2015年1月10日(土)
皆さん、こんにちは。ライターのカワカミ雁々です。2014年末より、1カ月ごとにフリーカード冊子、スターターデッキ、ブースターパックがローテーションで発売されるようになったブロッコリーのTCG『Z/X -Zillions of enemy X-』。
このローテーション制により、まずはフリーカード冊子をゲットし、その翌月に発売されるスターターデッキでカスタマイズ、スターター発売の翌月にブースターが発売と、TCG初心者でもわかりやすくステップアップしていけるようになりました。
また、ガッツリやり込むユーザーにとっては「今月はフリーカードの月だから、足りなかったカードをシングルで購入しよう」と計画的にカード集めができるのもうれしいところですよね。
さて、この記事では2014年12月に発売されたスターターデッキ『孤高の反逆者』とEXパック『日本一ソフトウェア2』のカードを使って『ゼクス』のプロデューサーであるイグニッション久保田プロデューサーとゲームをしてきた模様をお届けします。また、対戦で使用したデッキレシピは記事の最後に掲載していますので、デッキ作りの参考にしてみてください。
余談ですが、久保田さんは最近、ニコニコ生放送やイベントなどの対戦企画で使うデッキが増え、整理が大変だそうです。“カードを自動でスリーブから抜いてストレージに戻してくれる機械”が欲しいそうですが、それは全カードゲーマーにとっても夢の機械ですね!
▲イグニッション久保田プロデューサー、今回もよろしくお願いします。 |
1ゲーム目は久保田さんがラハール、カワカミがプリニーデッキを選択。先攻となった久保田さんは序盤からテンポよく攻めてきますが、こちらは主力である《1000匹いるプリニー》がしばらくパワー4500なので守るのが大変です。
なんとかライフリカバリーの《一休みするプリニー》やバニラの《がんばるプリニー》で耐えていきます。《がんばるプリニー》は、バニラながら序盤の守りに難があったプリニーデッキを支えてくれるナイスな1枚です。一見地味なカードでデッキの強さがジワリと底上げされていくところが『ゼクス』のおもしろい部分です。
ラハールデッキは、手札のアドバンテージをとりにくいデッキなので、とにかく粘って長期戦に持ちこもうと、ひたすら守りを固めます。守りに回っている時の《史上最弱! 主人公プリニー》はとても頼もしいですね。
ライフを2点削られたものの、リソースに“プリニー”がたまり、反撃の準備は整いました。ここで新カードの《プリニー神》を引き込んだのでプレイしていきます。このカードのおかげで、ゲーム中盤以降に手札がなくなりにくくなりました。
▲能力を含めると実質7コストで9000、2ドローのハイスペックな“プリニー”です。 |
ここでプレイした《プリニー神》が新しい《プリニー神》を引き込み、おなじくアドバンテージカードである《福利厚生なし、20時間勤務》と合わせて手札があふれかえるような状態になりました。以前からねばり強く戦えるデッキでしたが、今回のEXブースターで新たに大型ゼクスである《プリニー神》が加わったことで、デッキがビシッと締まった感があります。
また《プリニガーX・轟》の8枚リソースを失うことと引き換えに直接ダメージを1点与えることができる能力は、ここぞという時に頼りになるでしょう。これにより、1点までライフを減らせば、守りを固められてもなんとかなることも見逃せない強化点です。
▲トラッシュに落ちてしまっても《福利厚生なし、20時間勤務》で回収できるのはプリニーデッキならではの強みです。 |
盤面をほぼ支配し、逆に久保田さんのライフを減らしていきますが、ここで久保田さんも最後の反撃に。こちらのプレイヤースクエアをこじあけ《最凶魔王ラハール》でアタックしてきました。
ライフは2点しかないので、2回ともアタックが通ってしまうと負けですが、運よくライフからイグニッションアイコンを持つゼクスが登場し、ギリギリセーフ。返すターンの総攻撃で久保田さんのライフをすべて奪い、勝利することができました。全体的にイグニッション運がよかったことと、序盤の時間稼ぎがうまくいったことが勝因です。
久保田さんの使ったラハールデッキの注目カードは《愛アレルギーのラハール》。登場時にスリープさせることで全体に5000ダメージをばらまけます。イグニッションで出たゼクスを一掃できる他、複数回攻撃しにくいスクエアにいるゼクスにダメージを与えられるのも便利です。強力な能力を持ちつつ5コストでパワーが7500あるところも頼もしいです。
今回は運よく《1000匹いるプリニー》のパワーが5500になってからの登場だったので助かりましたが、攻めによし、守りによしの好カードですね。
▲登場時のみながら、《暁十天 タフリル・ハジェス》のような能力を持っている。 |
第2ゲームは久保田さんが赤黒の攻撃的なビートダウン、カワカミはリソース加速系の緑白デッキを選択しました。対戦前にデッキを見てみると、どうやら《愛フィールド フロン》を軸にしたデッキのようです。《甲虫女王ヘルソーン》や《魂を結ぶ天使リアン》のような、一定条件下でイグニッションアイコンを持つ大型ゼクスを出せればウハウハですね。
▲登場時にデッキの上から3枚を公開し、その中にあるイグニッションアイコンを持つゼクスをノーコストで登場させることができます。 |
とりあえず《甲虫女王ヘルソーン》にイグニッションアイコンを持たせるため、まずはリソース9枚を目指していきます。3ターン目の《自由悪逆のメタリカ》、4ターン目はゼクスを展開しつつ《金蓮光虫ファイアフライ》の能力でリソースを加速して5ターン目にリソース9枚に到達しました。
さっそく《愛フィールド フロン》を出してデッキの上3枚をチェックしますが、残念ながら《甲虫女王ヘルソーン》はいませんでした。しかし《魂を結ぶ天使リアン》と《伝説の魔神 百騎兵》があったため、一気に3体のゼクスが登場します。強い!
しかし久保田さんも《神の創造主 アルル》で増やしたチャージを《夢見る乙女?フーカ》で打撃力に転換し、強力な攻めを展開してきます。条件があるぶんパワーが高めなところも優秀です。
▲《神の創造主 アルル》は“アルル”の種類は少ないものの“アルターフォース”を使えれば、簡単にチャージを増やすことができます。 | ▲《夢見る乙女?フーカ》はチャージを消費しますが3コストでパワー7500相当と、常識はずれの攻撃力を持ちます。 |
こちらは展開力、久保田さんはパンチ力で盤面を支配しようとして、お互いにゼクスを除去しあう展開が続き、まずはこちらがデッキ切れからリロードエフェクトに。《甲虫女王ヘルソーン》と《魂を結ぶ天使リアン》がデッキに戻り、再びギャンブルタイムがきそうです。
デッキをシャッフルしてイグニッションフェイズをむかえると《魂を結ぶ天使リアン》が登場。今日は前のゲームから続いてイグニッション運に恵まれていますね。さらにメインフェイズで出した《愛フィールド フロン》が《伝説の魔神 百騎兵》を連れてきたので、これで守りも盤石に。久保田さんのライフを1まで追い詰めて、リロードエフェクト時のライフ喪失で勝利することができました。
このデッキはリソースが9枚そろった後のイケイケ感が病み付きになりそうです。『ゼクス』はコストに対するパワーが厳密に設定されていますが、それだけにコストを踏み倒してのプレイは爽快ですね。
今回のようにリソース5枚から7枚にジャンプアップして《金蓮光虫ファイアフライ》の能力を使いつつ5コストゼクスを展開すれば、盤面を維持しつつリソース9枚を目指せるので意外とスキもありません。これもぜひ試してみてほしいデッキです。
最終ゲームはスターターデッキ『孤高の反逆者』をフィーチャーしたデッキ同士で対戦です。こちらは、スタートカード《チンドン屋ラガマフィン》から《イヴィルベイン パスサール》をプレイするおなじみの鉄壁展開に。4ターン目に《八大龍王 阿那婆達多》でリソースを加速します。
しかし、久保田さんはここで一気にビッグアクション。まず《孤影の幽囚ソリトゥス》を展開するとすぐさま能力を起動して、トラッシュの《七大罪 怠惰の魔人アセディア》を復活。さらに《七大罪 怠惰の魔人アセディア》の能力で《容赦のない悪魔 エトナ》を復活させ、攻撃で《八大龍王 阿那婆達多》を除去してきました。
このコンボのキーとなった《孤影の幽囚ソリトゥス》は自身は4コストでパワー5000と非力ですが、チャージを使ってトラッシュからゼクスを復活させる能力を持っているため、今回のコンボで活躍した通り《七大罪 怠惰の魔人アセディア》との相性が抜群です。
▲能力の使用にリソースがいらないので、早い段階からトラッシュを介して盤面を作っていけるテクニカルな1枚です。 |
久保田さんのコンボが決まりましたが、こちらも負けてはいません。次のターン、除去された《八大龍王 阿那婆達多》を《救済の騎士 サー・ガルマータ》で復活させます。この動きはキレイかつとても強力ですね。普通に使うと6コストゼクスのすぐ後にはプレイできませんが、リソース6枚から8枚にジャンプアップできる《八大龍王 阿那婆達多》との相性は非常に良好です。
▲2コストを払い、手札を1枚捨てることでチャージから6コストまでのゼクスを復活させられます。 |
《救済の騎士 サー・ガルマータ》で《七大罪 怠惰の魔人アセディア》を倒し、久保田さんのターンへ。《八大龍王 阿那婆達多》で《孤影の幽囚ソリトゥス》をリソース送りにしてなんとか盤面の問題を解決したものの、久保田さんは《G1GPXクイーン ケィツゥー》をプレイヤースクエアに配置し《七大罪 怠惰の魔人アセディア》の復活をほのめかします。
その後も、お互いゼクスを出しては倒し、そして復活を繰り返す展開でゲームは長期戦になりました。こちらは第2の主力である《草華竜アイヴィーウィング》の能力をプレイしたターンに使えるようにするためリソースを14枚まで伸ばします。
決着を付けるべく《草華竜アイヴィーウィング》をプレイし、リソースから《水竜の能力の使い手アッシュ》を登場させて一気に制圧にかかります。しかし、ここでベストタイミングのヴォイドブリンガー! 逆に戦線に穴を開けられてしまいました。さらに、本来なら《G1GPXクイーン ケィツゥー》の能力を不発にできたところを、倒す順番を間違えてゼクスの復活を許してしまうプレイミスもあり、最終的には物量さで押し切られ、負けてしまいました。
この対戦では、お互いゾンビのようにゼクスが倒しても倒してもわいてきました。一見盤面を制圧しているように見えても、カード1枚ですぐに相手が体勢を整えてしまうのでまったく油断ができません。
また《八大龍王 阿那婆達多》から《救済の騎士 サー・ガルマータ》につなげる動きは除去、リソース加速、盤面の再展開と多くの面で強力なアクションなので、緑白系のデッキでプレイヤーをミサキにできるなら、デッキを選ばずにセットでの運用が強力そうです。
今回は、昨年12月に発売されたEXパック『日本一ソフトウェア2』とスターターデッキ『孤高の反逆者』を使っての対戦の模様をお届けしました。『ゼクス』は1月22日に第11弾ブースター『神子達の戦場』が発売されます。
『神子達の戦場』は“ドラミコクインテット”こと五神竜の巫女たちとそのパートナーゼクスの再登場に加え、“エヴォルシード”と“アルターフォース”を組み合わせたギミックの登場、ユーザー投票で選ばれた蝶ヶ崎ほのめとそのパートナーゼクス《麗の妙声鳥 迦陵頻伽》の収録など、これまで以上にインパクトのあるセットになっています。
電撃カードゲームでは引き続き『ゼクス』の最新情報やインタビュー、対戦レポートなどの記事を掲載していきますので、こちらもチェックしていただければと思います。
※略語は以下の通りです。
ST:スタートカード、IG:イグニッション、VB:ヴォイドブリンガー、LR:ライフリカバリー
●赤単ラハール
プレイヤー
《ラハール》
ゼクス
赤
E02-001《激怒するラハール》(IG、VB)4枚
E02-003《休憩するラハール》(IG、LR)4枚
E02-006《挑発するラハール》(ST)1枚
E02-007《わがままラハール》(IG)4枚
E02-008《牽制するラハール》 4枚
E02-011《オレさま至上主義ラハール》 4枚
E02-012《最凶魔王ラハール》 4枚
E02-016《ボランティアが趣味のラズベリル》 2枚
E04-005《生屠会長ステラ》 3枚
E04-006《愛アレルギーのラハール》 4枚
E04-051《切り込むラハール》(IG)4枚
E04-052《挑戦を受けるラハール》(IG)4枚
E04-054《突撃するラハール》 4枚
E04-071《ムチプリアイドル ラハールちゃん》 4枚
●黒緑「プリニー」
プレイヤー
なし
ゼクス
黒
E02-103《プリニーマスター エトナ》 4枚
E04-065《容赦のない悪魔エトナ》 3枚
緑
E02-081《やるときはやるプリニー》(IG、VB)4枚
E02-083《1000匹いるプリニー》(IG、LR)8枚
E02-084《一休みするプリニー》(IG)4枚
E02-085《冒険するプリニー》(ST)1枚
E02-086《史上最弱!主人公プリニー》 4枚
E02-087《しぶといプリニーアサギ》 4枚
E02-089《ダンディなプリニーカーチス》 2枚
E02-090《偉そうなプリニーラハール》 3枚
E04-048《プリニー神》 4枚
E04-067《がんばるプリニー》(IG)4枚
E04-073《プリニガーX・轟》 2枚
イベント
黒
E02-080《福利厚生、20時間勤務》 3枚
●白緑フロン
プレイヤー
なし
ゼクス
白
B02-052《意志のヴォロンテ》 2枚
B05-044《聖獣オーラヘケト》(IG、LR)4枚
B05-054《魂を結ぶ天使リアン》 4枚
B06-052《波のヴァーグ》 4枚
E04-025《クリミナルガールズ ヒメカミ》 4枚
E04-029《愛フィールド フロン》 4枚
緑
B08-094《甲虫女王ヘルソーン》 4枚
B10-083《金蓮光虫ファイアフライ》(ST) 1枚
E04-041《沼の魔女メタリカ》(IG、VB) 4枚
E04-044《伝説の魔神 百騎兵》(IG) 8枚
E04-068《自由悪逆のメタリカ》 4枚
E04-069《水竜の能力の使い手アッシュ》 3枚
イベント
緑
B10-097《セージさんのお料理》(IG) 4枚
●赤黒エトナ
プレイヤー
なし
ゼクス
赤
E04-001《邪悪学園の優等生マオ》(IG、VB)4枚
E04-002《宇宙最強魔王の娘ペタ》(IG)2枚
E04-003《孤軍奮闘する小さな魔王ゼロッケン》(ST)1枚
E04-005《生屠会長ステラ》 4枚
E04-006《愛アレルギーのラハール》 4枚
E04-008《宇宙最強魔王ゼタ》 4枚
E04-051《切り込むラハール》(IG)4枚
E04-054《突撃するラハール》 4枚
黒
E04-032《運命覚醒結晶の研究者アルル》(IG、LR)4枚
E04-034《夢見る乙女?フーカ》(IG)2枚
E04-036《地獄の教育係ヴァルパトーゼ》 4枚
E04-039《孤高の魔神エトナ》 4枚
E04-064《鋭いツッコミのエトナ》(IG)4枚
E04-065《容赦のない悪魔エトナ》 3枚
E04-066《ラスボス修行中のデスコ》 2枚
●白緑サー・ガルマータ
プレイヤー
《弓弦羽ミサキ》
ゼクス
白
B05-044《聖獣オーラヘケト》(IG、LR)4枚
B07-043《スクープを追うマンチカン》(IG)4枚
B08-053《世紀の大怪盗ワイヤー》 2枚
B10-041《イヴィルベイン パスサール》(IG、VB)4枚
B10-045《チンドン屋ラガマフィン》(ST)1枚
B10-051《雨を呼ぶ聖獣オーラヘケト》 2枚
C10-002《救済の騎士サー・ガルマータ》 4枚
E04-061《業欲の天使アルティナ》 4枚
緑
B03-083《獣人ウェアヘッジホッグ》(IG) 4枚
B03-097《草華竜アイヴィーウィング》 3枚
B09-084《修行中の跋難陀》(IG)4枚
B09-091《八大龍王 跋難陀》 4枚
B09-094《静穏たる木刀 桃葉》 2枚
B09-096《五頭領 天眼忍者ウェアジャガー》 2枚
C09-003《八大龍王 阿那婆達多》 4枚
E04-069《水竜の能力の使い手アッシュ》 2枚
●白黒ソリトゥス
プレイヤー
なし
ゼクス
白
B05-044《聖獣オーラヘケト》(IG、LR)4枚
B08-056《調和の後継者ケィツゥー》 4枚
C10-006《持ち逃げするメインクーン》(IG)4枚
C10-007《ロウブリンガー ダウラギリ》(IG)4枚
E04-022《絢爛魔界の魔王セラフィーヌ》(ST)1枚
E04-027《兎兎魔界の魔王ウサリア》 2枚
P08-040《G1GPXクイーン ケィツゥー》 4枚
黒
B08-061《奈落の魔人アビッソ》(IG、VB)4枚
B08-069《信仰の魔人フィデース》 4枚
B08-070《七大罪 怠惰の魔人アセディア》 4枚
C09-009《係長スケルタルセールス》 2枚
C10-003《孤影の幽囚ソリトゥス》 4枚
E02-066《腹黒いエトナ》(IG) 4枚
E04-035《最終兵器デスコ》 3枚
E04-065《容赦のない悪魔エトナ》 2枚
(C)BROCCOLI / Nippon Ichi Software, Inc.
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