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2014年7月4日(金)

『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』声優陣にインタビュー! 渕上舞さん&吉岡麻耶さんに見どころを聞いてみた

文:さくたろう

 7月5日より全国の劇場でイベント上映されるOVA『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』。本作に出演する渕上舞さん&吉岡麻耶さんのインタビューをお届けしていく。

『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』

 『ガールズ&パンツァー』は、戦車を使った武道“戦車道”が、乙女のたしなみとされている世界を舞台にしたTVアニメ。フツーの女子高生を夢見つつも、戦車道と深いかかわりを持つ少女・西住みほを中心に、戦車道にまい進していく少女たちの姿が描かれていく。

 7月5日より全国の劇場でイベント上映されるOVA『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』では、TVアニメでは見ることができなかったアンツィオ高校との戦いが楽しめる。

 インタビューでは、渕上さんと吉岡さんに本作の見どころや、『ガールズ&パンツァー』という作品にどういう思いを抱いているのかなどを語っていただいた。イベント上映を楽しみに待っているファンは、ぜひチェックしてもらいたい。

『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』
▲吉岡さん(写真左)と渕上さん(写真右)。

――7月5日から『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』のイベント上映が始まりますが、アフレコを終えてみていかがでしたか?

渕上さん:『ガルパン』はとても長いコンテンツになっていて、この作品に参加させていただいてもう3年目です。アニメ本編を収録していたのは一昨年くらいで、かなり前のことのように思います。ですが、ゲームやCMなど、いろいろな形で“みほ”というキャラクターと離れることはありませんでしたね。

 アフレコについては、アニメの『ガルパン』はかなり久しぶりで、不安がありました。セリフのスピード感についていけるのか、キャラクターとして動いてしゃべっているみほになれるのか、などの不安がありました。特に、『これが本当のアンツィオ戦です!』はプラウダ高校と戦う前の話ですので、キャラクター同士の距離感が少し違っていたりもします。そうした部分をうまく表現できるのか、アフレコ前はとにかく心配でした。

 ですが、いざ収録が始まってみると、ついていくのに必死で、本編を収録していた時とあまり変わりませんでした(笑)。声を合わせるという技術的なところもそうですが、お話の中でキャラクターになりきることに必死でした。アフレコ前にいろいろと心配したおかげかもしれませんが、一生懸命演じることができて、とてもいいものができたんじゃないかと思います。

吉岡さん:OVAのアフレコは、本編が終わってだいぶ時間が経っていましたので、久しぶりに皆と会いました。スタジオの中にたくさんキャストが入っていて、「あ~、『ガルパン』のアフレコなんだ」と実感しました。それとともに「ただいま」という気持ちもありましたね。

 『これが本当のアンツィオ戦です!』はいつも演じている近藤妙子ちゃん以外に、アンツィオ高校のアンチョビを演じさせていただきました。これまでもゲームなどでアンチョビを演じることはありましたけど、アニメでしっかりとアンチョビを演じるのは、OVAが初めてなんです。どういうふうになるのかドキドキしましたが、監督からの指示に応えられるようにがんばりました。アフレコが始まってみると、アンツィオ高校のキャラクターを演じる他のキャストと一緒に盛り上がることができて、ワイワイと楽しい収録でした。

――『ガルパン』はキャラクターが多数登場するイメージがありますが、OVAでも大勢の声優陣が集まったみたいですね。

渕上さん:大洗女子だけでもスタジオがパンパンだもんね(笑)。アンツィオ高校でメインに登場するキャラクターはアンチョビを含めて3人ですけど,アンツィオ高校全体としてはいろんな人が兼役で登場しています。

吉岡さん:『ガルパン』はいつもお菓子の差し入れがあるんですよ。休憩時間に「あのお菓子美味しかったね~」なんて話すところが、女子校っぽくて楽しいんですよ。

渕上さん:TVアニメの収録から時間が経っているので、忘れていることもあるんです。でも、スタジオに入って大勢のキャストの皆さんに会ったり、休憩室にたくさん置かれているお菓子を皆で分けて食べたりすることで「そうだ『ガルパン』ってこんな現場だったな~」って思い出して懐かしくなりました。

吉岡さん:大洗チームは人数が多いので、収録時に座る場所がほぼ固定なんですよ。私が座っているところは両隣がバレー部のメンバーなんです。菊地美香さんに会った時も「キャプテン~!!」って呼んだりして、プチ同窓会みたいで楽しかったです。

――まわりに大洗のメンバーがいたとのことですが、アンチョビのシーンになると……

吉岡さん:すごく緊張しました!(笑)

渕上さん:後ろから見ていてもわかるくらいに緊張してましたよ(笑)。

吉岡さん:アンチョビが最初に話すシーンは、アンツィオ高校のメンバーに檄(げき)を飛ばすシーンなんです。「これがアンチョビ!!」というところを見せなければ……と意気込んでいたこともあって、最初のセリフは特に緊張しましたね。

――TVアニメでは一瞬しか描かれなかったアンツィオ戦ですが、こうしてアンツィオ戦が映像化したことについてはどう思いますか?

『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』

吉岡さん:アンチョビを演じている私としては、とてもありがたいことだと思います。ファンの皆さんが『ガルパン』を愛してくださって、アンツィオ高校のお話も見たいと声を上げてくれたからこそOVAが実現したんだと思っています。とてもうれしいですね。

渕上さん:ファンの皆さんへの気持ちはまったく同じですね。本当にありがたいことだと思います。また、個人的にもアンツィオ高校のエピソードを見ることができるのはとってもうれしいです。『ガルパン』は原作がありませんので、TVアニメの収録でも台本をいただくたびに「次はどうなるのかな」とワクワクして、視聴者の皆さんと同じように毎週楽しみだったんです。アンツィオ戦の時は、私たちもなにがどうやって勝ったのかわからなくて(笑)。

吉岡さん:アイキャッチにも出てきたり、かなり目立ってたからね(笑)。

渕上さん:「どういう試合だったのか気になるよね」と、当時も出演陣で話していました。こうして改めて見ることができる機会ができて、本当によかったです。

――アンチョビはどのようなキャラクターなのでしょうか?

吉岡さん:アンチョビは、アンツィオ高校で“統帥(ドゥーチェ)”と呼ばれています。いわゆるリーダーで、校内でもすごいカリスマ性を発揮しているんです。生徒たちから「ドゥーチェ! ドゥーチェ!」って連呼されるくらい慕われているんですよ。劇場本予告にも、ちょっぴりそんなシーンがありましたね。アンツィオ高校はノリがいいというか、ちょっぴりヤンキー風なところがある高校なんですけど、そこでリーダーをやっているだけあって、ノリや勢いがあるキャラクターだと思いました。

■動画:OVA『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』劇場本予告

吉岡さん:かわいらしいというよりも、男前なイメージなんです。見た目はくるくる巻きのツインテールなんですけど、「私についてきなさい!」と言いそうなところがある女の子ですね。戦車の名前や掛け声もイタリアのものが多いので、ご覧になる際には注目してください。

――渕上さんから見て、アンチョビはどんなキャラクターでしょうか?

渕上さん:ちょっとヤンチャですごく愛されているキャラだと思います。

吉岡さん:ちょっぴり悪そうなところもあるけど、かわいいんだよね(笑)。

渕上さん:そうそう(笑)。本編でも悪そうな顔でムチを持っているし、あまりきれいな言葉でしゃべらない。それなのに、なぜかかわいらしいんですよ。それと、お話が進んでいくに連れて、どこか抜けている部分が見えてくるんです(笑)。そういう一面を見ると、「あ、アンチョビって実はいい子なんだな」と思えるところがあります。

 『ガルパン』のライバルキャラって、もちろん敵というポジションではあるんですけど、憎めないところがあって、次第にかわいく見えちゃうんですよね。アンチョビも最初は悪く見えると思いますけど、最後まで見た後は、アンチョビが好きになっている人も多いんじゃないかと思います。

――OVAで注目してもらいたいキャラクターは誰でしょうか?

吉岡さん:アンチョビもイチオシではあるんですが、新しく登場するカルパッチョとペパロニにも注目してほしいです。カルパッチョはおっとりした、アンツィオ高校の中では珍しい感じのキャラクターです。アンツィオ高校の人たち基本的にノリと勢いで押しきっちゃうタイプばかりなんですが、副官のカルパッチョは、冷静で頭脳派ですね。

 ペパロニは、そんなカルパッチョとは対照的にアンツィオ高校らしいキャラクターですね。結構ツッコミどころがあるアンチョビの発言に対して「ネエさん頭いいっすね!」とすぐに感激しちゃうちょっとおバカでパワフルなキャラクターです。彼女たちに注目してもらうことで、アンツィオ高校の魅力が伝わるんじゃないかなと思います。

『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』 『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』
▲カルパッチョ▲ペパロニ

渕上さん:OVAはアンチョビたちとの戦いがメインではあるのですが、“ある人とある人の意外な関係”が明らかになったりもするので、人間関係にも注目して見てもらえるとおもしろいんじゃないかと思います。

――アンツィオ戦では、あんこうチームはどんな活躍を見せるのでしょうか?

渕上さん:あんこうチームは……いつもどおりですね(笑)。本編では大洗女子が優勝しているわけですけど、OVAではまだ初戦を勝ち抜いた後なので、大洗女子がまとまりきれていないんですね。なので、結構バラバラなところもあります。

 皆さんも、大洗女子が優勝することはご存知だとは思いますが、それを忘れて、「大洗女子にもこんな時期があったよね」と楽しんでもらいたいです。我が子の過去を懐かしむような(笑)。そういう感覚が芽生える作品だと思っています。

吉岡さん:まだまだ見ていて不安なところもありますが、「これから強くなっていくんだろうな」と感じてもらえるんじゃないかと。

――OVAを見た後に、改めて本編でその続きを見るというのも、楽しそうですね。

吉岡さん:そうですね。OVAを見ていただければ、本編でアンチョビがどうして「う~~」とうなっていたのかわかると思います(笑)。

――今回の戦車戦の見どころは?

吉岡さん:バレー部としては、はっきゅん(八九式中戦車)の活躍を見ていただきたいですね。アンツィオ高校には小さな豆戦車も多くて、その小さな戦車と八九式の対比がすごくいいんです。八九式自体はそれほど強い戦車じゃありませんけど、このOVAだと「はっきゅんって本当は強いんじゃないの?」と錯覚を起こすくらい、すばらしくカッコよく描かれています。

渕上さん:はっきゅんがカッコいいシーンは、スピード感もあってすごくいいところです。それと、個人的には“接近戦”に注目してもらいたいです。本編では、遠くから狙いを定めて撃ったり、作戦を立てて相手とどうにか戦ったりって展開が多いんです。でもOVAでは“接近戦”のシーンがあるので、すごく迫力があるものが見られると思います。

――これまでの戦車戦とは違う戦いが見られると。

吉岡さん:そうですね。もちろん結果はわかっているんですけど、ドキドキする戦いが楽しめると思います。これはぜひ、劇場の大きなスクリーンで楽しんでもらいたいと思います!

――お気に入りのシーンは?

吉岡さん:アンツィオ高校がどんな学校なのかよくわかるシーンがいっぱいあるんですね。いろんな食べ物を食べるシーンや生徒たち、保有する戦車などなど……。そういうシーンに注目してご覧いただきたいですね。アンチョビはそもそも名前が食べ物ですし、カルパッチョもペパロニも食べ物の名前です、アンツィオ高校は食にこだわっている学校で、収録が終わったら皆が「カルパッチョが食べたいね」と言い出すくらい、食欲がそそられます!(笑) ストーリーはもちろん、そういうシーンにも注目してください。

渕上さん:私も食べ物が出てくるシーンは好きですね。描写にスタッフの皆さんの本気を感じました(笑)。

――みほの出てくるシーンだと、どこでしょうか?

『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』

渕上さん:私はみほのセリフで好きなものがありまして「それでは、皆さんの健闘と幸運を祈ります」というセリフなんです。本編でもそうですけど、戦車戦が本格的になる前にみほが作戦を立てて、「~~チームはこうしてください」と、いろんな指示を出します。専門用語も多く、結構早口で演じなくてはいけないので、演じる側としては大変なんです。そうした一連のセリフの最後の“決め”のセリフで、このセリフを発した後がとても気持ちがいいんです(笑)。

 それとOVAではこのセリフを言った後の演出が……。あまり言いすぎるネタばれになってしまうのでやめておきますが、戦車戦が本格的に始まる高揚感たっぷりでゾクゾクするくらいカッコいいんです。これがどのタイミングで出てくるのか、注目して見ていただけたらと思います。

――TVアニメの放映からOVAまでを振り返ってみて、『ガルパン』についてどんな思いを抱いているのか教えていただけますか。

吉岡さん:インタビューの最初で舞ちゃんが「もう3年目」と言っていましたが、思い返せばそんなに経っているんですね。ゲームやイベントなどで『ガルパン』に携わる機会はありましたが、こうやってド~ンと大きなことができるなんて、本当に皆さんに愛されている作品だって実感します。今も再放送されていて、それを見ても本当におもしろい作品だと感じています。リアルタイムで見ていなかった人も、再放送を見て『ガルパン』に興味を持っていただけたらうれしいですし、その流れでOVAを見て、楽しんでいただければ最高です。バンダイチャンネルでも期間限定ですが7話まで無料で見られるそうですので、ぜひ7話まで復習していただいて、それからOVAを堪能してください。

渕上さん:私は初めて主人公を演じさせていただいた作品で、TVアニメの収録をしていたころは必死でした。みほと似て、私も人見知りをしてしまう人間なので、真ん中に座ることになったものの、「どうしよう?」と動揺した記憶もあります。アフレコ自体にも当時はまだ慣れていなかったので、アフレコのスピード感、難しい単語、そして戦車のついての知識が皆無だったので猛勉強しました。それだけじゃなくて、収録の時に周りの皆が話しかけてくれて、ずいぶん助けられていたんだなぁと思います。今となっては、『ガルパン』の現場はいい意味で楽な気持ちで臨める現場ですね。

吉岡さん:それはすごくわかる! OVAのアフレコの時も、ちょっとだけ同窓会みたいな気分になれましたし、バレー部チームの子たちともアフレコだけじゃなく、お友だちとして仲よくなることができたので、『ガルパン』と一緒に私たちも成長することができたと実感しています。

渕上さん:キャスティングの面で見てもそう感じることがあるんですよ。大洗女子のチームは、同じくらいの年齢やキャリアのキャストさんが多いんですね。いろんな気持ちを分かち合えたり、話題を共有できたりしたんです。それに対して対戦校のキャラクターを演じる方々は先輩たちが多いんです。大洗女子はそんな対戦校の方々と戦って成長していきますけど、私たちも先輩方に教わって成長していく感じでした。

――大洗女子だと生徒会チームのキャストさんもそういう感じですよね。

渕上さん:そうですね。前に出るのは私たちだったんですけど、当時はまだ慣れていないことがいっぱいあった私たちに、いろいろなことを教えてくれました。

――PS Vita『ガールズ&パンツァー 戦車道、極めます!』も発売されましたが、ゲームユーザーに向けてメッセージをお願いします。

吉岡さん:もちろん皆さんは限定版を購入されたんですよね?(笑) ドゥーチェとしては、ぜひ初回封入特典でアンチョビ&P40をゲットしていただいて、OVAの前に予習していただいて、アンチョビを操作した時の戦い方がはたして合っていたのか、OVAで正解を見て確かめていただけたらうれしいですね。

渕上さん:ストーリーを進めていくのもいいですけど、やっぱりこのゲームは自分で戦車を動かせるところが魅力だと思うので、ぜひ『ガルパン』の世界に入った気持ちになってプレイしてみてください。その気持ちのままOVAを見ていただけたら、さらに臨場感も増すと思います。

――最後に、OVAを楽しみにしているファンに向けて、メッセージをお願いします。

吉岡さん:皆さんのおかげでアンツィオ高校がやっと日の目を見ることができました。本当にありがとうございます。それと、久しぶりの『ガルパン』ということで、皆さんも『ガルパン』を楽しんでいただけたらうれしいです。ドゥーチェとしては、アンツィオ高校がどんなところなのか、どんな戦車が出てくるのかなども楽しんでください。

渕上さん:無事に皆さんにおとどけすることができるようで、私としても本当に安心しています(笑)。アニメ本編からはしばらくお待たせしてしまいましたけど、いろんな面であたらしい情報がぎゅっと詰まった作品になっていますので、楽しんでご覧いただけると思います。劇場に足を運ばれる方は大きなスクリーンで、ご自宅で楽しまれる方は独り占めして見ていただけたらと思います。

『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』

 なお、『ガールズ&パンツァー』公式ブログでは、7月5日の公開を記念して出演声優陣のコメントを掲載している。このインタビューに答えてもらった渕上さん&吉岡さんに加えて、茅野愛衣さん(武部沙織役)、尾崎真実さん(五十鈴華役)、中上育実さん(秋山優花里役)、井口裕香さん(冷泉麻子役)、早見沙織さん(カルパッチョ役)、大地葉さん(ペパロニ役)のコメントが掲載されているので、こちらもチェックしてもらいたい。

(C)GIRLS und PANZER Projekt

データ

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■メーカー:バンダイビジュアル
■品番:BD……BCXA-0886/DVD……BCBA-4626
■発売日:2014年7月25日
■価格:BD……7,000円+税/DVD……5,500+税
 
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