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2014年10月21日(火)

『FFEX』のユニークアビリティを一挙公開。ディレクターが明かすジョブやトランスの最新情報

文:長雨

 スクウェア・エニックスより12月18日に発売される3DS用アクションRPG『FINAL FANTASY EXPLORERS(ファイナルファンタジーエクスプローラーズ)』。本作の開発の様子や各ジョブの詳細について、橋本厚志ディレクターにたっぷりとお話を伺いました。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

■開発の原点は“FFのマルチプレイアクションRPGを作ろう”

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
▲橋本厚志氏:本作のディレクターを担当しているゲームデザイナー。3DS用ソフト『新・光神話 パルテナの鏡』、リメイクされたDS版『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』の開発に携わっている。

――本作のコンセプトや開発の経緯から教えてください。

 コンセプトはいたって単純で、“FFのマルチプレイアクションRPGを作ろう”という点ですね。当初はジョブの構想はなかったのですが、『FF』の世界をマルチで遊べるならジョブは使えたほうがいいだろうと、開発を進める中で幅が広がっていきました。

――最初、召喚獣と戦うという設定を見てビックリしました。召喚獣と戦うのは、いつごろ決まったのでしょうか?

 召喚獣と戦うのは、開発当初から決まっていました。シリーズでおなじみのものと戦えるほうがいいだろうと思っていたので、そのアイデアに行き着くのは早かったです。最初から新しい敵を考えるのが大変だというのもあるんですけどね(笑)。

――シリーズファンとして、確かにバハムートなどの召喚獣と戦いたいという想いはありますね。

 巨大な相手と戦いたいという欲求は、マルチプレイで欠かせないものかなと。それに昔の『FF』シリーズは召喚獣を倒してから仲間に加えていったので、その流れにもあっているし、いいのではないかと思いました。本作でも倒した召喚獣の力を借りられる要素が入っていますしね。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――東京ゲームショウ(以下、TGS)で一般のユーザーさんが初めて試遊をすることができました。その反響はどうでしたか?

 遊んでくださったユーザーさんの反応に怯えながら、見守っていましたね(笑)。こういう言い方はなんですが、予想よりもいい反応をいただけたなと思っています。ユーザーの皆さんからこういうゲームがやりたかったという意見をたくさんいただき、大変ありがたいです。もちろん細かい要望もたくさん出ているので、それはできる限りの手直しをしているところです。

――マルチの試遊台がメインで、皆さん思い思いのジョブで遊んでいた印象です。

 好みのジョブを選び、自由に遊んでいただけたようでよかったと思います。中には何人かで相談しながら遊びましたという人もいて、マルチについても楽しかったと言ってもらえたのがうれしかったですね。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

■難易度やトランスシステムの疑問点もぶつけてみました

――本作はシングルで遊べることもあり、力押しでどんどん行けるんじゃないかというイメージがあります。そのあたりは、どうでしょうか?

 序盤の敵は、ある程度は力押しでも戦えるようになっています。ただし、終盤は力押しだと難しくなりますよ。TGSで試遊していただいたユーザーの方から難易度が低いという意見があったので、少し厳しいバランスに調整しています。最初は『FF』なので優しくていいかなと思っていたのですが、ある程度難しいほうがいいという意見が多いので調整しました。ボスもTGS版よりも強くしています。

――難易度が上がると、それぞれのジョブの役割がより重要になりそうですね。

 そうですね。そのため実際に遊んだ時に感じる難易度は、遊び方やジョブの組み合わせによって変わると思います。またクエストの難易度を自分で調整もできるので、遊びやすいもので遊んでもらえればと思います。

――シングルで素材を集める時は難易度を下げ、みんなで遊ぶ時は難しいものに挑戦するといった遊び方ができそうですね。

 基本的には、難易度を上げなくていいようにしています。例えばバハムートを3回倒しに行く時、3戦目は難易度を変えてアクセントをつけるといった遊び方をしてもらえればと思っています。ガンガン難易度を上げるというよりも、ノーマルの難易度で十分に楽しめる作品になっています。

 ちなみに難易度を上げる方法はいろいろとありまして、単純に敵が強くなるだけではなく、ロックオンできなくなったり、制限時間が短くなったりするものもあります。たまには違う遊び方をしたくなった時に、試してみてもらえたらいいですね。逆に難易度を下げる方法もあり、レゾナンスが上がりやすくなる設定もあります。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――レゾナンスが上がると、召喚獣に対するダメージが格段にアップするのでグンと戦いやすくなりますね。

 そうですね。基本的にはフィールドのモンスターでレゾナンスを上げて、召喚獣に挑んでもらえればいいなと思います。TGS版ではレゾナンスが移動中に減りやすかったので、ザコ戦で溜めやすくしました。もちろん一定以上になると減りやすくなるのですが、レゾナンスが100~200の間を維持してボス戦に行きやすくなっています。レゾナンスが一定値を超えればクリスタルドライブを使えますし、200を超えていたら召喚獣戦でも最初からかなりダメージが出せますからね。

――シングルではそうやってザコ戦でレゾナンスを上げたり、素材を集めたりしていくのがよさそうですね。

 素材については、ある程度集めたらいいやと思う人もいるはずです。でも素材は武器を作るだけでなく、武器の強化で大量に必要になります。そのため、お気に入りの武器を最強にしたいという人はできるだけ集めたほうがいいですよ。

――武器を作って終わりではなく、育てていくこともできるんですね。

 そういう遊び方もできますね。ただそれは個人的にはマニアックな遊び方だと思っています。基本的に強い武器が作れるようになったらドンドン変えてしまって構いません。強化よりも生成のほうが、必要素材はずっと少ないですからね。もちろん強い武器を作るにはレアな素材が必要になってくるので、それなりに作るのが大変になります。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――過去作のキャラになるトランスシステムについて詳しく教えてください。

 このトランスシステムは、パワーアップのためのシステムで変身システムというわけではありません。トランスしたことによってAP(行動ポイント)が減らなくなったり、専用技を使えたりと、いろいろなメリットがあるのですが、やはり皆さん過去作のキャラの姿になれるという部分のほうに注目しているみたいですね。

 過去作のキャラを懐かしむ方ばかりではなく、そういう部分を排除するからこそ懐かしい『FF』の雰囲気が出るんじゃないかという意見もいただきまして、その意見もごもっともだと思います。そのバランスはすごく難しいと感じています。

――個人的には音楽や声が変わる演出は、すごくテンションが上がりますけどね。

 『FF』を好きな人にはそう言っていただけると思うのですが、本作はシリーズファンだけではなくアクションRPGを求めている方も気に掛けてくださっています。だから求めているものと違うという意見や、『FF』シリーズは好きだけどそれはそれという方もいます。その気持ちはすごくわかるんですよね。

 そういう方のために、歴代キャラを使わなくても遊べる選択肢を用意しています。彼らにトランスするためのアイテムを入手はできますが、それをまったく使わずにクリアすることもできますよ。あくまで歴代シリーズのキャラにトランスできるのは、遊びの選択肢の1つと考えているので、そのあたりはご安心ください。

――トランスする対象によって戦い方が変わったりするのでしょうか?

 何にトランスするかで専用技が変わるので、その使いやすさの違いなどはありますね。技を使った時点でトランスが終了する場合もありますし、単なるダメージだけでなく付加効果がある技もあります。そのあたりは、戦い方の好みではないでしょうか。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
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――キャラクターのカスタマイズやレベルについて気になっているユーザーが多いようです。

 レベルはありません。武器と防具とアビリティ、アクセサリーを強化することで強くなっていきます。

――さまざまなジョブがあります。1つのジョブを極めるか、いろいろなものを遊ぶかで、どちらがいいなどあるのでしょうか?

 自由に遊んでもらっていいかなと思っています。ジョブは1段階だけ成長するのですが、そんなにやりこまなくても成長します。極めてもいいし、いろいろなジョブを試してもいいと思います。僕はハンティングアクションゲームで1つの武器を使うタイプだったので、変えたくない人もいるだろうなと思ったんです。

 この部分は開発内でもいろいろ話し合いましたが、今のような仕様にしました。ジョブもそうですが、どちらかというと使う武器を変えるのは苦労すると思いますよ。アビリティは武器に紐付いているものが多いので、慣れるまで大変かもしれません。

――ジョブごとに使える武器などが決まっているのでしょうか?

 ジョブと装備できる武器は密接にかかわっていまして、例えば剣はほぼナイトしか使えません。それがジョブごとの特性にもなっていると思います。また、ジョブを育てていくと、一部の武器が使えるようになるような要素もありますよ。ただ魔法は、全ジョブに特に制限なくセットできるようにしています。これをどう生かすかがポイントですね。

――モンクなど近接戦が得意なジョブに魔法をセットすると、コストが高くなりそうですね。

 コストバランスの調整は、やっとひと段落したところですね。確かに近接戦が得意なジョブには魔法を多く付けられませんが、魔法を得意とするジョブでも強力な魔法を全部付けることはできません。装備によって補正も入るので一概には言えませんが、そういうバランスになっています。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――ユーザーの中には、ネットワークにお金がかかるのではと心配している方もいるようです。

 無料で遊べますので、安心して遊んでください。また、もちろんローカル通信でも遊べます。各種ジョブの役割などを体感するには、ローカル通信で友だちをワイワイ遊ぶのもいいと思いますよ。SkypeなどPCでのボイスチャットを使いながら遊ぶのもいいかもしれませんね。

――シングルで遊ぶユーザーにとっては、モンスターはかなり頼もしい味方になりそうですね。

 仲間モンスターは、ユーザーからもすごく好評ですね。実は当初、仲間モンスターはいらないと考えていたんです。でも実際に遊んでみると、やっぱり欲しくなって入れてしまいました(笑)。モンスターは意外と頭がいいので、便利ですよ。それとモンスターにはレベルがあります。

――モンスターは、どのようにすれば育っていくのでしょう?

 クエストに連れていけば、自然に育っていきます。モンスターが活動すれば活動するほど、もらえる経験値が多くなりますよ。詳しい仕組みは秘密ですが、単に敵を倒せばよいわけではなく、いろいろな行動を取ると成長しやすくなります。

――どんなモンスターを連れていけるのでしょうか?

 シングルの時は最大3体まで連れていくことができ、サイズ的には小型と大型が存在します。個人的には超大型のモンスターも連れていきたかったのですが、鉄巨人(テツキョジン)がギリギリ連れていけるサイズでした。レッドドラゴンやベヒーモスも連れていけるようにしたかったのですが、大きすぎることが問題で泣く泣く諦めました。ただ、有名どころのモンスターはほぼ連れていけるようにしています。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――ダンジョンでチョコボと戦う衝撃的な場面がありましたが、仲間になるので安心したという人も多そうですね。

 もちろんチョコボも仲間にできますので、チョコボファンの方も安心して遊んでください。チョコボはケアルが使えるので、なかなか便利ですよ。

 クエストを実際に遊んでもらえればわかるのですが、シングルで遊んでいると結構しんどいですよ。モンスターを連れていけば、そちらにターゲットが向いて溜め攻撃などが使えるので、戦いがぐっと楽になります。

――TGS版では仲間モンスターが倒された後も、一定時間以降自動で復活しました。これは製品版でも同様なのでしょうか?

 そこは変わらないですね。モンスターはいたら便利ですけど、いなくても困らないような存在にしています。モンスターによって、指示で任意に行わせることができる行動が違うので、自分のジョブにあわせてモンスターを選ぶとよいかもしれません。

――マルチプレイの際にも仲間モンスターを連れていけるのでしょうか?

 そうですね。ただモンスターにもコストがあるので、プレイ人数やサイズなどによる制限はあります。基本的には人間と小型モンスターを合計して4キャラまでの参加になりますね。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
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■各ジョブの特徴やユニークアビリティが明らかに!

――ここからはジョブについてお話をお聞きします。本作はカスタマイズの自由度が高い分、ジョブごとの個性が薄れそうな気もしているのですが、いかがでしょうか?

 確かに本作はジョブチェンジやアビリティのカスタマイズができるので、魔法を使えるナイトにしたり、物理攻撃が主体の白魔道士にしたりできるという意味では、ジョブによる縛りは少ないです。ただ、ジョブごとの個性はしっかりと設定しています。

 まず、ジョブごとに装備できる武器が違います。そして、アビリティもジョブごとに得意不得意がありますので、ここでまず差別化されています。白魔道士をタンクにすることもできますが、タンク用アビリティは装備コストが高いなど制限がかかっていたりもしますね。

 また、パラメータにも補正がかかるので、同じ黒魔法で攻撃しても、黒魔道士とモンクではダメージ量が異なります。そう考えると、やはりジョブごとの長所を生かした役割分担を考えることがセオリーになりますね。

 もう1つはユニークアビリティの存在です。前述したように、基本的には全ジョブがほぼすべてのアビリティや魔法を使えますが、各ジョブに1つずつ固有のアビリティ=ユニークアビリティが存在します。かなり便利なものが多いので、ここでもジョブの個性が出てくる形になっています。


― ナイト ―
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――それでは、各ジョブの特徴を教えてください。まずは、ナイトからお願いします。

 このジョブは、敵のヘイト(敵から狙われやすくなること)を集めるユニークアビリティ“挑発”につきますね。“挑発”と“月光斬り”で敵のヘイトを集めて、高い防御力を生かしてタンク(盾役)に徹するのがナイトの仕事です。それと重要なのがダメージを減らす“ディフレクト”ですね。“ディフレクト”を使えばほぼすべての攻撃を完全無効にできますが、その使用中はAPを消費し続けてしまうので、いかにAPが尽きないように立ち回るかがポイントになりますね。

――ナイトといえば、現在公開されている装備のイメージが強いです。実際は、いろいろな装備品があるのでしょうか?

 装備はもちろんたくさんありますし、それぞれグラフィックが違います。むしろ、今公開しているものは中盤以降でないと手に入らないナイト専用の装備で、他にもかっこいい装備がたくさんありますよ。本作は頭・胴体・脚の3カ所にパーツが分かれています。頭装備はグラフィック表示のオン/オフ機能もありますので、個性が出しやすくなっていますね。ただ、下半身装備の呼び名にバリエーションがあまりなくて苦労しています。そこはちょっと失敗したと思いましたね(笑)。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
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― モンク ―
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――続いてモンクについて教えてください。

 モンクは、完全なアタッカーですね。格闘の使い手で最初に“爆裂拳”という技を覚えるのですが、これを使いこなすとかなり強いです。コンボ数を稼ぐほどダメージが上がっていくので、例えば通常攻撃を4発繰り出した後に“爆裂拳”を使うと、直接“爆裂拳”を出すよりも大ダメージが出ます。そういうことを考えながら戦うと、モンクはすごく楽しいです。ユニークアビリティの“ためる”は一定時間攻撃力を上げるものなので、それと組み合わせるとより強力ですね。

――コンボを稼いでダメージを上げるという戦い方は、モンク専用なのでしょうか?

 他のジョブでもできますが、格闘を使えるジョブがそもそも少ないんですよ。現在公開されている中では、モンクと忍者くらいですね。忍者はアビリティのコスト制限的に格闘を使いこなすのが難しい部分があるので、この戦い方ではモンクが一番です。アビリティが増えてきた時に遊び方の幅が広がるジョブですね。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
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― 白魔道士 ―
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――白魔道士はどうでしょうか?

 白魔道士は、わりと基本と言いますか、ヒーラーになりますね。ユニークアビリティの“祈り”は、APを回復できるので強力です。また、ゲーム後半の話になりますが、実質“アレイズ”をセットできるのはこのジョブだけです。他のジョブでも付けられるのですが、そうすると大量のコストを消費することになります。ナイトだったら、コストの半分は持っていかれるかな。ただ“アレイズ”の蘇生範囲はフィールド全体なのですごく強いですよ。

――個人的に、今回の白魔道士は戦えるヒーラーになれるのかどうかがすごく気になっています。

 水系の魔法が白魔法扱いのため、安いコストでセットできるようになっています。“ファイア”なども、コストさえあればセットすることができますよ。それに“ホーリー”と“トルネド”ですね。“トルネド”は本来は黒魔法なのですが、今回は白魔法にしました。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
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― 黒魔道士 ―
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――次は黒魔道士について教えてください。

 黒魔道士は完全に攻撃特化のジョブで、属性を使い分けながら戦うことになります。本作では属性だけでなく、“ファイア”は球形の攻撃を飛ばす、“ブリザト”なら前方に範囲攻撃、“サンダー”なら連続ヒットなどの特性を加えました。これは好みもあると思いますが、アビリティのカスタマイズができるということもあって意図的に変えています。

 ちなみに黒魔道士はかなり強くて、開発内で黒魔法最強と言われた時代もあります。ただその時は詠唱時間が短かったので、少し長く調整しました。ユニークアビリティは“バリア”です。これを使うと最大AP分のダメージを無効化できるので、序盤がかなり楽になります。あとは状態異常系のアビリティも使えます。

――長期戦が予想されるバトルでは、状態異常が活躍しそうですね。

 すべての敵ではありませんが、召喚獣を含めてほぼすべてのモンスターに状態異常のいずれかが効くようにしています。完全耐性にしてしまうと、アビリティの意味がなくなってしまうので、即死以外はなるべく効くようにしています。

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― 狩人 ―
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――弓による遠距離攻撃を得意とする狩人はどうでしょうか?

 狩人のユニークスキル“狙う”は、命中率やクリティカル率を上げることができます。うまく使いこなせば、かなり強いジョブですね。“みだれうち”がすごく強力で、狩人のキモになるのかなと思います。トランス状態になると“みだれうち”を使い放題になるので、かなり爽快ですよ。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
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― パラディン ―
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――続いては、パラディンです。同じタンクであるナイトとの違いはどのあたりにあるのでしょうか?

 防御能力はパラディンのほうが上です。その代わりに“挑発”を持っていないので、敵のヘイトを集めるのが少し難しいですね。ただ、アビリティの中には自動発生するパッシブ能力的なものもあり、パラディンはそれを使えばヘイトを集めやすい特性があります。“月光斬り”も使えるので、コツを覚えれば問題なく敵のヘイトを集められると思いますよ。またユニークアビリティ“かばう”は、効果範囲の中ならダメージを完全に無効化できます。仲間が受けるダメージも無効化できるので便利ですね。

 それとパラディンは、白魔法を使った時の回復力が高いです。ジョブごとにパラメータが違うので同じ“ケアル”を使った時もジョブごとに回復量が違うんですよ。パラディンは、自分で回復しながら戦うこともできるので持久力はナイトより上かもしれません。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
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― 忍者 ―
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――忍者はいかがでしょうか?

 忍者は、アビリティのカスタマイズ次第ですね。回避系のタンクを想定していますが、もちろんアタッカーにもできます。ユニークアビリティは敵の攻撃を回避する“空蝉(うつせみ)”で、タンク寄りの能力ですね。ただアタッカーとして活躍したい人も多いでしょうし、最初から二刀流を使って攻撃もできるようにしています。

 忍者は通常攻撃が飛び抜けているので、そういう意味合いでアタッカーとして攻撃してヘイトを集めて回避するという戦い方もできます。あとパーティに忍者が2人いれば、順番に盾役をするという戦術もできておもしろいですよね。そのあたりは自由にパーティを編成して遊んでほしいです。

――二刀流は他のジョブでも使えるのでしょうか。

 ちょっと条件はありますが、忍者以外のジョブでも使えます。ただ、忍者は初期状態から使えるので、とても便利ですね。

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― 時魔道士 ―
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――次はバッファーの時魔道士について教えてください。

 時魔道士は、補助役です。ちょっと地味といいますか、興味を持ってもらいにくいジョブですよね。バッファーと言っても、“グラビデ”や“メテオ”などの攻撃魔法があるのでどんどん戦って大丈夫なのですが、やっぱり遊んでもらわないとわかりにくい部分もありますね。

 “グラビデ”は、ザコ戦で鬼のような強さを発揮します。ボスには耐性がありますが、それでもダメージはある程度通るので、実はアタッカーとしても優秀です。攻撃速度を上げる“ヘイスト”を使えるのもポイントでしょうね。“ヘイスト”はコストを高めに設定しているので、他のジョブに付けようとするとかなり大変です。ナイトだと全体コストの約1/3を必要とします。

 後半になると“クイック”が使えるようになって回転率が上がります。ユニークアビリティは、補助効果が長くなる“クロノス”です。それと個人的に強いと思っているのは、敵に狙われなくなる“バニッシュ”ですね。これを使うとタンクが仕事をしやすくなるんですよ。ちょっとテクニカルな戦法なので、開発内でも使いこなせている人間は少ないんですけどね。

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― 暗黒騎士 ―
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――続いて、暗黒騎士についてお願いします。何やらバーサーカーの要素も入っているように見えますが。

 そうですね。“バーサク”があって、これがすごく強いです。最初から解放されているわけではありませんが、これを使えるようになった瞬間、別ゲームになりますね(笑)。最初から使えて便利なのは、ユニークアビリティの“暗黒”。“暗黒”はHPを消費して戦うのですが、本作は敵の攻撃力を奪う効果もあります。

 耐性がある相手に対して使っても、自身の攻撃力を上げることは可能です。そのため“暗黒”で自身の攻撃力をブーストさせ、それから攻撃するのが主な戦い方になります。高火力な代わりに体力がどんどん減っていくリスキーなジョブなので、やや上級者向けですね。

――武器も特殊なものが多くて楽しそうですね。

 斧と鎌が使えます。鎌を使えるのは、暗黒騎士を含めてごく一部だけですね。鎌を使えるようにしたのは、『FFXI』を意識しました(笑)。僕自身が鎌を欲しかったので、数は多くないですが、無理を言って入れてもらいました。斧もリスキーな設計にしていて、なかなか愉快な武器とアビリティばかりです。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
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― 竜騎士 ―
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――そんな個性的な暗黒騎士と比べて、次の竜騎士はスマートに戦えそうですね。

 攻撃と防御のバランスが取れたジョブですね。槍は間合いを詰めるアビリティも多いので、中距離で上手く立ち回るのが重要になります。それから、ユニークアビリティの“ジャンプ”が便利です。威力も上方修正しましたし、無敵時間があるので敵の攻撃を見てジャンプするとかなり強いですよ。

 “竜剣”を装備できるので、自分でHPを回復しながら戦うことも可能です。アビリティ単発の攻撃力は控えめにしているのですが、槍は格闘の次くらいに連続攻撃が多いし、攻撃力が上がる技もあるので使いやすいと思います。

――“ジャンプ”は使っていて、すごくおもしろいですよね。

 使いこなせると楽しいですね。また、竜騎士は全ジョブの中でも一番アクション性を求められるかもしれません。そういう意味でもやりごたえのあるジョブですね。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
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― 魔獣使い ―
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――魔獣使いは、どのような職業なのでしょうか?

 魔獣使いは、どちらかといえばシングル向きのジョブですね。魔獣使いの特徴は、ユニークアビリティの“なだめる”です。これは敵にとどめを刺すと、仲間モンスターを生成できる“魂石”を入手しやすくなる効果があります。なので、シングルで素材を集めるのに最適ですね。

 これはマルチでも有効なので、魂石集めの時は魔物使いが1人いると楽ですよ。また、パッシブで仲間モンスターの能力が上がるようになっています。1種類くらいシングル向けのジョブがあってもいいかなと思って、そういう調整にしました。武器は斧なので、暗黒騎士のような立ち回りにできます。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
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― 風水士 ―
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――最後に風水士についてお願いします。

 風水士は、棍棒が使えます。ベルも棍棒扱いですね。棍棒技の一番の魅力は状態異常と支援にあって、時魔道士のように支援をしながら戦えますよ。ユニークアビリティは“トラップ”で、罠に引っ掛かった敵の行動を止められます。これは召喚獣にもかなり有効ですが、誘導するのは少し苦労するかもしれませんね。

 それと地形効果というマニアックなパッシブがあります(笑)。これは地形によって能力が上がるパッシブなのですが、これを使いこなすのはかなり大変ですね。

――地形はかなり重要になるのでしょうか?

 そんなにこだわるほどではないです。本当は、鍾乳洞やかまいたちといった風水士の“ちけい”を再現したかったのですけどね。本作でやろうとするとゲームを丸1本作れるコストが掛かると言われて、諦めました。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――たくさんのジョブのお話、ありがとうございます。それらを踏まえてアクションRPGの初心者には、最初はどのジョブがオススメでしょうか?

 初心者には、ローカル通信で気心の知れた友だちと相談しながらジョブを決めてもらうのがいいと思います。本作はパーティ構成によって、オススメのジョブが変わるんですよね。だから気心の知れた人とワイワイ遊んでもらうのがいいかなと思います。でも、なかなかタイミングが合わない方もいると思うので、いきなりネットワーク通信で遊ぶのもありです。

 オススメというわけではありませんが、ナイトあたりは無難に活躍できると思います。ただプレイしていてタンクとヒーラーは難しいところもあるので、モンクなどアタッカーのほうが遊びやすいかもしれません。狩人もいいですね。狩人で敵に状態異常を掛けると、すごく活躍している気持ちになれます。

――ボスの召喚獣戦には、何か特殊なギミックが用意されているのでしょうか?

 かなり、いろいろ用意しています。発表している召喚獣の中では、ラムウがかなり曲者ですね。ラムウに関しては、ちょっとストレスが溜まるんのではないかという内容になっています。オブジェクトを壊さないとワープする位置がランダム過ぎて大変な目に合うので、これを読んだ方は最初にオブジェクトを壊すことを覚えておいてください。

 ユーザーが遊んで初めてギミックを体感できるのが、このラムウかドリュアスではないでしょうか。ドリュアス戦は1カ月前まで、とんでもないバランスでした。モルボルをどんどん呼ばれて、それを倒すだけで手一杯になるような(笑)。現在はきちんと調整して、いいバランスになってきました。他の召喚獣もコンセプトに沿った特殊な行動をしてくるので、ボリューム感のあるバトルが楽しめると思います。

『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』
『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』

――12月18日の発売に向けて、開発状況はいかがでしょうか?

 発売に向けて、ぎりぎりまで調整しています(笑)。現在は細かいバランスを調整なのですが、よりよくするために時間を掛けています。

――最後にファンへのメッセージをお願いします。

 製品版の発売前に無料で遊べるライト版を配信しますので、まずはそれを楽しみに待っていただきたいですね。ライト版ということで遊べるジョブやアビリティが限られてしまいますが、いろいろ試していただけるとうれしいです。ネットワーク通信もできますので、ぜひマルチでも遊んでみてください。

(C)2014 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
イラストレーション:(C)2014 天野喜孝
イメージイラスト:板鼻 利幸(TOSHIYUKI ITAHANA)
召喚獣イラスト:小林 元(GEN KOBAYASHI)

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