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2014年12月2日(火)

アメリカ大陸編最終章『アサシン クリード ローグ』で語られる元アサシンの主人公・シェイの物語とは?

文:イトヤン

 ユービーアイソフトより12月11日に発売されるPS3用ソフト『アサシン クリード ローグ』。新世代機専用の『アサシン クリード ユニティ』に続く、もうひとつの『アサシン クリード』として登場する本作では、アサシン教団を裏切って敵対するテンプル騎士団へと寝返った主人公、シェイ・パトリック・コーマックの過酷な戦いが描かれる。

『アサシン クリード ローグ』

 今回の記事では、『アサシン クリードIII』(以下『3』)、『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』(以下『4』)と展開されてきた“アメリカ大陸編”の最終章となる本作の時代設定や、主人公のシェイをはじめとする登場キャラクター、そして冒険の舞台などについて解説する。

■“アサシン・ハンター”シェイは、なぜ教団を裏切ったのか?

 本作の主人公シェイ・パトリック・コーマックはかつて、アサシン教団に所属するアサシン(暗殺者)であった。だが彼は、ある事件がきっかけとなって教団の信条に疑問を抱くようになる。教団を離反したシェイは敵対するテンプル騎士団へと寝返り、アサシンたちを狩る“アサシン・ハンター”としての活動を開始する。

主人公 シェイ・パトリック・コーマック

『アサシン クリード ローグ』

 このように本作では、シリーズ初となるテンプル騎士団の視点に立った物語が展開されている。シェイがなぜアサシン教団を裏切ってテンプル騎士団へと寝返ったのか、その理由が納得のいく形で描かれるのはもちろんのこと、凄腕の暗殺者であるアサシンたちを敵に回して戦うという、これまでにない体験を味わうことができる。

『アサシン クリード ローグ』
▲本作の主人公であるシェイは、かつてアサシン教団に所属し、その信条に従って行動していた。
『アサシン クリード ローグ』
▲そんなシェイがなぜ、敵対するテンプル騎士団へと寝返って、アサシンを狩ることになったのか? 本作ではシェイの心の変遷が詳細に描かれる。

 アサシン・ハンターのシェイは、剣とダガーを両手で操る独特の戦闘スタイルを身につけているのに加えて、エアライフルやグレネードランチャーといった新武器も装備できる。また“アメリカ大陸編”ではおなじみとなった、帆船による海戦も健在だ。本作では、北大西洋に浮かぶ氷山を利用して戦うこともできるなど、海戦もさらなる進化を遂げている。

『アサシン クリード ローグ』
『アサシン クリード ローグ』
▲剣とダガーを両手で巧みに操り、敵を斬り倒すシェイ。その刃は彼の仲間であった、アサシンたちに向けられることになる。

■『4』と『3』の中間となる時代を描く、“アメリカ大陸編”三部作の最終章

 ここで、本作を含めた“アメリカ大陸編”三部作の時系列を確認しておこう。『ローグ』の舞台は、ヨーロッパの列強が世界各地で抗争を繰り広げた“七年戦争”の時代で、ちょうど『4』と『3』の中間に位置している。つまり『ローグ』が登場することで、三部作が巨大な一本の物語へとつながる形になるわけだ。


●1712年~1722年 『アサシン クリード 4 ブラック フラッグ』

『アサシン クリード ローグ』
▲『4』の主人公 エドワード・ケンウェイ。※画像は『アサシン クリード 4』のもの

 海賊の黄金時代を舞台に、海賊船“ジャックドー号”の船長にしてアサシンであるエドワードが、カリブ海の島々を自由に駆ける冒険を繰り広げる。“黒ひげ”の呼び名で知られるエドワード・サッチなど、歴史上の有名な海賊との共闘も見どころだ。


●1751年~1761年 『アサシン クリード ローグ』

『アサシン クリード ローグ』
▲主人公 シェイ・パトリック・コーマック

 英仏が北米大陸で衝突した七年戦争(フレンチ・インディアン戦争)の時代を舞台に、元アサシンのテンプル騎士シェイが、アサシン教団と対決する。『3』とは一部の時代が並行しており、『3』や『4』で活躍した人物も多数登場してくる。


●1754年~1783年 『アサシン クリード III』

『アサシン クリード ローグ』
▲主人公 コナー(ラドンハゲードン)。※画像は『アサシン クリードIII』のもの

 北米のイギリス植民地に住む人々が、アメリカ合衆国を建国して独立戦争を繰り広げた時代を舞台に、エドワード・ケンウェイの孫でアメリカ先住民の母を持つコナーが、自由を勝ち取るために立ち上がる。物語の序盤では七年戦争の時代も描かれており、『ローグ』と共通する登場人物も多い。


 また『アサシン クリード』シリーズでは過去の物語だけでなく、現代を舞台にしたアサシン教団とテンプル騎士団との抗争も見ることができる。『ローグ』では『4』の“現代編”のその後が描かれており、『4』と同様にアブスターゴ社の内部を探索できる。

『アサシン クリード ローグ』
『アサシン クリード ローグ』
▲アブスターゴ社は、現代におけるテンプル騎士団の“表の顔”だ。アブスターゴ社ではDNAから祖先の記憶を再生する技術を娯楽ソフトとして開発しており、プレイヤーは新入社員となって、社内を探索できる。新しい上司はなんだか怖そうな雰囲気だが……!?

■『3』や『4』でおなじみのキャラクターたちと再会できる!

 上でも紹介したように、本作には『3』や『4』で主人公と行動を共にしたキャラクターたちが多数登場してくる。アサシン教団やテンプル騎士団の面々はもちろんのこと、歴史上の有名人物とも再会できる!

●アドウェール

 『4』でエドワードの副官として彼を支えたほか、DLC“自由の叫び”では主人公を務めたアサシン。奴隷の身から逃亡して海賊となった。本作ではベテランの老アサシンとして、北米の教団でも一目を置かれる存在だ。

『アサシン クリード ローグ』
『アサシン クリード ローグ』
▲上が『4』の時のアドウェールで、下が本作で登場するアドウェール。年齢を経たものの、眼光の鋭さは以前と変わらない。※上画像は『4』のもの。

●アキレス

 『3』ではコナーを指導する元アサシンの老人として登場したアキレス。本作ではアサシン教団の北米における指導者として、離反する以前のシェイをはじめとする、多くのアサシンを率いている様子を目にすることができる。

『アサシン クリード ローグ』
『アサシン クリード ローグ』
▲上が『3』に登場したアキレスで、下が本作のアキレス。『3』では、かつてアキレスが率いていた北米のアサシン教団は衰退したと語られていたが、その理由が本作で描かれるのだろうか?※上画像は『3』のもの。
『アサシン クリード ローグ』
▲『3』でコナーの拠点となっていたホームステッドのダベンポート邸を、ふたたび訪れることもできる。

●ヘイザム・ケンウェイ

 エドワード・ケンウェイの息子で、コナーの父親。テンプル騎士団に所属していた彼は、イギリスから騎士団の密命を帯びて北アメリカへと渡り、北米における騎士団長に就任した。ヘイザムは本作の時代と同時期に、七年戦争でのイギリスとフランスの戦いの背後で暗躍している。その様子は『3』の物語で見ることができる。

『アサシン クリード ローグ』
▲アサシン教団からテンプル騎士団に寝返ったシェイに対して、ヘイザムは騎士団長として接することになる。

●ジョージ・ワシントン

 アメリカ独立戦争で大陸軍の総司令官を務め、終戦後はアメリカ合衆国初代大統領に就任した歴史上の人物。『3』でも重要なキャラクターの1人として登場している。じつは彼は、七年戦争においてイギリスとフランスが北米で戦火を交えるきっかけを作った人物でもある。本作ではゲスト的な出演で、彼の兄であるローレンス・ワシントンにスポットが当てられている。

『アサシン クリード ローグ』
▲本作ではゲスト的な出演のジョージ・ワシントンだが、『3』では七年戦争や独立戦争での彼の行動が描かれている他、DLC“ワシントン王の圧政”では悪役として大活躍(?)している。
『アサシン クリード ローグ』
▲ジョージ・ワシントンの兄であるローレンスは、1752年に病死している。本作での彼はいったいどのような役割で登場するのだろうか?

●ベンジャミン・フランクリン

 アメリカ独立宣言に署名した政治家であり、雷が電気であることを明らかにした科学者でもある歴史上の人物。独立戦争の最中にパリへと渡り、フランスの協力を得ることに尽力した。『3』ではそのユーモアあふれる言動で、とりわけ印象深いキャラクターだったが、本作でもさまざまな活躍を見せることになる!?

『アサシン クリード ローグ』
▲フランクリンは政治家や発明家、思想家など、多彩な顔を持っている。シェイとも意外なつながりがあるようだが……!?

■かつての仲間に刃を向ける!? シェイを取り巻く人物たち

 本作には過去の作品のキャラクターだけでなく、新たな人物も多数登場する。アサシン教団やテンプル騎士団に所属する彼らは、主人公のシェイとは時に味方、時に敵として、複雑な関わりを持つことになる。

●アサシン教団

 北米のアサシンたちは指導者であるアキレスのもと、教団の信条に従って修行を積み重ねてきた。彼らにとってシェイは、かつて“仲間”と呼んだ存在だが、それだけに彼の裏切りを許すことができないだろう。

『アサシン クリード ローグ』
▲リアム・オブライアン(左)は、シェイとは少年時代からの親友で、シェイをアサシン教団へと導いた人物だ。ホープ・ジェンセン(右)は女性ながら、優れた戦闘技術を持っている。
『アサシン クリード ローグ』
▲アメリカ先住民のケセゴワーセ。彼やリアムやホープは、シェイにアサシンの技を手ほどきしてくれた人物だ。
『アサシン クリード ローグ』
▲シェイはアサシン教団の一員として、アキレスをはじめとする仲間たちと行動を共にしていた。そんな彼がなぜテンプル騎士団へ寝返って、仲間たちに刃を向けることになったのだろうか?

●テンプル騎士団

 北米のテンプル騎士団は、北アメリカ大陸に秩序をもたらすため、七年戦争ではイギリス軍の味方となってフランス軍と戦っている。これまでのシリーズでは敵として描かれてきたテンプル騎士団だが、彼らの視点に立つ本作では、テンプル騎士団にも彼らの理想や信念、そして友情が存在しているというのを改めて実感できる。

『アサシン クリード ローグ』
▲ジョージ・モンローは、北アメリカに駐屯するイギリス軍を率いて、フランス軍と戦った実在の軍人だ。テンプル騎士である彼は、シェイがテンプル騎士団に加わるにあたって、大きな影響を与えることになる。
『アサシン クリード ローグ』
▲クリストファー・ギストは、白人が訪れたことのない北アメリカの地を探検した、実在の開拓者だ。彼はテンプル騎士団に寝返ったシェイと行動をともにして、帆船“モリガン号”の副長を務める。
『アサシン クリード ローグ』
▲アサシンとの戦いで目覚ましい活躍を見せるシェイは、テンプル騎士団の内部で次第に信頼を勝ち取っていく。

 テンプル騎士団の一員としてアサシンを狩るシェイの前にはやがて、かつての仲間が立ちはだかることになる。だが彼らは、シェイにアサシンの技を指導した人間でもあるだけに、その戦闘能力は極めて高い。彼らを倒すのは決して容易なことではないはずだ……。

『アサシン クリード ローグ』
『アサシン クリード ローグ』
▲アサシンの1人、ケセゴワーセが仲間の先住民を率いてイギリス軍に攻撃をかけてきた。シェイはケセゴワーセと対峙するが、かつての仲間を手にかけることはできるだろうか?

■18世紀のニューヨークから凍てつく北大西洋まで広大な北米大陸が戦いの舞台!

 ここで本作の舞台となる地域を紹介しよう。本作では大きく分けて3つの地域を探索できる。

 “リバーヴァレー”は大西洋と五大湖を結ぶ無数の河川が入り組んだ、自然の豊かな地域だ。この一帯はイギリスとフランスの植民地の境界となっており、北米における七年戦争の主戦場となっている。シェイが船長を務める帆船“モリガン号”で川を移動して、敵の基地を襲撃したり、野生動物を狩猟したりと、さまざまなアクティビティが楽しめる。

『アサシン クリード ローグ』
▲その名のとおり、川が入り組んでいる“リバーヴァレー”では船での移動が必須だが、敵船と出くわした際は川幅が狭いだけに、砲撃戦を行うのに苦労するだろう。
『アサシン クリード ローグ』
▲イギリス植民地と境界を接するフランス植民地は当時、“ヌーヴェル・フランス”と呼ばれていた。テンプル騎士団としてイギリス軍に味方するシェイは、フランス軍の基地を襲撃することもできる。

 “ニューヨーク”は『3』でも舞台となった地域だが、『3』ではアメリカ独立戦争の際に発生した大火によって、市内の多くが焼け落ちていた。本作では、1750年代の美しい港町であるニューヨーク市街を訪れることができる。だが、街の各所にはギャングの本拠地が築かれているほか、シェイをつけ狙うアサシンの追跡者が待ち伏せしているなど、数々の危険も待ち受けている。

『アサシン クリード ローグ』
▲美しい建物が建ち並ぶ、18世紀のニューヨーク。街の各所で黒い煙が立ち上っている場所には、テンプル騎士団に敵対するギャングの本拠地が存在している。

 そして最後に紹介するのが、“北大西洋”のエリアだ。ここは北米大陸の最北部、北極圏に近い極寒の地域だ。大地が雪に覆われているだけでなく、海上に氷山が浮かんでいたり、海面が凍結していたりする過酷な場所となっている。凍結している海を探索するには、船に砕氷衝角が必要になるほか、砲撃戦では氷山を破壊して波を立てて、小型船を巻き込むこともできる。

『アサシン クリード ローグ』
『アサシン クリード ローグ』
▲『3』でも冬の北米大陸を探索できたが、氷山や流氷が浮かぶ海を自由に探索できるのは、本作が初となる。シェイの息も白くなるほどの寒い気候は過酷だが、その風景の神秘的な美しさは圧巻だ。
『アサシン クリード ローグ』
▲凍結するほど冷たい海を泳ぐと、体温を奪われてライフが徐々に減っていく。ちなみに、船からこうした海に飛び込んだ際には、「船長が冷たい海に!」と船員が心配してくれる(笑)。

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