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2014年9月3日(水)

『P4U2』『GGXrd』『BBCP』の最強プレイヤーが決定した“ARC REVOLUTION CUP”をレポート! 各種目の優勝者インタビューも掲載

文:皐月誠喜一

 8月30・31日にかけて東京ビッグサイト・TFTホールにて実施されたアーケードゲームのイベント“JAPAN GAMER’S LIVE”。その開催初日には、“ARC REVOLUTION CUP(通称、あーくれぼ)”が開催された。

 本大会は、アークシステムワークスの開発による格闘ゲームを使用した全国大会。種目は、『ブレイブルー クロノファンタズマ(BBCP)』、『ギルティギア イグザード サイン(GGXrd)』、『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド(P4U2)』の3タイトルとなっている。

 会場には、全国で開催された予選を勝ち進んできた計128名が集結。初秋らしい肌寒い日であったが、激戦を目に焼き付けようと来場した観客たちの前で、真夏以上に熱い試合が繰り広げられた。

“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”
▲開催直前の選手控室。設置された筐体で、選手たちが最後の仕込みを詰めている。
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▲優勝者予想キャンペーンの投票結果。実際の優勝者は……。
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▲大会規模はワールドワイド。一部に海外からの出場枠も用意されていた。

 大会は、トップ8の決定まで各種目が並行で進められた。レポートをお届けした予選大会の優勝者である『P4U2』の店長選手、『GGXrd』の中洲ベッドマン選手、『BBCP』のチーム“紅也のチェンジアップ(紅也選手&りゅうせい選手)”は、いずれも初戦を突破したがベスト8までは到達できず、半ばで脱落となった。残念な結果ではあったが、さらなる今後の活躍を、彼らに限らずすべての参加者へ期待しよう。

“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”
▲3タイトル並行にて行われた下位トーナメント。
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“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”
▲一部選手はコスプレ姿で出場。存在感の高さで観客を沸かせていた。
“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”
▲司会・実況の郡正夫さんと、解説のアークシステムワークス・パチさん、そしてタイトルごとの解説を務めるDIEちゃんさん、アキラさん、客さん。▲アークシステムワークスの森利道プロデューサーと石渡太輔ゼネラルディレクターも登壇し、来場者への感謝と選手への激励を送った。

■『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』

 勝利を重ねるごとに熾烈さの増すトーナメント。『P4U2』において、それを勝ち進んで準決勝まで到達したのは、アテナ日本橋から進出のぐるぽ選手(アイギス)、タイトーステーション横浜西口五番街から進出のソウジ選手(クマ)、スーパーヒーロー堅田から進出のまっど選手(クマ)、ハイテクセガ新居浜から進出のみんと選手(クマ)。

 準決勝第1戦では、機動力を活かして遠距離戦を挑みたいぐるぽ選手に対し、空中から抑え込むようなラッシュを仕掛けるソウジ選手が有利に展開する。それでも一時は危うい状況に追い込まれるソウジ選手だが、最終的にはクマの爆発的な近接戦闘力を遺憾なく発揮し、アイギスを撃破。“クマ同士の決勝戦”を確定させ、クマというキャラクターが持つポテンシャルの高さをギャラリーに見せつけた。

“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”

 準決勝第2戦では、まっど選手がラウンド1からラウンド2の前半までを圧倒的な攻勢で制するものの、みんと選手がラウンド2の後半から猛烈な攻めをいなしきり逆転勝利。勝負の行方がわからなくなった最終戦では、両者ともアイテム投げと高い機動力を最大限まで活用し、激しく動きまわっての大乱戦を展開した。その中で、紙一重ながら一枚上手の立ち回りを見せたのはまっど選手。着実にみんと選手の体力を削り、僅差での勝利を収めた。

“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”

 ソウジ選手とまっど選手が対峙する決勝戦は、さながら“東西最強クマ対決”の様相。両氏は、クマの使い方について情報共有を交わしながら“あーくれぼ”に向けて腕を磨いた間柄とのこと。そんな2人が激突することからは、彼らの切磋琢磨がどれほど高いレベルで結実したかを感じられる。

 同じクマ同士ながら、防御の硬さと刺し込むような攻めに秀でるソウジ選手はアイテム投げを基軸とした戦法を得意とし、迎撃戦と安定した攻勢の組み立てに秀でるまっど選手は打撃中心の戦法を得意とするようだ。言うなれば、両者は“引き”と“押し”の戦い方に分かれている。試合は互いに譲らない一進一退の攻防が続いたが、最終局面ではまっど選手の果敢な攻めがソウジ選手をバースト消費&ペルソナブレイクという状態まで追い込み、そのまま“押し”の強さで勝利をもぎ取った。

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■『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』

 初戦における強豪プレイヤーであるFAB選手(ポチョムキン)とフィーノ選手(ヴェノム)の対決をはじめ、決勝トーナメントは序盤から大きな荒れ模様。そんな激戦を勝ち抜いて準々決勝まで進出したのは、ナゲ選手(ファウスト)、うき選手(ソル)、がぞう選手(ファウスト)、はせがわ選手(スレイヤー)の4名だ。

 準決勝戦の1戦目は、うき選手とナゲ選手の試合となった。うき選手は、ナゲ選手の“何がでるかな?”(ランダムで様々なアイテムが出現する技)を軸とした牽制重視の立ち回りに翻弄され、接近戦に持ち込めない。終盤には牽制への対応策を見出したように感じられたが、逆転を許さないままナゲ選手が勝利を収めた。

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 準決勝戦の2戦目で対決したのは、がぞう選手とはせがわ選手だ。DUEL1では完全にがぞう選手が自身のペースで試合を進めたが、DUEL2ではせがわ選手が画面端に追い詰めての猛攻でがぞう選手を圧倒。試合の流れがわからなくなってきたDUEL3だが、再度ペースを取り戻したがぞう選手が空中戦を投げで制し、はせがわ選手に土を付けた。

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 がぞう選手となげ選手による決勝は、ファウスト同士による同キャラ対決。キャラクターは同じだが、がぞう選手は攻めに特化したスタイルで、ナゲ選手は攻防のバランスに秀でたスタイルといったところだ。

 『P4U2』と『GGXrd』の決勝は、それまでの戦いとは異なり2勝先取制となっている。1戦目のDUEL1では、がぞう選手の繰り出した“刺激的絶命拳”(大ダメージを与える“ハズレ”が3/4の確立、攻撃を回避される“アタリ”が1/4の確立で存在する技)に対して、見事にアタリを的中させたナゲ選手が試合のアドバンテージを握って勝利。しかしDUEL2からはがぞう選手が攻勢をうまく展開し、そのままDUEL3まで戦いを制した。

“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”

 初手こそナゲ選手の幸運に敗北を喫したたがぞう選手だが、1戦目の勝利で試合の流れをつかんだか、2戦目でも積極的に攻撃を仕掛ける。ナゲ選手が特にうまかったのが、隙を低減させるロマンキャンセルを活用した攻めだ。この猛攻に対してナゲ選手は攻めの基点を得られず、大きな反撃を許さないままがぞう選手が2本目の勝利を獲得。『GGXrd』トッププレイヤーの座に輝いた。

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▲2戦目のDUEL2、互いに低体力というタイミングで“デンジャータイム”が発生! 観客席からは叫びにも似たどよめきが上がった。
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■『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』

 前回の全国大会から各選手における研究が進んだらしく、ココノエやイザヨイなど新キャラクターの使用者が増えていると見受けられた『BBCP』決勝トーナメント。その戦いの中では、世界的上位の実力を持ち“Evolution 2014”でも活躍したN男選手&どぐら選手によるチーム“鉄壁”でも危うい場面が度々あるなど、参加者のレベルの高さがうかがえた。

 チーム戦ということもあり他タイトル以上に不確定要素の多い『BBCP』だったが、この過酷な戦いを準決勝まで勝ち抜いたのは、“パナしていいとも!”のこがたん。選手&ガリレオ選手、“レジェンディアオーラ”のテツヲ選手&うどん選手、“ガー不フレンド(仮)”のマトイ選手&伊藤冴選手、“鉄板”のN男選手&どぐら選手だ。

“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”
▲N男選手のアストラルヒート(一撃必殺技)フィニッシュが決まる試合も。

 準決勝1戦目で対峙したのは、堅実な強さが光る“パナしていいとも!”と、関西のトッププレイヤーが組んだ“レジェンディアオーラ”。先鋒戦のガリレオ選手(ライチ)対テツヲ選手(ココノエ)は、隙のない攻めでテツヲ選手の反撃を封じたガリレオ選手が勝利。続く大将戦、こがたん。選手(ラグナ)は得意のぶっ放しを基点とした攻めで攻勢をかけるが、冷静な対処を見せるうどん選手(ハザマ)には通じず、勝ち星1つずつの状況へと持ち込まれる。

 最終的な勝敗を決するガリレオ選手とうどん選手の戦いでは、ガリレオ選手が持ち前の反応速度とコンボ精度を発揮してイニシアチブを握った試合展開を見せる。うどん選手の冷静さも逆転には及ばず、ガリレオ選手が勝利を収めた。

“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)” “ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”

 準決勝2戦目では、“ガー不フレンド(仮)”と“チーム鉄板”が対決。先鋒戦ではどぐら選手(アズラエル)がマトイ選手(ココノエ)を圧倒するも、大将戦における伊藤冴選手(カルル)とN男選手(レイチェル)の戦いは、互いに切り返し技が乏しい中で伊藤冴選手が流れをつかんで勝利する。

 決勝進出をかけたどぐら選手と伊藤冴選手の対戦においては、どぐら選手がアズラエルの持ち味を発揮した一方的な攻勢を展開。伊藤冴選手は防御の姿勢から反撃を繰り出すことがかなわず、敗れる結果となった。

“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)” “ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”

 決勝戦は、“パナしていいとも!”対“鉄板”という、関西トッププレイヤー同士の戦いとなった。ガリレオ選手に対し、N男選手は“あーくれぼ 2013”決勝にて敗北、どぐら選手は“Evolution 2014”決勝にて敗北を喫しており、浅からぬ因縁を持つ。そんな彼らが発した試合前のコメントからは、プレイヤー同士の関係の深さに加えて、“負けられない”という強い意志が感じられた。

 先鋒戦は、こがたん。選手とN男選手の対決。初戦において、N男選手はこがたん。選手の大胆なぶっ放しに翻弄されて追い込まれる場面を見せたものの、うまく反撃の隙を見つけて逆転勝利を収めた。

“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”
▲決勝戦でも変わらないこがたん。選手の豪快なプレイスタイルには、解説席のパチさんと客さんも驚きを隠せない様子。

 互いに1勝を収めて突入した最終戦では両者とも相手のリードを許さず、じわりじわりと体力を奪い合う大接戦が繰り広げられた。どちらも決定打を得るまでに至らなかったが、無情にもタイマーカウントは進行。若干ながら体力のリードを得ていたN男選手がうまく逃げ切り、タイムアップで辛くも勝利した。

“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”

 N男選手の勝利を背負い、どぐら選手がガリレオ選手へのリベンジマッチに挑む大将戦。全試合の最後を飾るにふさわしい、“Evolution 2014”の決勝に負けず劣らずの非常にハイレベルな戦いが繰り広げられた。激戦の末に勝利をつかんだのは、アズラエルの高いコンボ性能と立ち回りの強さで堅実な戦いに徹底したどぐら選手。自由自在にライチ本体と萬天棒を操るガリレオ選手だったが、それを制して見事にリベンジを果たした。

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■優勝者インタビュー ※インタビュー中は敬称略

“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”
“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”

●『P4U2』優勝者:まっど選手

――優勝しての感想をお聞かせ下さい。

まっど:月並みですが、すごく嬉しいです。実は『BBCP』で優勝した“鉄板”チームとは『ギルティギア アクセントコア』の時からずっと一緒にやり込んできたので、こうやってタイトル越しに優勝の壇上で並べたというのが感無量です。

――いちばん難しい相手は誰でしたか?

まっど:一回戦目のドミーさんですね。関西には真田使いがあまりいなくて対策も立てにくく、でも前作でやっていた貯金があったので「行けるかな」と思っていたんですが、準優勝したソウジさんから「めっちゃ強いぞ」と言われて。

 組み合わせの発表があった時から、ずっと真田戦の対策をしていたんですけど、いざ蓋を開けてみたらあまり効かなくて、ヤバいなと思いました。運とか自力とか、何が勝因かはわからなかったですが、そこが一番きつかったです。でも、これに勝てれば優勝もあるなと思っていたので、ドミーさんのことしか考えていなかったですね。

――今回の大会を通して、今後警戒すべきと思ったキャラクターやプレイヤーはいますか?

まっど:僕のキャラが一番きついと思っているのは番長(鳴上悠)なので、番長というキャラへの対策は、これからもずっと避けては通れないと思っています。その中でも、よくチームを組んでいるしっきーというプレイヤーがいるんですが、こいつが僕の中で全キャラを通しての全一プレイヤーだと思っています。こいつには勝てないと思っていますが、頑張らなきゃとも思います。

――家庭用において新たに9キャラが追加されますが、キャラ変えなどは検討していますか?

まっど:この前の生放送を見た時、マーガレットがすごく強そうに見えたので、気になっています。もし僕が思っているように強かったら、これからのネット対戦でも使用プレイヤーが多くなると思いますが、アーケードで追加された時にスタートダッシュをかけられるよう、家庭用を頑張っておかなきゃと思っています。

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●『GGXrd』優勝者:がぞう選手

――優勝しての感想をお聞かせ下さい。

がぞう選手:信じられないっていう気持ちですね。僕がこんなところまで来れたなんで、本当に信じられない気持ちでいっぱいです。

――優勝できた決め手は何だと思いますか?

がぞう選手:“平成枠”という括りで呼ばれてはいますが、『ギルティギア』シリーズは10年くらい前からやり続けているゲームなので、その経験が出てくれたんじゃないかなと思います。今までずっと憧れだったこういう大きな大会に初めて出て、優勝まで行くことができて、本当によかったです。

――今回はファウストで優勝されましたが、10年間ずっとファウスト使いなのでしょうか?

がぞう選手:最初の1年くらいはスレイヤーを使ってましたね。そこから家庭用のストーリーモードを触って、「このキャラ、ストーリーがかっこいいなー」と思って乗り換えてから、ずっとファウストです。

――今大会を通して一番印象に残った試合は何でしたか?

がぞう選手:関西で全一と言われているファウスト使いのナゲさんが、いつもの堅実な立ち回りを崩してまで僕を殺しに来たのが、すごく印象に残ってますね。

――『GGXrd』は稼動開始から比較的日の浅いタイトルですが、今後の動向はどう捉えていますか?

がぞう選手:今のゲームセンターで『GGXrd』をやっているプレイヤーは、かなりベテランの人たちが詰まってしまっているので、「家庭用が出てから始めよう」という人たちが絶対にいっぱいいると思うんですよ。その人たちがどんどん強くなって、「おもしろいな」と感じてくれて、プレイ人口が増えていってくれればと思います。

がぞう選手:あと、キャラクターが消えてしまってやめているという人たちもいるので、過去作の色々なキャラクターや、新キャラなんかも、どんどん追加してくれると嬉しいです。

――いちばん難しい相手は誰でしたか?

がぞう選手:初戦の、チップ使いのさみっとさんが一番キツかったですね。何よりも、さっきも言いましたが大きい大会に出るのが初めてなので、その中での初戦ということもあり一番緊張しました。それを勝てたのが優勝の理由として一番大きいですね。その後も胃は痛みっぱなしでしたけど(笑)。

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●『BBCP』優勝チーム:鉄板(N男選手&どぐら選手)

――優勝しての感想をお聞かせ下さい。

N男:めっちゃ嬉しいですね。『ギルティギア』とか『ブレイブルー』とかで優勝したこともあったんですけど、今回は昔の気持ちを思い出すくらいに頑張って優勝を目指したので、結果が実って嬉しいです。

どぐら:悲願を達成したかなと思います。全国公式大会の優勝はかなり久しぶりでしたし、今回の大会前に、僕は普段言わないんですけど、「絶対に優勝します」と言っちゃっていたので。“絶対に優勝する”のは不可能なので、そういうことは言わないようにしているんですけど、今回はかなり懸けているところがありましたし、優勝できて本当によかったです。

――決勝戦でガリレオ選手と戦った感想はいかがですか?

どぐら:僕とガリレオは“Evolution 2014”の決勝でも当たっていて、初めて格ゲーの試合で泣いたぐらい悔しい負け方をしました。ガリレオは今回みたいな雰囲気になったら、今まではそこから優勝しかしていなかったと思うんですよ。そのガリレオに準優勝の味を教えることができて、すごく嬉しかったです(笑)。「お前、勝つと思ってたやろ?」みたいな。

N男:僕も去年の“あーくれぼ”で、ガリレオに負けて準優勝になりました。そういうのがあって、お互いに思うところがあったと思うんですよ。その上で、自分たちのチームが勝てて嬉しいです。いつも仲はいいんですけど、それとはまた別の“男と男の勝負”みたいな? 実際には直接当たったわけじゃないですけど(笑)。

――優勝者予想では断トツでしたが、投票した方々へのメッセージをお願いします。

N男:自分で言うのも何ですけど、知名度がけっこうあったと思うので、実力以外の部分でも票をもらえたかなとは思っています。それでも結果として皆の期待というか、「こいつなら勝つんじゃないか?」という予想をその通りにできたのは……。

 案外、優勝候補って優勝できないと思うんですよ。結局、“分がいい”と言っても7割~8割の勝負を、4回、5回とやったら、優勝確率なんて20%、30%になってしまうので。その中で一番人気となったのを、そのまま最後まで実力として出せたのは、よかったと言うか、嬉しいと言うか。

どぐら:N男さんも言っていたように、本命がそのまますんなり優勝した大会なんて少ないくらいじゃないかなって思っています。今回は自分が本命でしっかり優勝までできたっていうのは、ファンの皆さんの想いに応えることもできたし、結果を残すこともできたし、本当に感無量です。皆さんの応援もあり、頑張れました。

――いちばん難しい相手は誰でしたか?

どぐら:初戦ですね。

N男:僕も初戦のニュー戦は不得意と言うか……苦手ではないんですけど、“レイチェルがやるか、封殺されるか”という組み合わせなので、自信はあったけれどビビっていました。平静だったかというと怪しいのもあって、あれだけ押されて……。前日にニュー使いの人にも対戦してもらったのですが、全然その試合内容をうまく出せなくて、それは反省すべきですね。キツかったです。

どぐら:本当に壇上に上がるまで弱すぎて(笑)。「今日あかんのちゃうかなこれ」って思いました。普段はあまり考えずにポンって始める方なんですけど、「ちょっと今日は考えてからやろうかな」って思ったら、「えっ、このアズラエル弱っ!」となって。

N男:一応、噛み合わない相手だったよね。

どぐら:雰囲気でボタンを押す場面ってあるじゃないですか。経験で培った「とりあえず、ここはこれを押す」みたいな。それが全部噛み合わなかったですね。

――そこから復調できた理由は?

どぐら:時間をおいてたからってのはあるかも知れませんが、N男さんが僕の弱い分を全部頑張って耐えてくれたので「まあN男さんがこれだけ強かったら、俺はちょっと弱くても行けんじゃね?」と思えて、「普段通りにやろう」と思ってからはかなりいい動きができました。多分これはチームワークだと思います。

N男:強さに関しての信頼は、多分めっちゃあると思います(笑)。

どぐら:逆に準決勝は僕がチームの危機を救ったので(笑)。

N男:アズラエルってカルルに対してキツいといわれている組み合わせなんですが、僕がカルルにすぐ殺されて、そういう相手と当てさせてしまって。でも向こうも身内なので、「いつも通りにやれば勝てる」とも思ってました。

どぐら:まあアレですね。多分初戦は緊張してましたね。悪い緊張の仕方をしてましたね(笑)。

N男:いい感じの興奮状態じゃなくて、悪い意味でね(笑)。

――『ブレイブルー』はもともと新規参入プレイヤーが多いタイトルですが、入門キャラクターとされるセリカが次期アップデートによって追加されることで、さらに新規プレイヤーが増えると思われます。彼らへのメッセージをお願いします。

N男:「強くなりたい」っていうんだったら、やる気があって、インターネットとか雑誌とかで情報を調べていけば、強くはなれます。でも、「強くなりたい」というのが目標になるんじゃなくて、“対戦の楽しさ”を知ってほしいと思います。

 各々「自分の好きなキャラを使うから楽しい」とか「こいつに勝ちたいから格ゲーを楽しむ」とか、いろいろあると思うんですけど、自分なりの楽しみ方を持って遊んでほしいなと思います。

どぐら:多分、『ブレイブルー』って新しく始める格ゲーにしては色々複雑かなとは思うんですけど、自分で調べたり強い人と喋れるなら教えてもらったりして、そういうので少しずつゲームがうまくなっていって、後はゲームのコミュニティに入るのも楽しいと思うので、ゲーム以外のそういう部分も怖がらずに楽しんでいただけたらなと思います。

 僕も、ゲームを始めたばかりの頃は本当に全然勝てなくて、ずっと負けながらやっていたので、こんな僕でも全国優勝できるぐらいにはなれます。強さの点に関しては、頑張れば絶対に大丈夫です。

N男:あと、ちょっと言わせてもらっていいですか? 『P4U2』でまっどが優勝したんですけど、あいつとは友達と言うか、もともと『ギルティギア アクセントコア』で教えていたんですが……。

どぐら:弟子だね(笑)。僕もまっどさんも、彼にゲームを教えてもらっていたんです。

N男:そんな感じで(笑)。まっどは全国優勝をしたことがなかったので、『P4U2』の決勝戦では控室から出て会場まで行くくらい僕はあいつを応援していたのですが、それが優勝につながったので勇気が出たというか。「俺らも続こう!」みたいな気持ちが持てました!

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“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”
“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”
▲上位入賞者には賞状およびトロフィー、PS4やアーケードスティックなどの賞品、特別称号が贈られた。また、下位で敗退した選手陣にも特別称号が贈られている。
“ARC REVOLUTION CUP(あーくれぼ)”
▲出場選手だけでなく、有料席での観覧者を対象とした抽選会も実施され、グッズの詰め合わせがプレゼントされた。

 素晴らしいゲームと最高のプレイヤーによって、本年度の“ARC REVOLUTION CUP”でも劇的なドラマが描かれた。来年度の開催に期待するとともに、来年度に向けて鍛錬を重ねるプレイヤーたちを応援したい。

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