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2014年11月20日(木)

2014年版おすすめゲーム用モニターまとめ。144Hz、240Hz対応の製品も

文:喜一

 ごきげんよう。突然だが、ゲーミングモニターというものをご存知だろうか。主にPC向けで通常の液晶モニターとは違い、ゲーム用に特化したディスプレイのことだ。

『2014年ゲーミングディスプレイ』

 では、どこがゲームに特化しているのか。主にゲーミングモニターは、通常のモニターよりも映像を滑らかに表現することができる。これはアクションゲームならば、物陰から敵が出てくる瞬間などに顕著に感じられるはずだ。動きがあるゲーム(FPSなど)全般が、ゲーミングモニターの恩恵に与れると言っていいだろう。

 そんなの細かい問題だって? 何を言うかと思えば……君には失望したぞ! 通常の60Hzモニターでゲームをプレイしている君が、120Hzのゲーミングモニターを体験すれば、そんなジョークは言えなくなるはずだ。ということで、この記事では2014年に発売されたゲーミングモニターを紹介しよう。

■ミッション0:ゲーミングモニター選びで注目するところは?

 ここでは新米隊員(モニター選びをしたことがない人)向けに、ゲーミングモニターを選ぶうえで注目したいところを確認していこう。まず、モニター選びはリフレッシュレート(垂直走査周波数)を知らなければ始まらない。これはモニターが1秒間に画面を書き換える回数のことで、画面を描画する速度を表す。単位は、Hz(ヘルツ)。

 察しのいい隊員諸君は理解したと思うが、Hzが高ければ高いほどゲームが滑らかに表現されるのだ。昨今のゲーミングモニターは144Hzが多い。ちなみに、通常のPCディスプレイは大体初期設定で60Hzに設定されている。小難しい話をしたが、Hzが高いものを買っとけばいいのだ。

●この記事を見るうえで重要な用語

 本稿を読み進めていくうちによくわからない機能が出てくると思うので、簡単に同じような機能を分類してみた。どの機能が自分のモニター選びに重要なのか見極めてほしい。

用語集

●G-SYNC(GeForceのみ対応)/Adaptive-SYNC(Radeonのみ対応)

 リフレッシュレートを変動させ、ゲーム中のカクつきやブレをなくす機能。ゲームが滑らかになる。

●Black eQualizer/黒レベル調整/Smartimage

 ゲーム画面の暗い場所をなるべく明るく表示してくれる機能。暗所にいる敵を見つけるのに役立つ。明るく表示する分、目が疲れやすくなることも。

●ディスプレイモード/SmartSize/アスペクト比固定拡大モード

 ディスプレイの解像度や画面比率などを変更できる機能。例えば27型ディスプレイの場合、24~17型のサイズに変えられる。ゲームの配信などに便利。

●フリッカーフリーバックライト/ブルーライト軽減

 単純に言えば目に優しい機能。長時間プレイをする人にオススメ。

■ミッション1:家庭用ゲーム機にオススメのゲーミングモニターもある!

 新米隊員への説明もすんだところで次のミッションに移っていこう。

 現状、家庭用ゲーム機(PS4/Xbox Oneなど)は、60fpsでゲームを描画している。fpsはリフレッシュレートと同じようなものだが、厳密に言えば違うので混同しないようにしよう。ゲーム画面の表示は、このfpsとリフレッシュレートが同値になることが理想とされている。

 以上から家庭用ゲーム機をプレイする分にはゲーミングモニターを必要としない場合が多い(60fps=大体のモニターの初期設定リフレッシュレートのため)。だが、ここで紹介するのは、60Hzながらも家庭用ゲーム機に適したモニターになる。

▼『BenQ RL2460HT』/実売価格:24,000円前後

『2014年ゲーミングディスプレイ』

☆対応リフレッシュレート:75Hz(DVI端子接続時)
☆応答速度:中間階調域1ms(黒白黒:5ms)

●サイズ
24型ワイド ノングレア(非光沢)

●解像度
1920×1080(Full HD)

●搭載端子
HDMI×2
ミニD-sub15ピン×1
DVI-D×1
HDMI(out)×1
ヘッドフォンジャック×1
Audio Line in×1

●搭載機能
フリッカーフリーバックライト
Black eQualizer
ブルーライト軽減モード

 2014年7月29日に発売された本商品は、プロゲーマーのJustin Jwong Wong氏(Evil Genius所属、『ストリートファイター』シリーズ、『MARVEL VS. CAPCOM』シリーズなどで有名)監修のもと、あらゆるジャンルがプレイしやすいプリセットが搭載されている。

 Justin氏監修ということで、特に格闘ゲームのキャラクターが見やすくなる設定等がある。このディスプレイは、特に格闘ゲーマーにオススメだ。

 さらに、HDMI出力端子が搭載されているので、HDMI入力端子からの映像を他のディスプレイに表示させることも可能だ。HDMI出力端子を活用したゲーム配信やビデオキャプチャもできる。

『BenQ RL2460HT』製品ページ

 
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▼『FORIS FS2434』/実売価格:40,000円前後

『2014年ゲーミングディスプレイ』

☆対応リフレッシュレート:60Hz
☆応答速度:4.9ms(中間階調域)

●サイズ
23.8型 ノングレア(非光沢)

●解像度
1920×1080(Full HD)

●搭載端子
DVI-D 24ピン×1(HDCP対応)
HDMI×2
モニターコントロール用×1
USB3.0ハブ×2
ステレオミニジャック×1
ラインアウト(ステレオミニジャック)×1
ヘッドホン(ステレオミニジャック)×1

●搭載機能
フリッカーフリー
拡大モード
表示率
スムージング機能
Smart Insight 2
Smart Resolution
Smart Detection
オーバードライブ(応答速度制御)
EcoView Index
Auto EcoView
EcoView Optimizer

 この商品は、2014年7月11日にEIZOより発売された60Hzのゲーミングディスプレイだ。『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』の推奨認定を受けるなど、数々の搭載機能であらゆるゲームに対応している。

 注目してほしいのはディスプレイのデザイン。フレームレスデザインを採用することで、ゲームへの没入感を最大限に高めている。家庭用ゲームが好きでディスプレイを悩んだならば、本商品がいいかもしれない。

『FORIS FS2434』製品ページ

 
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■ミッション2:PCゲーマーなら144Hzモニターを手に入れよ!

 続いて紹介するのは144Hzに対応したPC用ゲーミングディスプレイだ。ゲーミングディスプレイといえばこちらのほうが一般的だろう。

▼『iiyama GB2488HSU』/実売価格:35,000円前後

『2014年ゲーミングディスプレイ』

☆対応リフレッシュレート:144Hz
☆応答速度:1ms

●サイズ
24型 ノングレア(非光沢)
27型 ノングレア(非光沢)

●解像度
1920×1080(Full HD)

●搭載端子
DisplayPort端子
HDMI端子×2
DVI-D端子の4入力対応

●搭載機能
フリッカーフリーLEDバックライト
ダイレクトドライブモード機能
黒レベル調整
i-StyleMode:シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、スポーツゲームモード

 2014年4月1日発売の本商品は、144Hz対応もさることながら、応答速度1msというかなりの高速描画が可能なディスプレイだ。入力から表示までのタイムラグを削減するダイレクトドライブモード機能も搭載している。これによって、より直感的なゲームプレイができる。

『ProLite GB2488HSU』製品ページ

 
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▼『BenQ XL2720Z』/実売価格:45,000円前後

『2014年ゲーミングディスプレイ』

☆対応リフレッシュレート:144Hz
☆応答速度:中間階調域1ms(黒白黒:5ms)

●サイズ
27型 ノングレア(非光沢)

●解像度
1920×1080(Full HD)

●搭載端子
HDMI v1.4×2
DVI-DL×1
DisplayPort×1
ミニD-sub15ピン×1
ヘッドフォンジャック×1

●搭載機能
フリッカーフリーバックライト
ブルーライト軽減モード
Black eQualizer
ブレ削減モード
ディスプレイモード
インスタントモード
ピボット機能
スウィーベル機能

 基本性能は、よくある144Hzディスプレイといった感じだが、この商品で注目してほしいのはピポット機能とスウィーベル機能だ。ボタンなどを押すことなく140mmの高さ調整、本体を90°回転させることができる。これはゲームの合間に少し画面の高さを変えたい時などに非常に助かる機能だろう。

 また、OSD専用コントローラーS.Switchが付属している。このS.Switchには自分のお気に入りのディスプレイ設定を3つまで保存できる。保存後は、S.Switchのボタンを押すことで簡単にお気に入りの設定をよび出すことが可能だ。

『2014年ゲーミングディスプレイ』
▲ディスプレイの設定がちょっとでも気になったら、すぐにS.Switchを押すことができる。

『BenQ XL2720Z』製品ページ


▼『acer XB0 XB270HKbprz』/実売価格:59,000円前後

『2014年ゲーミングディスプレイ』

☆対応リフレッシュレート:144Hz
☆応答速度:1ms

●サイズ
27型 ノングレア(非光沢)

●解像度
1920×1080(Full HD)

●搭載端子
Display port(v1.2)
USB3.0×4

●搭載機能
G-SYNC
点滅の抑制
減光
ギラツキ防止

 本商品は、日本初となるG-SYNCに対応しているディスプレイだ。G-SYNCに対応しているGeForceをつんでいるPCならば、このディスプレイの性能を最大限に引き出せるだろう。その他、長時間のゲームプレイにも気遣い、目の保護にも力を入れている。点滅の抑制、減光、ギラツキの防止で長時間のプレイ以外にも、エフェクトが派手なゲーム、場面の移り変わりが早いゲームのプレイなどで性能を発揮するだろう。

『2014年ゲーミングディスプレイ』

 さらに人間工学に基づいた、ディスプレイの回転、傾き、旋回、上下の動きが可能だ。これによって自身が思う最適の角度にディスプレイを調整できる。

『2014年ゲーミングディスプレイ』

『acer XB0 XB270HKbprz』製品ページ

 
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▼『LG electronics 24GM77-B』/実売価格:40,000円前後

『2014年ゲーミングディスプレイ』

☆対応リフレッシュレート:144Hz(Motion240有効時は240Hz相当)
☆応答速度:1ms以下(Motion240有効時)オフ時は5ms

●サイズ
24型

●解像度
1920×1080(Full HD)

●搭載端子
D-sub 15ピン
DVI-D
HDMI×2
USB3.0×2
Display Port
ステレオミニジャック(ヘッドホン)

●搭載機能
Motion240
ブラックスタビライザー
DAS(Dynamic Action Sync)モード
オートブライトネス
Super+Resolution<超解像技術>
Super Energy Saving
ブルーライト低減モード
フリッカーセーフ

 2013年にEIZOより240Hz相当のディスプレイが登場し、PCゲーマー界隈では話題となった。本商品も“Motion240”という機能を搭載しており、240Hz相当の描画を可能としている。だが、実際に240Hzで描画しているわけではない。120Hzで描画される1コマと1コマの間に黒画面を挿入し、バックライトを240秒明滅させる“高速バックライト明滅”の組み合わせで、240Hz相当の描画をしている。

 これが144Hzディスプレイより優れているとは明言できないが、すでにいくつかのメーカーから発売されているのをみると、数年後には主流になっていそうだ。学校の先生のように話が脱線してしまったが、紹介を続ける。

 通常、グラフィックボードから受信した映像信号は、スケーラーチップと呼ばれるもので処理するためにラグが生じる。だが、本商品に搭載されているDASモードをオンにすることで、映像信号の処理をすることなくダイレクトに信号を受け取ることができる。これによって、タイムラグの少ない映像表現が可能となっている。

 さらに、好みのモニター設定を簡単に呼び出せるゲーミングモードが搭載されている。保存できる設定数は3つ。これとは他に、FPSに適した設定が2つとRTSに適した設定が1つデフォルトで存在する。

『LG electronics 24GM77-B』製品ページ

 
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●居残りレッスン:ゲーミングディスプレイを買う時の注意

 注意してほしいのは、自身のPCにグラフィックボードが導入されているかどうかだ。GeForceやRadeonといったグラフィックボードが導入されていないPCでは、Hzが高いモニタを買っても意味がない。簡単に言ってしまえば、グラフィックボードが無ければ、リフレッシュレートを設定できないからだ。詳しいことは各自で調べてほしい。まずは、自分のPCにグラフィックボードが入っているか確認してみるといいかもしれない。

[TIPS]グラフィックボードの確認方法

 早速グラフィックボードの有無を確認していこう。まず、自分のPCの左下にあるスタートボタンをクリック。メニューが開いたら、“プログラムとファイルの検索”というところに【dxdiag】と入力してほしい。入力後にdxdiag.exeというのが出るので、それをクリック。

『2014年ゲーミングディスプレイ』
▲入力場所。

 クリック後にDirectX診断ツールが出るので、ディスプレイタブを開こう。そこのデバイスの部分に自分のPCの情報が記載されている。チップの種類というところに、自分のPCのグラフィックボード、またはオンボードの名称が書かれているはずだ。表示されたチップの種類を検索エンジンで調べてみよう。

『2014年ゲーミングディスプレイ』
▲ちなみにこちらは筆者が仕事で使用しているノートPC。確認してほしいのは、赤枠で囲んである部分。

 さらに気をつけてほしいことがある。応答速度(ms)と表示遅延についてだ。この2つは、それぞれ違うものだということを理解してほしい。ちなみに応答速度は数字が小さいほどいい。最近のゲーミングディスプレイでは1~5msが主流といったところだろうか。動画性能を重視するならぜひチェックしておきたい部分だ。


 2014年に発売されたゲーミングディスプレイを確認してみると、それぞれの創意工夫が感じられる。ただ、ゲーミングディスプレイといえば押さえておきたい機能はどこも同じのようだ。中でも描画の滑らかさに関する機能、暗い部分を明るくする機能、目の保護機能、美麗な映像を表現する機能は、どこも力を入れている。

 この記事を参考に、実際に家電量販店などにディスプレイを見に行ってみるのもオススメだ。むだに勢いがある店員さんに負けないよう、自分が気に入ったモニタを見つけてほしい。ちなみに筆者が気になったモニタは『FORIS FS2434』と『LG electronics 24GM77-B』だ。解散!

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