2014年9月11日(木)
スクウェア・エニックスが10月2日に発売するPS3用ソフト『キングダム ハーツ -HD 2.5 リミックス-』のレビューをお届けします。
▲『キングダム ハーツ -HD 2.5 リミックス-』通常版パッケージ |
『キングダム ハーツ -HD 2.5 リミックス-』は、PS2で発売された『キングダム ハーツ II ファイナル ミックス』、PSPで発売された『キングダム ハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス』の2作をHD化して収録したタイトル。さらに、『キングダム ハーツ Re:コーデッド』も映像作品として収録している他、トロフィー機能に対応し、ゲームクリア後のご褒美としてPS3のカスタムテーマが用意されています。
ここでは、シリーズファンである2人のライターによる『キングダム ハーツ II ファイナル ミックス』、『キングダム ハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス』、『キングダム ハーツ Re:コーデッド』の3作品すべてのレビューを掲載。最新作『キングダム ハーツ III』に向けて、シリーズ初心者にもシリーズファンにもオススメの作品となっていますよ!
「俺の夏休み、終わっちゃった……。と思ったら、もともと夏休みなんてなかったっけ(悲)」。どうも、『キングダム ハーツ』大好きライターのスズタクです。ついに『キングダム ハーツ -HD 2.5 リミックス-』の発売まで残り1カ月となりました! PS2で『キングダム ハーツII』が発売されたのが2005年。追加要素を収録した『キングダム ハーツII ファイナルミックス+』が発売されたのが2007年……。そして今、約7年の月日を経てHD化された『キングダム ハーツII ファイナルミックス』が登場します!!
このたび、光栄なことに本作をひと足先にプレイさせてもらったので、まずは収録3作品のうち『キングダム ハーツII ファイナルミックス』のレビューをお届けしていきます。ちなみに、本作に収録された3作品を初めて遊ぶという方は、まずはこの『KHII ファイナルミックス』から始めるのがオススメですよ~。
オリジナル版のSD画質からHD画質へバージョンアップした本作。率直に言って、画質がキレイになるだけでここまでプレイ印象が変わるとは思いませんでした。イベントシーンのキャラ・背景などの鮮明化はもちろん、画面右下に表示されるソラやロクサスの顔アイコンもくっきり見えるようになったのが印象的です。『キングダム ハーツII』といえばロクサスの夏休みという切ないプロローグが忘れられませんが、HDグラフィックでよみがえったこのストーリーを改めて見てみると、より涙をそそられ……。
なお、HD化以外にアビリティが追加されていたり、操作方法が改良されていたりといった変更点はない模様。過去にオリジナル版を遊んだファンは、当時と同じ操作感覚で楽しめると思います。また、個人的にはBGMがリミックス版になっている点がイチオシ! 下村陽子さんが手掛けた楽曲がいっそう素晴らしい形で聴けるので、シリーズファンはお楽しみに♪
『キングダム ハーツ』シリーズの大きな特徴といえば、さまざまなディズニーの世界をめぐる冒険と、簡単操作で派手なアクションが繰り出せるバトル。『キングダム ハーツII ファイナルミックス』はそのどちらの要素も盛りだくさんで、ストーリー中には10作品以上ものディズニーのワールドが登場し、バトルではフォームチェンジやリアクションコマンドといった、爽快でダイナミックなアクションが数多く用意されています。HD画質になったことでこれらの魅力もアップし、キャラの表情変化やバトルエフェクトの細かさがより映えますね。
そして、『キングダム ハーツII ファイナルミックス』で忘れてはならないのが、追加された数々の強敵たちとのバトル! 今回のレビュー用プレイではすべての敵と戦う時間はありませんでしたが、“留まりし思念”には挑戦してきました。
結果は……無残なほどのフルボッコです(汗)。かつてPS2版で何度も戦っていたので対策はバッチリかと思いきや、やっぱり腕がなまっていましたね。HD化で相手の技がはっきり見えるようになったことで、心なしか敵の迫力が増し、気圧されていたのかもしれません。結局、20回近く挑んだ末に留まりし思念は倒せましたが、まだXIII機関の再現データもいることを思い出し、武者震いが止まりませんでした(笑)。
この他、本作にはグミシップやXIIIキノコなど多彩なミニゲームも収録されていて、これがまたやり込み度バツグンです。当時、PS2版を骨の髄まで遊び尽くしましたが、今回のHD版もそれと同じくらい……いや、それ以上に熱中することは間違いないでしょう!
『キングダム ハーツ -HD 2.5 リミックス-』に収録されている3作品の1つ『キングダム ハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス』は、2011年1月に発売された同作品をHD化し、グラフィック部分をより美しく、操作部分をより遊びやすくリニューアルした作品です。本作のレビューをライターのZ佐藤がお届けします。
原作となる『キングダム ハーツ バース バイ スリープ(BbS)』は、『キングダム ハーツ II ファイナルミックス』のシークレットムービーでファンを驚かせた“鎧の戦士たちが繰り広げる戦いが描かれる”とあって大きな期待が寄せられたのはもちろん、物語の時代設定がシリーズの中で最も過去、3人の主人公による3本のエピソードが展開、といったことでも発売前から注目を集めました。
その他、シリーズの謎を解き明かすには欠かせないキーワードがふんだんに盛り込まれた作品でもありますので、完成が待たれる最新作『キングダム ハーツ III』を遊びつくすためにも押さえておくべき作品と言えるでしょう。
まずはHD化によって大幅にグレードアップされたグラフィック部分ですが、画面に映し出されるものすべてがハッキリ・クッキリと見えるようになり、色彩豊かな絵本をめくっていくような感覚で冒険を進められました。各部の濃淡やグラデーションも再調整されているようで、金属、岩山、服、ベールなど、硬いものから柔らかそうなものまで、きめ細かく表現されている印象です。
“長い”と聞いていたテラのまつ毛もしっかり確認できました(“エンチャンテッド・ドミニオン”で顔がアップなったときにチェックです!)。その他、魔法や特殊な攻撃を出した時のエフェクト、それに名場面を美しくきらびやかに演出する効果などもゴージャスになっているようで、アクションシーン、イベントシーンともにクオリティの向上が感じられました。
続いて気になる操作部分ですが、カメラの回転がL・Rボタンではなく右スティックで上下左右に行えたり、ロックオンと解除、そしてシュートロックがL1ボタンだけで可能になっています。基本操作は『キングダム ハーツ』シリーズを踏襲しつつ、より遊びやすく改良された部分もあり、快適に操作できました。
ミラージュアリーナで通信プレイができなくなったのは少し寂しい気もしましたが、アリーナモードに“ボーナスチャレンジ”という要素が追加され、1人でもじっくり遊べる作りになっています。ボーナスチャレンジには、タイムアタックやHPの回復に回数制限のあるキュアチャレンジなど複数のボーナス条件があり、クリアするとメダルショップで希少なアイテムと交換できるメダルが入手できます。けっこう歯ごたえがありますので、プレイを進めてから挑戦したほうがよさそうですね。
ゲーム内容としては『キングダム ハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス』がベースになっていますので、『KH BbS』にはなかった“謎の男とのバトル”や“シークレットエピソード”など多数の要素が収録されており、ボリュームもアップしています。難易度は、ビギナーモード、スタンダードモード、プラウドモード、クリティカルモードの4種類から選択可能。難易度によってシークレットムービーを開放するための条件が異なり、難しいほどシークレットムービーが見やすくなります。
シークレットムービーを見るには、1つでも上の難易度を選びたいところですが、スタンダードでも油断すると即ゲームオーバーに! そのため自分のウデに合わせて選んだほうがよさそうです。そんな感じで主な変更点を中心に感想を書いていきましたが、全体的にも好感触ですので、初心者さんにはもちろん、『キングダム ハーツ III』の前に物語をおさらいしておきたいという上級者さんにもオススメです!
はいどうも、再びライターのスズタクです! 『キングダム ハーツII ファイナルミックス』のレビューに続き、『キングダム ハーツ Re:コーデッド』のレビューも僕がお届けしていきます。……と、その前に、本作について軽くおさらいしておきましょう。
『キングダム ハーツ Re:コーデッド』の原型は、2009年に携帯電話用ゲームとして配信された『キングダム ハーツ コーデッド』になります。その後、2010年にニンテンドーDS用にリメイクされた『キングダム ハーツ Re:コーデッド』が誕生。『キングダム ハーツ -HD 2.5 リミックス-』に収録されているのは、この『キングダム ハーツ Re:コーデッド』の映像作品になります。
物語の時系列は『キングダム ハーツ II』の直後となり、シナリオ上では『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』の内容が多少絡んでくるので、プレイ(視聴)順としては最後に回すのがベストですね。
さて、せっかくの映像作品なので全編きっちり見ましたが、いや~ボリュームたっぷりでした(笑)。オリジナル版にあった約1時間のシーンに、新規で2時間ものシーンが追加され、計3時間近くのHD映像となるわけですから、見ごたえがないわけがない!
映像再生に関する仕組みは、前作『キングダム ハーツ -HD 1.5 リミックス-』に収録されていた『キングダム ハーツ 358/2 Days』と同じだと思ってOKです。最初から最後まで通して再生することもできますし、チャプター画面から好きなシーンを見ることも可能です(再生中に前後のシーンにジャンプすることも可能)。一度鑑賞したシーンはチャプター画面で色分けされるので、まだ見ていないイベントも一目瞭然。
ちなみに映像の合間には、ストーリーの展開を静止絵+テキストで確認できる“あらすじシーン”が流れるのですが、このテキストをなんと王様が朗読してくれます! エンディングまで『キングダム ハーツ』キャラがフルボイスでお送りするという、ぜいたくな作りが印象的でした。
僕はDS版『キングダム ハーツ Re:コーデッド』をプレイ済みなので物語の流れは頭に入っていましたが、こうして全編を映像で見るとまた新鮮な感覚が味わえました。ソラがディズニーのワールドを訪れ、その地で異変と遭遇し、敵と戦ってバグを解消するという一連の流れをボイス付き映像で楽しめるのは、とても魅力的でした。オリジナル版ではセリフのみだったシーンにも声が入り、よりキャラに感情移入できると思います。
映像の中で見どころをあげるとすれば、やはりバトルシーンでしょうか。オリジナル版の戦闘がすべて映像化されているわけではありませんが、要所要所のバトルシーンが力を入れて作られているのを感じられます。特に、オリンポスコロシアムやホロウバスティオンの戦いは、まばたきするのを許されないほどスピーディでスタイリッシュでした! また個人的には、ワンダーランドのイベントもニヤリとできましたね(ソラのセリフをよく聞いてみましょう)。
DS版『キングダム ハーツ Re:コーデッド』には、『キングダム ハーツ 3D[ドリーム ドロップ ディスタンス]』への引きとなるシークレットイベントがありましたが、もちろんそれも本作に収録されています。さらにここだけの話、全イベントを見ると2つ目のシークレットイベントも……。これは完全新規のイベントで、ファンなら必見の内容ですので、ぜひ自分の目で確かめてみてください!
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