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2014年12月16日(火)

『フロントミッション』の名コンビ、土田俊郎氏と下村陽子氏による新作『V.D.-バニッシュメント・デイ-』インタビュー

文:チョロ松

 DMM.comが先日発表したPC用タクティカルバトルRPG『V.D.-バニッシュメント・デイ-』。本作のプロデューサーを務める土田俊郎氏と、音楽を担当する下村陽子氏に、ゲームの魅力や制作の裏話を聞いてきた。土田氏と下村氏と言えば、往年の名作『フロントミッション』でコンビを組んだ仲。本作ではどのようなタッグが見られるのか?

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』
▲音楽を手掛ける下村陽子氏(左)と、プロデューサーの土田俊郎氏(右)。

●プロデューサー 土田俊郎氏プロフィール
 1988年にNCS(ブランド名:メサイヤ)でプランナーとしてゲーム開発の仕事を開始。1994年に独立してゲーム会GCRAFTを設立。
 『フロントミッション』や『アークザラッド』『アークザラッド2』を開発後、スクウェアに移籍。『フロントミッション』シリーズのディレクション、プロデュース、『ファイナルファンタジーX』『ファイナルファンタジーXIII』のバトルディレクターなどを務める。
 2011年3月、グリーに移籍後、複数のアプリタイトルに関わった後、同社を退職。
 2014年より、GCRAFTを再始動させ、本作がその1作品目となる。

●音楽 下村陽子氏プロフィール
 日本の作曲家。兵庫県生まれ。主にゲームミュージックの作曲活動で知られている。
 担当作品に『ストリートファイターII』、『スーパーマリオRPG』『マリオ&ルイージRPG』シリーズ、『パラサイト・イヴ』、『キングダム ハーツ』 シリーズなど。
 カプコン、スクウェア(現スクウェア・エニックス)を経て、現在フリー。ゲーム以外にもテレビアニメや舞台作品に関わり、活躍の場を広げている。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

■土田氏ならではのヘビーな世界観を反映した楽曲を!

――まず、『V.D.-バニッシュメント・デイ-』の開発を始めた経緯を教えてください。

土田俊郎(以下、土田):まず本作は、異次元に移動してしまった日本を解放するため、孤立してしまった少年少女が戦いに臨むというストーリーが主題になっています。これをベースにゲームを作ってみないかと、知り合いに提案されたのがきっかけです。それで、企画書を用意して『艦隊これくしょん -艦これ-』の岡宮プロデューサーに見せたところ、「いいじゃないですか!」とGOサインをいただきました。

 その際に「自分でゲーム会社を作ろうと思っているんです」と話したんですが、岡宮さんに「このゲームでやっちゃいましょうよ」と言われて、DMM.comさんに力を貸していただくことになったんです。

――最初からブラウザゲームとして開発することを想定されていたのでしょうか?

土田:いえ。DMM.comさんとご一緒するということが決まってから、ブラウザゲームというものを意識しました。そこから、細かなゲームデザインを進めていった感じです。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

――本作で、下村さんに音楽制作を依頼されたきっかけは?

土田:実は、岡宮さんに「音楽については、ちょっと考えていることがあるんで」と言われまして。それがフタを開けてみたら、下村さんだったんです。「久しぶりにご一緒させていただくことになって、うれしいです!」という話をさせてもらいました(笑)。

下村陽子(以下、下村):本当ですか?(笑) 私は岡宮さんから「下村さんにピッタリな仕事があるんだけど、ちょっとやってみない?」と声を掛けられて。話を聞いてみたら、「土田さんとゲームを作ろうと考えてるんだけど」と打ち明けられたんです。それで私は、土田さんが「イヤ」って言ったらどうしようって思っちゃいました(笑)。

 当時のスクウェア(現スクウェア・エニックス)を退職してから、たぶん土田さんとは1度もお会いしていなかったと思うので、とても懐かしかったですね。

――作曲するに当たっては、ゲームの世界観だけがイメージソースだったのでしょうか?

土田:依頼した時期は開発が始まってすぐだったので、ほぼキャラクターイラストしかありませんでした。わりとかわいい雰囲気のイラストだったのですが、それだけだと誤解されてしまいそうだったので、「だんだんハードなストーリーになっていくので、いつも通りの重めな感じで……」とお願いしました(笑)。

 「追い詰められたりとか、仲間が倒れていったりとかという状況になるので……」といった話をさせていただいたのを覚えています。その後は、実際に必要な曲のリストを作って、「こういう場面で流す曲です」という指示書だけをお渡しました。かなり、下村さんにおまかせで作っていただいた感じです。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』
『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

――これまでに手掛けられた音楽のお仕事と、何か違う部分はありましたか?

下村:特に、そういった部分はありませんでしたね。どのゲームもそれぞれ個性があるので、土田さんならではの世界観や、ブラウザゲームというプラットフォームを踏まえつつ、『V.D.-バニッシュメント・デイ-』らしさだけを意識しました。技術的な部分ではゲームエンジンの違いなどもありますが、私自身はいつも「気分一新!」みたいな気持ちで取り組んでいるので(笑)。

――これまでの下村さんの楽曲を聴いてきた人からすると、「ああ、今回はこういう感じできたのか」となりそうですね。

下村:そうですね。たぶん、重い曲というか(笑)。私と土田さんと言えば、やはり『フロントミッション』を連想される方が多いと思うんです。なので、「こういうハードな曲できたか!」と思われる部分はあるでしょうね。

――『V.D.-バニッシュメント・デイ-』の全体については、どんな印象を持たれていますか?

下村:キャラクターを見せていただいた時に、かわいらしいイラストだったので、「あらら土田さん、ナンパな感じで来ましたね」と思いました(笑)。でもストーリー自体は、やはり重いところがありますよね。岡宮さんとお話しした時にも「まあ、土田さんですから」と(笑)。ヘビーな雰囲気は大事にしなければと思いました。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

――実際に出来上がった曲を聴いてみて、土田さんはいかがでしたか?

土田:事前に下村さんからは「こんなイメージの曲というのがあったら、具体的に挙げてもらってもいいですよ」と言っていただきましたが、サンプル曲などをお渡ししなくても、絶対に大丈夫だと確信していました。実際に、ほとんど修正なしでした。

下村:1曲だけNGがありましたよ(笑)。今、思い出したんですけれど、丸っと全部ボツになった楽曲が! 楽しくてコミカルな場面のために『Happy』という名前の曲を作ったんですが、「ちょっと、使いどころがなさそうです」って言われて(笑)。代わりに、方向性が180度違う『不安』という曲を書きました。

土田:そうでした(笑)。

下村:「やっぱり、そういうゲームなんだ」って納得しましたけれど(笑)。

土田:キャラクターの会話の中で、軽妙なやり取りがまったくないわけではないんですが、戦いながらの会話なので、その後にすぐシリアスな雰囲気に戻ってしまうんです。あまり、パタパタと曲調が変わるのもよくないなと。

下村:『Happy』は使いどころがないけれど、『不安』な場面はいっぱいあるのねと思いました(笑)。本作のゲーム性、推して知るべしですね。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

――下村さんは、実際にゲームが動いているところをご覧になりましたか?

下村:実は、まだ見ていないんです。これからちょっと、βテストに参加しようかと(笑)。最近はあまりゲームを楽しむ時間が取れなかったりするんですが、でも基本的にゲームをプレイするのが好きなので、1ユーザーとして遊ぼうと思っています。でも自分で遊んでみて、「うわぁ、この曲直したい!」ってなったら、どうしよう(笑)。

――完成したゲームを遊んでみて、自分の曲を後から直したくなることってあるんでしょうか?

下村:いったん世に出てしまったものなので、それが完成形だと考えています。「直したい!」と思わないようにしているというか。時には、「こうなっちゃったかー、こういう風に使われるのかー」と頭を抱えることもありますが(笑)。今回は大丈夫ですよ!

■土田氏が再びゲームスタジオを立ち上げたワケは?

――土田さんはGREEを退職された後、本作のためにGCRAFTを立ち上げたられたわけですが、新しいゲームスタジオを作るために退職されたのでしょうか?

土田:GREEを辞めた後、しばらくはゆっくりしていたのですが、その間はさまざまな企画を暖めながらたくさんの方とお話させていただきました。その中で、「一緒にやろうか」と言ってくださる方や、応援してくださる方がいて、「じゃあ新しい会社を作って、お仕事として新規のタイトルを作れたら、こんなにうれしいことはないな」となっていった感じです。

――実は、GCRAFTは今回で2回目の立ち上げになるんですよね?

土田:本当は、GCRAFT2なんです(笑)。

――「前回の時にこうしたらよかった」みたいな教訓があったりしたのでしょうか?

土田:うーん、同じ名前を使ったという理由には、「以前と同じ気持ちでやりたいな」という思いがありました。あまり奇をてらったりせずに、マジメにコツコツとゲームを作っていけたらと考えています。今回集まってくれたのも、以前の仕事でご一緒してくださった方が多くて、「GCRAFTという名前がいいよね」と賛同してくれました。

――ある意味、初心に帰ってという感じですね。

土田:そうですね。そういうところがあります。

――現在、何名くらいのスタッフで開発されているのでしょうか?

土田:7~8名くらいです。このプロジェクトに関しては、プログラムの部分を別の会社と組んで開発しているんですが、そちらには前々職の時の知り合いがたくさんいます。なので、昔の仲間たちと一緒に仕事をしている感じですね。そういう意味では、下村さんも旧スクェア時代からのお付き合いですし……。

――土田さんらしい往年の名作の楽しさを、もう1度味わいたいと思うファンの方も多いと思いますが、『V.D.-バニッシュメント・デイ-』ならではのアピールポイントなどはありますか?

土田:ストーリーとバトルに注目していただきたいですね。本作では、キャラクターをスカウトしてどんどん集めていくんですが、バトルでの戦い方が変わっていく感じにしたいと考えています。。キャラクターには、スナイパーやヘビーガンナー、アサルト、メディック、エンジニアといったジョブがあるのですが、ジョブの違いでキャラクター集めを楽しんでいただきたいというのが1つ。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』
『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

 また同じジョブでも、追加効果の違いがあったり、前衛と後衛で配置を変えた時に特別なスキルを使えたりといった違いがあるので、「このジョブと、このキャラクターの組み合わせだと、こんな風に戦えるよね」という、自分なりの戦い方を見つけて楽しんでもらえればと思います。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

 さらに、成長すると新しい技を覚えたりするので、戦術の幅が少しずつ広がっていきます。ゲームを開始してから少し進めると“増援”という機能が使えるようになるので、この増援部隊に回復系のキャラクターをたくさん用意しておいて、後半戦で消耗戦ができるようにしておくとか……。キャラ集めと戦術が一体になって楽しいゲーム、というのを目指しています。それなりに実現できたんじゃないかと思いますので、ぜひ遊んでいただければうれしいです。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』
『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

――本作はブラウザゲームということで、サービス開始後もアップデートが続きますが、その点は意識されていますか?

土田:ユーザーの反応を受けて変えていく、という部分は意識しますね。追加ストーリーも配信していく予定ですが、別の部隊で自分を助けてくれたり、いがみ合ったりするキャラクターが、後からスカウトできるようになることがあります。そういったキャラクターのサブストーリーも用意します。また、特別なクエストをクリアすると、敵だったキャラクターを仲間にすることができるなんてこともあります。戦力だけに注目してキャラクターを集めるのも1つの楽しみですが、そういった追加ストーリーも楽しんでください。

 そのような要素が好評であれば、積極的にサブストーリーを増やしていきますし、評判のいい部分を伸ばしていきたいですね。

■キャラクターを離脱させるかどうかで悩むゲームシステム!

――戦闘シーンで、キャラクターがデフォルメされた3Dモデルになるのはなぜですか?

土田:まず、バトルではSDキャラを表示するのがいいのでは、というアイデアがありました。画面自体が小さいので、頭身を縮めて大きく表示しないと、キャラクターが判別できないんです。SDキャラを動かすなら3Dモデルというイメージもあって、アートディレクターと相談して決めました。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』 『V.D.-バニッシュメント・デイ-』
『V.D.-バニッシュメント・デイ-』 『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

――キャラクターが戦闘から完全に撤退してしまう“離脱”というシステムが、非常に独特だと思いました。

土田:本作でゲームを進めるためには、“GO”ボタンを押していく必要があります。『艦隊これくしょん -艦これ-』を参考に、パパパッとボタンを押していくだけでゲームが進行するような仕組みが欲しいと考えて、この“GO”ボタンを採用しました。ただ、このボタンを押す前に、「ウーン」と悩んでもらいたいと思ったんです。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』
『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

 本作では、キャラクターが戦闘不能になると、そのキャラは経験値をもらえないなんですね。HPが減ってきたキャラを残してもう1回攻撃してもらうのが効率的だけれど、でも攻撃を受けると戦闘不能になるかもしれない。“離脱”は次の戦闘を開始する前の1つの分岐点ですね。そのキャラを確実に守れる代わりに、攻撃の手が1つ減ってしまいますので、しっかりと決断してください。“増援”の到着まで“離脱”せずにしのげるかどうかというのも、1つのポイントになるハズです。

 また、キャラクターはそれぞれボイス付きなんですが、“離脱”する前のひと言も特別なセリフとなっていますので、楽しみにしていてください。「すみませ~ん」と言って去るキャラもいれば、「まだまだやれる!」と強がりを言うキャラもいます。かなりキャラクターの個性が出る部分ですね。

――戦力が拮抗していると、どんどん部隊のキャラクターが減っていくんですよ。最後は敵の1人と一騎打ちになってしまったり……。

土田:そういう状況になると、本当におもしろいですね。それから、本作はランダム要素も少し強めになっているので、「コイツの攻撃がこっちに来たら、もう1ターンいけるんだけど……」みたいなドキドキ感を、より強く味わえると思います。でも、安全策を取るなら“離脱”をオススメします。

――背景となるストーリーや性格など、各キャラクターの設定はどなたが考えたのでしょうか?

土田:基本的には、シナリオライターの米坂典彦さんです。『アークザラッド』のシナリオなども手掛けていて、わりと長い付き合いになります。ただ、キャラクターが100人以上いるので、スタッフ総掛かりで考えました。「5キャラずつは絶対考えてください」とか(笑)。思ったより大変でした。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

●高槻遥(声優:M・A・O)
 大阪出身。責任感があり、班長としてメンバーを引っ張っている。キツめな口調で言いたいことはハッキリと言う性格。実は結構な照れ屋であり、人にからかわれるのが苦手。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

●山鹿陽菜(声優:金元寿子)
 熊本出身。明るく天真爛漫で、場を和ますムードメーカー。戦いの最中でも、仲間とくだらない会話をして、よく水無瀬に怒られている。実はかなりの怖がり。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

●泉美咲(声優:金元寿子)
 熊本出身。控えめな印象があるが、芯は強く、自分の意見はしっかり持っている。敵の襲撃によって家族を失い、子どもたちと避難しているところを主人公に保護された。自分の意見を曲げない頑固な一面があり、それがもとで仲間に迷惑をかけることもしばしば。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

●昭島千尋(声優:南條愛乃)
 東京出身。本部から主人公のオブザーバーとして配属され、作戦や施設の説明、生徒たちのフォローなど、常に主人公と行動を共にする。面倒見のよいお姉さんタイプで、その笑顔に皆が癒される。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

●荒川駿(主人公)
 東京出身。高校1年の時に熊本に引っ越してきた。おちゃらけていて、不真面目。悪乗りすることが多い。実は照れ屋な性格で、真面目にすることが恥ずかしく、自分からそれを茶化して、照れを誤魔化そうとしている。小さいころから剣道の道場に通っており、有段者である。

 もちろん、キャラクターごとの強さの差はあるんですが、捨てキャラがいないというところも1つのポイントになっています。「このキャラがいないと勝てない!」ということはありませんし、特定の部隊のキャラクターを集めるのも楽しいですよ。ぜひ、自分のお気に入りのキャラクターを見つけてほしいですね。

下村:いっぱいお金を払ったら、すべてのキャラクターをそろえることができるんですか?

土田:うーん(笑)。おそらくできると思います。ただ、『艦隊これくしょん -艦これ-』だと完全無料で遊ぶユーザーさんを大事にした結果、成功につながったというのがあるので、お金を使わずに普通に手に入るものだけでも、きちんと楽しめるようにしています。

下村:私は完全コンプリート厨なので、悩んじゃうかも(笑)。でも、たいていは物欲センサーに引っ掛かってしまって、なかなかそろえられないんです。

■隠しキャラの“ようこちゃん”は実現するか!?

――『艦隊これくしょん -艦これ-』では、ダメージを受けると服が破れるという要素がありましたが、本作ではいかがですか?

土田:入ってないですね、すみません(笑)。何か主張があって入れていないワケではないんですが。ファンの要望があれば、考えなければいけないですね。

――下村さんから「こんなキャラ出して」と要望があったら、出してくれますか?(笑)

下村:リクエストしちゃおうかな(笑)。“ようこちゃん”とかどうですかね? 離脱する時に、「ごめんなさい、締め切りがあって~」と言って去っていくとか(笑)。

土田:締め切りなら仕方ないですね(笑)。

――下村さんは今回、何曲くらい作曲されたんですか?

下村:10曲以上ですね。

土田:今の時点で、バトルだけで4曲あります。状況に合わせて曲が変わるので、かなり重要なシチュエーションにならないと流れない曲もあって……。僕はその曲がいちばん気に入っているんですが。

下村:光栄です! 重くて暗くて、濃ゆくてクサい曲です(笑)。

土田:泣きがかなり入っている(笑)。「メロディアスな曲になっちゃったんですけれど」と相談されたんですが、「この曲が流れないといけない特別なシチュエーションを作りますから、大丈夫です!」とお答えしました。

下村:ありがとうございます。私も調子に乗っちゃって、「やりすぎかな?」と思いつつ、「もっとやっちゃっていいかな」って(笑)。

土田:むしろ、それがよかったです。攻めてもらった感じが本作にマッチしていると思います。

下村:この曲が中盤で流れたらどうしようって、心配してしまいました。ここ数年、いつもラスボスの曲から書こうと思っているんですが、なかなかそういうワケにもいかず……。最初にいちばん重い曲を作っておけば、後が楽なんですけれど。

――下村さんの曲のファンは、とにかくディープにゲームを遊ばないと、とっておきの曲を聞けないというワケですね。

土田:そういった楽しみも味わっていただければ幸いです。新しい敵と出会った時の曲というのも、きっとあると思います。また、曲のリクエストも、ぜひいただきたいです!

下村:隠しキャラの“ようこちゃん”が出てきた時に、ボツ曲の『Happy』が流れるというのはどうですか? それで、去っていく時には重~いジングルで退場していくの(笑)。

――そんなイベントもあったら楽しそうですね(笑)。

下村:ユーザーの皆さんに長く遊んでいただければ、いろいろ実現するかもしれないですね(笑)。

――どんな年齢層のユーザーを想定されていますか?

土田:スーパーファミコンとか、往年の家庭用ゲーム機で遊ばれていたゲームファンの方たちですかね。僕が作っているので、自然とその年齢層がターゲットになってしまうのかもしれませんが。

 萌えキャラではあるんですが、ゲームそのものは骨太に作っているので、30~40代の方でも楽しめると思います。もちろん、10~20代の若いゲームファンにも遊んでいただきたいです。時間を掛けて遊ぶタイプのゲームなので、ご自宅でじっくり楽しんでください。

――それでは最後に、『V.D.-バニッシュメント・デイ-』に期待するファンの方へのメッセージをお願いします。

下村:久しぶりに土田さんと一緒にやらせていただいて、熱くて重くて、泣きがあって、ちょっとノリのいい、わりとカッコイイ路線の曲を書かせていただきました。ぜひゲームと曲を一緒に楽しんでいただきたいです。私もプレイする予定ですので、ゲームのどこかでお会いできるかもしれません! ぜひ、よろしくお願いします。

土田:『V.D.-バニッシュメント・デイ-』は、バトルを中心にしたゲームに仕上げることができました。キャラ集めの要素や、それぞれの個性を表現したボイスも楽しいと思います。音楽も、このボスだからこそ流れるという曲があったりするので、BGMを聞きながらだとさらに楽しいゲームになっています。じっくりと遊んでいただけるとうれしいです。

『V.D.-バニッシュメント・デイ-』

(C)DMM.com POWERCHORD STUDIO / GCRAFT, Inc.
Development by GCRAFT, Inc. / fuzz, Inc.

データ

▼『V.D.-バニッシュメント・デイ-』
■メーカー:DMM.com
■対応機種:PC
■ジャンル:RPG
■サービス開始日:未定
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

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