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2014年7月17日(木)

PS3『アンダーナイト インヴァース』インタビューで初期案が判明。当初はオリエが男で、幼いリンネがSFファンタジー世界を冒険する物語だった

文:る~ぱ

 アークシステムワークスが7月24日に発売するPS3用ソフト『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late(アンダーナイト インヴァース エクセレイト)』。その生みの親である成田展弥氏、吉原成一氏へのインタビューをお届けします。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』

 本作は『MELTY BLOOD』シリーズを手掛けたフランスパンが開発する対戦格闘ゲーム。作り込まれた世界観と独自のシステムで、多くのユーザーから支持されているアーケード作品が、新キャラや新モードとともにPS3へ移植されることになりました。

 インタビューでは、独特な世界観が作られた経緯や、キャラクターたちの制作秘話などをお聞きしました。いわゆる“厨二病”的なディープな設定に定評がある本作は、どのような経緯で生まれたのか? キャラクターの誕生秘話などをたっぷりとお届けします!

■『ブレイブルー』の森プロデューサーとの出会いでPS3への移植を実現

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲開発会社であるフランスパンの代表であり本作を手がけた成田展弥氏(写真右)と、本作の世界観やキャラクターを生み出した吉原成一氏(写真左)。

――まずは本作を開発することになってきっかけと、PS3へ移植することになった経緯を教えてください。

成田:我々はもともとアーケードで『MELTY BLOOD』などのシリーズを手掛けていました。それらのノウハウを生かしたオリジナル作品を作ろうという流れで本作の開発が始まったんです。

 アーケードでの稼働を経て家庭用への移植を考えた際に、2D対戦格闘のプロモーションのノウハウがある会社さんはどこなのかと考えた時に『ギルティギア』や『ブレイブルー』のアークシステムワークスさんが候補にあがりました。そして実際に『ブレイブルー』のプロデューサーとして知られる森利道さんとお話をして、今回の移植を決定したという流れになります。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』

――PS3版の注目点はどこになりますか?

成田:やはり新キャラの2人ですね。既存のキャラとは一味違ったテイストに仕上がっているので、楽しみにしていただけたらと。それから、アークシステムワークスさんの全面協力のもと、快適なネットワーク対戦にも対応しているので、そちらもご期待ください。

吉原:本作はストーリーやキャラクターにも力を入れています。その部分をじっくりと自宅で楽しんでいただけることも、家庭用の魅力だと思います。

成田:新キャラのエピソードの中で、既存のキャラクターの魅力を掘り下げるエピソードなどもありますので、ぜひご期待ください。

――家庭用とアーケード版もゲームバランスに違いはあるのでしょうか?

吉原:違いはほぼありません。同じ感覚で遊べますので、家庭用で練習したら、ぜひアーケードでの対戦にも挑戦してもらいたいですね。

成田:トレーニングモードもかなり充実しており、フレーム数の表示やダミーとなる敵の行動パターンも細かく設定できます。スコアやクリアタイムを競うランキングなどもありますので、対戦格闘ゲームが好きな方にも満足していただけると思います。

■物語の原点は、学生時代の妄想を書きためたノート

――本作はストーリーの評価が高い作品ですが、どのようなイメージで作っていったのでしょうか。

成田:いろいろな世界観設定はありますが、根本的には王道なストーリーになっています。どこにでもいるような何の変哲もない少年のもとに、突然女の子が転がり込んできて、出会って成長して……。いわゆるライトノベルなどの展開に慣れ親しんだ人だと、すんなり入り込める世界観だと思います。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』

【プロローグ】

 古来より“虚ろの夜”の秩序を守る番人“夜刀(やと)”。

 永遠を旅する夜刀の姫リンネは偶然立ち寄ったこの街で

 探し求めていた運命の剣を手にした少年ハイドと出会う。

 顕現を喰らう怪物“虚無”とその能力を行使する“偽誕者<インヴァース>”。

 元来希であった存在が急増している原因を調べる最中、

 一際強大な力を誇る新興勢力“忘却の螺旋<アムネジア>”の長、

 “眩き闇<パラドクス>”のヒルダの悪しき企みを耳にする。

 絶対に見過ごす事はできない――少女は“眩き闇”の討伐を決意し、姿を消した。

 少年はその姿を案じて少女を追う。

 こうして“虚ろの夜”の下、数多の偽誕者<インヴァース>達の物語が幕をあける――。

――ルビが多い用語や、謎めいた設定など、いわゆるディープな“厨二病”的な世界観は本作の魅力だと思いますが、そもそもどのような経緯で世界観を作っていったのでしょうか?

吉原:学生時代に書きためたノートの内容がベースになっていて、その世界は“認識”という言葉をキーワードにして考えていったものでした。

 例えば、目に見える物や手に触れる物がすべてではなくて、我々の認識できない、認識できていない何かがそこにあるのではないか、という学生時代の妄想がベースになっています。当時はそういった妄想を形にする手段がなかったので、ノートに書きためたり、キャラクターだけを絵にして満足するしかない状態でした。

 その後、今の会社でHDのオリジナルの格闘ゲームを作りたいね、という流れになった時に、これはいい機会だと思って提案したものが本作です。

成田:最初に話を聞いた時は、難しすぎてよくわかりませんでした。あるものとないものとか、結局それはなんなんだ? と(笑)。ただ、形になってくると非常に独創的で魅力的な世界観となっていました。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』

――“認識”というのは、具体的にどのような形でゲームに反映されているのでしょうか?

吉原:例えば、ステージ背景にまったく人がいないところです。本作では“虚ろの夜”という事象に足を踏み込んだ瞬間、認識がスイッチして一般人と偽誕者が相互に認識できなくなるという設定があります。

 本来の背景には往来する一般人がいるんですけど、事象に入った瞬間にパッと消えた感じになっているので、背景に一般人は描かれていません。

成田:逆に背景に人がいると、その人は“偽誕者”であるということなんですよ。もし今後、背景に人が増えてくるようになったら、偽誕者が増えてきたんだなと思ってください。

【重要な設定用語】

・虚無:夜の闇に潜む怪物。

・夜刀(やと):はるか昔から虚無と戦ってきた存在。

・偽誕者<インヴァース>:人を超えた能力を持つ存在。虚無に魂を喰われ、偽りの死を与えられて目覚めた者のこと。

・再誕者<リヴァース>:偽誕者を超越するという謎の存在。この存在を調べていたヒルダは、“永劫の紡ぎ手”、“夜刀の姫”、“断裂の免罪符”、そして次の虚ろの夜に訪れるという“永劫無限の七日間<セブンデイズイモータル>”というキーワードが見えてきたという。

・顕現/EXS<イグジス>:偽誕者が行使する、超常的な能力。

・FLS<ファルス>:異形の者が持つ特殊な能力。

・虚ろの夜:満月の夜に現れるとされる、赤き闇夜の怪現象。その中心は“深淵”と呼ばれ、無限の顕現が沸き出るとされているため、力を求める多くの偽誕者が集まっている。

・忘却の螺旋<アムネジア>:日本で誕生した偽誕者の新興組織。悪というより、力を求めて利己的に動く者たちの集団というイメージ。

・光輪<リヒトクライス>:虚無の殲滅と人々の平穏を目的とする組織。

――ちょっと本作の用語をまとめてみましたが、個人的に“虚ろの夜”という現象についてお聞きしたいことがありまして。あれは具体的にどういったものと考えるのがいいのでしょうか?

吉原:“一定周期で発生する特殊な事象”と表現するのが一番わかりやすいと思います。

成田:現実世界からちょっとずれた、特殊な結界的な空間みたいなものですね。

吉原:一般人が気づいていないだけで、昔からある事象ということになっています。偽誕者という異端者的な存在になると、虚ろの夜が認識できるようになるわけです。

 異端者の根本となるのが夜刀(やと)という存在で、彼らは虚ろの夜から現れる虚無と呼ばれる魔物を人知れず打ち倒していました。この夜刀は組織名というよりも、実は人種に近いものだと考えているですが……詳細は、ゲームの中で読み解いていただき、いろいろと妄想していただければと思います。

――世界観は学生時代にでき上がっていたとのことですが、実際の開発としてはどこから着手したのでしょうか?

吉原:学生時代の世界観やキャラを使いはしましたが、大きく変わった部分もあります。当時、世界観とあわせてリンネ、カーマイン、ヒルダというキャラクターはでき上がっていたので、彼らを主軸にストーリーを構築していきました。

 主人公のハイドはそれほど早い段階でできたわけではなく、世界観を構築していく中で主人公にはどういった要素が必要か、という考えからでき上がったキャラです。

――リンネとヒルダは納得ですが、カーマインは一匹狼と言いますか、ストーリー本編にはあまりからんでいないように感じます。

吉原:カーマインはストーリーというよりも、世界観を表現するキャラクターだと考えています。偽誕者の中にはこういったアウトローな人間も必要だろうなと。

 逆にリンネはストーリーの中心となるキャラクターで、最初はハイドよりもリンネを中心としたイメージでした。ヒルダは主人公サイドに敵対する悪役の存在です。このような感じで善と悪、中立を象徴するようなキャラクターが最初に生まれました。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲インタビュー中に見せていただいた開発用の資料や設定画。

――組織による抗争なども、初期段階からあったのでしょうか?

吉原:最初はそういったものはなく、夜刀の存在だけしかありませんでした。ただ、それだとお話が回らないんですよね。

 対戦格闘は群像劇なので、複数のキャラクターを登場させてからませるには組織が必要だろうと。そこで正義を執行する“リヒトクライス”、異能の力を利己的に使う“アムネジア”という組織が生まれました。

――ちなみに対戦格闘ということで、キャラ設定との兼ね合いなどで苦労された点はありますか?

成田:確かにキャラクターや世界観先行のゲームではありますが、もちろん技の割り振りやバトルスタイルについては格闘ゲーム的なお約束の範囲内に落とし込んであります。

 設定的に能力が強いキャラでも通常技というカテゴリに当てはまる技が必要になりますし、すべての技が必殺技並に強いという対戦格闘になってしまったらまずいと思いますし。

吉原:格闘ゲームである以上、強さのバランスは平等にしていく必要があるので、設定的に強いキャラだからといって突出した性能にはできません。とはいえ、差別化は必要なので、例えばヒルダだったら技のエフェクトの派手さを増すなど、見た目で調整をしている部分もあります。

――組織間のキャラクターの割り振りなども大変だと思いますが。

吉原:現状では、リヒトクライスのプレイヤーキャラはオリエ1人です。その補佐にレクスというキャラが登場していますが、現段階ではリヒトクライスの勢力や規模を予想するのは難しいでしょうね。

 逆にアムネジアはヒルダとケイアス、元幹部なども登場していますので、組織の構造などもある程度把握できると思います。

成田:リヒトクライスは海外をメインにした組織なので、日本展開はまだ手薄なんですよね。

――パワーバランス的に両組織は拮抗しているのでしょうか?

吉原:リヒトクライスは唯一の正義の執行者として、世界全体で見た時には非常に強大な勢力を持っています。逆にアムネジアは日本で生まれた新興勢力の1つなので、パワーバランス的にはリヒトクライスのほうが優勢です。

成田:基本的な考え方として、偽誕者という能力者が急増してきた背景があります。結果として、私利私欲のために能力を使う者が増え始め、そういった者たちが群れる組織としてアムネジアが結成されました。リヒトクライスは世界全体の秩序を守る組織ですが、いきなり日本に戦力を集中するほどの重要な事態とは考えていないので、まずはオリエを派遣したという流れです。

■物語を彩るキャラクターたちの誕生秘話

――家庭用から登場する新キャラは、世界観を広げる延長線として作られたのでしょうか?

吉原:どちらかと言うとコンセプトありきですね。2人ともどちらの組織にも属してはいませんし。家庭用からプレイする人にとって入りやすいキャラを意識して作りました。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲ナナセ(声優:飯塚麻結)。ハイドを付け狙う少女。彼女曰く、「男なら責任を取れ」とのことだが、はたしてその真相は……? ・能力名:旋纏のEXSウィンドミル ・武器名:ゼファー
『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲ビャクヤ(声優:田村睦心)。不気味な鉤爪を操り、敵を喰らい尽くす謎の少年。行動をともにするツクヨミという少女の希望を叶えるために戦っているようだ。 ・能力名:闇鉤のEXSケリケラータ ・武器名:八裂の八脚

成田:夜刀を含めて三つ巴になるようにアムネジア、リヒトクライスを作ったんですが、あまり組織抗争ばかりを描くことに固執しすぎると、小競り合いに見えてかっこ悪いかなと。

 そのため、悪の組織は少数精鋭ということであまり組織感を出さず、周りの外野を厚くしています。

吉原:こちらで主なターゲット層としてとらえている方たちが感情移入しやすいようなキャラクターを考案しました。ナナセは今風の女子中学生で、風をイメージしており、爽やかなキャラクターになっています。逆にビャクヤは少し古風なイメージで、マッドなアウトローを意識して作りました。

――ビャクヤは本作の中でも重要な立ち位置になりそうですが。

吉原:かなりディープな話となっています。メインストーリーにはあまりかかわりがありませんが、偽誕者やイグジスといった、本作の根幹を支える設定に深くかかわっています。

――次に既存のキャラクターたちが生まれた経緯やデザインのポイントなどを伺いたいと思います。まずは主人公のハイドから。

成田:いろいろと難産で、感慨深いキャラですね。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲ハイド(声優:木村良平)。本編の主人公となる高校生の少年。虚無に襲われたところをリンネに助けられたことがきっかけとなり、イグジスの能力に目覚める。 ・能力名:漆黒のEXSヴォイドレッド ・武器名:断裂の免罪符<インスレーター>

吉原:順番的には、先行して作成したリンネ、カーマイン、ワレンシュタインの次に手掛けたキャラクターですが……とにかく難航しました。

 現実を舞台にするうえで、もっともわかりやすい記号として学生という立場を選択しました。あとは、チョイ悪な要素として制服のアレンジも加えています。カラーリングは虚無を象徴する赤と黒、そして豪華さを出すために金のアクセントを加え、まとめました。

 とにかく難航したデザインの1つで、二転三転どころではなく、設定まで変更するはめになりました(笑)。

――今のお話ではきれいにまとまった設定だと感じましたが、具体的にはどこが二転三転したのでしょうか?

吉原:外見、性格、設定や立場もほぼ全部ですね。ボツとなったネタですが、当初はリンネとは別に幼いリンネという存在を考えていまして、その子をハイドが守るという立場でした。

成田:最初は子連れ狼的な感じだったんですよ。

吉原:子どもを守るということで、年齢感も今より高めでした。これも本当に初期の案ですが、当初の舞台は現実ではなく、銃と剣と能力が共存するような……SFファンタジー寄りの世界だったんです。そこで幼女のリンネと旅をしながら、虚無と戦っているという設定でした。

――それはそれで見てみたいストーリーです!

吉原:ただ、開発をしていく中で、やっぱりプレイヤーのなじみ深い世界観のほうがよいだろうと現実世界をベースにし、ついでに年齢感も下げようという流れになりまして。

 そうすると、変更前の世界観で重要な役割だった幼いリンネと、それを守るハイドの立場などに矛盾が生じてしまい、なかなかまとまらなかったんですよね。そこで、幼女リンネはナシにして、リンネは独立したキャラクターとして再構築していきました。

成田:性格も最初はかなり陰があるイメージでしたが、主人公が根暗だとストーリーもそれに付随して重い展開に寄りがちだったため、ラノベ的なチョイ悪でツンデレな性格に落ち着きました。あとはラッキースケベ属性も大事ですね(笑)。

吉原:女の子にからまれやすい属性があって、なじみやすさを付与した主人公という像がだんだんできてきて、ようやく今の形に落ち着きました。最終的には初期のイメージが2割ぐらいしか残らず、8割は世界観にあったキャラクター像として再構成しました。

――ちなみに本作の技の中でも、特にハイドの技名はすごいですよね。“紅纏イシ闇ノ翼(レッドクラッドクレイヴァ―)”とか“虚空ヲ分ツ断層・壱層(ベイカントシフト・ファースト)”とか。これらはやっぱり、吉原さんが全部1人で考えているのでしょうか?

吉原:そうですね。基本的に技名は俺が考えています。

成田:これぞ厨二病と言いますか、資料を見た瞬間に「これは突っ込んじゃいけないな」と思いました(笑)。

吉原:名前にはかなりこっていまして、かっこよさとか、印象深さ、世界観やキャラクターに合ったものを強く出しています。

――やっぱり、漢字の技を英語読みする部分とか、かっこいいと思っちゃうんですよね。自分の周りにも、語感だけでドイツ語の勉強を始めた知り合いがいますし。

吉原:名前に関しては、いろいろな方面から反響を受けていまして、よくも悪くもうまくいったのではと考えています。俺がカッコイイと思ったものを、統一感と個性から外れないような技名でそろえました。キャラクターによっては、あえてパッとしない技名をあてたキャラクターもいます。

成田:ともあれ、とにかく難航しましたけど、ハイドが一番最初の山といった感じで、そこからは現代的ラノベ風なテイストが固まり、スムーズに制作が進んだ気がします。

吉原:ハイドのデザインが作品全体を左右した感じですね。

――リンネは世界観の根本にかかわるキャラクターだと思いますが、いかがでしょうか。

吉原:“夜刀の姫君”である彼女は、この世界の深い部分にかかわってくるキャラクターです。それこそ、世界観ができる前から俺の中に存在していたキャラクターで、そのころから外見もブレていません。

 当時からカラーイメージは黄色。夜が舞台になっているので、暗い夜を照らす月をイメージする黄色というものをモチーフにしています。ヒロインというよりも現実でいそうな感じのデザインですね。街を歩いていたら、普通に黄色いパーカーを着ている女の子がいるイメージです。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲リンネ(声優:佐倉綾音)。本作のヒロインとなる年齢不詳の少女。“夜刀の姫君”として虚無と戦っていたところ、ハイドと出会い物語が始まる。 ・能力名:疾駆のEXSスピードスター ・武器名:無銘/名無

成田:HDでドット絵を作るのは大変なので、デザインはなるべくシンプルにするというセオリーがあるので、それで地味にしたんだと思っていました。

吉原:それもあるにはあります。最初からドットキャラクター作成に手間のかかるキャラクターだと企画も通りにくいかと思い、シンプルと言いますか、俺の中では洗練されたデザインにしました。地味と言われれば、そうかもしれませんけど(笑)。

――他のキャラが派手なので、いい意味でシンプルさが目立っている気がします。

吉原:リンネ本人もあまり目立つことを好まず、オシャレにも興味がないキャラクターになっています。ヒロインとしてはかなり地味ですが、設定としてはこれがふさわしいデザインになっています。

 とはいえ華やかさも必要なので、そのあたりはリンネ以降に生まれたキャラクターたちに盛り込んでいます。

――ワレンシュタインはいかがでしょうか。

吉原:長い時を生きた老人として、夜刀という存在を守ってきました。おそらく人間ではないと思いますが、そのあたりの明言は避けさせてください。人間離れした体術で、装備も大昔から使っているという背景があるので、無骨なデザインです。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲ワレンシュタイン(声優:石井康嗣)。数百年の刻を生きてきた謎の老人。リンネと行動をともにしており、リンネの身を第一に考えた行動をとっている。 ・能力名:剛力のEXSヘカトンケイル ・武器名:剛鉄爪『破軍』

成田:おそらく自分で作っているんでしょうね。きっと腰巻きなんかも、買わずに自作しているんだと思います。

吉原:古風な武人といったイメージでしょうか。

――カーマインは学生時代にすでに考えていたキャラクターということで、スムーズにデザインが決まったのではないでしょうか。

吉原:そうですね。実は当時、友だちと一緒に『2D格闘ツクール』で作ったキャラクターが原案となっています。そのころから、外見的にほとんど変わっていないところもリンネと同様です。性格はもうちょっとナルシストでしたが、キャラクターの立ち位置的なものもあり、今みたいな性格になっています。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲カーマイン(声優:近藤隆)。自らの生命力を代償に戦う特殊な能力者。戦うこと自体を目的としており、ムカつくという理由だけで他の能力者に襲いかかる。 ・能力名:命血のEXSブラッドスパイク ・武器名:レインブラッド

成田:風貌には、ちょっと偏見が入っている感じがするんですよね。悪そうな人のステレオタイプと言いますか、シルバーアクセをたくさんつけていて背が高いという、ちょっとチーマー的な感じがします。

吉原:そのあたりは今でも通用すると思って、あえてあまり手を加えていません。格闘ゲームありきで生まれたキャラクターなので、血を固めて戦うといった戦法も当初からありました。

 ただ、時代的なものや倫理的な問題から、血という題材はあまりよくないんじゃないかという議論もありまして、最終的な仕上げには少し苦労しましたね。

成田:そうですね。最終的にあれは“血晶化能力”という固める力なので平気ですね。

――次は人気女性キャラの原田さんことオリエについてお願いします。

吉原:実は、最初は男キャラでした。

――ええっ!? そんなまさか!

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲オリエ(声優:早見沙織)。虚無の殲滅と人類の平穏を目的とするリヒトクライスの執行官。組織の命により、勢力の拡大を続けるアムネジアの調査に向かう。ちなみに原田織依(はらだ おりえ)の名も持ち、ハイドとは同じ学校のクラスメイトでもある。 ・能力名:純潔のEXSタナトス ・武器名:ルーラー

吉原:当時、開発が進んでいたキャラクターを並べてみた時に、「男キャラが多すぎる」「華があるキャラが少ない」という意見が出てきまして。それでは、清楚可憐なヒロインを出そうということになって生まれたキャラクターです。

 本作における明確な正義を掲げるキャラクターとして、特に正義の象徴として見えるようにデザインしました。青という爽やかで聖的なカラーを基調にして、まっすぐな本人の性格を表すようなストレートのロングヘアー、そして組織の統制や正義を表す法衣といった記号をふんだんに盛り込んでいます。

――ちなみに、開発時期としてはどのあたりで性別を変更したのでしょうか。

吉原:けっこう後半です。先々を考えてキャラクターを見渡した時に白羽の矢が立ったのが、その時はロンドレキアという名前の男キャラでした。設定はそのままに、外見だけを男から女に変えていった形です。

成田:ただ、基本設定はそのままですが、性格は少し調整が入りました。

吉原:当初は、俺の悪い癖でダークな要素も入っていたんですよ。正義を掲げてはいるんですけど、闇を背負った感じですね。

 柩に格納され、拘束具に覆われた虚無を使役して戦っていました。目には目を、虚無には虚無をといった同害復讐法的な思想を持っていたんですね。

 ただ、それをやっちゃうとオリエの誕生した理由……コンセプトから外れてしまうので、シンプルにまっすぐな正義キャラにしました。

――ゴルドーはダンディズムあふれる渋いデザインですよね。

吉原:ゴルドーは、比較的後期に作っていったキャラクターですね。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲ゴルドー(声優:鳥海浩輔)。能力者たちの中で“常勝の傭兵”の異名を持つケンカ屋。傭兵としてだれかの側で戦うことが多いが、その真意は不明。 ・能力名:強欲のEXSスナッチャー ・武器名:ディバウアー

成田:オリエの性別を変えたあたりで、ちょっと吉原のデザインに迷いがあった時期があったんですよ。登場キャラクターのバランスを考えようとか、わかりやすいキャラクター像を考えようとか、基本に立ち戻ってキャラクターデザインを見直してみたんです。そう考えた時に、ダンディな大人が足りないという意見が出ました。

吉原:俺だけではなく、周囲の意見を含めてキャラクター作りをするきっかけになったキャラクターですね。

 “奪う”という能力設定は最初から決まっていたのですが、完成間近でいじったので、そこは時間がかかりました。

成田:確か、最初は鎌を持ってなかったんですよね。

吉原:最初は爪で敵からドレインするという設定でした。ただ、見栄えがおとなしすぎたので、鎌で刈り取るという要素を加えた形です。

――人間とはちょっと違うメルカヴァのデザインはいかがでしたか?

吉原:世界観を表現するうえで重要な虚無という魔物を体現したキャラクターです。蛇をモチーフに、闇夜を飛び回る生物としてコウモリのような要素を付与し、関節などは鳥類をイメージしてデザインしました。

 また、メルカヴァはもともと人間という設定なので、シルエットとしては人型にしています。このデザインも初期からあまり変更がなく、パッと決まったキャラクターですね。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲メルカヴァ(声優:木内秀信)。虚無に酷似した姿を持つ謎の生物。自らの肉体の飢えを満たすため、偽誕者が集まる虚ろの夜を目指す。 ・能力名:怪蛇のFLSヨルムンガンド ・武器名:――

――女の子の姿をした生体兵器のバティスタは、どのような流れで生まれたのでしょうか。

吉原:“プログラムに従う人形”というテーマからドレスを想起して、そこに個人的な趣味でゴスロリテイストを盛り込みました。初期案は高身長でスラリとしていましたが、もう少し小柄な存在が欲しかったので年齢感を下げています。完全に俺の趣味で作ったキャラクターですが、いくつか成田からの注文もありました。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲バティスタ(声優:東山奈央)。虚無と虚ろの夜の監視者として作られた古代の生体兵器。急激な能力者の増減を察知し、永い眠りから覚醒。虚ろの夜の中心部“深淵”へと向かう。 ・能力名:隷約のFLSレストリクション ・武器名:紅翼『七花』

成田:ちょっと要素を詰め込みすぎている部分があったんですよ。最初はツインテールで、SF要素ももうちょっと強くてメカメカしい印象でした。

吉原:そう言われてみると、確かに売れ線的な要素を詰め込みすぎたかなと。1人に要素を集中させるのはよくないと思い、ツインテールの要素は泣く泣く外しました。

 俺は着エロ派なので、肌の露出は少ないけれど、密着性と開放性の共存する衣装やその素材なども含め、想像性のあるフェティッシュな要素を入れたつもりです。そこに気づいてくれる人がいるのかは、わかりませんが(笑)。

――足の部分がタイツなのか機械的な装甲なのか悩んだこともあるのですが、手の部分を見たところ、地肌は肌色なんですよね。

吉原:そうですね。人工生命体ですが、肌は普通の肌色です。ちなみにゴスロリ風の衣装を着ている理由は、彼女が現代で目覚めた時、この世界で活動するために順応する衣装として選択したようです。

――続いては、謎が多いセトについてお願いします。

吉原:個人的に思い入れの強いキャラクターです。闇夜に紛れたアサシンということで、イメージカラーは黒。あとはクールさを象徴する青と、ハイドのライバル的な立ち位置ということで、髪などに銀を使ったカラーリングになっています。

 全身が刃物のようなシャープさを出したかったので、シルエットもそれに合ったものにしました。彼の正体は夜刀なので、それを体現したキャラクターとしています。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲セト(声優:梶裕貴)。アサシンと称される正体不明の少年。何者かの支持の元で行動しているようだが、目的や素性は一切明らかにされていない。 ・能力名:穿鎖のEXSケーリュケイオン ・武器名:封滅の免罪符<エリミネーター>

成田:最初にデザインを見た時は、「また黒ずくめの暗いキャラクターが出てきた」と思いました(苦笑)。

吉原:気が付くと、キャラクターが暗い方向になってしまうんですよね。ただ、セトというキャラクターには暗さが、どうしても暗さが必要だったので、今後は暗いキャラクターを減らして明るいキャラクターを作ることを交換条件に、初期案を通させてもらいました。

 ちなみにビジュアルはハイドのボツデザインから生まれています。前述のように、初期ハイドの暗い感じが薄れていくにつれ、暗い部分=セトという存在が俺の中で生まれてきました。そこでセトという存在を別のキャラクターとして確立させたいと思ったことが、デザインのきっかけです。

――ユズリハは、かなり明るいイメージだと思います。

吉原:ちょうど成田からも、「そろそろ明るくて、いじりやすいキャラクターが欲しい」と要望がありまして。ゴルドーと同様に、周囲の意見から生まれたキャラです。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲ユズリハ(声優:藤村歩)。身の丈ほどもある長刀を扱う物騒な娘。由緒ある家系の末裔であるが本人にその自覚はなく、単におもしろそうだからという理由で戦いにおもむく。 ・能力名:散華のEXS無明長夜<エインセル ロスト> ・武器名:菖蒲刀・神路誉

成田:なんと言いますか、色気のあるキャラもちょっと足りないところだったんですよね。

吉原:俺の趣味である着エロが強く出すぎていたので、もう少し大衆受けすることを意識して、露出度が高くてわかりやすいキャラクターにしました。

 ジーパンのようなラフな格好に着物を羽織ることで、現代と過去が共存するようなアンバランスさを表現しました。キャラの個性がうまく反映されており、個人的にはかなり成功したデザインだと思います。

――敵組織のボスであるヒルダも、リンネやカーマイン同様に初期から考えていたキャラクターだったということですが、どのぐらいまでデザインが決まっていたのでしょうか。

吉原:眩き闇という異名や白黒のドレスといった特徴は、当初からありました。言動に合わせてデザインを進めていったところ、キャバ嬢のイメージが想起されたため、髪型もアゲアゲ、服装もボディラインが見えるようなマーメイドドレスにブラッシュアップした形です。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲ヒルダ(声優:高田初美)。アムネジアを束ねるリーダーで、“眩き闇”と呼ばれる超人的な能力者。 ・能力名:煌朧のEXSパラドクス ・武器名:闇の衣<マスカレード>

成田:このキャラは自分勝手、自由気ままな要素が強く、わがままなキャラクターです。性格も戦い方もわがままなものになっていると思います。

――ある意味で物語の黒幕ともいえるケイアスはどうですか?

吉原:構想段階ではハイドが通う学校の生徒会長でした。真面目でインテリジェンスな性格は変わっていませんが、昔は学園寄りのキャラを想定していました。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲ケイアス(声優:松岡禎丞)。アムネジアを裏から仕切っている謎の青年。過去にはゴルドーともつながりがあり、今もサポートを続けている。 ・能力名:肖影のEXSアンブラル ・武器名:混沌の法典

成田:このへんで組織的な要素も満たすキャラクターも必要になってきたんですよ。

吉原:ゲーム内での登場は遅めですが、けっこう前から考えたていたキャラクターです。アムネジアの幹部であるヒルダと同列にいる存在ですね。

成田:最初の名前はケイアスではなかったのですが、混沌を扱うキャラということで自分が命名しました。

吉原:デザイン面ではメガネでクール、ハイネックという要素で構成されています。ちなみにケイアスに付随している虚獣は、虚無と変わらない存在です。メルカヴァと同じ要素を持ちますが、元が人間ではないので獣のような4足歩行となっているんです。

――最後に『MELTY BLOOD』『アカツキ電光戦記』それぞれの作品からのゲストキャラとなる2人ですが、どのような流れでデザインを固めていったのでしょうか。

吉原:原作のイメージを残しつつも、本作のテイストに合わせてブラッシュアップしています。若干シャープでスマートなシルエットになっているのはそういった理由です。そういったグラフィックをTYPE-MOONの武内さんに確認していただいて、フィックスさせていった形ですね。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲エルトナム(声優:明坂聡美)。『MELTY BLOOD』からのゲストキャラ。とある街を吸血鬼の魔の手から救ったという謎の人物に似た風貌を持つ。 ・能力名:精密のEXSアナライジス ・武器名:エーテライト
『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲アカツキ(声優:松本忍)。『アカツキ電光戦記』からのゲストキャラ。その身に重大な秘密を隠しながら人知れず活動をしている謎の男。 ・能力名:迅雷のEXS電光機関<ブリッツモーター> ・武器名:戦術電光服

■お気に入りのキャラクターや今後のストーリー展開について

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』

――お2人のお気に入りのキャラクターは誰ですか?

吉原:俺にとってはすべてがお気に入りですが、しいてあげるならばリンネです。この作品の根幹を担うキャラで、最初のころからずっと存在し続けているので。

 それから、デザインの過程で思い入れが深くなったのはセトですね。この2キャラは特に気に入っています。

成田:自分はヒルダが気に入っていますね。某アニメシリーズの女性幹部と言いますか、高飛車で小悪党的なところは、うまく表現できたと思っています。

吉原:どこか憎めないところがあり、かわいらしさもありますよ。彼女はいろいろと動かしやすいキャラになってくれましたね。

 それから、現段階ではまだプレイヤーキャラではないんですけど、ストーリー中にちらちらと出てくるワーグナーというキャラクターもお気に入りの1人です。

――まだまだ謎めいた部分もある本作の物語ですが、今後はどのような展開をしていくのでしょうか。

吉原:これまでのお話はキャラクター同士の接触がメインになっています。リンネあたりは意味深なことをいろいろ言っていますが、今後はそのあたりのストーリーを語っていければと思っています。

成田:夜刀編の完結編みたいなイメージですね。リンネの兄のクオンなんかも登場するでしょうし。

吉原:そういった意味では、過去にさかのぼる展開もありだと思います。昔あったいざこざとか、リンネとクオンの関係、リンネの謎など、本作のディープな部分を描くこともおもしろいかなと思っています。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲メインビジュアルや設定画には、ビャクヤと行動をともにする少女・ツクヨミの姿も。こういった伏線は、PS3版でどこまで明かされるのだろうか?

■アーケードで高評価された対戦格闘ゲームとしての魅力とは?

――本作はアーケード用の対戦格闘ゲームとしても高評価されていますが、その魅力とはどこにあると思いますか? 特にキャラ間のバランスのよさは評判が高いと思いますが。

成田:対戦ツールとして成立するように、バランスについてはかなり意識しています。理不尽な負け方とか、特定の相手には絶対に勝てないような相性なども、ほとんどないと思います。

――戦況の優劣をゲージ化したグラインドグリッドシステムは、他の格闘ゲームにはない独特のシステムだと思います。どのような発想から生まれたのでしょうか。

吉原:そもそもはキャラクターが支配する間合いや領域を視覚化して見せるためのシステムでした。それがだんだん変化していき、相手とのパワーバランスを表すためのものに変化していきました。

 このゲージは対戦相手との優勢と劣勢を表していて、例えば投げを決めるとゲージが増加して有利になりますが、投げ抜けされるとゲージが減少して不利になってしまいます。ゲージがあると攻撃や防御の手段に使えるため、いかに相手に読み勝つかがポイントになるシステムです。

――初心者に向けて、グラインドグリッドの使い方のアドバイスなどがあれば教えてください。

成田:最初は難しく考えず、“真ん中のゲージが光ったらDボタンを2回押すこと”を意識するだけでいいと思います。これをするだけでゲージを増加できるので、ぜひ使ってみてください。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト』
▲画面中央下のグラインドグリッドゲージを介した駆け引きが対戦のキモ。最初はゲージが光ったらDボタンを2回押すことを心がけよう。

――ストーリーが気になってPS3版から遊び始める人は多いと思いますが、そういった対戦格闘ゲームの初心者にオススメのキャラは誰ですか?

吉原:やはり主人公のハイドですね。飛び道具や対空技がそろっていて、コンボも使いやすいです。通常技のリーチもあるので、初心者にはオススメです。

成田:このゲームは守勢に回った時にどう攻勢に切り返すかが重要なので、無敵技を持っているハイドやリンネは使いやすいと思います。

吉原:ただ、リンネは飛び道具が途中で消えますし、リーチがやや短いので、ハイドと比較すると若干クセがあると思います。

成田:あとはオリエやゴルドーあたりは平均的に使いやすい技がそろっているので、通常攻撃を使っているだけでもある程度戦えます。

吉原:2人の新キャラも使い勝手がいいのでオススメです。ナナセはスタンダードな性能で動かしやすいですし、ビャクヤも爽快感がある戦い方ができます。これから遊び始める人にはちょうどいいかもしれません。

――最後にファンへのメッセージをお願いします

成田:長らくお待たせして申し訳ありませんでした。その期待にこたえられる内容になったと思いますので、ぜひご期待ください。

吉原:昔から思い描いていた世界観が形になった思い入れのある作品です。今回家庭用として皆さんのお手元にお届けすることができ、遊んでもらえることは、本当にうれしいです。対戦格闘ゲームとして楽しめることはもちろんですが、アドベンチャーゲームや小説のように、キャラクターや世界観、ストーリーなども楽しんでもらえれば幸いです。

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