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2014年7月5日(土)

『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』では変身システムも開発中!? 緊急来日した開発者に今後の展開について直撃!!

文:くろあん

 6月26日に正式サービスが開始スタートしたシーアンドシーメディアの伝奇活劇MMORPG『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ(VANITY of VANITIES)』(以下、『VoV』)。この独特な世界観にどっぷりとハマっているオンラインゲーマーも多いことでしょう。

 そこで今回は、『VoV』の開発会社であるPerfect World. Co., Ltd.のBear氏とSteve Lau氏、そしてシーアンドシーメディアの木村泰隆氏に、今後の展開などを伺ってきました! 中国でのサービス展開の様子や今後のロードマップなど、気になる情報が満載なので、最後までぜひチェックしてくださいね!

『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』

Steve Lau氏
 『VoV』開発総責任者。オンラインゲームの開発に10年以上携わり、現在はモバイルゲームにも関わっている。

『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』

Bear氏
 『VoV』プロデューサー。8年ほどゲーム開発の現場で活躍し、現在は本作の企画に携わっている。

『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』

木村泰隆氏
 シーアンドシーメディア・オンライン事業本部グループリーダー。日本での『VoV』の運営や、企画・開発サイドとの調整を担当している。

■実在の名勝をモデルにした風光明媚な景観をご覧あれ!

――さっそくですが、まず『VoV』の原作である『秘曲 笑傲江湖(ひきょく しょうごうこうこ)』について、なぜこの題材を選んだのか、その魅力について教えてください。

Steve Lau氏(以下、Steve):『秘曲 笑傲江湖』の小説が世に出たのは50年以上前です。小説の次にはドラマ、そして映画というように、さまざまなメディアで展開されてきました。そのため、中国ではほとんどの方に知られている題材です。

 この小説には、神秘的なエピソードやラブストーリー、そしてバトルなどのバラエティーに富んだコンテンツが含まれており、それが『秘曲 笑傲江湖』の魅力となっています。

――『VoV』のサービスが中国で始まった時、ユーザーの反応はどのような感じでしたか?

Steve:反応は良かったですね。原作自体は40~50年前のものですが、『VoV』は今の若者向けにアレンジしておりますし、斬新な戦闘システムも人気の要因となっていると思います。また、一番反応が良かったのはキャラクターメイキングと、多種多様なスキルの組み合わせです。

『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』

――『VoV』で特にアピールしたいポイントはどの部分でしょうか?

Steve:やはり、細部の調整まで可能なキャラクターメイキングですね。2番目はアクション性です。10種類の流派ごとの特徴を生かして、さまざまな戦い方が可能となっているので、多くの方に楽しんでいただけると思います。3番目は個性的なキャラクターです。流派ごとの特徴や登場人物の個性などを、今の流行と融合させて、新鮮に描いていると思います。

 それから、自然や建物などの中国に実在する風光明媚な景観を取り込んだ、美しいグラフィックもプッシュしたいですね。中国の名勝(景観に優れた名所)を選んでゲームに取り入れてますので、風景を見て回るだけでもおもしろいハズです。

 最後に、ダンジョンとシステムイベントですね。ダンジョンは難易度を選んで挑戦できますし、ストーリーを楽しみつつ自分のプレイスタイルに合わせて攻略していただければと。

『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』 『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』
『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』

■他のユーザーとの差別化を意識したキャラクターメイキング

――キャラクターメイキングで、かなり細かい部分まで調整できるようにした理由を教えてください。

Steve:中国の若いプレイヤーが一番望んでいるのが、他のユーザーとの差別化だったからです。似た容姿のキャラクターが多くなってしまうとつまらないという意見が多く、キャラクターメイキングの細分化に関してはユーザーから最も要望をいただきました。

『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』 『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』

――キャラクターメイキングに関して、日本のユーザーからはどのような反応がありましたか?

木村泰隆氏(以下、木村):日本では、あまりにも細分化され過ぎていて、逆に思うように作れないという意見もありました。好きなアニメキャラなどをイメージして作成する方も多いと思うのですが、『VoV』のキャラクターはリアルな造形をしてますので、アニメ系の顔を作ろうとすると少々違和感が出てくることもあります。運営チームでこちらで作成したキャラクターを公式サイトで公開していますので、そちらを参考にしていただければと思います。

――『VoV』には個性的なNPCが多数登場しますが、特にお気に入りのNPCはいらっしゃいますか?

Steve:曲非烟(キョクヒエン)ですね。原作では悲劇的な結末を迎えるのですが、ゲーム制作が進むにつれ、キャラに愛着がわいて、開発者全員が結末をどうにか変えたいと思うようになりました。原作のストーリーに忠実であるべきなのかどうか……、いろいろ話し合いを行いました。そのため、とても思い入れのあるキャラクターです。

■流派ごとに異なる戦闘スタイル! キャラクターのモーションにも注目!

――『VoV』はアクション性の高さがセールスポイントの1つになっていますが、キャラクターのモーションなどで参考にしたものはありますか?

Steve:中国において、少林寺拳法などの武術はとても歴史が古く、関連書籍もたくさん出版されています。最初はそれらの書籍を参考にしました。それに、空を飛んだり、水の上を走るなどの特別なアクションとして軽功(けいこう)を追加して、現在のアクションとモーションを作り上げました。

『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』 『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』

――中国で人気のある流派はどこでしょうか?

Steve:どれかに偏ってはいないのですが、例えばPvPバトルが好きなユーザーですと、武当派(ぶとうは)を選ぶ方が多いですね。また、原作ファンの方は東方不敗(トウホウフハイ)や令狐冲(レイコチュウ)と同じ流派を選びますし、女性の方ですと各流派のファッションで選んでいるようです。

――BearさんとSteveさんが個人的に好きな流派はありますか?

Steve:日月神教(じつげつしんきょう)です。アクション性と外見が好みです。

Bear氏(以下、Bear):少林派(しょうりんは)です。棍(棒術)と素手を使い分ける戦闘スタイルが好きですね。

――日本で人気の流派はどこでしょうか?

木村:日本では逍遥派(しょうようは)や峨眉派(がびは)が人気ですね。近距離で直に戦う流派より、遠距離から攻撃を行う流派を選ぶ人は多いようです。日本では『秘曲 笑傲江湖』の世界観がそれほど浸透しておりませんので、見た目や性能で決めている方が多いように思えます。

――『VoV』でPvPバトルが強い流派はどこでしょうか?

Steve:どの流派も互角だと思います。

木村:1対1なのか、多対多なのか。またプレイヤースキルなどにもよりますし、同じ流派でも選んだスキルでまったく異なる戦闘スタイルになることがあります。そのため、一概にどの流派が強いとは言えません。

――現在、PvPバトルの対戦人数は最大3対3ですが、もっと人数が増えることはあるのでしょうか?

Steve:最終的にはギルド戦の規模を目指しています。形式としては、特定フィールド内でギルド同士が戦う形になるハズです。また、中国では現在、サーバー対抗戦の開発を進めています。こちらは、特定の時間にのみログインできるサーバーを設けて、そこで各サーバー対抗のバトルを行う形になります。

『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』

■気になる今後のアップデート展開は?

――中国ではプレイヤーの人数も多いので、サーバー対抗戦は盛り上がりそうですね。ちなみに、中国のサービスではどれぐらいの同時接続者数があるのでしょうか?

Steve:これまでで最も多かった時で、42万人です。この数年間でリリースされたMMORPGの中では最高記録となっています。

――それだけ人数が多いと、寄せられる意見や要望も膨大な量になりそうです。中国のユーザーからの要望で、最も多いのはどのような内容ですか?

Steve:やはり、流派間のバランスについてですね。それと、ゲーム内のアバターをもっと増やしてほしいという意見もいただいています。また、1つのサーバー内のプレイヤー数をもっと増やしてほしいとの要望を受けて、現在はサーバーの統合を進めています。

――キャラクター間のバランスについては、他のMMORPGでも多く聞かれる要望です。開発チームとしては、どのような対応をされているのですか?

Bear:新しい要素を実装する時点で、キャラクター間のバランスについてはこと細かに調整を行っていますので、基本的にはユーザーからの要望を受けて調整を行うことはほとんどありません。その代わりというわけではありませんが、中国では1年に数回、開発チームとユーザーとの間で座談会を行っています。そこでは、バランスやシステムに関する解説などをしています。

――開発チームとユーザーとの座談会はおもしろそうですね! 日本でも行う予定はあるのでしょうか?

木村:今のところは予定していませんが、これから検討していきます。

――では、これからのサービス展開についてお聞かせください。

木村:日本では、今のところLv79までレベルキャップが開放されています。これについては、中国のレベルキャップLv94に向けて、今後の動向を見ながら順次開放していきます。それに伴いまして、未実装のフィールドやクエストもどんどん追加していきます。またゲーム内のイベントですが、突発的な時限性のイベントを常に行いつつ、ある程度の期間にわたるイベントを可能な限り行っていきます。

――それでは、中国のほうで今後どのようなアップデートが行われるのかを教えてください。

Bear:中国では、今年の8月に新しいフィールドと武器を追加します。同時に、これまでにない新しい遊び方を可能にする、椅子や石に変身するというシステムも実装予定です。それと年内には、先ほど申し上げたサーバー対抗戦を実装する予定です。まだ検討中ではありますが、来年あたりに新しい種族を追加するかもしれません。

――日本独自仕様のアップデートを行う予定はありますか?

木村:まだ明確ではありませんが、先日のニコニコ生放送でも発表した日本独自仕様のアバターを、7~8月頃に実装する予定です。

――これからのアップデートも期待できそうですね。そういえば、原作小説は完結しているのですが、『VoV』のストーリーも完結するところまでいくのでしょうか?

Steve:『VoV』はまだストーリー的に、原作小説のスタート時点に当たります。また『VoV』は原作をアレンジした内容になっていますので、完結を迎えることなく、ずっと続いていく物語となっております。

『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』 『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』 『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』

――それでは最後に、『VoV』の今後に期待する日本のユーザーへメッセージをお願いします。

Steve:『VoV』は、私たちがかなり力を入れて作ったタイトルです。日本では武侠というジャンルのタイトルが少ないので、この『VoV』通じて中国のさまざまな文化に触れていただければ幸いです。

Bear:Perfect World社ではこれまでも海外展開を行ってきましたが、武侠というジャンルを海外に提供するのは『VoV』が初となります。他の国にはない独特な文化ですので、お互いの文化がうまく融合できればと思います。それと、可能でしたら日本のユーザーの方からより多くの意見をいただき、日本のユーザーの方に支持していただける作品を作っていきたいと考えています。

――本日はありがとうございました。

『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』

 今回のインタビューはいかがだったでしょうか? 日本ではスタートしたばかりの『VoV』ですが、新しいアップデートが多数用意されており、これからも期待のできる作品となっています! それにしても、大橋歩夕さんの演じる曲非烟(キョクヒエン)ちゃんが、中国の開発者の間でも人気だったというのは驚きです。それでは、また次の記事でお会いしましょう!

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データ

▼『ヴァニティー オブ ヴァニティーズ』
■運営:シーアンドシーメディア
■開発:Perfect World Co.,Ltd.
■対応機種:PC
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■サービス開始日:2014年6月26日(木)
■価格:基本プレイ無料(アイテム課金制)

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