2014年12月4日(木)
こんにちは! TCG担当のファイです。“『ヴァイスシュヴァルツ』と『ChaosTCG』で『アイドルマスター』の新ブースターが同時に発売されるので、2人のプロデューサーにインタビューをしたら、すごく長くなっちゃったけども、かといってカットするにはもったいないなぁ……よし連載にしよう”の第2回です。
第2回となる今回は、『ヴァイスシュヴァルツ』元プロデューサーのブンケイPこと田中文啓さんと、『ChaosTCG』アソシエイトプロデューサーの是空とおるさんに、『ヴァイスシュヴァルツ』で発売される『劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』』についてたっぷりと語ってもらいました。
カードとして採用したカットの理由や、それにまつわる裏話なんかもお届けします。実は、この記事での質問事項は1つだけなので、インタビューというか対談になっていますが、それも含めて両名の『アイドルマスター』への愛をお楽しみいただければと思います。
――ブースター『劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』』の見どころを教えてください。
▲《輝きの向こう側へ! 律子》 |
田中文啓さん(以下、ブンケイP):もちろん、劇場版の衣装”スターピースメモリーズ”のカードでしょう。このイラストは、劇場版のチケットや等身大POPにも使われた、大切なイラストです。今回は、バンダイナムコゲームス様のご好意でカードにも使わせていただくことができました。
一方、恒例の“描き下ろし”も期待されていると思っていました。前回(ブースターパック『アニメ アイドルマスター』)では、作中の良いシーンを描き下ろしイラストで再現!というテーマでお願いしたのですが、感動とは別に、絵として“響の水着”の人気が大変高かったです。ならば今回は水着で統一してくれようかと!
▲《輝きの向こう側へ! 亜美》 |
是空とおるさん(以下、是空さん):劇場版の本編でも海に合宿へ行きましたからね。『ChaosTCG』でもそうですが、設定があったほうが決めやすいだけでなく、説得力があると思います。
ブンケイP:というわけで合宿の海水浴シーンを再現!というテーマは決まったのですが、「どうせなら“小鳥さんの水着姿”も見たいな……見たいな……見たいな……」とバンダイナムコゲームス様に囁きまして。
▲《輝きの向こう側へ! 美希》 |
是空さん:仕込みましたね……。“小鳥さんはいいスタイルの持ち主である”ということはファンにはおなじみですから、うれしい人も多いのではないでしょうか。
ブンケイP:これは『ヴァイスシュヴァルツ』だけの特別だ! と思っていたのですが、その後、劇場版のBlu-ray限定版に水着の小鳥さんイラストがジャケットで入っていて、負けたと思いました。
先ほど(前回のインタビュー)でもお答えしましたが、僕はアドバイザー的なポジションなので、カードに使用したカットと能力に違和感がないかとか、各アイドルの性格と能力がおかしくないかとか、そういうことの担当です。ですので、念のため先にお断りしておきますが、もし律子が強いと感じる方がいらっしゃっても、そういうのは僕とは一切関係ないですから(笑)。
是空さん:先に断るってことは、やっぱり言われている自覚はあるのですね(笑)。
ブンケイP:本当に関係ないのだよ。いつも言われているけれども。さて、カードの話に戻しましょう。まず注目してもらいたいのは《M@STERPIECE》です。見てわかると思いますが、各色に違う効果で収録してあります。そして、連動する《○○765プロ》のシリーズも各色にあります。
▲4つの《M@STERPIECE》が収録されている。 |
▲《輝きの向こう側へ! 貴音》 |
ブンケイP:これらは、どの組み合わせでも効果が発動しますので、皆さん自身がプロデューサーとして活躍させてあげてください。ただ、同名のカードなので、赤の《M@STERPIECE》4枚と青の《M@STERPIECE》4枚を同じデッキに入れることはできません。
当初は《M@STERPIECE》はリーダーの春香と組み合わせるデザインでした。が、私が「《M@STERPIECE》は全員で歌うんだい。春香だけじゃいやだい」とダダをこねました。そこでこのような形で収録することになりました。複数種類のクライマックスカードが複数種類のキャラクターカードと同時にシナジーする調整は非常にシビアなのですが、今回はディレクターが頑張ってくれたと思います。
▲《輝きの向こう側へ! 真美》 |
また、《○○! 765プロ》は、イラスト違いのパラレルカードで全員分を用意しました。『ヴァイスシュヴァルツ』はカードを置く盤面のことを“舞台”と呼称しているので、好きなアイドルの1人舞台にするもよし、765プロ全員集合の舞台にするもよしです。キャラクターカードゲームなので、それぞれに楽しみ方を見つけてもらえるとうれしいですね。
▲《みんなとステージへ! 765プロ》 | ▲《目指せトップアイドル! 765プロ》 |
▲《心は一つ! 765プロ》 | ▲《光の海を渡って! 765プロ》 |
▲《輝きの向こう側へ! やよい》 |
是空さん:劇場版は僕もガッツリと鑑賞しましたので、どのシーンを切り抜いているかがわかるのですが、ほんとにいいシーンを厳選して使っていますよね。たぶん、「特にカットにこだわったカードを教えてください」って聞くと、順番に全部のカードを解説することになると思うので、あえて1枚だけ選ぶとするとどのカードでしょうか。
ブンケイP:カットにこだわったとなると、1枚というか1シリーズになっちゃうのですが、《ステージへの決意 ○○》ですね。カードに使うカットって、通常ならここまでアップのカットは選びません。
▲《輝きの向こう側へ! あずさ》 |
なぜかというと、カードには能力とかフレーバーとかがあるからです。能力が長いとそれだけ場所を使いますが、代わりにキャラの顔にかかってしまいます。従って、本来はこのシリーズのイラストは“カード化には向かないカード”ばかりです。しかし、劇中の大切なシーンだと思ったので、0/0/3000のバニラ(※レベル0、コスト0、パワー3,000で能力のないカード)でよいから入れて欲しいと、またここでもダダをこねました。
是空さん:それって本来は禁じ手ですよね。総合ルールでも、“イラストは、ゲーム上は特に意味を持ちません。”と定義されているわけですし。それでもイラストの魅力を引き出そうとするわけですね。で、その中でも特に1枚というとどれでしょうか?
▲《ステージへの決意 美希》 | ▲《ずぶぬれ! 伊織》 |
▲《輝きの向こう側へ! 伊織》 |
ブンケイP:うーん。強いて1人だけ、ということなら《ステージへの決意 美希》ですかね。達観しているというか、急に大人びているというか。この表情は、普段の美希を知っていればすごく味があるな、と感じてもらえると思います。
是空さん:あえて能力がシンプルだったり、フレーバーがなかったりしたのはそういう意図だったと。そうなると《ずぶぬれ! 伊織》は逆に能力が多いのではないでしょうか。
ブンケイP:あまりずぶ濡れな所を見ようとすると、このカードのセリフとともに、水が飛んできますよ。
是空さん:それは完全にご褒美です(笑)。
▲《想いはひとつ 律子》 | ▲《“今を大切に”小鳥さん》 |
▲《輝きの向こう側へ! 真》 |
ブンケイP:あとは《想いはひとつ 律子》もいい表情をしていますよね。律子には《ステージへの決意 ○○》のシリーズがないので、同じようなアップのカットを使ってもらいました。1/2/8500のバニラは、『D.C.~ダ・カーポ~ 10thアニバーサリーミックス』に収録されている《真面目でひたむき サラ》に続いて2枚目ですね。
是空さん:ブンケイさんが能力を作っていないと再三言っていますが、それでも“ブンケイ疑惑”が出るのはこういうところからでしょうねぇ……。ブースターパックの『アニメ「アイドルマスター」』に収録されている《アイドル復帰! 律子》とか、人気のカードでしたからね。
▲《輝きの向こう側へ! 雪歩》 |
ブンケイP:ま、律子は頼れる女だからね。小鳥さんと並んで765プロを支えてくれている人物だと思っています。
是空さん:そういえば、冒頭で触れた《“今を大切に”小鳥さん》の登場で、ついに小鳥さんのレベル3カードが出ましたね。これで“小鳥さん単”デッキもかなりパワーアップできるのではないでしょうか。
▲《輝きの向こう側へ! 千早》 |
ブンケイP:小鳥さん推しのプロデューサー諸君には大変お待たせしました、という1枚ですね。もちろん“小鳥さん単”だけでなく、どのアイドルのデッキにも使えるレベル3のカードになっていますので、ぜひ皆さん使ってあげてください。
もう1つ。実は春香って今までレベル3のカードが3枚ありました。一見すると優遇されていると思えるのですが、どれもトライアルデッキに入っているものでした。非常に使いやすいカードになっているが故に、使い込んでいくほどに強くなるというパワーを持っていなかったかなと。
▲《輝きの向こう側へ! 響》 |
今回収録されている《輝きの向こう側へ! 春香》は、“満を持して登場した春香”と言ってもいい1枚です。2つ目の能力は使うタイミングが難しいので、しっかりとした構築とプレイングが求められますが、それだけに爆発力はあります。春香らしく他のメンバーにも効果があるところもポイントですね。
是空さん:『ヴァイスシュヴァルツ』で使われている“思い出”や“クライマックス”という名称をフルに活用しているカードにも見えてきますね。
ブンケイP:実はそれだけじゃありません。《輝きの向こう側へ! ○○》を、亜美、美希、貴音、真美、やよい、あずさ、伊織、真、雪歩、千早、響、春香の順に並べて、劇場版のライブ直前のシーンを見てもらいたいですね。そして、最後の春香から続くカードは、《輝きの向こう側へ! 春香》の能力でシナジーするクライマックスカードです。
▲《輝きの向こう側へ! 春香》でシナジーするクライマックスカードは、ライブ直前の春香です。 |
▲そして《765プロ ファイトー!!》で、物語のクライマックスとなるライブが始まるというギミックになっています。 |
是空さん:おーこれは……。劇場版のシーンそのまま、ということですか。やるなぁ。
ブンケイP:ディレクターが仕込んでくれました。僕の教育がしっかり行き届いているということかな(笑)。
※この記事の《輝きの向こう側へ! ○○》は、ブンケイPのオススメの順番に配置しています。画像をクリックすれば大きくなるので、ぜひ改めてご覧ください。
是空さん:結局1枚というか、たくさんカードについて話してもらいましたね。
ブンケイP:まだまだ話せますよ。なんなら、やはり順番に全員を熱く語ることだってできますよ。
是空さん:いや、そろそろ『ChaosTCG』の話をさせてください……。
第3回に続く
ということで、2回目のインタビューはいかがだったでしょうか。事実上の対談は、この調子でまだまだ続きます。トレーディングカードゲームのおもしろさは、能力や戦略を考えるだけではなく、イラストやフレーバーを楽しむということもあるのだなと感じました。
さて、次回は『ChaosTCG』の『アイドルマスター ワンフォーオール』について、ブンケイPと是空さんの両名にじっくりたっぷりお話をしてもらっていますのでお楽しみに。それではまた!
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