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2014年12月26日(金)

『ニートの恩返し』のヒロインは助けた鶴! でも美少女だけど引きこもり……【電撃文庫新作紹介】

文:電撃オンライン

 丸山英人先生が執筆する、電撃文庫『ニートの恩返し』の紹介記事をお届けします。

『ニートの恩返し』

■鶴を助けたら美少女が訪ねてきた……。って、どこの昔話だよっ!?

 学校からの帰り道、公園でトラバサミに捕まっている鶴を見つけた。……え、なぜ公園に野生の鶴が? しかも街中なのにトラバサミ!? あまりに不自然な状況に動揺したが、本当に鶴は困っているらしく、「クーゥゥ……」と悲しそうに鳴いている。やっかいごとの匂いがプンプンしたが、とにかく鶴を助けてやった。

 するとその日の夜、脚に包帯を巻いた「鶴子」と名乗る美少女が僕の家を訪ねてきて、こう言った。
「ここに泊めてくれませんか?」
 ……やっぱりこういう展開なわけ!?

【物語のここに注目!】

■高校生が鶴を助けたら美少女に化けて恩返しに来た!!
 ……と思ったら、ニートになって居座ったお話♪

 日本には昔から、人間から恩を受けた動物たちが、恩返しにやってくるという物語がたくさんあります。その中でも有名なのが、罠にかかった鶴を助けたら女性に化けて現れ、自分の羽根を織り込んだ美しい布を織ってくれた……という話。そのせいか、「鶴=恩返しにくる動物のナンバー1」という印象がありませんか? 律義で人間に尽くしてくれそう。おそらく、本作の主人公・葛城大和もそう思っていたはず。そう、あの鶴が来るまでは――。

 大和の災難の始まりは、現代の日本の公園でトラバサミ(罠)にかかっていた野生の鶴を助けた夜に、気品あふれる超美少女が家にやってきたこと。鶴田鶴子と名乗る少女の正体は、やっぱり大和が助けた鶴!! 「恩返しをするまで家にいる」と宣言した彼女が取った行動は、部屋に引きこもってゲームをするだけだというからヒドイ。まさにニート!!

 つまるところ本作は、善良な男子高校生&恩返しを名目に彼の家に居座った鶴少女のボーイ・ミーツ・ガールなのです♪

 やがて人間に恩返しがしたい動物が所属する日本報恩協会なる組織の存在や、鶴子を追ってきたネコ耳少女・西峰由良との交流もあり、物語は思わぬ方向へ――。 前代未聞の忘恩ラブコメ、開幕ですよ!

【登場人物のここに注目!】

■かわいいからニートでも鳥でもいいんだけど……
 鶴子(偽名)が有言実行で、本当に恩を返す日は来るの!?

 恩返しのために訪問した家に居座り、三食昼寝つきのニートになる。昔の鶴が律義だったのか、それとも現代の鶴が堕落したのか、ゆゆしき問題です。しかも、大和が助けた鶴田鶴子(偽名)は、ヒロインポジションなのに、家事も手伝わなければ、探偵もしません。真のニートです。むしろ、ここまで怠け者だと逆にすがすがしいかも?

 鶴子の性格はドMの気がある大和をグイグイ引っ張ってくれる行動派。誰もが振り向く気品と美貌の持ち主で、最初は猫をかぶって可憐な美少女を演じていました。なかなかの演技派です。

 一方、大和は引きこもっている鶴子を心配し、「恩返しのために、己を犠牲にして衰弱していたら大変だ!」と部屋に突入するほど思いやりのある男。彼の優しさに触れた鶴子がデレていく過程も、人間を警戒する野生動物の餌付けに似てドキドキします♪

 曲者の鶴子と素直な性格の大和が、心を通わせる日は来るのかどうか。ぜひ最後の1ページまで読んで、実際に確かめてみてください!

(C)丸山英人/KADOKAWA CORPORATION 2014
イラスト:明坂いく

データ

▼『ニートの恩返し』
■著:丸山英人、イラスト:明坂いく
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:KADOKAWA
■発売日:2014年11月8日
■価格:本体590円+税
 
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