2014年8月25日(月)
『ドラゴンクエスト』シリーズの中でも、最弱の武器というイメージが強い“ひのきのぼう”。そのちょっぴり不名誉なイメージが本当なのかどうか、夏休みの宿題感覚で調べてみました! 各シリーズ作品の歴史を振り返りつつ、どの作品の“ひのきのぼう”が最強だったのかを探ってみようと思います。
ただ、“ひのきのぼう”1種類だけを調べても、強いのかどうかがよくわからないかも? ということで、“ひのきのぼう”と同様に初期の弱い武器というイメージがある“こんぼう”と、防具版“ひのきのぼう”とも言える“ぬののふく”も調べてみました。
なお、『I』~『IV』はファミコン版、『V』~『VI』はスーパーファミコン版、『VII』はPS版、『VIII』はPS2版、『IX』はDS版、『X』はWii版で調べたものとなります。また、記載しているデータはすべて編集部調べになります。
●登場しない
●攻撃力:4 ●買値/売値:60/30
●装備可能キャラ:主人公
●防御力:2 ●買値/売値:20/10
●装備可能キャラ:主人公
なんとなく“ひのきのぼう”はシリーズ皆勤のようなイメージがありましたが、『DQI』には登場していませんでした。
ちなみに『DQI』最弱の武器は“たけざお”。その攻撃力は2で買値は10G。この“攻撃力2”という数値は、次回作『DQII』の“ひのきのぼう”へと受け継がれていくことになります。
●攻撃力:2 ●買値/売値:―/15
●装備可能キャラ:全員(ローレシアの王子、サマルトリアの王子、ムーンブルクの王女)
●攻撃力:8 ●買値/売値:60/45
●装備可能キャラ:ローレシアの王子、サマルトリアの王子
●防御力:2 ●買値/売値:―/23
●装備可能キャラ:全員(ローレシアの王子、サマルトリアの王子、ムーンブルクの王女)
前作の最弱武器“たけざお”は姿を消し、その座は“ひのきのぼう”が引き継ぎました。ただ、武器として売るにはあまりにも弱いからか、敵が落としたり、ムーンブルクの王女の初期装備品だったりと、非売品としての扱いとなります。
その一方で、ライバルとも呼ぶべき“こんぼう”は前作から攻撃力が2倍に! 早くも“ひのきのぼう”と“こんぼう”のヒエラルキーが確立してしまったかのように感じますが……。
●攻撃力:2 ●買値/売値:5/3
●装備可能キャラ:全職業(勇者、戦士、武闘家、魔法使い、僧侶、商人、遊び人、賢者)
●攻撃力:7 ●買値/売値:30/22
●装備可能キャラ:魔法使い以外(勇者、戦士、武闘家、僧侶、商人、遊び人、賢者)
●防御力:4 ●買値/売値:10/7
●装備可能キャラ:全職業(勇者、戦士、武闘家、魔法使い、僧侶、商人、遊び人、賢者)
“こんぼう”の攻撃力が1下がりましたが、“ひのきのぼう”は2のままで動かず。最弱の武器の地位は揺るぎません。
『DQIII』では、攻撃力が皆無と言われる“どくばり”が初登場しますが、実はその攻撃力は10。“どうのつるぎ”の12には劣りますが、“ひのきのぼう”の5倍を誇り、“こんぼう”よりも強い武器でした。
一方そのころ、“ぬののふく”の防御力は4へと倍増し、さらに防御力が1という“あぶないみずぎ”が登場したことにより、最弱防具から抜け出します。ただ、この後のスタンダードとなる“たびびとのふく(防御力8)”が初登場したこともあり、“ぬののふく”の最弱イメージはいっそうと増していった時期でもあります。
個人的にはこのへんの時代から、“ひのきのぼう”=『DQ』シリーズ最弱の武器という地位が確立されたような気がしますね。
●攻撃力:2 ●買値/売値:―/7
●装備可能キャラ:アリーナ、トルネコ以外(勇者、ライアン、ブライ、クリフト、マーニャ、ミネア)
●攻撃力:7 ●買値/売値:30/22
●装備可能キャラ:ブライ、マーニャ以外(勇者、ライアン、アリーナ、クリフト、トルネコ、ミネア)
●防御力:4 ●買値/売値:10/7
●装備可能キャラ:全員(勇者、ライアン、アリーナ、ブライ、クリフト、トルネコ、マーニャ、ミネア)
個人的に大きなトピックスは2つ。1つは、一部のキャラが装備できないことにより、“ひのきのぼう”=誰でも装備できるという前提が崩れたこと。
そしてもう1つは、“どくばり”の攻撃力が0となったことで、“ひのきのぼう”が最弱から抜け出したこと。“ひのきのぼう”研究家にとって『DQIV』は、その状況が大きく動いた激動の時代としてとらえられる……かもしれません。
ちなみに本作における“ひのきのぼう”は、トルネコの章でキツネに化かされて武器を買う時のみ購入可能。非売品に近いと聞くと貴重な気がしますが、ブライの初期装備品としても入手できますし、敵を倒しても落とすので、実際はまったく貴重ではありません。
●攻撃力:2 ●買値/売値:10/7
●装備可能キャラ:主人公、男の子、サンチョ、一部のモンスター
●攻撃力:9 ●買値/売値:60/45
●装備可能キャラ:サンチョ、ヘンリー、一部のモンスター
●防御力:4 ●買値/売値:30/22
●装備可能キャラ:人間(主人公、ビアンカ、フローラ、男の子、女の子、サンチョ、ピピン、ヘンリー)、一部のモンスター
“どくばり”の攻撃力が1に上がりましたが、まだ“ひのきのぼう”のほうが上ですね。“こんぼう”の攻撃力も上がり、ここまでのシリーズ史上最強となる攻撃力9に到達します。はたして、“こんぼう”の攻撃力が2ケタの大台に乗ることがあるのか? ご注目いただければと思います。
そしてもう1つ、ここで思わぬ伏兵が復活します。それは、かつて最弱の武器だった“たけざお”の兄弟品とも呼ぶべき“たけのやり”の登場です。この武器の攻撃力は5で“ひのきのぼう”をしのぎ、ともすれば“こんぼう”の地位をおびやかしかねません。
●攻撃力:2 ●買値/売値:10/7
●装備可能キャラ:主人公、ハッサン、ミレーユ、バーバラ、チャモロ、一部のモンスター
●攻撃力:9 ●買値/売値:110/82
●装備可能キャラ:主人公、ハッサン、テリー、アモス、ドランゴ、一部のモンスター
●防御力:4 ●買値/売値:―/22
●装備可能キャラ:メインキャラ全員(主人公、ハッサン、ミレーユ、バーバラ、チャモロ、テリー、アモス、ドランゴ)、一部のモンスター
ここでは、“ぬののふく”の後輩となる防御力3の防具が登場します。その名も、“ただのぬのきれ”。単なる布のわりには防御力が高い気がしますが、なんにせよ本作でも“ぬののふく”は最弱から抜けています。
“ひのきのぼう”、“たけのやり”、“こんぼう”の三角関係(?)も特に進展はなく、攻撃力は前作と同じ数値に。しいて言えば、“こんぼう”の買値が60→110に上がっていますが、これはいいことなのか悪いことなのか微妙です。攻撃力は据え置きでの値上げですからね。
ちなみに、個人的には『DQVI』=ステータスに“かっこよさ”が登場したことが思い出深いです。それについて3者のデータを調べると、“ひのきのぼう”は0、“たけのやり”は1、“こんぼう”は5……うーん、順当な結果ですね(笑)。
●攻撃力:2 ●買値/売値:10/5
●装備可能キャラ:全員(主人公、キーファ、マリベル、ガボ、メルビン、アイラ)
●攻撃力:8 ●買値/売値:110/55
●装備可能キャラ:マリベル以外(主人公、キーファ、ガボ、メルビン、アイラ)
●防御力:4 ●買値/売値:30/15
●装備可能キャラ:全員(主人公、キーファ、マリベル、ガボ、メルビン、アイラ)
“こんぼう”の攻撃力が1ダウンした他は、ほぼ動きなし。ある意味で安定期に入ったかと思いましたが、次回作で動きが!
●攻撃力:4 ●買値/売値:10/5
●装備可能キャラ:主人公
●攻撃力:7 ●買値/売値:110/55
●装備可能キャラ:ヤンガス
●防御力:4 ●買値/売値:30/3
●装備可能キャラ:主人公、ヤンガス、ゼシカ、ククール
ここでまさかの“ひのきのぼう”の強化! ここまでのシリーズ史上で最強となる攻撃力4となりました!!
……が、実は罠がありまして。“ひのきのぼう”は剣のカテゴリとなるのですが、主人公の初期装備である“兵士の剣”が攻撃力8なんですよね。初期装備以下って、使い道がないじゃん!!
と思いきや、実は“ひのきのぼう”が真価を発揮するのは、錬金窯での材料として。“ダガーナイフ”と錬金すると“鉄のヤリ”、“石のぼうし”と錬金すると“石のオノ”など、さまざまな武器に変化するのです。
シリーズ8作目にして、装備品ではなく材料としての立ち位置を確立するとは……“ひのきのぼう”、あなどりがたし!
ちなみに“たけのやり”は『DQVIII』には登場せず。最弱の槍が“鉄のヤリ”(攻撃力24)だったことを考えると、“たけのやり”にも出番をあげてほしかった気がします。
▲『DQVIII』では武器のグラフィックがゲーム中に反映されるので、“ひのきのぼう”の外見も描写されています。初期装備品よりも弱いのですが、錬金窯の材料としては役立ちます。 |
●登場しない
●攻撃力:7 ●買値/売値:70/7
●装備可能キャラ:バトルマスター、パラディン
●防御力:2 ●買値/売値:30/3
●装備可能キャラ:全職業
なんと、『DQVIII』で新たな可能性を見せた“ひのきのぼう”が、ここでまさかのスタメン落ち! 個人的には、棍のカテゴリとしてぜひ残ってほしかった……。
一方の“こんぼう”は、ハンマーのカテゴリでの最弱武器として登場。ただ、ハンマーは上級職であるバトルマスターやパラディンにならないと装備できないため、“こんぼう”の価値は……微妙(涙)。
この隙をぬって躍進したのが、槍の最弱武器として復活した“たけのやり”(『DQIX』での名前は、たけやり)。槍は僧侶も装備できるので、初期の基本装備として利用した人も多いのでは?
●登場しない
●攻撃力:6 ●買値/売値:?
●装備可能キャラ:パラディン、バトルマスター、どうぐ使い
●登場しない
そして『DQX』でも“ひのきのぼう”は復活せず……。“こんぼう”はまたもや上級職用のハンマーとしての登場ですが、なんとかシリーズ皆勤を果たした形です! 素晴らしい!!
“たけやり”も残りましたが、“ぬののふく”は残念ながらスタメン落ち。シリーズ9作までで皆勤の夢は途切れましたが、『DQX』はバージョンアップを行えるネットRPGですし、何かの機会でイベントアイテムとかで復活するかもしれませんね。
というわけで、なんとなく思いついたことを記事にしてみました。“ひのきのぼう”マニアっぽく見えるかもしれませんが、この記事を作るまで『DQIX』でレギュラー落ちをしていることに気づいていませんでした(苦笑)。
『DQII』で初登場し、長きにわたって攻撃力2というポジションを貫きつつ、『DQVIII』で攻撃力アップ&錬金の材料として活躍というスポットライトを浴びたものの、続く『DQIX』でスタメン落ち……。ぜひ次回作では、武器じゃなくてもいいので、“ひのきのぼう”と“ぬののふく”に復活してほしいところですね。きっと、全員“ひのきのぼう”と“ぬののふく”装備という縛りプレイでラスボスを倒す猛者が現れると思います。
最後におまけとして、“ひのきのぼう”を含む5種類の最弱系装備品の能力や買値&売値をリスト化してお見せします。個人的には“どうのつるぎ”の変遷に盛者必衰を感じますが、皆さんはいかがでしょうか?
装備品/登場作品 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
ひのきのぼう |
― |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
4 |
― |
― |
たけざお(たけのやり) |
2 |
― |
― |
― |
5 |
5 |
5 |
― |
6 |
6 |
こんぼう |
4 |
8 |
7 |
7 |
9 |
9 |
8 |
7 |
7 |
6 |
どうのつるぎ |
10 |
10 |
12 |
12 |
13 |
13 |
11 |
13 |
7 |
4 |
ぬののふく |
2 |
2 |
4 |
4 |
4 |
4 |
4 |
4 |
2 |
― |
かわのよろい |
― |
6 |
12 |
12 |
11 |
11 |
11 |
11 |
6 |
4 |
装備品/登場作品 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
ひのきのぼう |
― |
―/15 |
5/3 |
―/7 |
10/7 |
10/7 |
10/5 |
10/5 |
― |
― |
たけざお(たけのやり) |
10/5 |
― |
― |
― |
50/37 |
50/37 |
50/25 |
― |
85/8 |
25/3 |
こんぼう |
60/30 |
60/45 |
30/22 |
30/22 |
60/45 |
110/82 |
110/55 |
110/55 |
70/7 |
25/3 |
どうのつるぎ |
180/90 |
100/75 |
100/75 |
100/75 |
270/202 |
270/202 |
220/110 |
270/135 |
150/15 |
25/3 |
ぬののふく |
20/10 |
―/23 |
10/7 |
10/7 |
30/22 |
―/22 |
30/15 |
30/15 |
30/3 |
― |
かわのよろい |
― |
―/113 |
150/112 |
180/135 |
180/135 |
180/135 |
180/90 |
180/135 |
180/90 |
45/5 |
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