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2014年11月28日(金)

次世代機で生まれ変わった『GTAV』レビュー! “1人称視点”が生み出す新たなプレイ感や細かな設定をレポ

文:ヒビキタケル

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『グランド・セフト・オートV』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 12月11日に、ロックスター・ゲームスから発売されるPS4/Xbox One版『グランド・セフト・オートV』を体験したレビューを掲載します。

 『GTAV』は、オープンワールドで描かれた広大な都市・ロスサントスを舞台に、3人の主人公が互いにからみあうストーリーが展開する、世界最高峰のアクションゲーム。2013年秋に発売され、世界中で大ヒットを記録しました。

 その『GTAV』の魅力をさらに引き出すPS4/Xbox One版が12月11日に日本国内で発売されます! PS3版をクリアした担当ライターのヒビキタケルが、グラフィック面を大幅に進化したPS4版『GTAV』を先行プレイ。その模様をレポートします。

『グランド・セフト・オートV』
▲次世代機版『GTAV』はPS4とXbox One、PCで発売。PS4版とXbox One版は1080p、30FPSで動作し、PC版の解像度は4Kとなっている。

■『GTAV』の魅力を簡潔にお届け

 プレイレポートに入る前に、まだプレイしたことがない人に向けて「そもそも『GTAV』ってどこがおもしろいの?」というところを簡単に紹介していこうと思います。すでに本作をプレイしたことがある人は読み飛ばしてしまってもかまいません。でも、きっと「そうそう!」と思ってくれるところも多いかと(笑)。

●精密に描かれたオープンワールド

『グランド・セフト・オートV』

 ゲームの舞台は大都市・ロスサントス。大富豪が住むバインウッドからオフィス街、スラムまで1つの街の持つさまざまな“顔”を網羅しています。さらにブレイン郡には荒野や大きな湖、山々まであります。本編ミッションを進めるだけでなく、ゴルフやテニス、トライアスロンなどのアクティビティがミニゲーム的に楽しめるのも魅力で、文字通り“時間を忘れて”遊んでしまいました。

●個性豊かな3人の主人公たちが織り成す物語

 『GTAV』では元泥棒の富豪・マイケルと、ならず者のトレバー、運転が得意な若者のフランクリンの3人が主人公です。3人の経歴からしてすでにわかるように『GTA』シリーズはギャングやアウトローの主人公が成り上がっていく物語が展開していきます。

 ギャング組織からブツを奪って逃げたり、敵対する麻薬組織の家を燃やしちゃったりと、現実にやったら“即お縄”なミッションばかりなのですが、ゲームだからと現実でできないことを思いっきり楽しむのが『GTA』シリーズの魅力だと思います。そもそもタイトル名の『グランド・セフト・オート』も“クルマ泥棒”という意味ですしね。

 最初はフランクリンの物語から始まり、そこでマイケルに会って2人で仕事をするようになって……と、それぞれの主人公の視点で始まる物語がしだいに交わっていく物語も見事でした。3人が協力して1つのミッションに挑む時は、途中で操作キャラが変わり、それぞれの役の“オイシイところ”を満喫できるのもいいですね。そんなこともあり、1つ1つのミッションの内容が濃く感じられました。

●シリーズ初となる『GTAオンライン』が登場

『グランド・セフト・オートV』

 本編と同じフィールドを使用して、オリジナルのキャラでアウトロー生活を楽しめる『GTAオンライン』も登場。盗んだクルマを売ったり、ミッションをクリアして得た資金でマンションや好きなクルマを購入したり、他のプレイヤーと協力や対戦プレイができます。

 ミッションが始まったら仲間が上半身裸にパンツ一丁でガソリン缶を持っていたとか、乗り物が自転車だった他のプレイヤーを自分のクルマに乗せて移動したとか、オンラインならではのさまざまなハプニングが楽しかったですね。

 指名手配班になってヘリに上空から追われたり、消防車に乗ったプレイヤーに水をぶっかけられたりしたのも……いい思い出。今年の元旦には初日の出を見に、ゲーム内で一番高い山に自転車で登りました(笑)。

 『GTAV』では、最初はやはりグラフィックに目が行ったけど、その中で楽しめることが無数にあり、そのどれもがおもしろかった思い出があります。まだプレイしていない人はぜひ体験してほしいですね。

■次世代機版『GTAV』のグラフィック進化は想像以上!

 PS3版を体験した人なら「次世代機版はグラフィックがさらによくなっただろうけど、それで『GTAV』をもう1度楽しめるの?」という疑問を持つのは当然でしょう。

『グランド・セフト・オートV』

 実際にプレイしてみると、そんな疑問は一瞬で吹き飛びます。今までぼんやりとしていたものがすっきりした、というレベルでの進化は想像していましたけど、生えている草の1本1本が丁寧に描かれているし、ロスサントスの夜景を遠くから見た時の光点の数からしてぜんぜん違います。リアリティが増すだけで、こんなにも世界が違って見えるとは!

 それもそのはず、次世代版『GTAV』では“手作業”でゲーム全体の改良と再構築を行っているんです。ただのアップコンバーターで自動的に「ぽんっ」と変換したものではなくて、性能の向上に合わせて1つ1つを作り直しているのだとか。ロスサントスの市内に入ると、あれほど見慣れた場所なのに、不覚にも夜景の美しさに圧倒されました。雨の表現や水たまりの反射、煙などの表現など本当に見事です。

『グランド・セフト・オートV』 『グランド・セフト・オートV』
▲被写界深度エフェクトを全面的に適用し、遠くのほうがぼやけて写しているため、映画のような臨場感があります。また、煙や水の表現も作り直され、今まで以上に自然な動きに。

■新しく追加された“1人称視点”がスゴすぎる!

 さらに次世代機版『GTA』には、とんでもない隠し玉が用意されていました。それが“1人称視点”モードです! これは『GTA』シリーズ初の試みで、その他の視点変更と同様にタッチパッドでスムーズに切り替えられます。リアルになった世界を1人称視点でクルマを運転するのは、今までにない感覚! いつもはムチャな運転ばかりしている私ですが、1人称視点では現実にかなり近い運転感覚になるので、追い越しもかなり慎重でした(笑)。

『グランド・セフト・オートV』

 特に驚かされたのは、1人称視点でクルマの内装が新たに作られているというところ! ハンドルや計器などが車種ごとに違うものが用意されているんです。これはいろいろなクルマに乗ってみたくなりますねえ。

 本編では“NPCとクルマに乗って話をしながら移動する”という場面がよくあるのですが、運転中に視点を変更するときちんとそのキャラが身振り手振りを交えながら話している姿にも「よく作られているなあ」と感心。

『グランド・セフト・オートV』

 今回プレイしたミッションでは、マイケルが墜落させた飛行機をトレバーが追うシーン。バイクで山道を一気に駆け降りるのですが、1人称視点で走っていると迫力がケタ違いでしたね。

 また、別のミッションではトレバーがバイクに乗って走行中の列車の上に飛び乗る場面も迫力がスゴかったです。プレイしたことがあるミッションでも1人称視点にすると、こんなに違って見えるものなのか! と驚きましたね。

『グランド・セフト・オートV』
▲1人称視点で歩くことも、もちろんできます。既存ハードでは携帯電話を取り出した時は携帯電話を模したメニューが出るだけでしたが、PS4版だと実際に手で持って操作する様子が見えます。液晶が割れているようですが、携帯電話を落とすとこうなるのでしょうか!?
『グランド・セフト・オートV』
▲バイクの場合はタコメーターなどが表示。もちろん、操作に応じて速度や回転数が上がりますし、ハンドルを切る様子も再現されます。

■視点の細かい設定が可能

 さらに感心したのが、1人称視点の設定を細かくできることです。例えば乗り物に乗っている時だけ1人称視点にするとか、武器を構えた時だけ1人称視点から3人称視点にするなど、いくつも項目があって“この場合はこちらの視点”というのを選べます。タッチパッドで切り替えながら遊んでいくうちに「コレはこっちのほうが好みだなあ」と思ってきたら設定すれば、いちいちシーンごとに切り替えなくてもいいのが便利です。こういう、かゆいところに手が届く仕様も好感触でした。

■現行機版から次世代機版への引き継ぎ要素も魅力!

 PS3版を遊んでいた身としては、次世代機版に引き継がれる要素もかなり気になるところ。引き継ぎを行うとスペシャル・エディションやコレクターズ・エディションについていた特典アイテムや『GTAオンライン』の無料アップデートで追加されたものはそのまま引き継げます。

 各地で新しいイベントが発生し、その中のチャレンジをクリアできると新しい乗り物や特殊な“効果”を手に入れられます。効果はクラシックな犯罪映画のようなフィルターがかけられるものなどがあり、これをかけるとまた違った雰囲気が楽しめそうです。

 本編の進行状況は引き継ぎはありません。とはいえ、実際に次世代機版をプレイした今となっては「新しくなった世界でもう1回あの名シーンを観たい!」という気持ちが強いです。いい本や映画は何回でも読み返したり観たりするのと同じ感覚ですね。

『グランド・セフト・オートV』
▲新しく手に入る武器“レールガン”は、ロケットランチャー並の威力を持っています。実際に使ってみると弾速が尋常じゃなく早く、とても使いやすい感じ。近未来的なフォルムもカッコイイ!
『グランド・セフト・オートV』
▲引き継ぎで飛行船のゼロ・ブリンプ号も入手可能。飛行船の操縦席も1人称視点で作ってあって「飛行船の中はこんな感じなのかー!」と感心(笑)。長距離の移動にも便利そうですよ。

■『GTAオンライン』は現行機版から1回だけデータを引き継ぎ可能

 『GTAオンライン』で遊んでいたキャラと進行状況のデータは次世代機版に1回だけ移行することができます。オンラインでは現行機版の最大16人から最大30人+観戦者2人の同時プレイが可能になるので、これまで以上にハチャメチャなプレイを楽しめそう。次世代機版にキャラを移行した後も現行機版でプレイすることは可能ですが、次世代機版のキャラに反映されない点に注意が必要です。

 以上、PS4版『GTAV』の先行プレイレポートをお届けしました。実際に遊んでみるとただのHD版ではない新しい魅力に満ちた“究極版”と呼べる『GTAV』ですね。個人的にはPS4版の配信機能を使って配信をしたり、動画をアップしたりするのも楽しそうだなーと思いました。発売が本当に楽しみです。ちなみに来年の元旦はもちろん、PS4版『GTAV』で初日の出を拝みますよー!

(C) 2014 Rockstar Games, Inc.

データ

▼『グランド・セフト・オートV』
■メーカー:ロックスター・ゲームス
■対応機種:PC
■ジャンル:アクション
■発売日:2015年1月27日
■希望小売価格:未定

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