2014年12月24日(水)
おかゆまさき先生が執筆する、電撃文庫『TRPGしたいだけなのにっ! 異端審問ハ ソレヲ許サズ〈上〉 純血のダークエルフ』の紹介記事をお届けします。
魔王級ヴァンパイア、リュドミナ・エステルハージによる突然の生徒会長立候補の理由! それは全生徒に“TRPG”を布教するためだった!?
今や聖ロヨラ学院は彼女のもの! 『TRPG』の素晴らしさは人生のすばらしさ!! だが、このままではもちろん済まされない。世の摂理にそぐわぬ者の一切を許さない『異端審問庁』は、最強のヴァンパイアハンターを学院に送り込む!!
TRPGこそ“究極の遊技”と信じるヴァンパイア少女の前に、無敵の異端審問官、刀儀野祇園(とぎの ぎおん)が現れた時、奇蹟のセッションは開始される! 業界初!? TRPGプレイ小説の賽は投げられた!!
平和なはずの東京で暗躍する吸血鬼たち。異端討伐のため、日本刀で異形を狩る騎士が言う――「瀆聖の躯は、僕がすべて葬処へ送ってさしあげます」。中二病的なセリフがよく似合う凄腕のヴァンパイアハンターの名は刀儀野祇園。彼は魔王級が支配するという噂の聖ロヨラ学院へ潜入捜査を開始するが……。
なんて冒頭の戦闘シーンを読めば、これは血湧き肉躍るヴァンパイアハンターものだと思うはず。でも、学園に編入した祇園を待っていたのは、生徒会長に扮する魔王級のリュドミナと一緒に、懐かしのテーブルトークRPGに熱中する日々だったのです!!
実はこのリュドミア、三度の飯よりもTRPGが大好き。見事なサイコロ運を持つ相手なら、それが宿敵であるはずの祇園だとしても自分のパーティーに勧誘してしまいます。
聖騎士【パラディン】ギオンと山賊の娘【戦士】リュドミナとして、知る人ぞ知るTRPG「シールド・ユニバース」を一緒にプレイすることになった2人。吸血鬼を狩るどころか、サイコロに翻弄されることになった祇園の運命は――? バトルあり、ラッキースケベあり、笑いあり、涙(?)ありのゲームライフをお楽しみに♪
電撃文庫『撲殺天使ドクロちゃん』シリーズを手がけた作家・おかゆまさき氏の最新作。おかゆ氏が得意とする愛らしい美少女の描写はもちろん、聖騎士ギオンと愉快な仲間達の冒険を通じて、実際にTRPGをプレイしている臨場感がダイレクトに伝わってくるのが魅力です。ルール説明もかなり親切。TRPGがどんなものか知らなくても、ふつうの冒険として小説作品世界に没頭できます。
また、聖騎士ギオンの所属するパーティーには愛らしい女の子が4人いて、彼女たちと一緒に冒険できるのも楽しい♪ 神官を演じる嬉奈森枢は、祇園の部下で同じ任務で潜入捜査をしている17歳のハンター。ちょっぴりドジな子犬系な女の子だから、親しみやすいです。
ゲームマスターを務める教師の天花寺鳥篭はおっとり巨乳系、魔法使い【スペルエフェクター】の字間梓彩は、リュドミナを先輩と慕う内気な後輩。そして一番の問題児が、山賊の娘を演じるリュドミナ・エステルハージです。ロリ系の外見ながら、一人称は古風に「わし」というギャップがたまりません。幼く見えても魔王級の吸血鬼らしいので、実年齢はかなり上なのかもしれませんが……。
任務に忠実なハンターの祇園は、獲物である彼女を本当に狩ってしまうのか、それとも? 2人の関係にどんな決着がつくのか、非常に気になる!!
(C)おかゆまさき/KADOKAWA CORPORATION 2014
イラスト:ななしな