2014年8月26日(火)
『探偵 神宮寺三郎 夢の終わりに』で新宿の街へトリップ――夢の終わりに朝が来る“ハードボイルド”を体現【電撃PS×PS Store】
PS Storeの注目コンテンツを、電撃PSの編集&ライター陣が平日(ほぼ)毎日紹介していく特集企画、“電撃PlayStation×PlayStation Store”。話題のDL販売ゲームをはじめ、ゲームアーカイブス、追加DLC、ベスト版、PV・体験版など、ゲームを深く愛する電撃PSスタッフが、ゲーマー視点でコンテンツをピックアップしていきます。
本日紹介するのは、1998年4月23日に初代PSで発売された、推理探偵シリーズとして人気のアドベンチャーゲーム『探偵 神宮寺三郎 夢の終わりに』のゲームアーカイブス版。
■眠らない街・新宿で起こる悲劇……大人の世界に浸れる珠玉の名作がここにある
・初代PSゲームアーカイブス:『探偵 神宮寺三郎 夢の終わりに』
俺はタバコに火をつけた……。『探偵 神宮寺三郎』シリーズのオススメを考えるのは、とても難しい。ゲームアーカイブスで遊べる作品は、どれも名作だからだ。
かつては1980年代の『新宿中央公園殺人事件』から始まったこのシリーズは、ブランデーのカミュとタバコをこよなく愛する探偵・神宮寺三郎と、作品ごとに髪型と外見のイメージが変化する助手・御苑洋子が事件を解決していくハードボイルドな探偵もの。
歴代の名作4タイトルを遊べる『Early Collection(アーリーコレクション)』も『未完のルポ』も『灯火が消えぬ間に』も、どれもシブくてシビれるが、どれか1つと言われれば、やはり『夢の終わりに』しかないだろう。
寺田克也氏自身がグラフィック監修を行ったことで、完璧な“神宮寺三郎の空気感”が作られているビジュアル。前作にあたる『未完のルポ』から導入された、異なる視点から物語を楽しめるザッピングシステムは、本作で完成を見たと言える、すばらしい出来だった。
神宮寺、洋子、熊野警部という、いつものメンバーに加え、依頼者の妹・永田美貴というゲストキャラの視点から神宮寺たちを見られるのは、シリーズファンでも新鮮な驚きがあった。物語自体も、神宮寺らしい人間ドラマがあり、初めて遊ぶ人にもまちがいなくオススメできるものに違いない。
推理ものなのでネタバレは控えるが、こうしてみると『夢の終わりに』は、PSPで発売された『灰とダイヤモンド』などに続くシリーズの方向性と、イメージを決定づけた作品だったのだと、今なら断言できる。
これを読んでいるあなたも、ぜひ本作をプレイしてほしい。このシリーズが、ただのハードボイルドな推理ものではなく“探偵 神宮寺三郎”シリーズとして支持されている理由がわかるだろう。時には、タバコとカミュ(未成年はダメよ)を片手に、大人の雰囲気に浸ってみるのはいかが?(ライター:まさん)
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