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2014年7月15日(火)

『Forza Motorsport 5』はモータースポーツファンを満足させられるの? “運転する楽しさ”を味わえるのか確かめてみた【Xbox One特集企画】

文:イトヤン

 待望の日本発売が9月4日に決定した新ハード・Xbox One。そのローンチタイトルの中から『Forza Motorsport 5』の紹介と、実際に試遊してみた感想をお届けする。

『Forza Motorsport 5』

■世界を代表するレーシング シミュレーターが、Xbox Oneのパワーでさらに進化!

 『Forza』シリーズは、世界のスーパーカーとサーキットを迫真のリアリティで再現するレーシングシミュレーターとして、現行のレーシングゲームを代表するシリーズとして知られている。

 クルマの各パーツに至るまで緻密なグラフィックで描きだされるのはもちろん、物理シミュレーションによる挙動や、実車から収録したサウンドによって表現されるリアルなドライビング感覚は、モータースポーツファンはもとより、実車を知るレーサーなどからも高く評価されてきた。そうした硬派な部分だけでなく、クルマにさまざまなペイントを施して、そのデザインをユーザー同士で共有することで、クールなデザインからいわゆる“痛車”まで作り出せるこのシリーズならではの遊びの幅の広さが、ゲームファンの人気を集めている。

 これまでに初代Xbox、Xbox 360と展開してきた『Forza』シリーズだが、Xbox Oneのローンチタイトルとして登場する『Forza Motorsport 5』は、飛躍的に向上したハード性能によって、さらなる進化を遂げている。グラフィックは1080p/60fpsで描画されている他、Xbox LIVEならではのスマートマッチメイキングによって、プレイヤーのスキルやスタイルに応じたオンラインプレイが可能になっているという。

『Forza Motorsport 5』 『Forza Motorsport 5』
▲『Forza Motorsport 5』に収録されたクルマは、外観はもちろん、パーツの1つ1つやインテリアのメーター類にいたるまで、緻密にモデリングされている。すべてのクルマは“Forzavista”モードで、ドアを開けたりしながらじっくりと鑑賞できる。
『Forza Motorsport 5』 『Forza Motorsport 5』
▲『Forza Motorsport 5』では、F1やインディカーで活躍するフォーミュラカーが、シリーズで初めて収録されている。また最新鋭のスポーツカーだけでなく、メルセデス・ベンツ300SLをはじめとする、クルマの歴史を彩ってきたクラシックカーも運転できる。

■レーシングカーの再現度はもちろん、風景や光のビジュアル表現も圧巻!

 日本マイクロソフトのオフィスにて、『Forza Motorsport 5』のドライビングを体験することができたので、その印象をお伝えしていこう。プレイに使用したのは英語版のデモバージョンだったが、発売時には当然ながら、ユーザーインターフェースは日本語にローカライズされる。

『Forza Motorsport 5』

 まずは、プレイ前のセッティングから。『Forza』シリーズでは、プレイヤーのスキルに応じてさまざまなアシスト機能を設定することで、本来は高度なドライビング技術が要求されるレーシングカーを、誰でも気軽に運転できる。この試遊では、あえてABS(アンチ・ブレーキ・システム)をオフにして、路面とタイヤが接する感覚をダイレクトに味わえるようにしてみた。ちなみにアシスト設定の項目は、前作の『Forza Motorsport 4』とほとんど変わらないようだ。

最初に運転してみたのは、本作を象徴するマシンとして、キービジュアルにも登場している“マクラーレン P1”だ。流れるような曲線を多用した特徴的なボディが、ゲーム画面でも非常に美しく再現されている。

『Forza Motorsport 5』
▲McLaren P1は、Xbox Oneのお披露目ととほぼ同時期に発売された、まさに最新鋭のスーパーカーだ。世界限定375台しか製造されないこの超高級車を、ゲームの中で自由に乗りこなすことができる!

 試遊で走行できたのは、東欧のプラハ市街を舞台にした架空のサーキットだ。『Forza Motorsport 5』には、ル・マンやニュルブルクリンクといった実在のサーキットを、ミリ単位で計測して忠実に再現したコースも収録されている。一方、このプラハサーキットでは、歴史的な建造物が建ち並ぶ町並みの中を川が流れる、美しい風景を楽しむことができる。コースを覆うように生えている木々からは、花びらがひらりと舞い落ちるところもあるほどだ。このようにレーシングカーだけでなく、背景の建物や木々までも美しく描き出せるというのは、Xbox Oneのグラフィックパワーを改めて実感できる。

『Forza Motorsport 5』 『Forza Motorsport 5』
▲プラハサーキットではレーシングカーはもちろんのこと、プラハの街に建ち並ぶ重厚な建築物も、実写さながらのリアルな表現で描き出されている。

 また、グラフィック面で特に印象的なのは、光に関する表現だ。コックピットビューで運転していると、コースの向きによっては前をまっすぐ見るのが困難になるほど、強い光が差し込んでくることがあり、そうした瞬間には逆光で白くぼけたり、色がにじんだりといった現象も見られる。

 他にも車体に周囲の景色が映り込んでいたり、フロントガラスにドライバーの姿がうっすらと反射していたりと、光や反射を強く意識したビジュアルが、ドライビング空間のリアリティを強く感じさせてくれる。

『Forza Motorsport 5』 『Forza Motorsport 5』
▲プラハサーキットでは、斜めから入ってくる光が強く感じられる。こうした光や、それによる反射の表現は、Xbox Oneのマシンパワーによるものだろう。

■肝心の“運転する楽しさ”はどうなのか?

 と、ここまでグラフィック面の向上を伝えてきたが、読者の皆さんの中には「新世代機なんだし、グラフィックがきれいになっているのは当然では?」と思っている人もいるだろう。ここからは、本作で“クルマを運転する楽しさ”が味わえたかどうかをお伝えしていこう。この試遊では、クルマを変えてプラハの街を何度か走行してみたが、その中で気が付いた点がある。それは、Xbox One ワイヤレス コントローラーの“リアル トリガー”によるリアリティだ。

 Xbox Oneのワイヤレス コントローラーでは、左右のグリップとトリガー上部にそれぞれ振動モーターが内蔵されており、トリガーを操作する際によりリアルかつ繊細な振動がフィードバックされるようになっている。『Forza Motorsport 5』の場合には、アクセルやブレーキを踏み込んだような感覚が、振動としてトリガーを通してダイレクトに伝わってくるのだ。

 ABSをオフにしているために、カーブでブレーキを踏み込み過ぎるとガガガッ! という振動が発生して、ブレーキロックを起こしてしまう。逆に言うと、指先から伝わってくる振動の感覚で、どこまでブレーキをかければいいかという手ごたえを感じ取ることができるわけだ。

 もちろん、実際のクルマのように足でブレーキやアクセルを踏んでいるわけではなく、指先でトリガーを操作しているので、実際の運転とは異なる感覚だ。とはいえ視覚のリアリティだけでなく、こうした振動によるリアリティが加わることで、“クルマのタイヤが路面を捕らえて走行しているイメージ”を、自分自身の感覚としてしっかりと味わうことができる。過去の『Forza』シリーズでも、コースアウトした際の振動などは表現されていたが、ここまで繊細かつ実用的な振動は、味わうことができなかった。これは『Forza Motorsport 5』ならではの魅力だろう。

『Forza Motorsport 5』 『Forza Motorsport 5』
▲Xbox Oneのワイヤレス コントローラーは、新振動機能“リアル トリガー”によって、トリガーを操作する際にリアルな振動が伝わってくる。『Forza Motorsport 5』ではそうした振動が、特に効果的に使用されている。

 リアリティという点ではもうひとつ、『Forza』シリーズならではの“Drivatar(ドライヴァター)”が挙げられる。これは、プレイヤーのドライビングデータをAIが学習し、オンラインでリアルタイムに対戦を行っていなくても、AIの操作するライバルカーが、まるで人間が操作しているかのような動きを見せてくれるものだ。

 このテクノロジーは『Forza』シリーズの過去の作品ですでに盛り込まれていたが、『Forza Motorsport 5』ではXbox Oneならではのクラウドによって、大幅に進化しているとのこと。試遊はデモバージョンのため、そうしたクラウドのパワーがどこまで活用されているのかは体験できなかったが、クルマによってプレイヤーカーに接近したり、逆に離れていったりと、通常のAIカーとはひと味違う動きの個性は感じられた。この点は、製品版でどれだけ体感できるか楽しみだ。

 コースの周回を終えると、運転していたクルマの全景が表示されるのだが、その際には車体に細かな泥や、車体同士の接触で受けた細かなキズなどを見ることができる。決して派手な表現ではないのが、逆にリアルさを感じるところだ。

『Forza Motorsport 5』
▲アスファルトで覆い尽くされたサーキットを走行しても、レースの後には微細な汚れや、わずかな接触による細かなキズが見られる。そうした部分も派手すぎず、だがしっかりと表現されている。

 『Forza Motorsport 5』を体験して感じたのは、『Forza』シリーズが着実に進化していること。そして、運転する楽しさを表現しようとする作り手の意志だ。ビジュアルにしても操作感覚にしても、過去の『Forza』シリーズでもすでに定評のあったところだが、この『Forza Motorsport 5』はXbox Oneという新たなハードにステージを移したことで、それぞれの要素がさらに磨き上げられ、新たな高みに到達していた。レーシングゲームファン、モータースポーツファンはもちろんのこと、Xbox Oneというハードの持つ実力を体感したいという人には、ぜひプレイしてもらいたいタイトルだ!

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