2014年9月12日(金)
多宇部貞人先生による電撃文庫の新刊『封神裁判』の紹介記事をお届けします。
神界の首都“神々の庭”の中でも高層ビルが立ち並ぶオフィス街“西神宿”で、万年資料整理の弁護神・伏羲(フッキ)のもとを訪れたのは高天原(たかまがはら)の女神・菊理姫(きくりひめ)だった。
彼女が弥勒法律事務所を訪れた用件とは、巷を騒がす“イザナミさま殺神事件”の弁護。伏羲は菊理姫の一途な願いから、地獄へ出張中のミロク所長に代わって初めて法廷に立つことになるのだが……!?
司法長官・ジョカ、被告神イフリート、アヌビス刑事神、フォルセティ検事神、ゼウス社長などなど著名な神サマ総出演のトンデモ法廷コメディ、ここに開廷!
弁護士の主人公が依頼者の無実を証明していく“法廷バトル”ストーリー、それが『封神裁判』です。一般的な裁判ものとひと味違うのは、登場人物が全員、古今東西の神々というところ。その神々の伝承やエピソードがキャラクターに反映されているのも、魅力の1つです。なので、主人公の伏羲(フッキ)は古代中国神話の八卦を使う神、その師匠のミロクは半跏思惟のポーズが有名な菩薩、被告神のイフリートはアラビアンナイトに登場するランプの魔人……というように、元ネタを知っているとさらに楽しめます!!
基本的に個性的な登場人物たちのドタバタな会話が楽しい法廷ものなのですが、熱い友情や人間(神?)ドラマもあって読みごたえも十分。“神々ですら過ちを犯すなら、人は何を信じて生きればいいのだろう”という切実な想いを伏羲が抱いている描写も、人間臭くて好感が持てます。殺人事件の“犯人探し”を楽しみながら、新人弁護士の伏羲とかわいい助手の成長にご期待ください!
表紙を見て、イラストレーターの加藤よし江氏の描くメガネキャラの伏羲に胸キュンした女性読者も多いのでは? 本作は男子キャラたちも魅力的なので、小説好きな女性ファンにもオススメです!
逆に男性読者は「女の子はあまり出てこないのか?」と不安になったのではないでしょうか。否、本作にはかわいい女神もちゃんと登場しますよ♪ まずは伏羲の助手を務める菊理姫(きくりひめ)。高天原の神格が高い女神様なのにもかかわらず、おごったところがなく笑顔がステキ!! 彼女が行くところ、春風が吹いているような錯覚さえする、ほんわか系の美少女です。
ドMな読者には、伏羲の姉・女禍(ジョカ)がストライクのはず。検察庁の司法長官を務める美貌の才女ですが、愛情表現に難があって土下座を弟に強要することもめずらしくないとか……ゾクゾクしますね♪ この2柱を愛でるのは、天地の理にかなっていますよ!
(C)多宇部貞人/KADOKAWA CORPORATION 2014
イラスト:加藤よし江
データ