2014年8月11日(月)
9月17日に発売されるCD『ブレイブリーデフォルト ドラマCD ~エタニティの腕環~』。その収録現場を取材したレポートと、出演声優へのインタビューをお届けします。
▲ジャケットはNidy-2D-氏の描き下ろし! |
このCDは、2013年に発売されて好評を博した『ブレイブリーデフォルト ドラマCD ~リユニオンの祝祭~』に続くドラマCD第2弾。今回は“エタニティの腕環”を軸にしたオリジナルシナリオが展開します。主人公たち4人はもちろん、聖騎士ブレイブと剣聖カミイズミ、魔法剣士ナジットと盗賊ジャッカルのエピソードも楽しめます!
というわけで、お話をお聞きしたのは総勢8人の声優の皆様。ティズ役の斎賀みつきさん、アニエス役の小清水亜美さん、イデア役の相沢舞さん、リングアベル役の竹内良太さん、ブレイブ役の子安武人さん、カミイズミ役の緑川光さん、ナジット役の藤原啓治さん、ジャッカル役の檜山修之さんへのインタビューを含めた取材レポートをどうぞ!
まずは実際に収録現場でストーリーを聞いた感想をお届けします。が、その前に軽く今回のドラマCDの概要をしようと思います。
“エタニティの腕環”とは、親愛の証として男女間や親しい友人に贈られ、それを身につけることで将来の幸せが約束されるという、エタルニアに古くから伝わる民芸品のこと。
グランシップの倉庫から見つかった腕環。早速リングアベルはイデアに身につけさせようとするが……。(第一章:それぞれの部屋、ふたりきり&エピローグ:途切れない絆を……)
エタルニアの人々の間でまことしやかに語られる“二聖の恋”の真相とは?(第二章:在りし日の二聖)
ジャッカルは孤児のため、ナジットは病気の娘のために。それぞれが戦い続ける理由にまつわるエピソードが展開!(第三章:盗賊と魔法剣士)
和気あいあいとした主人公たちのエピソードはもちろん、本編で語られなかったアスタリスク所持者たちのエピソードにも注目!
ドラマCDの発売日は9月17日。まだ少し先になりますが、初回生産限定特典として『プレイングブレージュ』の限定スペシャルカードコードが封入される他、スクウェア・エニックス e-store特典として座談会CD(斎賀みつきさん、小清水亜美さん、相沢舞さん、竹内良太さんが出演)、アニメイト特典として座談会CD(子安武人さん、緑川光さん、藤原啓治さん、檜山修之さんが出演)が用意されているので、予約はお早めに。
▲店舗特典は2種類あります。ちなみに、今後は公式サイトでカウントダウンボイスが公開されていく予定です。 |
といったところで、今回のドラマCDの注目ポイントですが、個人的には前回の『リユニオンの祝祭』よりもシリアスさが増した印象です。特に第二章と第三章は、ゲーム内の設定と密接にからんだエピソードとなっており、気になる過去の話が展開します。ゲームを遊んだ方なら想像がつくかと思いますが、15年前に起こったブレイブとクリスタル正教との戦いの舞台裏も明かされます。
現在と過去が交錯するシナリオ展開ということで、声優さんの演技についても注目です。ブレイブとカミイズミが初めて出会った学生時代、カミイズミの部下として活躍していたころのナジットなど、ゲーム中の現在よりも若々しい演技が光ります。中でもイチオシとなるのが、檜山修之さんが演じる12歳(!)のジャッカル。
▲左から聖騎士ブレイブ(声優:子安武人)、剣聖カミイズミ(声優:緑川光)、魔法剣士ナジット(声優:藤原啓治)、盗賊ジャッカル(声優:檜山修之)。 |
そもそもゲーム中でも16歳という若さで、演じることが大変だったというジャッカルですが、その過去となる4年前を演じるということで……特典用の座談会でも、かなりネタにされていました(笑)。とはいえ、実際の演技は16歳のジャッカルよりも高い、少年らしい声の演技となっていて、当たり前のことながら「さすがは声優さん!」と聞きほれてしまいました。かなりかわいいです♪
一方、主人公たち4人が繰り広げる第一章ですが、こちらは逆にギャグのベクトルでのフルブレイブ状態(笑)。リングアベルが手に入れた、恋愛成就の魔法がかかった(と聞かされて買った)腕輪をめぐる物語となるのですが……リングアベル+恋愛成就という時点でもう、シリアスな展開になるわけがありませんな。
▲左からティズ(声優:斎賀みつき)、アニエス(声優:小清水亜美)、イデア(声優:相沢舞)、リングアベル(声優:竹内良太)。 |
なんと言いますか、常識人でとてもいい子のティズがいて、「ティズがそう言うのなら……」が口癖になってきた時期のめちゃくちゃかわいいアニエスがいて、この2人は2人で独自の世界を形成するわけですが、その一方でイデアとリングアベルも暴走をし始めて……と、1つの物語の中でいくつもの“味”を楽しめる構成になっています。
ネタバレになるので詳細は伏せますが、ゲーム中ではボイス演出がなかったパーティチャットでの名ゼリフ(イデアのくしゃみなど)もいくつか登場するので、ファンはニヤリとできるはずです。
取材をしていて感じたんですが、第二章&第三章と、第一章&エピローグとで、演技の雰囲気やテンポが全然違うんですよね。シリアス寄りの前者は1人1人がしっかりと自分のセリフを演じていく流れで、コメディ寄りの後者はガンガンとセリフがおおいかぶさっていくコントのようなスピード感。1つのドラマCDの中で、いろいろな物語が楽しめることはうれしいですね。
収録後のインタビューは2組に分かれて行いました。1組目は斎賀みつきさん、小清水亜美さん、相沢舞さん、竹内良太さんで、2組目は子安武人さん、緑川光さん、藤原啓治さん、檜山修之さん。店舗購入特典の座談会の印象も含めて、収録直後の感想をお聞きしました。
▲左から、竹内良太さん、相沢舞さん、小清水亜美さん、斎賀みつきさん。 |
――まずは本作の収録を終えられてのご感想をお願い致します。
斎賀:続編も決まっているということで、おめでとうございます。今回のドラマCDは、4人の愉快な船の旅からのとある事件簿みたいな話になっているので、楽しみにしていてください。
この4人の新たな絆が見られて、自然に笑みが出てくる感じで、楽しくやらせていただきました。
小清水:久しぶりに4人で集まれることを、ずっと楽しみにしていました。ゲーム本編ではシリアスな場面が多かったのですが、今回はちょっと幸せな話と言いますか、思わず笑顔がこぼれるようなお話を演じることができて、すごく幸せな気持ちになりました。
アニエスは普段、ティズとこういう会話をしていたんだなあと、ゲームにはなかった物語を聞けることは、ドラマCDならではでいいですよね。
▲辺境の村で弟のティルとともに羊飼いをしていたティズ。アニエスと出会い、冒険に同行することに。 | ▲アニエスは風のクリスタルを司る巫女。クリスタルの精霊に導かれ、クリスタルを解放するための旅に出ます。 |
竹内:リングアベルというのは、ニヒルでかっこいい、なおかつ軽い男で明るい性格ですよね。私自身にとっては、こういう役はちょっと冒険的と言いますか、どうやって演じればいいのか悩んだこともあります。こうして再び演じる機会をいただけたことは、うれしいと同時に、また気合を入れなきゃいけないなという気分でしたね。
今回のお話はセリフの掛け合いがメインということで、自分だけで作り上げていたセリフとはまた違った感情で出てきたりして、勉強になるとともに楽しい時間でした。
個人的に、イデアから「リングアベルは黙って!」と言われるおなじみの流れがすごく好きなんですが、またその掛け合いができたことが非常に楽しかったです。
相沢:今回もリングアベルとイデアはドンチャンしていて、すっごくうるさいです(笑)。ええと、実は私、少し前に引っ越したんですよ。
斎賀:いきなり引っ越しの話!?(笑) 質問の答えと関係があることなの?
相沢:たぶん(笑)。その新しい家は鉄筋なんですけど、声がすごく反響する場所でして。イデアの声を出す練習をしていたら、ご近所の方から怒られるんじゃないかとドキドキしちゃいました。
斎賀:まとめますと、イデアというキャラはそれだけ大声を出す、にぎやかなキャラだということですね。
相沢:そうなんですよ。今回のイデアもすごいパワーなので、楽しみにしていてくださいね。
▲イデアはエタルニア公国の元帥の1人娘。活発でおてんばな性格で、強い正義感も持ち合わせています。 | ▲なぜか未来のことが書かれているDの手帳を持つ、記憶喪失の青年であるリングアベル。 |
――今回のドラマCDで印象に残ったシーンやセリフ、聞いて欲しいシーンなど聞きどころをお願いします。
斎賀:全部! と言うのが本音ですが、その中でもティズ的に印象に残った単語で言えば、絆と家族かなと思います。そういう言葉をとても大切にしている子なんだなというのが端々に見えてくるんですよ。
そういうティズの純真さ、真っ白な感じが強調されているので、ぜひそのあたりを楽しみにしていただければなと思います。
小清水:アニエスはずっと隔離された空間で生きてきた女の子で、初めて外に出てティズたちに会うことで人として成長していく部分が魅力だと思うんです。今回のドラマCDでもティズと2人きりになるシーンがあって、そこでティズの言葉を受けてアニエスがまた1つ成長する場面があります。
あと、個人的にリングアベルとイデアの同時セリフも聞きどころだと思います。
斎賀:それは、竹内さんや相沢さんが言うためにとっておいたのに(笑)。
小清水:あ……、お2人はそれ以外の見どころでお願いしますね(笑)。
竹内&相沢:ええええええ!
竹内:ええと、リングアベルってイデアイデアイデアって感じがありますけど、4人で旅をしていることもあり、また兄貴肌な面もありますので結構ティズとアニエスのことを気遣ってるんですよね。
今回も2人を見守っているような、リングアベルならではの行動をするシーンがあるので、イデアとのドタバタ劇とともに注目していただければと思います。
あと、ネタバレになるので深くは言えませんが“赤いおじさん”を頑張りましたので、そこもお楽しみください。
相沢:ゲームではお互いの声がかぶらないように間合いを意識していたんですが、今回はせっかくのドラマCDなので、セリフがかぶってもいいからリングアベルとの呼吸感を大事にすることを意識しました。
そうしたリングアベルとイデアならではの呼吸感を聞いていただければうれしいです。
小清水:もう1つ言い忘れていました! 「ジョブチェンジ」というセリフを聞けたことがうれしかったです。
竹内:ああ、確かに。ジョブチェンジをする時に「ジョブチェンジ!」って叫びましたね。
小清水:決めゼリフみたいで楽しかったです。
――収録中のおもしろいエピソードはありましたか?
斎賀:本番を止めた女性が約一名います(笑)。
小清水:ええー、誰だろう。困っちゃいますよね(汗)。
斎賀:なんと、「あの、小清水さん、すみません。マイクに向かって話をしていただけますか」というダメ出しを受けていました。
小清水:あの、ティズの長セリフがありまして、それを「うんうん」ってうなずきながら聞いているうちに感情移入しすぎちゃって、だんだん斎賀さんのほうを向いちゃいまして……。いざ自分のセリフの時に、顔を横に向けたまましゃべっちゃったんですよ。
斎賀:これは、アニエスとして私のセリフを聞いていてくれたということでもあるので、実はすごく温かくてうれしいエピソードでもあるんですよ。
小清水:ありがとうございます。……ところで、リングアベル&イデアは?
相沢:えー、今のを超えるお話なんて(笑)。と言いたいところですが、座談会の時の竹内さんがすごかったです。特に最後の部分は、いったいどんな形で編集されるのか、私自身もすごく気になっています。
竹内:……いやー、やらかしちゃったなぁ。最後にリングアベルの気持ちになってアドリブでしゃべったんですが……ぜひ、座談会CDを聞いていただければと思います。
――ちょっと脇道にそれた質問となりますが、ドラマCDの中で“エタルニア名物のおでん”が登場することにちなんで、皆さんの好きなおでんの具について教えてください。
相沢:やっぱりタマゴですね。タマゴは世の中にたくさんありますけど、おでんのタマゴは別物なんですよ。
斎賀:確かにそうかもね。お出汁がきいていて、中の黄身までしみていて……。
相沢:そうなんですよ! カラシをつけて食べると最高です。タマゴって健康面に気を使うと、1日に何個も食べられないじゃないですか。1個にとどめて、その貴重な1個を大事に大事に食べる……。それくらい好きなんです!
――竹内さんはいかがですか?
竹内:僕は断然、チクワですね。「おでんにはもっとおいしい具があるだとう」と、意外と共感を得られないことがあるんですけど、かめばかむほど出汁の味がするし、食べごたえもあるし、おいしいじゃないですか。
斎賀:個人的にチクワは磯部揚げの印象が強いので。でも、チクワって、おでんに絶対入れますよね。
竹内:そうなんですよ。でも、コンビニとかでランキングを見ると、1位はタマゴで2位が大根みたいな感じで、チクワってあまり上位に入っていないんですよね。そういうものを見ながら、僕はチクワをごっそりと取ったりします。
相沢:チクワはおいしいですし、安いところもいいですよね。
竹内:そう、安さもポイントですね。
――小清水さんはどうですか?
小清水:好きな具はいっぱいあるんですけど、とりあえず私はちくわぶ派ですね。ちくわぶを何本も食べます。
斎賀:何本も!?
小清水:ちくわぶをまず頭に3本くらい食べて、ガツンときてから、トマトとかジャガイモ。それらを食べたら、またちくわぶに戻って……。
斎賀:もう4本食べちゃってるじゃん(笑)。もう全体の3/4がちくわぶだよ!
小清水:で、最後にしらたきをほぐして、麺みたいにしてお汁と一緒にすすります。この流れがないと、私のおでんじゃないですね。
斎賀:好きな具がいっぱいあると言っていましたが、結果的にちくわぶとしらたきの2種類でしたね。
(一同笑)
――最後に斎賀さんのお気に入りの具は?
斎賀:私は皆さんのランキングの上位にくるであろう大根ですね。おでんを出す居酒屋が増えてきているんですが、それぞれの店で味が違うじゃないですか。大根は汁を一番吸い込むので、それを食べると、その店がいい仕事をしているかどうかががわかるような気がします。
小清水:次の座談会はおでんを食べながらやりましょうよ。
斎賀:次の収録の時には“エタルニア名物のおでん”の話題は終わっちゃっていると思います(笑)。
――ゲームで演じた際と今回のドラマCDの収録とで、ご自身が演じたキャラクターの新たな一面が見えて驚いた部分はありましたか?
斎賀:ティズって、一貫して素直な子じゃないですか。だから、新しい部分というより、彼の真面目な部分、純真な部分が厚みを増すという感じですね。
みんなにティズのそういう面を見ていただくことが、彼のことをより深く知るということであり、より好きになっていってもらえることなんじゃないかなと思います。
――確かに、ティズのよさが強調されている感じがありました。家事が得意という部分もクローズアップされていましたし。
斎賀:羊飼いとしての生活など、今までは想像するだけだったところも、「あ、やっぱり」と納得できるような描写がありましたね。それがより厚みを増すと言いますか、皆さんの近くに寄る感覚です。
――小清水さんはいかがですか?
小清水:ゲームの時は「アニエスって、こんなことを考えていたんだろうな」と私のほうで補完してしゃべっていた部分もあるのですが、今回はモノローグがいくつかあって、自分で想像していた部分を明確にしてくれるものばかりだったので、よりアニエスに近づけました。
――ちなみに、ゲーム内で小清水さんが想像されていた部分と、今回のエピソードでシンクロする部分というのはありましたか?
小清水:もちろんシンクロする部分はあったんですが、「あ、結構暴走しちゃってたかも」と思う部分もありましたね。私はティズが大好きすぎるので(笑)。
――竹内さんはどうでしたか?
竹内:ゲームでは兄貴肌のお芝居が強かった気がしますが、ドラマCDでは泣いたりめげたりといった、少しなよっとした部分も出てきます。リングアベルの弱さみたいなものが出ることもあり、メンバー3人に癒してもらったり、からかわれたりする部分は少し驚きでしたね。
普段ならそういう弱さって、隠しちゃう部分だと思うのですが、リングアベルはむしろおおっぴろげにやるんだなという。彼ならではのよいところを発見できたのはうれしかったです。
――収録を聞かせていただきましたが、今回のドラマCDではリングアベルのかわいさが強く出ている気がしました。
竹内:恐縮です。ありがとうございます。
――続いて、相沢さんはいかがですか?
相沢:実は私、ゲームの時からイデアを演じるにあたって気をつけようと思っていたことがあるんですよ。いただいた設定の中に“精神年齢は他の3人よりずっと大人”って書いてありまして……。
“場の空気を読んで、無理に明るく振る舞っている部分も多い”とも書かれていたので、気をつけなきゃと思って演じていたんですが、なぜかだんだんおバカっぽくなっていっちゃって(笑)。
(一同笑)
相沢:初期の設定を見るたびに、「あー、キャラがおバカ寄りになっちゃったのは私のせいだ。ごめんね、イデアー」って思います(笑)。
斎賀:もしかしたら、この初期設定はイデア自身が書いた自己紹介文なのかもしれませんね。“精神年齢は他の3人よりずっと大人 byイデア”みたいな。
相沢:なるほど!(笑) ともあれ、今回のドラマCDでもイデアはさらに明るくなっていますので、これからもよろしくお願いします!
――最後に、『ブレイブリーデフォルト』を応援しているファンにコメントをお願い致します。
斎賀:皆さんの応援があってこそ続編も決まり、ドラマCDも出していただけるということだと思います。私の周りでも本当におもしろいと言ってくださる方が多いです。
そのぐらいスタッフさんが力を入れて作っている作品なんだと実感しています。ぜひ今回のドラマCDを聞いていただいて、ゲームってどんな感じだったかなと、今一度ゲームをプレイしていただいて、『ブレイブリー』熱を再燃させていただければと思います。
小清水:『ブレイブリーデフォルト』の世界観って、この世界ならではの魅力が詰まっていますよね。ドラマCDをやらせていただいたり、ゲームをプレイしたりした中で、たくさんの気持ちをもらえるゲームだと思いました。
やり込み部分もたくさんあって、全部のジョブを育てるなど、ワクワクドキドキしながらプレイさせていただいたことが印象に残っています。
斎賀:コンプリートした方からメールやファンレターが来たりしますもんね。私がゲームを作ったわけではありませんが、そういった感想をくださる方が多いので、本当にすごいゲームだと思います。
小清水:もしもまだ遊んだことがない方がいらっしゃったら、今からでも遅くないので、ぜひプレイしていただいて、続編に備えていただけたらうれしいなと思います。
竹内:僕はアクションやシューティングが好きで、RPGはあまり遊んだことがなかったんですよ。そんなRPGビギナーの自分でも、グッとのめり込めるストーリーや、どのキャラも主人公といっても差し支えないくらいの魅力があふれていて、最後には「クリアするのがもったいない!」と感じるほどでした。
このドラマCDを聞いて、『ブレイブリーデフォルト』という作品を再び夢想しながら、ぜひ続編ものめり込んでいただければと思います。
相沢:先日、ソフトを持って外に出てみたんですが、すれちがい通信ですれちがった方がたくさんいらっしゃったんですよ。ゲームの発売から少し時間がたちましたが、まだ遊んでいる方や、新しく遊び始めてくださった方がいっぱいいることがわかって、すごくうれしかったです。
イデアの絵や小物を送ってきてくださる方もいらっしゃって、本当に愛され続けているゲームやキャラなんだと実感しています。これからも、末永く愛していただけたらうれしいです。
▲左から、檜山修之さん、藤原啓治さん、子安武人さん、緑川光さん。 |
――それでは、本作の収録を終えられての感想をお願いいたします。
檜山:ゲームの場合は1人ずつ単独で収録することが多いのですが、芝居というものはかけ合いが楽しい部分もあると思います。そういう意味で今回は非常に楽しい仕事でした。
藤原さんが演じるナジット先生とからむことで、僕のジャッカルもキャラの深みが出ています。
▲ジャッカルは大人にしいたげられた過去を乗り越え、16歳の若さで盗賊団の長となりました。 |
子安:ブレイブについても、新しい背景や知らなかったバックボーンが見えてきて、演じていて感心させられる部分やおもしろいと思う部分が多かったです。
僕が担当した2編の感想ですが、光君(緑川光さん)と2人でやった話は、「こんないいエピソードが裏にあったんだ」と感動しました。ファンならずとも興味深いお話という感じで、演じていて素直におもしろかったです。
4人でやった話は、他の方々の演技を見ながらニヤニヤしていました(笑)。檜山君が若い役をやっているんですが、檜山君自身はそんなに若くないじゃないですか?
▲イデアの父にして、六人会議をまとめるリーダーであるブレイブ。 |
檜山:12歳の演技だからね(笑)。12歳よりも若いわけがないでしょ。
子安:何が言いたいかというと、それぞれ経験値を積んだ役者が共演するドラマっていうのは、本当におもしろいなあということです。あらためて、そう実感するいい機会になりました。
藤原:設定はゲームと同じなんですが、やはり会話形式で収録すると「違うな」と思いましたね。ご家庭にあって損はない1枚になっていると、強く感じました。
▲商会の用心棒であるナジット。伝令や密偵、用心棒など、金になることならなんでも請け負うことで知られています。 |
檜山:うわ、ウソっぽい(笑)。文字にするときれいな言葉に見えちゃって、この藤原さん特有のニュアンスは伝わりにくい気がしますね。
緑川:藤原さんの言葉に(笑)を入れていただくか、我々の(一同笑)を入れていただければ、藤原さんの言い方のおもしろさが伝わりやすいかもしれませんね。
――わかりました(笑)。続いて緑川さんはいかがですか?
緑川:そもそもゲーム用に収録する時に設定を見て、関係性が深いブレイブはどなたが演じるんだろうと気になりました。そんなブレイブ役が子安さんだと知って、もし子安さんとからんで芝居ができたらおもしろいだろうなと思っていました。ゲームの時は単独での収録でしたが、今回はご一緒にお芝居ができてうれしかったです。
脚本的にも、長すぎず、シリアスなだけでなくおもしろいところもあって、本当にうまい脚本だなと感じました。子安さんと一緒にからめることは普通に楽しくて有意義なんですけど、ちょっと過去のエピソードなんかもありまして、ゲームをプレイされた方はニヤリとできるシーンも盛り込まれています。
逆にまだプレイをされていない人でも、ブレイブやカミイズミというキャラクターの魅力が十二分に伝わるエピソードになっていますので、ぜひ聞いていただきたいですね。
▲剣聖カミイズミは黒鉄之刃(くろがねのやいば)の団長で、イデアの剣の師匠。ブレイブとは旧知の仲です。 |
――今回のドラマCDで印象に残ったシーンやセリフなど、聞きどころについてお願いします。
緑川:個人的な聞きどころは、やっぱり12歳の檜山さんが……。
檜山:やめて(笑)。
緑川:もともとの役も若いんですけど、さらに過去にさかのぼったエピソードなので、どんな芝居をするのかなと興味がありました。本人もあまり心の準備をしていなかったようで(笑)、戸惑っている感じがおもしろかったですね。
でも、決めるところは決めるのがさすがベテランだなと思いました。そのへんの技を聞いていただきたいですね。
自分が演じたカミイズミは、とても評判がいいキャラクターでうれしく思っています。それが今回、子安さんが演じるブレイブとからむことによって、よりイキイキとしたキャラの魅力が出ています。だから、聞きどころは全編ですね。
――藤原さんや子安さんはいかがですか?
藤原:自分の出るシーンはコンパクトにキュッとまとまっているので、「特にこのシーンが」とは言いにくいのですが、若い時のナジットと現在のナジットとの違いは、ぜひ比較して聞いてみてほしいと思います。あとは、12歳の檜山君の演技ですね。
子安:そうですね。12歳の檜山君はもちろんですが、自分の役的なところで言えば、光君と2人でやった熟年の男たちの不器用な生き様ですかね。
いろいろな思いが心の奥底にあるんですが、それを隠して生きていくかっこよさ、みたいなね。そうして隠しているんですが、お互いにわかりあっているところが、非常に哀愁があってかっこいいんです。
そうした隠している部分、言わない部分の気持ちをくみ取っていただけると、より楽しく聞いてもらえるのではないでしょうか。
――そして檜山さんですが、やはり12歳の演技が聞きどころになるでしょうか(笑)。
檜山:そうですね。正直、動揺はしました(笑)。台本はちゃんと読んでいたので、ナジット先生との出会いに関する回想シーンがあることはわかっていました。ただ、1年前くらいかなと思っていたら、実は4年前だと言われまして、「ウソだろ!?」と。その頑張りを聞いていただいて、皆さんからのエールをいただければ幸いです(笑)。
それから、真面目な部分としての聞きどころですが、今回はみんなが一緒にスタジオに入って、セリフを掛け合いながら演技をした部分です。ゲームと同じようなやりとりをしている場面でも、それぞれの役者が演じる生きたセリフでのやりとりをすることによって、よりキャラの内面やバックボーンが明確に出ています。
ゲームが骨組みだとしたら、今回のドラマCDでいい感じに肉がついたと感じました。聞いた方が世界観を広げていくことができる部分は、このドラマCDの聞きどころだと思います。
――収録中におもしろいエピソードはありましたか?
子安:店舗特典用の座談会は、とにかくおもしろかったですね。この4人でフリートークをすることはほとんどなかったので、最初はどうなるかと思いましたけど(笑)。結果的には、今まで各人がつちかってきたスキルを駆使して、腹の探り合いみたいなトークをしているのがおもしろかったです。
その中でも、“藤原啓治”という男が見せたスキルには感動しましたね。その名もディフェンス攻撃。なんと言いますか、守りを固めて会話から一歩引いているように見せかけて、うまく会話の前線に出ておいしいところを持っていく、みたいな。自分もたまに使うテクニックなんですけどね(笑)。
藤原さんはそういうタイプではないと思っていたので、親近感がわきました。
藤原:正直なところ、収録よりも座談会のほうがプレッシャーでしたね(笑)。このメンバーが一堂に会することなんて、そうそうないじゃないですか。何日か前から、ずっと考えていたんです。いっぱいしゃべるか、ちょっとしかしゃべらないか、どっちかしかない、この座談会!
(一同笑)
藤原:始まってみないとわからないと思っていたんですが、結果は攻めのディフェンスでしたね。
檜山:いやいや、十分しゃべっていました(笑)。
藤原:まあ、途中疲れが見え始めたこともあったんですが、なんとか最後までいけたんじゃないかということが、うれしかったですね。これ以上はもう言いますまいよ。
子安:この藤原さんのキャラはずるいなあ(笑)。
――確かに座談会でも、藤原さんのキャラは目立っていました(笑)。続いて檜山さんや緑川さんはいかがですか?
檜山:座談会は僕が司会進行だったのですが……まあ、回せるわけがないという感じです(笑)。ただ、おもしろかったですね。同年代の我々が集まってトークをするという機会はなかなかないので、本当に楽しかったです。
残念ながら、制作サイドの狙いである、この作品の世界観を掘り下げるという本来の目的は果たせなかった気がしますけど(笑)。
緑川:守るために攻める会話というものを見させていただいて、勉強になりましたね。違う方向性で得るものがいっぱいありました(笑)。
たぶん一番大変だったのは檜山さんだったと思うんですけど、さすがですよね。このメンバーが暴走しそうになっても、大声でキチンと突っ込みまくって軌道修正をしてくださいました。
――ドラマCDに登場する“エタルニア名物のおでん”にちなんで、好きなおでんの具について教えてください。
藤原:これを食べないとおでんを食べた感じがしないほど、個人的に定番なのは大根です。この間、いつもにぎわっているおでん屋に行ったのですが、なぜか空いていて、「あれ? どうしたんですか?」って聞いたらですね。
檜山:語り口が落語じゃないですか(笑)。
藤原:暑くなってきたかららしいんですよ。おでんは鍋じゃなくおでんだから、夏だからといって避けなくてもいいと思うんですけどね。そんなわけで、空いていてラッキーという話でした。
檜山:ああ、なるほど。夏でもおでんはアリだよってことですね。
子安:確かにおでんは冬の食べ物というイメージがあって、熱燗とセットみたいなところもありますしね。
緑川:僕もおでんは好きですね。特にさつまあげのような練り物が好きです。先ほど藤原さんの話に出た大根も好きで、特にコンビニのおでんがすごく好きなんですよ。それまではあまり興味がなかったんですが、大根のおいしさを知って、ちょっと大人になったような気がしましたね。
檜山:おでんはお酒のつまみとしても最高ですし、ネタも全般が好きです。中でも印象深い具は、ちくわぶですね。僕は広島出身で、地元にいたころはちくわぶがマイナーで、テレビ番組とかで見たことしかありませんでした。東京に出た時に食べてみたら、すごくおいしくてビックリしました。
藤原:おいしいよね、ちくわぶ。
檜山:だから、おでん屋にいくと必ずちくわぶは頼んじゃいますね。レギュラーメンバーです。
――子安さんはいかがでしょうか?
子安:どんなネタも好きですが、何よりの楽しみは、カラシが溶けた汁を最後に飲むことです。いろいろな出汁が出ている汁でフィニッシュを決めるのが大好きですね。
――ゲームと今回のドラマCDとで、ご自身が演じたキャラの新たな一面が見えて驚いた部分はありましたか? まずは檜山さんにお聞きしますが、ジャッカルが砂漠で掃除をするエピソードがありました。そういうマメなキャラクターだという印象はありましたか?
檜山:掃除をするようなキャラだとは思いませんでしたけど、どこかヌケているキャラだとは思っていました。
まあ、シナリオの中でも言っていますけど、掃いても掃いても砂漠は砂漠ですよ。多少水をまいたところで無理ですよ。と突っ込みたくなることを真面目にやっちゃうところは、いかにもジャッカルらしいと思いましたね。
悪ぶっているけど憎めない。利口ぶってるけど、お前利口じゃないよっていうね。そういうキャラクター性が今回も出ていました。
――次に子安さんが演じたブレイブはいかがでしたか?
子安:親友であるカミイズミと心を通わせるエピソードがよかったですね。最初はおでんの話などをしてコミカルな部分もありますが、後半にいくにしたがって、そんな話をしていたことすら忘れてしまうくらい熱い2人の友情物語が展開します。
若いころからお互いに知っていたというエピソードは、ファンにとってはうれしいと思います。若いころのイラストなんかも見たくなるでしょうし、いろいろと想像させられるという意味でも幅が広がった感じです。
――ナジットを演じた藤原さんはいかがでしたか? ナジットは陰があるキャラとして描かれることが多いのですが、今回は若いころの少し感情豊かな描写もあったと思います。
藤原:ゲームだと世を儚んでいるような感じが出ていましたが、今回は穏やかな部分ですとか、若いころの意外にも熱い部分ですとか、そういった違いを出せるように意識しました。ゲームよりも、かなり人間くさい感じですね。
――ナジットが実はいい人だということはゲームでも描かれていましたが、特に今回はその部分がクローズアップされていた気がします。
藤原:今回のエピソードで、そのあたりにメリハリがついたんじゃないかなと思います。
――次に緑川さんにお聞きします。カミイズミの若いころのエピソードが描かれましたが、いかがでしたか?
緑川:カミイズミの過去の話は、ゲームの収録をした時からずっと知りたいと思っていたんですよ。なので、声優の仕事として台本を読むとともに、ファン目線でもワクワクしながら楽しませていただきました。普段の仕事とは、台本チェックの感覚が違っていたことがおもしろかったですね。
――最後に『ブレイブリーデフォルト』を応援しているファンの皆様へのメッセージをお願いします。
子安:皆さんのおかげでドラマCDまで作っていただくことができました。よりいっそう世界観が広がり、次のステップに進んでいくことになると思います。
ゲームの続編が出た際には、このドラマCDのエピソードは皆さんのキャラや世界観への愛着度が増すファクターになるはずですので、ぜひドラマCDを聞いていただければと思います。
そして、ゲームの新作が出たらプレイしていただき、もっとこの世界を好きになっていただいて、『セカンド』で終わりではなく、『3』『4』と末永く続くタイトルになっていくとうれしいですね。
緑川:確かにゲームのシリーズ化って、そういう部分がありますよね。『ブレイブリーデフォルト』は1作目が好評だったので、2作目も期待以上のものだったなら、『3』『4』とわりとトントンといっちゃいそうな気がします。
これは個人的な要望なんですけど、ゲーマー的な観点からいうと、いつかは自分のキャラクターがパーティインして操作できるようになるとうれしく思います。ぜひシリーズに長く続いていただいて、そういうチャンスをいただきたいですね。
藤原:今回の収録でナジットというキャラクターに対する理解も深まったところで、次につなげていきたいと思っています。また、今回は座談会という新しい試みによって刺激を与えられたということもありまして、今後もこうして新しい刺激を取り入れていけたらと思います。
檜山:やっぱり芝居というものは、役者同士の掛け合いが楽しいです。そういう楽しい場を作っていただいたということは、一重にゲームにパワーがあるということでしょうし、そのパワーを支えてくださったのは、ゲームをプレイしてくださった皆さんのおかげだと思っています。本当にありがとうございます。
で、ゲームで次が出るということなんですが、ちょっと気になるのは、展開次第ではジャッカルが死んでしまった覚えがあるんですよね。そのへんはぜひ、ジャカル生存ルートで続編を作っていただけないかという切実な願いがあります(笑)。
何はともあれ、今後も人気タイトルであり続けるためには、皆さんの応援が必要ですので、よろしくお願いいたします。
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