、本作で初めて『俺屍』に触れたおふさんの感想はどうですか?

おふ:いやもう、何も困らずに遊べています。世代交代がテーマと聞いて、最初はなんだか難しそうな気がしたんですけど、なんとかなっています。どんどん一族が死んでいくけど、さらに強い一族がどんどん生まれてくるので、ちゃんと先に進んでいる感じがするんですよね。

長雨:今回は“一族成長記録”で一族の成長をグラフで見られるようになったので、より一族の成長が実感しやすいと思います。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲一族の成長がグラフで表示されるなど、随所に細かなブラッシュアップがなされている。

そみん:確かに! 前作でも迷宮で戦うと一族が成長している実感はありましたけど、グラフで見せてもらえるとわかりやすさが違いますからね。

おふ:あのグラフって、『俺屍2』からの新要素だったんですね。世代交代を続けていると、本当に一族が強くなっているのか、ちゃんとゲームが進んでいるのか不安になることもありますけど、ああいう風に視覚的に見せてくれるのはありがたいです。

 で、どうして自分が何も悩まずに『俺屍2』を遊べたのかを考えたところ、“コーちんの提案”のおかげですね。最初は何も考えずにコーちんの提案に従っていたんですけど、その間にプレイ感覚に慣れてきて、いつの間にか自分なりの遊び方が身についた感じです。

●コーちんの提案とは?

 屋敷や迷宮で主人公一族をサポートしてくれるコーちんが、その月に行う行動を提案してくれるもの。神様との子どもを成すタイミングや街への投資、迷宮の準備など、さまざまなことを提案してくれるので、特にゲームの流れを把握するまでは重宝する。

 ゲームの流れに慣れた後も、道具を倉庫にしまうことや回復アイテムを買い忘れることなど、ついつい忘れがちなことまでサポートしてくれるので、とても便利だ。

あんまさ:本当に便利ですよね、コーちんコマンド。僕はPSPの『俺の屍を越えてゆけ ご新規体験版』から遊び始めましたが、とにかく要素が多いゲームなので、どんなリズムで遊べばいいのか最初は戸惑いました。“短命(たんめい)の呪い”で2年ほどしか生きられないと言われても、「だからどうすればいいの?」って感じで……。

 手探りで遊んでいくうちに、“種絶(しゅぜつ)の呪い”で人間との間に子を成せないことを把握して、だからこそ神様との“交神の儀(こうしんのぎ)”でより強い子どもを作っていくというゲームの流れがわかった時には、ちょっと感動しました。ああ、ものすごく設定とゲームシステムが密接にかかわっているゲームなんだな、と。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲『俺屍2』から登場するコーちん。手厚いサポートで一族の助けとなってくれるので、初心者でも安心!

そみん:その部分は『俺屍』の大きな魅力ですけど、その一方で初めて遊ぶ人にとっては少し敷居が高く感じる部分だったのかもしれませんね。

おふ:たぶん、その敷居の高さを取り払ってくれたのがコーちんの提案なんじゃないかと。交神の儀で子どもを成すタイミングとか、コーちんが全部決めてくれるから、悩んだことがなかったですからね。むしろ、いろいろと遊び方がわかってきた最近のほうが、どんなタイミングで家族を増やすか悩んじゃうくらいで(笑)。

あんまさ:それはうらやましい! でも確かに、コーちんの提案が便利なのは間違いないですね。PSPでのリメイク版から遊び始めた自分としては、『俺屍2』のチュートリアルやコーちんの提案が親切すぎて、もう昔には戻れないような気がしています(笑)。

長雨:そうなんですよねえ。今回は出撃前の準備について、ボタン1つでコーちんにまかせられるじゃないですか。個人的には全部をまかせるわけでなく、最後は自分で微調整をするんですけど、それでもとにかく便利すぎて。施設への投資もオススメしてくれるし、回復アイテムの購入もしてくれるし、いたれりつくせりで……ヤバイです。

あんまさ:自分は忘れん坊なので、前作だと、つい道具袋がいっぱいの状態で迷宮に行ってしまい、泣く泣く道具を捨てることが多かったんですよ。でも今回はコーちんが道具を蔵にしまってくれるので安心です!

そみん:コーちんはそういうところも含めて便利で頼もしいですよね。そんな感じで前作よりも遊びやすくなった『俺屍2』ですが、難易度的にはどうですか?

おふ:最近のRPGらしいと言いますか、ほどよい難易度なんじゃないでしょうか。いわゆる“死にゲー”みたいに凶悪な難易度ではなく、どちらかというと簡単寄りだと思いますが、ちゃんと歯ごたえがある鬼神も多いですし。いいバランスですね。

あんまさ:要所要所で山がある感じですね。最初は術の“併せ”で力押しができたんですけど、他国への遠征ができるようになったあたりからつまづき始めて、ちょっと難易度が上がったと感じました。

●併せとは?

 同じ術を複数人が重ねて使うことで、その威力を倍増させること。4人で併せれば8倍の効果となるため、強敵と戦う際に非常に役立つ。

長雨:でも私は、前作と比べてバトルの難易度は相対的に下がったと思います。というのも、他国への遠征ができるおかげで、普通に遊ぶよりも強い武器やキャラクターの助けを借りやすくなったからです。

●他国の遠征のメリットとは?

 他国では武器屋や防具屋といった施設を利用できる他、その国の一族を傭兵として雇ったり、養子に迎えたりすることが可能。また、結魂(けっこん)を行うことで、子どもを成すこともできる。

おふ:言われてみれば、他国の一族を傭兵に雇って無双してもらったことがあります(笑)。金額的にも意外とお得なので、すごく心強いんですよね。攻略記事を書くためにはあまり頼りすぎるわけにもいきませんけど、趣味プレイで遊ぶ時はガンガン使っちゃいそうです。

あんまさ:今回、街の投資は人それぞれ個性が出るようになっているじゃないですか。区画やお金の問題で、街のすべてをまんべんなく育てることができない分、他の国で代用しないといけないわけで。だからこそ、他国への遠征のメリットが出て、ひいては遠征が楽しくなっていると感じました。

長雨:他のプレイヤーが遠征に来て、装備品や道具を買ってくれると、ちゃんと売り上げ金の一部が入ってくるところもポイントです。本作は神様を祭ることで属性付きの装備品が店に並ぶんですけど、そうするとやっぱり売り上げがアップするのが実感できるんですよね。そうなると、どんどん売り上げを増やしたくなって、物語そっちのけで街の投資にはげむことに(笑)。

おふ:あるある(笑)。隣の芝はなんとやらで、他の人の国に行くとその国の真似をしたくなることも多いですね。幻灯屋でオシャレなフレームを見て、うらやましくなるとか。

●幻灯屋とは?

 一族の記念写真を撮れる施設。施設が成長すると、写真を飾るフレームの種類が増えていく。

そみん:電撃PSの攻略チームはガチだから、幻灯屋みたいなおまけ的な施設を育てている人は少なそうな印象が(苦笑)。

あんまさ:その傾向はあるかもしれませんね。ただ、そこは実際にゲームが発売されたら、ちょっと読み合いみたいなところが出てくる気がします。たぶん、武器屋や防具屋を重点的に育てる人が多いと思うので、逆張りで娯楽系の施設を成長させると需要が高いんじゃないか、とか。

『俺の屍を越えてゆけ2』
▲国によって迷宮や施設が異なるので、他国に遠征するメリットは大きい。

長雨:でも、先ほども話したように、祭る神様によって装備品に付与される属性が変わりますし、オンリーワンの特注装備なんかも作れるので、武器屋同士でも競合しない部分があるんですよね。

 もう、どの施設を成長させればいいのか悩んじゃうので、いっそ複数のセーブデータを使い分けて、1人でいろいろな施設をまかなっちゃおうと思ってます(笑)。

おふ:ああ、そうか。ネットワークにつなげば、自分で作った別の国に自分で行くこともできますもんね。

そみん:これまでの話をまとめると、『俺屍2』は前作を遊んでいない人でも問題なく遊べるということでOK?

あんまさ:チュートリアルが親切なので、少し遊べばコツが使えると思います。

おふ:ただ、前作を遊んでいない自分が少し後悔したのは、前作『俺屍』を遊んで物語や神様を知っていたほうが、もっと『俺屍2』の物語を楽しめたかもしれないってことです。裏設定とか自分は全然知らないので……。

長雨:そこは考え方しだいですよ。逆に『俺屍2』を遊んだ後に『俺屍』を遊べばいいじゃないですか。前作ファンの私から見て、『俺屍2』を遊んでいて前作のネタバレだと感じるところはありませんでした。前作の物語を知っていると、「ああ、これはもしかしてあのことかな?」とニヤリとできる部分はありましたが、直接的なネタバレはなかったと思います。

あんまさ:世界観がつながっているとはいえ、物語的には『俺屍』と『俺屍2』は独立していますからね。

■交神の儀のタイミングは前作より考えやすくなった!?

そみん:なんだか結論が先に出てしまった状況ですが、ここからはゆる~くプレイ感覚について雑談していこうと思います。個人的に『俺屍2』は子どもを成すタイミング、つまり交神の儀のタイミングがキモだと思っているんですが、皆さんはどんな考え方で決めていますか?

おふ:あまり難しく考えていません。1歳6カ月くらいになると健康度が目に見えて下がってくるので、その前後で交神させています。

●健康度とは?

 寿命と直結する重要なパラメータ。ダッシュをして体力が低下した状態だったり、奥義を使ったりすると下がり、特に体力がなくなって戦闘不能になると大きく下がる。年齢が高くなるほど回復しにくくなり、ひいては寿命で死にやすくなる。

そみん:自分も前作を遊んでいる時はそんな感じでした。血筋が絶えそうになったら、うまく補充する感じですね。あんまささんは?

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲どんなに健康度に気を付けても、人間はいつしか死んでいく。その際に残す遺言も『俺屍2』ならではの“味”の1つだ。

あんまさ:『俺屍2』では特定の月に行われる“百鬼祭り(ひゃっきまつり)”が非常に重要なので、そこを逆算して、一番下の子でも4~5カ月たっている状態で入れるように調整して交神しています。百鬼祭りの時はつねに“熱狂の赤い火”の状態なので、そこで確実に戦利品を稼ぎたいじゃないですか。

●百鬼祭りとは?

 物語が進むと出現する特殊な迷宮。特定の月の間のみ、迷宮のどこかに入口が出現し、そこから百鬼祭りに入ることができる。

 百鬼祭りでは物語に深くかかわる“祭具”が入手できる他、その探索中は必ず、後述する“熱狂の赤い火”となることもポイント。アイテム集めに非常に役立つ場所となっている。

●熱狂の赤い火とは?

 画面右下に表示された火時計の火が赤い時のこと。この状態の時は音楽が激しい祭囃子となり、鬼たちも踊り始め、まさに“熱狂”の名にふさわしい状態となる。

 もっとも大事なのは、この状態の時は希少な戦利品が入手しやすくなること。武器や防具はもちろん、術を覚えられる巻物や、神様を解放できる希少なアイテムなども登場しやすくなるので、この間は積極的に戦闘をすることがセオリーとなる。

そみん:なるほど! それはちゃんと逆算することが大事ですね。でも、そうなると同じ月に生まれる子どもが増える気が。

長雨:百鬼祭りは人によって時期が異なるので、そんなにかぶることはないですね。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲アップテンポな音楽でテンションが上がる百鬼祭り。希少な戦利品も入手しやすくなるので、その意味でもテンションアップ!

あんまさ:ええ、遠征先の百鬼祭りの時期は国ごとに違うので、運がいいと毎月どこかで百鬼祭りがおこなわれていて、逆に交神のタイミングに悩むこともあります(笑)。

そみん:むむ。それは確かに悩みどころですね。ちょっと管理が面倒くさそうな。

長雨:そこは大丈夫です。今回は3カ月先までの予定が見られるようになったので、逆に前作よりも管理しやすくなったと思います。

 私の場合は今回、かなりコーちんにまかせているんですけど、けっこう絶妙な時期に絶妙な神様をオススメしてくれているので、すごく頼りにしています。ただ、ゲームが進んで特注装備を育てられるようになったら、形見分けの問題もあるので、けっこうギリギリのタイミングで交神をして、若いうちから特注装備を継承できるようにしようと思っています。

 前作は256人目を生んだ時に強制エンディングだったので、あまりポンポンと生むのはためらっていたんですけど、『俺屍2』は1,000人もの一族を作れるようになったので、早めのテンポで継承をしていっても問題ないはずです。

●特注装備とは?

 所有者以外は装備できない、特別な装備。ただし、所有者が死亡した場合は、形見分けによって他の一族が継承できる。この装備は継承を重ねることで成長し、新たな能力が追加されることもある。

 PSP版『俺屍』では刀しか作れなかったが、『俺屍2』ではすべての武器と防具を作成できるようになった。

そみん:まあ、そもそも前作でも256人もの一族を作るまで遊ぶ人は一部だった気がしますけど(笑)。

長雨:いやいや、意外と多かったですよ。『俺屍』は延々と遊ぶのが楽しいゲームだったので。

 さておき、前作でも夏の白骨城や冬の大江山、3月と8月の討伐隊選考試合など、期間限定の迷宮やイベントにあわせて交神をすることが大事でしたけど、今回もそういう部分があると思いますよ。

おふ:なるほど、勉強になります。これからは交神の時期をもうちょっと考えねば。

『俺の屍を越えてゆけ2』
▲より強い神様ほど、より多くの奉納点が必要になる。

そみん:とはいえ、いきなり双子が生まれたり、ちょっと奉納点が足りなかったりと、せっかくの計画がうまくいかないことも多いんですけどね(苦笑)。

長雨:そういう予期せぬドラマも、『俺屍2』のおもしろさだと思います!

■強大な“鬼神”を解放することも『俺屍2』の楽しみの1つ!

そみん:『俺屍2』では神様が鬼神(おにがみ)となって、プレイヤーの敵になることがあるじゃないですか。周りの人と話したところ、プレイヤーごとに異なる鬼神が出現しているみたいなんですが、あれってランダムなんですか?

長雨:完全にランダムかはわかりませんが、少なくとも遊ぶ人によってかなり違いはあるみたいです。ただ、ねうねう亭だと猫系の鬼神が出やすい気がしているので、ある程度は迷宮と鬼神の組み合わせはあると予想しています。

 あのですね、最初から交神できる神様より、敵対する鬼神として登場した時のほうがエピソードを楽しめるので、ちょっと悩ましいところがあるんですよ。前作で人気があった神様もたくさん登場するので、早く交神を楽しみたいと思う反面、鬼神としてのエピソードも楽しみたいな、なんて感じで。

あんまさ:鬼神戦でのセリフはおもしろいですよね。僕は牛みたいな“八坂牛頭丸”(ヤサカゴズマル)の「ウシが鳴くからモウ帰る」というセリフがツボで、ついつい交神相手に選んでしまいました。

おふ:神様の獣耳が遺伝したりと、外見の遺伝もあるので、どんな神様と交神するかは悩みますね。あと、交神できるようになる前に鬼神戦でエピソードを見た神様のほうが愛着がわきやすいです。

長雨:私は前作から“やたノ黒蝿“(ヤタノクロハエ)推しだったので、ずっと追いかけて神社に祭っています。“九尾吊りお紺”(クビツリオコン)みたいに、前作でもおなじみの神様と会うと懐かしい気持ちになりますね。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲前作にも登場した神様たちが敵として立ちはだかる。特定の条件を満たすと天界に戻り、交神できるようになる。

そみん:おぼろ幻八は最初から交神できますか? それとも、鬼神として現れる?

長雨:人それぞれみたいです。だからこそ、前作以上に交神の相手はプレイヤーそれぞれで違いが出るはずですね。

そみん:すごく素朴な疑問なんですけど、イチオシの神様の鬼神のエピソードが見たいのに、最初から交神できる状態だったらどうします?

おふ:ゲームを遊んでいる感じだと、わりと不定期に動く感じなんですよ。一度解放して交神できる状態になっても、とある事情でまた鬼神になることもあるので、気長に遊ぶのがよいかもしれません。

そみん:ちなみに前作だと、神様を解放して天界に戻す条件には複雑なものも多かった印象がありますが、今回はどうですか?

あんまさ:神様によりけりですが、迷宮で戦う鬼神の場合は基本的に何回か倒せば解放できるので、かなり遊びやすくなった気がします。

長雨:その一方で、一族の何人かが同じ術を覚えているとか、特定のアイテムを入手したとか、前作と同じ感じで特殊な条件を満たす必要がある場合もあります。ただ、前作と違って神様を解放した時に、“●●の条件を満たしたので解放しました”といったメッセージが出るので、プレイヤー同士で情報交換をしやすくなったと思います。

おふ:ちなみに『俺屍2』の場合、1つの条件を満たすと、同時に複数の神様の解放条件を満たすこともあるので、わりといいペースで神様を解放できる気がします。もちろん、全神様を解放するのは大変だと思いますけど。

長雨:どうやら1柱の神様について複数の解放条件が設定されているようなので、前作よりも神様を解放しやすい印象を受けました。

あんまさ:とはいえ、解放した時に「え? これが条件だったの!?」と驚くことも多かったです。

長雨:TwitterなどのSNSでの情報交換が捗りそうですね。

■一族の名前へのこだわりや初期の職業編成について

そみん:ある意味で『俺屍2』の最重要なこだわりポイントとなる、一族の名前や初期職業についても話をしていこうと思います。

長雨:人によっては、ゲーム開始時の当主作成だけで1時間以上かけますからね(笑)。

おふ:そうなんですか! 自分はフィーリングだけで決めたので、3分もかからなかったかも。

あんまさ:僕も『俺屍』初体験となる前作の体験版の時はそうでした。名前は委任で勝手に決めてもらい、職業も指南書が手に入ったものから適当にやっていました。

 ただ、以前の座談会で『俺屍』好きの先輩方から「名前にはこだわるべし!」みたいな教えをいただいたので、今回はちょっと意識してみました。具体的には、自分の本名から“安(あん)”と“正(まさ)”の漢字を取って、そこから初代は“安斎 正吉”とつけました。その子孫には“政”や“雅”など、同じ読み方をする感じで名前をつけています。

 なんと言いますか。やっぱり自分でルールを決めて名前を考えていくと、思い入れが強くなって楽しいですね。

おふ:なるほど。自分も次に遊ぶ時はちょっと意識してみようかな。

長雨:私は今回、3兄弟でスタートするので名前の頭に“雪月花”とつけました。一族の子孫には“雪月花”の漢字を継いで“月乃”とか“花火”とか、そういう感じでつけています。

 初期職業は踊り屋と大筒士と薙刀士です。やっぱり範囲攻撃を使える職業がすごく扱いやすいんですよね。トータルで言ったら防御面に相当問題があるんですけど、大筒士の散弾型を使った全体攻撃がすごく好きなので。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲攻撃力が高い単発型と、広範囲を攻撃できる散弾型を使い分ける大筒士。

そみん:僕も体験版では大筒士を使ったんですが、鬼神戦で火力が足りるのかちょっと不安でした。

長雨:鬼神戦は、単体攻撃のかわりに攻撃力が高い単発型に持ち替えればいいだけの話なので。装備品を複数持ち込んで、状況に応じて使い分ければ、火力面では問題ありませんね。

おふ:自分はとにかく物理攻撃に特化するのが好きなので、壊し屋をメインに薙刀士と大筒士を選びました。ただ、ちょっと計算外だったのは、ザコ戦については薙刀士と大筒士の範囲攻撃が優秀すぎて、壊し屋がまったく役に立たないという(笑)。

あんまさ:ああ~。なんだか状況が頭に浮かぶ気がする(笑)。壊し屋って博打性が高いというか、攻撃もよく外しますしね。

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▲空振り率は高いが、当たれば大ダメージを与えられる壊し屋。奥義もとても強力なものとなっている。

おふ:そうそう。なかなか行動順番が回ってこないわりに、攻撃をするとミスするという(苦笑)。ただ、強大な鬼神戦などではしっかりと見せ場を作れることが多いので、壊し屋っておもしろい職業だなと思います。

あんまさ:なるほど、鬼神戦とザコ戦を分けて考えることもよさそうですね。自分の場合はザコ戦での効率を重視して、薙刀士、踊り屋、槍使いをチョイスしました。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲前後の敵を貫く槍使い。敵の物理攻撃を完全無効化する強力な奥義を秘めている。

そみん:攻撃範囲が広い職業ばかり! それでも鬼神戦はなんとかなっていますか?

あんまさ:立ち回りしだいですが、なんとか。まだ奥義を覚えていないので、ちょっと火力不足に感じることもありますけど。

長雨:特に中盤くらいから顕著なんですけど、前作に比べると鬼神の体力が多い印象があるので、火力は大事だと思います。ただ、今回は戦闘中に敵が増援を呼ぶことが多いので、鬼神戦での範囲攻撃の重要性も増している気がするんですよね。ううん、悩みどころです……。

そみん:なるほど。ただ、単体攻撃がメインになるとはいえ、剣士、弓使い、拳法家も使いやすいと思うんですよね。

長雨:まあ、たまたま範囲攻撃が好きなメンバーがそろっただけだと思います(笑)。剣士は防御力の高さから安定性があり、一族の当主の代表格として人気が出ると思いますよ。拳法家は俊敏が高いのでやたらと攻撃の出番が回ってきますし、相手の術以外の攻撃をよく回避するので、かなり優秀です。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲前作では初代当主の職業だったこともあり、当主の代表格ともいえる剣士。今作でも安定したステータスと使いやすさが魅力だ。

あんまさ:弓使いも攻撃力が高くて、前列後列のどこでも狙えるのが魅力的なんですけど、なんとなく範囲攻撃の強さに目がいっちゃうんですよね。ただ、奥義を使えるようになると弓使いの有用性は高くなると思います。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲後列の敵に対しても安定したダメージで攻撃できる弓使い。

長雨:今回の話はあくまで奥義を使えるようになる前の所感ですからね。例えば槍使いは、敵の物理攻撃を無効にする奥義を覚えるので、安定性を重視する人は槍使いを重視すると思いますし。

そみん:確かに自分も、前作では槍使いの防御系の奥義にお世話になりました。ちなみに職業って、どのあたりから増えていきます?

おふ:自国だけの状態では、職業が増える指南書は手に入りませんでしたね。遠征先での戦利品で見かけるようになりました。

そみん:基本職業は8種類ですが、全部そろいましたか?

あんまさ:いえ、全然。僕は、まだ1種類増えただけで、4種類ですね。

長雨:私も4種類です。

おふ:自分は5種類ですけど、実際に使っているのは3~4種類くらいです。いい武器を買って子どもに受け継がせている現状ですと、無理に職業を増やす必要性は感じないので。

そみん:前作では最初に使える職業が剣士、弓使い、薙刀士と固定だったので、新たな職業を手に入れたら試しに使ってみるような感じでしたね。あとは今回、陰陽士(おんみょうし)として仲間になる夜鳥子(ヌエコ)の立ち位置がよくわからないのですが、どんな感じですか? 例えば、交神の儀を行った際に、本来生まれてくるはずの子どもと入れかわって生まれてくるとか?

おふ:いやいや、そんなことになったらいろいろと計画が狂います(笑)。物語が進むと仲間になるんですけど、交神の間に“夜鳥子転生”というコマンドが出てきて、それを選択すると2カ月後に転生して復活するような流れですね。基本的には一族の一員という扱いなので、屋敷内での枠は1つ使うことになります。

『俺の屍を越えてゆけ2』
▲陰陽士の夜鳥子は一族としてさまざまな手助けをしてくれる。ストーリーにどうかかわってくるのか注目しよう。

そみん:夜鳥子は物語本編にも大きくかかわるようなので、楽しみですね。もう1つの新職業となる鬼頭(おにがしら)はどうでしょうか?

あんまさ:名前を失ったり、家系図から抹消されたりするかわりに強大な力を手に入れられるという、ある意味で厨二病的な熱い設定の職業ですね。職業の入手方法などは秘密ですが、プレイヤーが命令できないバーサーカー系とのことです。

『俺の屍を越えてゆけ2』
▲さまざまな代償を払うことになる鬼頭。一族の男性のみがつくことができる。

長雨:人間を捨ててしまう職業ということで、個人的には使うかどうか悩んじゃいます。式神を召喚する陰陽士はかなり個性的なので、ぜひ積極的に使っていきたいんですけどね。式神を武器のように身にまとうグラフィックとか、すごくかっこいいですし。

おふ:でも、寿命が近い一族が最後にひと花を咲かせるという感じで、鬼頭もおもしろい気が。強大な鬼神相手に鬼頭がトドメを刺して、そのまま寿命で永眠とかしたら、なんだかドラマチックで熱いんじゃないかと。

そみん:『俺屍2』からの新職業はどちらも尖った特徴を持っていて、使うのが楽しみです!

■前作から継承した『俺屍』らしさと『俺屍2』ならではの新要素が絶妙にブレンド

そみん:これは前作を遊び込んだ長雨さんを中心に聞きますが、前作ともっとも異なる点はどこだと思いますか? 先ほどは“コーちんの提案”の話題などが出ましたが。

長雨:そうですね。コーちんの提案に代表されるように、チュートリアルやプレイヤーのサポート機能が充実したことは大きな変化だと思います。

 ただ、もっとも大きな変化となると、やっぱり他国への遠征でしょうね。さっきも話題に出ましたけど、今回はプレイヤーによって出現する迷宮や鬼神が違い、投資による街の成長具合も異なるので、他の国へ遠征することが楽しいですし、メリットも大きいです。

あんまさ:ゲームの進め方も、ちょっと前作と違いますよね。前作はとにかく各迷宮の奥でボスを倒せば物語も進んでいく仕組みでしたが、『俺屍2』の場合は百鬼祭りの攻略が重要となるので、迷宮の最奥部を目指さなくてもいいですし。

長雨:そもそも迷宮の広さや仕掛けが、前作とは段違いです。前作だと、敵を避けて進む前提で、かつ“速瀬”(迷宮で使用すると移動速度が上がる術)やダッシュを使うことで、なんとか1カ月内に迷宮の一番奥まで行けなくもないくらいのバランスだったと思うんですけど、今回はかなり厳しいです。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲迷宮がより本格的になり、遊びごたえがアップした。無理に奥を目指さなくても物語は進むが、頑張って先に進むことに対するメリットも大きい。

あんまさ:今回、迷宮は大きく考えて3エリアくらいの構造になっていることが多いんですが、2つ目のエリアに到着した時点で火時計の炎が1個か2個くらいしか残っていないことがあります。

長雨:そういう意味では、迷宮に挑むスケジュールを管理する感覚がかなり変わったと思います。百鬼祭りの攻略についても、序盤は当月に迷宮に挑んで百鬼祭りの入口に入る流れでなんとかなりますが、ある程度ゲームが進むと、1カ月前から迷宮に入って百鬼祭りの入口を目指し、月が変わったらすぐに百鬼祭りに挑めるようにしないと厳しいこともありますからね。

おふ:個人的には、同じ迷宮でもプレイヤーの国ごとにマップが違うのが大変です。いろいろな国で遊んでいると、マップのつながりの記憶がごっちゃになって、迷子になることもありますから。

そみん:そういえば、前作ってマップ固定でしたっけ? 前作からすでに、いくつかパターンがあった気がしますが。

長雨:複数パターンがありましたし、季節によってギミックが変わる迷宮はありましたけど、エリア自体はそんなに変わらなかったと思います。

おふ:『俺屍2』の場合は、ランダムというわけではなく、1回その迷宮に入ったら何度入っても同じ構造になります。ただ、人それぞれで違う構造になるので、すべての構造を覚えきれる気はしないですね(笑)。

あんまさ:色が違う温泉に入ってワープするギミックによる移動もあるので、なかなか覚えきれません。

長雨:その国の人と知り合いなら、その迷宮に関する情報提供を受けると遊びやすくなるとは思います。ギミックに関しては道中にある立札とか、道先案内人の“黄川人”(きつと)さんとかがちょいちょいヒントをくれますので、それを聞き逃さなければちゃんと進めるレベルの難易度ですけどね。

『俺の屍を越えてゆけ2』
▲前作に引き続き登場する黄川人。迷宮攻略のヒントをくれることも。

そみん:ゲームバランスはちょっと変わったみたいですね。

長雨:大枠のシステムは同じなんですけど、ちょっとしたシステムの変化によって、前作とは異なる遊び方や楽しみ方ができている感じですね。例えばお金ですけど、『俺屍2』では投資することもあって、前作ほどお金がたまらないんですよ。七光りの御玉(ナナヒカリノミタマ)や陶器とかは売ってお金にしています。

●七光りの御玉とは?

 神様や氏神との子どもが生まれると入手できる道具。戦闘中に使用すると親となった神様や氏神が現れて、特殊な効果を発揮する。元服後の者、結魂や転生で生まれた者、養子や傭兵は使えない。

あんまさ:自分は特に、投資はコーちんにおまかせしちゃうことが多いので、すぐにお金が……。

長雨:投資は計画的に!

おふ:でもまあ、序盤の資金源は限られますからね。宝箱に潜んでいる敵は茶碗みたいに売却額が高いものを落とすので、宝箱を開ける時は「敵が出てこい!」と祈っています(笑)。

あんまさ:あと、プレイ感覚という意味では、前作の御前試合と比べて、『俺屍2』での奉納試合での敵がすごく強くて驚きました。術の併せを駆使すれば大丈夫かと思ったのですが、かなり敵の頭がよくって、あっさり負けてしまいました。

●奉納試合とは?

 年に何度か、トーナメント形式で行われる大会のこと。勝つと賞金や賞品がもらえる。

そみん:なるほど、前作では経験値の稼ぎ場所みたいなものでしたが、今回は準備が必要なんですね。いろいろと話を聞いた感じだと、前作では1人プレイで完結していたところが、『俺屍2』だといろいろな国の迷宮や街を活用するとより楽しめるという、新たな遊びが導入されたところが大きな違いとなるようですね。

長雨:ちょっと補足をすると、『俺屍2』が1人プレイに向いていないということではないんですよ。ネットワークにつながなくても、ゲーム内には他国が多数存在していますし、別に複数人で協力プレイをするわけではありませんから。

 1人でじっくり遊ぶRPGとして完結した内容でありながら、他国への遠征や他のプレイヤーとの交流を行う要素も付加されている感じですね。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲他家と交流試合を行うことで家紋を入手できる。こういったコレクション要素も豊富に用意されている。

そみん:ああ、早く『俺屍2』を遊びたい。仕事ではなく、趣味として!

あんまさ:今回も本当におもしろいですよ。桝田省冶さんがどんなどんでん返しなシナリオを用意してくれているのか、とても楽しみです。前作の中盤以降の展開にはいろいろと衝撃を受けたので、『俺屍2』もワクワクしながらプレイしようと思います。

おふ:早くゲームが発売されて、より多くの人と一緒にプレイしたいですね。自分は武器屋だけに投資しているので、ぜひ皆さんに我が“おふ国”に来ていただいて、武器を買いまくってほしいです。

長雨:私は前作でほぼ全部の神様を解放したんですけど、逆に言うと神様の解放をコンプリートしたことはないんですよね。今回は鬼神戦で語られるエピソードが魅力的なので、頑張ってコンプリートを目指したいです。前作で好きになった神様のエピソードも楽しみたいですしね。

そみん:製品版へデータを引き継げる『俺屍2 体験版(ゲーム冒頭編)』を遊んで、『俺屍2』への準備をしておきます!

『俺の屍を越えてゆけ2』
▲一族に待ち受ける試練。宿敵である阿部晴明の打倒を果たすべく、データ引き継ぎ可能な体験版を遊びながら発売日を待とう!

[CHECK]セーブデータを引き継げる『俺屍2』体験版が配信中!

 『俺屍2』のゲーム冒頭を遊べて、セーブデータを製品版に引き継げる『俺の屍を越えてゆけ2 体験版(ゲーム冒頭編)』が配信中。最初の1年をしっかりと遊べるので、ぜひプレイしてみてほしい。

 そして、7月16日までの期間限定で前作『俺屍』をエンディングまで遊べる『俺の屍を越えてゆけ ご新規体験版 ~俺屍2の前にバーンとォ!遊んでみましょ~』が無料配信中。ぜひこの機会にダウンロードしてみては?

 また、『電撃PlayStaiton』の記事担当スタッフ3人が自分たちの一族を立ち上げてゲームをプレイし、その様子をTwitter(@DPS_Oreshika2)でお届けしている。


[CHECK]7月17日(木)21時より、『俺屍2』特番を配信!!

 『俺屍2』ファン必見の特別番組を、ソフト発売日の7月17日の21時よりニコニコ生放送とYoutube Liveで配信します! 番組名は、“『俺の屍を越えてゆけ2』公式生放送:みんなで「わっしょい!」 『俺屍2』発売記念・電撃一族の遠征祭り<電撃オンラインch>”です。

 ゲストにSCEの制作スタッフや桝田省治氏、司会にタレントの椿姫彩菜さんを迎えて、『俺の屍を越えてゆけ2』の魅力をたっぷりとお届けしていきます!

ニコニコ生放送での
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Youtube Liveでの
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