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2014年8月14日(木)

PS4の売れ行きは予想をはるかに上回っている――SCEの吉田修平氏にPS4の現状や今後の展開について特別インタビュー【gamescom 2014】

文:電撃オンライン

 ドイツ・ケルンにて8月13日より開催されている欧州最大のゲームイベント“gamescom 2014”。今回は、8月12日に行われたSCEのプレスカンファレンスの発表内容に関する話題を中心に、SCEワールドワイドスタジオのプレジデント・吉田修平氏に、現地でお話をうかがった。そのインタビューの模様をお伝えしていこう。

>>PSカンファレンス動画まとめ記事はこちら

■日本のユーザーが求めるゲームがPS4にはまだまだ少ない

――カンファレンスの方、お疲れ様でした。まずはじめに、全世界でのPlayStation 4の販売台数がPSフォーマットのハードとしては、史上最速のスピードで1,000万台を突破しましたが、吉田さんご自身はどのように感じていますか?

SCE吉田修平氏
▲SCEワールドワイドスタジオ プレジデント 吉田修平氏。

 このスピードは我々の予想をはるかに上回っています。自分たちでも分析しているのですが、なぜこんなに売れているのかはいまだにつかみ切れていません。現状で分かっているのは、PS3ユーザーだけが必ずしもPS4を購入しているのではないということです。

 アメリカのとある調査では、調査対象の半数がPS3を所持していないにも関わらず、PS4を購入している。新規ユーザーがどんどん購入したことによりこのスピードになっているというのが、今回非常に速いペースで売れている一因だと思いますね。

――なぜPS3を持っていなかったユーザーが、PS4を購入したのでしょうか?

 欧米であればXbox 360ユーザーも多いぶん、発売日を早く迎えたPS4を購入するというのは分かるんです。ただ、かなりのボリュームのユーザーがPS3もXbox 360も持っていなかった。この理由に関してはいまだ調査を続けています。

 こういった人たちがいるというのは非常に喜ばしいことですが、そのようなユーザーが何を求めているのか分からないと、継続してアクティブユーザーでいてはもらえません。今後もこの流れが続いていくように、自分たちもゲームタイトルの内容やサービス、ネットワークなど、ゲーム以外の要素を含めて拡充させていくのがとても重要だと思います。

――今のPlayStationユーザーは、PS4をどのように遊んでいるのでしょうか?

 PS4はとにかく遊びやすさを追求して作ったハードです。あらゆるシステムのアップデートやダウンロードを手軽に行えるうえ、SHARE機能を用いることで自分がゲームをプレイしている様子を配信しながら遊んだり、反対に他人が遊んでいる様子を見たりできますよね。

 もちろんハードのパフォーマンスも高い。今のテレビで遊ぶことのできる最高峰のクオリティのゲームがPS4には存在しており、ユーザーにはそれを楽しんでもらえているのかなと思います。

――世界的にものすごい勢いで売れているPS4ですが、その盛り上がりに比べると日本ではやや静かな立ち上がりという印象を受けます。

 そうですね。非常に残念なことなのですが、仕方がないと思う部分もあります。ゲームハードというのはゲームが遊べてなんぼだと思うのですが、日本のユーザーが求めるようなゲームの数がPS4にはまだ少ないのかと思います。

 今PS4で出ているゲームの大半はPS3で遊ぶことができますし、PS3でしか登場しない新作もまだまだたくさんあるので「PS3でいいじゃん」とユーザーが考えるのも無理のないことです。今後はパブリッシャーさんがターゲットを移し、PS4のハイパフォーマンスや機能を使いこなしたゲームが登場すると思いますので、そのときが日本で盛り上がる瞬間なのではないかと思います。

 PSPからPS Vitaに移行したときも、タイトルはPSPとPS Vitaの両方で出るからPSPでいいじゃないかと、そう思われていた時期がありました。まさにそれが今の状況なのだと思います。今後、よりPS4を意識したサードパーティさんのタイトルが増えれば国内の状況も変わってくるのではないかと思いますね。

――PS4のシステムソフトウェア2.0で、フレンドが同じゲームを持っていなくても一緒に遊べる“Share Play”という機能が実装されました。これは具体的にはどういった内容になるのでしょう?

 PS4でゲームプレイをしているときって、常にバックグラウンドでビデオリコーディングしてますよね。それをSHARE機能を使うことでビデオとして投稿することなどができる。この機能を応用して、そのビデオを“ニコニコ”などのサービスプロバイダに送るのではなく、自分が選択した友人に映像を直接送ります。

 そうすることで、自分のPS4で動いているゲームのコントローラのインプットを、他のPS4で行うことができる訳です。自分のPS4をサーバーにして、ゲームをいろいろな人に遊ばせてあげる、それが“Share Play”です。

――この機能の実装はいつぐらいを予定しているのでしょう?

 今年中にシステムソフトウェア2.0を全世界同時にリリースする予定です。これは目玉のフィーチャーの1つですね。システム内部ですべてを行えるので、基本的にすべてのゲームが“Share Play”対応になります。過去に発売したタイトル含め、すべてです。1つ注意しなければならないのは、オンラインでプレイすることになるため、ゲームを“遊ばせてあげる”側のユーザーがPlayStation Plusの会員である必要があるということ。

 ただ“遊ぶ”側はPS4のユーザーでさえあればPS Plusの会員である必要はありません。それとローカルマルチプレイヤーのゲームを、離れた場所にいながら同じ部屋にいるかのようにプレイすることもできるのですが、その場合はオンラインプレイになるので、お互いのユーザーがPS Plusの会員である必要があります。

■インディーゲームのクオリティは著しく上がっている

――今回のカンファレンスでも、先日開催されたE3同様、ものすごくバリエーション豊かなタイトルが発表されました。AAAタイトルも充実していましたし、インディーに属するようなタイトルなども区分けなく紹介されていたように思います。

SCE吉田修平氏

 個々のタイトルのクオリティがものすごく上がって来ているので、パッと見ただけではそれがビッグタイトルなのかインディーなのか分からないですよね。それくらいインディータイトルのクオリティが上がっている。

――最後に発表された『WILD』などはインディーゲームとは思えない仕上がりでした。

 少人数のチームが自分たちが作りたいものを作っている訳なのでインディースピリットには当てはまるんですが、そのクオリティを見るとこれまでのインディーを超えたものになりそうな予感がしますよね。本当にスゴイと思います。

――カンファレンスで発表されたタイトルで、吉田さんが最も気に入っているタイトルは何でしょうか?

 今話題に上がった『WILD』と、キュー・ゲームスが手掛ける『The Tomorrow Children』です。『The Tomorrow Children』は非常にユニークなタイトルですので、今からとても期待していますね。本作は基本的にオンラインがベースのタイトルなのですが、プレイしている際にほかの人の存在が感じられるようなタイトルなんです。コミュニティ的な作り方をしているので実にユニークですよ。

 それと、カンファレンス外のタイトルではあるのですが、やはり『Bloodborne』には期待しています。gamescomではプレイアブル出展もしていて私も遊んでみたのですが、20回プレイしても最後のボスまでたどりつけないんですよ(笑)。相当にクオリティの高いタイトルに仕上がっているのを実感しました。

■『Bloodborne(ブラッドボーン)』トレーラー動画

――『The Tomorrow Children』は、ジャパンスタジオとキュー・ゲームスの共同開発とのことですが、まずは海外向けにリリースされるということでしょうか?

 海外向けかどうかというよりは発表のタイミングですね。実は本作はE3での発表も考えていたタイトルなのですが、もう少し作り込んでから、ということでgamescomでの発表になりました。

 ヨーロッパでは、新しいタイプのゲームが非常にウケがいい、というのもあります。『パペッティア』や『rain』で発表して、みなさんに受け入れていただきました。別に海外向けに作っているタイトルという訳ではなく、日本人にも違和感なく遊べる作品ですので、日本向けにも紹介していきたいと思っています。

■『The Tomorrow Children』アナウンストレーラー動画

――もう1つの注目タイトルである『WILD』ですが、オープンワールドタイプのゲームなのでしょうか?

 オープンワールドですね。基本的にはサバイバル系のゲームになるのかなと思います。自然法則で世界が作られていてそのなかでどう生きるか、それはあなたの自由ですといったようなそういうゲームになるのかなと思います。

■『WiLD』トレーラー動画

――また、小島秀夫監督のプロジェクトである『P.T.』も発表されましたね。カンファレンスとほぼ同時に体験版も配信されましたが、あの内容には驚かされました。

 あの内容については私もリハ―サルまで全然知らなかったんです。アプローチがおもしろいですよね。全世界が一気にざわっとするというか、そういうデビューの仕方だったと思います。

■『P.T』トレーラー動画

――ほかにはPS4で『Tearaway Unfolded』が発売されるという発表がありました。PS Vita版はハードの特徴を生かした、プレイヤーとゲームの世界がインタラクティブにつながっているものでしたが、そのゲーム性がPS4でさらに拡充されるのでしょうか。

 プレイヤー自身が太陽となってキャラクターを導いていくという『Tearaway』の魅力を変えずに、PS4とDUALSHOCKで再構築したタイトルです。世界観やステージの構成を引き継ぎつつ、プレイヤーがコントローラを持ってテレビの前にいるという状態でどういうインタラクションにしていくかを考えつつ完全に作り直しました。

 PS4ですので映像もすごくキレイですし新しいエリアやギミックなども搭載しています。世界がすごく広く感じると思いますので、PS Vita版を遊んだ方もフレッシュな気持ちで遊べると思いますよ。

■『Tearaway Unfolded』ゲームプレイ&解説動画

■日本では9月以降の発表にご期待ください

――北米でオープンβがスタートしたクラウドサービス“PlayStation Now”ですが、手ごたえはいかがでしょう?

 遊んだ人のアンケートを今取っているのですが、8割以上の方がゲーム体験として非常によい、と言ってくれています。ただ残りの2割の人はデータ転送量が足りなかったりで遊べない、遊びにくいという意見がありました。

 最も期待されているのは定額制のサービスを実施してほしいということもわかりました。今はタイトルごとのレンタルサービスしかやっていないので、“ネットフリックス”や“Hulu”のように月にいくらか定額を支払えばサービスすべてを利用できるというサービスが求められている。今後はタイトル数の増加や遊ぶためのオプションの拡充などとあわせて、価格面の検討もしつつ、導入のために準備している段階です。内容を精査したうえでほかの地域でも実施していく予定です。

――日本でも間もなく?

 ちゃんと日本の皆様には伝えなきゃと思っているのですが、まずは北米でサービスをよりよいものにしてからと。

――日本国内におけるインディー系のタイトルの拡充についてもお聞かせください。『Octdad』など、まだ日本で配信されていないゲームも多い印象です。

 現状は本当に残念な状況ですね。インディータイトルは言葉が分からなくても遊べるタイトルがいっぱいある。ですので、日本にももっとたくさん配信してほしいですね。

 デジタルのゲームは、ストアにいくことが習慣にならないといけないと個人的には考えています。欧米ですと毎週のように新しいタイトルが出るので、「だったら毎週火曜には一度チェックしよう」みたいになるじゃないですか。それぐらいの頻度やボリューム感で新しいタイトルが出るようにならないと日本のユーザーは増えていかないかなと思いますね。

 日本でもデジタルでゲームを買うユーザーが増えないと、ゲームを出す側も日本のためにローカライズしてもそんなに売れないんだったらしない、と躊躇することになる。そこをうまく実現していきたいですね。

■東京ゲームショウ2014に向けた日本でのさらなる展開もあり!?

――最後に、今後の展望をお聞かせください。9月以降に日本での発表もありそうでしょうか。

 9月あたりにはまたお話できることもあるかと思いますのでぜひご期待ください。日本の方々のなかには日本初のタイトルを望まれている方が多く、我々もその点は自覚しています。

 東京ゲームショウに向けて日本初の新たなPS4の情報を出していけるのではないかと思いますし、ぜひ今後も注目していただきたいですね。

SCE吉田修平氏

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