News

2014年8月18日(月)

『モンハン4G』の楽曲もお披露目された『モンスターハンター』10周年記念オーケストラコンサート“狩猟音楽祭2014”をレポ

文:まり蔵

 8月16日に東京、17日に大阪で開催された“モンスターハンター10周年記念オーケストラコンサート ~狩猟音楽祭2014~”。この東京公演の様子を、コンポーザーのトークセッションの模様とあわせてレポートする。

“狩猟音楽祭2014”

 “狩猟音楽祭”は、カプコンの大人気アクションゲーム『モンスターハンター』の楽曲をフルオーケストラで堪能できるコンサート。シリーズ10周年を記念して開催された今回は、第1作から最新作『モンスターハンター4』までの主要楽曲が演奏された他、10月11日に発売される3DS『モンスターハンター4G』の新曲『礎の唄』も披露された。セットリストは下記の表を参照のこと。

No

曲名

M00

オープニング

M01

狩人よ、前へ

M02

ひとつの唄~始まりの唄

M03

旅立ちの風

M04

太陽の集落/バルバレ

M05

光蝕む外套/ゴア・マガラ~剛き紺藍/ブラキディオス

M06

千剣に巣食う者~逆鱗に抗う者

M07

海上の村、モガ~碧~港江にタンジア

M08

海と陸の共震/ラギアクルス~健啖の悪魔/イビルジョー

M09

生命ある者へ

M10

秘湯を求めて

M11

閃烈なる蒼光/ジンオウガ

M12

大風に羽衣の舞う~嵐の中に燃える命

M13

ポッケ村のテーマ

M14

牙を剥く轟竜/ティガレックス~闇に走る赤い残光/ナルガクルガ

M15

獄炎の覇王/アカムトルム~絶対零度/ウカムルバス

M16

恵み深い人々の村

M17

嵐に舞う黒い影/クシャルダオラ~咆哮/リオレウス

M18

黄金の鬣/ラージャン

M19

動く霊峰~勇者のためのマーチ

M20

礎の唄

EN01

目覚め

EN02

可愛いアイルー

EN03

英雄の証

 指揮は栗田博文さん、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団が担当。ゲストとして、歌姫(Ikukoさん)、HIDE+HIDE(和楽器ユニット)、BlackLute(カプコン サウンドチーム所属コンポーザー モンスターハンター オフィシャルギターユニット)が登場した。なお、この公演はニコニコ生放送で生中継され、チケット購入者は9月7日23:59までタイムシフトでコンサートを楽しむことも可能だ。

“狩猟音楽祭2014” “狩猟音楽祭2014”
“狩猟音楽祭2014” “狩猟音楽祭2014”

 また公演中に、“狩猟音楽祭”初の海外公演が決定したことも発表された。会場は台湾の“台北國際會議中心 Taipei International Convention Center”で、公演のタイトルは“魔物獵人10週年紀念交響演唱會 ~狩獵音樂祭2014~”。開催日時は2014年10月22日となる。

“狩猟音楽祭2014”

■辻本プロデューサーのツッコミが炸裂したトークセッション

 前半と後半の間に設けられた休憩時間には、カプコン歴代コンポーザーの甲田雅人さん、柴田徹也さん、牧野忠義さんと、『モンハン』シリーズプロデューサー・辻本良三さんによるトークセッションも行われた。

 最初の話題は、同シリーズのメインテーマと言える楽曲『英雄の証』について。この曲を作曲した甲田さんによると、『モンハン』を“狩りのゲーム”と聞いて、最初は民族音楽のテイストを考えていたという。しかし開発が進み、壮大なスケールで大自然を描いたゲーム画面を見るにつれ、人間の生活感が感じられる民族音楽では表現するのが難しいと思い直し、現在の楽曲になったそうだ。フルオーケストラになったのは、柴田さんの提案だったとのこと。ちなみに、『英雄の証』がシリーズのテーマ曲としていろいろな場面で使われていることについて、甲田さんは「最初は違和感があったんですが、最近は客観的に見られるようになり、一周回っていい曲だなって思うようになりました(笑)」と話していた。

 続いて“狩猟音楽祭”について。この“狩猟音楽祭”は、『モンハン』シリーズのサウンドリーダーを務めていた柴田さんの提案で始まったものだ。『モンハン』5周年の際に柴田さんがサウンド発のおもしろい企画を考えていた時、たまたま東京フィルハーモニーのコンサートを聴いて感動し、オーケストラコンサートを思いついたという。ちなみに辻本プロデューサーに相談したところ「なんぼや?」と返されたと裏話が飛び出したが、当の辻本プロデューサーは「どういうことでしょうね、言っていることがよくわからないです」ととぼけて会場を笑わせていた。

 『モンハン』シリーズのオフィシャルギターユニット“BlackLute”の一員である牧野さんは、2006年に行われたゲーム音楽のオーケストラコンサートで『英雄の証』を聴き、感動したことがきっかけでカプコンに入社したという。そんな牧野さんに、すでにカプコンを退社している甲田さんから「シリーズを重ねても音楽の軸がぶれないのは、なにか共通意識やルールがあるんですか?」という質問が。実は、『モンハン』の音楽制作スタッフがカプコンを辞める際、特に引き継ぎをしないそうで、資料もデータも残ってない状態だったという。そのため音楽制作する際は、既存の楽曲を分析したりするとか。牧野さんは甲田さんの質問に対して、「特にルールなどはないです。普通に『モンハン』をプレイして、一ユーザーの目線でシリーズらしさを音楽に反映していった結果、“伝統”が受け継がれているのではないでしょうか」と返答していたが、辻本プロデューサーは「引き継ぎくらいはしてもらってもよかったんじゃないですかね?」と首をかしげていた。

“狩猟音楽祭2014”
▲アンコールの楽曲は『目覚め』、『可愛いアイルー』、そして『英雄の証』の3曲だった。

<ニコニコ生放送概要>
番組ページ:http://live.nicovideo.jp/watch/lv187828116
配信公演:2014年8月16日(土)18:00開演*30分前開場
東京公演(東京国際フォーラム ホールA)
番組視聴チケット代金:2,000ニコニコポイント(税込 2,000円)
※冒頭2曲はチケット未購入者の方でも視聴可能。
販売期間:2014年8月31日(日)23:59まで

■“モンスターハンター10周年記念オーケストラコンサート~狩猟音楽祭2014~”開催概要
【日時/会場】
[東京]8月16日(土)17:00開場/18:00開演 東京国際フォーラムホールA
[大阪]8月17日(日)16:15開場/17:00開演 オリックス劇場(旧・厚生年金会館)
【主催】[東京]ディスクガレージ/[大阪]リバティ・コンサーツ
【協力・監修】カプコン
【企画・制作】プロマックス/ハーモニクス・インターナショナル

(C)CAPCOM CO., LTD. All rights reserved.
(C) 2014 PROMAX Inc. All rights reserved.

データ

関連サイト