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2015年1月22日(木)

新作『SAGA2015(仮称)』発表記念。河津秋敏氏が振り返る『サガ』シリーズ25年の思い出

文:まさん

 昨年2014年12月15日に25周年を迎えたスクウェア・エニックスの『サガ』シリーズ。その25周年を記念してニコニコ生放送にて配信された“『サガ』シリーズ25周年特別番組”で、PS Vita用ソフト『SAGA2015(仮称)』が発表されました。

『サガ』シリーズ25周年インタビュー

 ついに明らかになった最新作『SAGA2015(仮称)』の秘密や今後の展開をうかがうべく、シリーズの生みの親である河津秋敏氏にインタビュー! あわせて、歴代作品の苦労話や今だから語れる裏設定などを、いろいろと語っていただきました。

 なお、インタビュー中には、かつて1ユーザーとして『サガ』シリーズをプレイし、今は『エンペラーズ サガ』のプロデューサーを担当している市川雅統氏も参加。ある時はファンの立場から、ある時は開発者の立場から、さまざまな『サガ』の裏話を語っていただいたので、ぜひ記事をチェックしてみてください。

『サガ』シリーズ25周年インタビュー
▲右は『サガ』シリーズを統括している河津秋敏氏。左は『エンペラーズ サガ』プロデューサーの市川雅統氏。

■最新作『SAGA2015(仮称)』のハードにPS Vitaを選んだ理由

――昨年は、最新作『SAGA2015(仮称)』が発表されたことで、ファンの間でも大いに盛り上がった年になったと思います。まずは、新作を発表できた今のお気持ちを教えてください。

河津:25周年に合わせて、やっと会社から正式に発表してもいいというOKが出ました。もう後ろには下がれませんから、スタート地点にようやく立てたという感じです。

――新作を作っているという発言自体は、2014年の早い段階でおっしゃっていましたね。開発も、そのころからスタートされていたのでしょうか?

河津:企画の内容は二転三転していましたが、早い段階から作っていました。ただ、なかなか発表できる形には落ち着かず、ズルズルと延びてしまったんですよ。そんな流れを経て、それなら25周年の日に発表しようということになったんです。その日であれば他のイベントと重ならず、皆さんに注目していただけるので、よりいいタイミングになったと思っています。……たまたま選挙と重なっちゃいましたけど(笑)。

『サガ』シリーズ25周年インタビュー
▲生放送の最後の最後に発表された完全新作。PS Vitaのロゴと『SAGA2015(仮称)』の文字が公開された時には、多くの視聴者から歓喜のコメントが流れまくりました。(画像はニコ生での番組をキャプチャーしたもの)

――新作のハードはPS Vitaですが、携帯機を選んだ理由について教えてください。

河津:今はスマートフォンが市場を席巻しているので、そちらも考えてはいました。最終的にコンシューマのゲーム機向けに作ることが決まり、いろいろな意味での作りやすさやユーザーさんが期待されていることを総合的に判断して、PS Vitaに決まった形です。PS Vitaは解像度が高く性能的には据え置きに劣らない部分がありますが、携帯ゲーム機でもあるので、そういう携帯機らしさは生かしていきたいと思っています。

 ただ、ネットワーク前提のゲームにはしたくないんですよ。PS Vitaはある程度ネットにつないで遊ぶことを前提としたハードになってはいるのですが、ネットワークに接続せずに遊んでいるユーザーは意外と多いんです。だから、ネットワーク前提ではないもの、1人用のオフラインでしっかりと遊べるRPGを作ることを意識しています。

――仮のタイトルが『SAGA2015(仮称)』ということは、2015年内に発売されると期待してよろしいですか?

河津:はい。プレッシャーを受けつつ制作しています。正式なタイトルをどうするのかは悩むところなのですが。ハードが変わってゲームの中身も違うので、また『サガ●●』や『●●サガ』みたいなタイトルのつけ方がいいのかなとは思いつつ……今はまだ、ちょっとどうなるのかわからないですね。

――楽しみにしています。ところで『サガ』シリーズのタイトルの語源である“サ・ガ”は、基本的に造語的な意味合いだとお聞きしましたが……。

河津:そうです。最初からサーガ(叙事詩)の意味ではないということを意識していました。『魔界塔士 Sa・Ga』の最終ボスのセリフにある「これも いきものの サガ(性) か……」のサガも関係ありません。じゃあ、なぜ、いろいろと解釈ができる“サ・ガ”にしたのかと言われると、そもそも開発当初に“ドガ”とか“ズガ”といったタイトル案が出ていたんですよ。だから、タイトルに“ガ”が入ることだけは決まっていたんです。

――サーガではないということですが、タイトルにサガではなくサ・ガと“・(中黒)”をつけることで差別化しているのでしょうか?

河津:最初はそうですが、モバイル版ぐらいの時から中黒がなくなりました。これは、単純に『ロマンシング サガ』の商標を中黒なしで取っていたからです。中黒がついていたり、ついてなかったりしているのは設定的な意味合いではなく、単純に商標的な理由ですね。

■『魔界塔士 サ・ガ』のタイトルはアジア的ないかがわしさの産物

『サガ』シリーズ25周年インタビュー

――そもそも、シリーズの始まりとなる『魔界塔士 サ・ガ』はどのような経緯で誕生したのでしょうか?

河津:会社から「ゲームボーイ向けに何か作ってほしい」と言われたことから始まっています。当時『ファイナルファンタジーII』の制作が終わったところで、次に『ファイナルファンタジーIII』をやるなら、こういうものを作りたいという話をしていたんですよ。その流れで何か作れと言われたので、じゃあ、そのアイデアを使おうと。

 ただ、そのアイデアはファミコンなどの据え置きゲーム機用のものでした。ゲームボーイは携帯ゲーム機で白黒、かつ画面の表示領域も少なく、制約だらけだったので、全然違う物にしないと形にならなかったんです。GBではグラフィックやシステム的に『FF』的な表現は難しいことがわかったので、今の『サ・ガ』のような形に仕上げていきました。

 今考えると『ファイナルファンタジーIII』は演出的に派手になっていく『FF』シリーズの原点みたいなところがありましたから、いい差別化ができたのではないかと思っています。

――『魔界塔士 サ・ガ』というタイトルは、河津さんご自身がお決めになられたものですか?

河津:タイトル自体はみんなで話し合って決めています。“魔界塔士”の部分は、副題をつけなくてはいけないので自分がつけました。

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――魔界塔士の“塔士”はなんとなくわかるのですが、“魔界”はどのような意図でつけられたのでしょうか? 魔界と聞いてもピンときませんが……。

河津:昔、APPLEIIというコンピュータのゲームで『Phantasie(ファンタジー)』という作品がありました。香港などで見かけたそのパチモンが『幽霊戦士』というタイトルだったんです。

 そのイメージが強烈で、そういういかがわしいコピー物のような雰囲気を出したかったんですよ。世界観的な意味合いから考えても、アジア的ないかがわしさを『サガ』の副題としてつけておきたくて、アジアっぽさが出るような四文字の漢字で“魔界塔士”とつけました。

――そんな理由があったんですね。以前のコメントで、開発当初はひたすら下へ潜るシナリオもあり、魔王になって神と戦う構想があったという話を目にしました。その名残で魔界塔士とつけたのだと……。

河津:確かに、魔界のイメージは初期の構想から来ていたかもしれません。ちなみに、その構想で上に登って行った場合、ラスボスはアシュラとなるイメージでした。

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――それもやってみたかったですね。ところで『魔界塔士サ・ガ』は、海外版だと『THE FINAL FANTASY LEGEND』というタイトルになっていましたが、これも河津さんがお決めになったのですか?

河津:誰が決めたのかは覚えていませんが、海外版のパブリッシャーは任天堂さんでした。弊社のRPGとして『FF』のブランドイメージがあったので、『FF』にしようという意向があったのかもしれませんね。

 もしくは、当時の弊社の社長だった宮本さんからの提案だったのかもしれません。実際、『聖剣伝説』シリーズの1作目は『FF外伝』とついていましたからね。当時は、うちから出すゲームは全部『FF』にしようというブランド戦略があったのかもしれません。

■完成度が高すぎると河津さんの満足度は低くなる!? 『サ・ガ2 秘宝伝説』の思い出

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――シリーズとして一気に認知度があがった『サ・ガ2 秘宝伝説』ですが、これは前作が発売されてからすぐに作られたのでしょうか?

河津:これも自分が企画を通したわけではなく、会社からのオーダーで作ることになりました。メンバー的には『ファイナルファンタジーIII』の制作が終わるのを待っていたので、スタートがちょっと遅れましたね。

 田中弘道さんたちが合流してから具体的な話を始めたので、意外と制作期間が短いんですよ。あのころ、旧スクウェアは御徒町から赤坂に引っ越したのですが、本格的に作り始めたのは引越し後です。そう考えると、半年くらいで作ったことになりますね。

――半年ですか!? ちなみに参加人数は?

河津:プランナーは僕と田中さんを入れて4人。デザイナーは2人。プログラマーは2人で、イトケン(伊藤賢治)を入れても10人前後です。

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――それはスゴいですね。伊藤賢治さんは本作から音楽にかかわっていますが、作曲をお願いすることになった経緯を教えてください。

河津:植松伸夫さんから「新しく入ったイトケンなんだけど、一緒に使ってくれない?」と言われたのがきっかけです。初対面は「体がデカいな」という印象でした(笑)。

――なるほど。そんな本作は『魔界投士 サ・ガ』の世界観を継いだ続編ではなく、まったく違う作品としてリリースされました。このようにシリーズが毎回違った形になるのは、河津さんのこだわりなのでしょうか?

河津:同じものを作っていてもつまらないという、自分のモチベーションが大きいです。同じものをやるなら自分が作らなくてもいいじゃないですか。とはいえ、『サ・ガ2』は前作『サ・ガ』のシステムをベースにしており、がらりと変えたのは世界観くらいでしたけどね。

 もちろん、前作よりも完成度は上がっています。田中さんが入ったことで完成度が上がって、細かいところまで目が行き届いた作品になりました。ただ、自分の中での満足度はそんなに高くないんですよね。

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――えっ、完成度が高いのに満足度が高くない? それはいったい……。

河津:完成度が高くて、やり残したことがないからです。あれもやりたかった、これもやりたかった、とやり残しがあるくらいの作品にチャレンジしているほうが、自分としては満足度が高いですね。『サ・ガ2 秘宝伝説』はほぼイメージしていた通りに完成しちゃったので、客観的に「よくできましたね」とは感じますが、自分自身の満足度は普通ですね(笑)。

■今も思い出せない、『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』の“完結編”の意味

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――『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』は、シリーズの中では珍しく河津さんが担当していない作品となっています。確か、大阪の開発室が手掛けた作品ですよね。

河津:はい。『ロマンシング サ・ガ』と平行して『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』を作ることになったので、自分たちで作るのは無理だと会社に相談したんですよ。そこで、大阪開発の藤岡千尋さんたちにお願いしました。

――ということは、本作に関しては、まったく監修などもされていないということですか?

河津:制作に関しては、自分はほぼノータッチだったと記憶しています。

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――そのせいか、GB版の『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』は、河津さんの『サガ』とは違ったRPGという印象がありました。一方で、リメイク版の『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』は、河津さんの『サガ』らしい作品になっていましたね。

河津:あれは『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』をベースにして、リメイクを作ろうということから始まりました。だから、システムも『魔界塔士 サ・ガ』系のルールに全部変更しています。シナリオもオリジナル版からはかなり改変していて、ひと言もしゃべらなかったポルナレフが、かなりしゃべるようになって別人みたいになっているんですよね。

 だから、シナリオには+αの要素をかなり入れているのですが、それがオリジナル版で想定していたものなのかどうかは、原作のシナリオを担当した井出康二さんに聞いてみないとわからないです。リメイク版も、シナリオに関しては自分が直接手を入れたわけではなくて、リメイク版スタッフにまかせていたので、開けてビックリみたいな感じもありました。

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――確かに『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』は遊んでいて原作を大きく逸脱しないリメイク作品でしたが、『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』は、ずいぶんガラっと変わった印象があります。

河津:もともとシステムが全然違うゲームだったので、それを『魔界塔士 サ・ガ』や『サ・ガ2 秘宝伝説』に合わせるなら、思い切っていじろうという話になったんです。ちょうど新システムのタイムズ・ギアのアイデアが出ていたので、だったらそれを思い切って使おうということで今の形にまとまりました。

――そういう理由なんですか。以前、リメイク版のプロデューサーである三浦宏之さんが、河津さんや田中さんの机にいって意見をよくうかがいながら制作したとおっしゃていたのですが、河津さんがしたアドバイスで覚えていることはありますか?

河津:『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』の時は、あまり複雑な設定にするのはよくないと言いました。『サガ』は結構ズバッと切っちゃっているのですが、そこが“らしさ”につながっているから、あまりごちゃごちゃした設定は入れないほうがいい、と。運命の糸を手に入れて、それでちょっと色がつく程度に整理した記憶があります。

 あと、フリーシナリオっぽい雰囲気があってもいいと思ったのでミューズたちを入れたんですよ。現代風な“萌え”要素も入れやすくなるので、そういうのを入れましょうと話しました。そうしたら、いろいろなアイデアが出てきておもしろかったですね。ちなみに、自分はロボットっぽいエウテルが欧陽菲菲(オーヤンフィーフィー)っぽくて好きなんですよ。ちょうど、自分がその世代なので(笑)。

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▲セクシーな外見をもつアンドロイドのミューズであるエウテル。

――また懐かしい単語が出てきましたね(笑)。話は変わりますが、なぜ本作はタイトルに“完結編”とつけたのですか? 

河津:なぜ完結編になったのか、今となっては自分でもよくわかりません。多分、当時『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』と『ロマンシング サ・ガ』を平行で作らせる会社に若干抵抗していたからではないでしょうか(笑)。『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』は自分で作っていないけど、GB版はこれで終わりだからいいかな……というノリで“完結編”とつけたような気がします。

 よく考えてみると完結編とつけたからといって、特になんの意味もないんですよね。むしろ、完結編とつけなければ『サガ4』も作れたのに(笑)。だから、この完結編というサブタイトルは、GBの『サガ』シリーズが完結するので完結編というイメージですね。

■キャラメイクの概念を導入したかった『ロマンシング サ・ガ』

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――『ロマンシング サ・ガ』はSFC初の『サガ』シリーズでしたが、フリーシナリオや8人の主人公を選べるキャラメイクなど、かなり豪華になったイメージがあります。当時のことで印象に残っていることはありますか?

河津:GBのシリーズからスタッフは増えましたが、とにかく大変でした。あの作品はキャラメイクをメインに考えていて、主人公が8人いるのはオマケだったんですよ。主人公が8人いるのは、大河ドラマ的な感じを出したいと思ったからなのですが……なんで8人にしちゃったのかな?

 あらためて考えると、なぜなんだろうと思いますよね。最初から、主人公を8人にするつもりはなかったんですよ。だって、キャラメイクをするだけなら男女1人ずついれば十分じゃないですか(笑)。

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――確かに、言われてみると8人は多いですね。バトルの人数は最高で6人までしかいませんし、2人も多い。

河津:バトルの人数は、フォーメーションを入れたかったので6人と決めていました。ただ、主人公をバトルメンバーよりも多い8人にしたのは自分でもわかりません。あらためて考えると、当時の自分は何がしたかったんでしょう? さすがに10人以上や『水滸伝』の百八星ほどの大人数にする気はなかったはずですが、それでも多いですよね。

――『ロマンシング サ・ガ』以降のシリーズでも、すっかり8人前後のキャラから主人公を選ぶというパターンが定着しましたね。

河津:そうですね。選択肢としては3人以上なら何人でもよいのですが、なんで8人なんだろう? 『里見八犬伝』みたいなものですかね?

――それは河津さん本人しかわかりませんよ(笑)。そんな8人の主人公ですが、その中でも特に思い入れがあるキャラクターは誰ですか?

河津:最初に作り始めたアルベルトです。ストーリーも最初にアルベルトの話を考えながら作っていましたし、設定もローザリアが一番厚いですね。

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――そう言われてみると、アルベルトだけは他の主人公と違ってデフォルトで左利きの設定となっており、左利き専用のレフトハンドソードを持てることからも特別感がありました。

河津:利き腕の設定は、キャラメイクの一環として入れたいと思っていたんですよ。本当は、髪の色や目の色も選ばせたかったのですが、当時だと絵に反映できなかったのであきらめました。アイシャの目の色を特別にしているなど、いろいろと意識して設定してはいたのですが。

――個人的には、当時デスティニーストーンが全部集まらないという事実が一番驚きました。ワンダースワン版や『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』では全部集まるようになっていましたが、設定自体は当時からあったのでしょうか?

河津:集まらないものも含めて、設定自体はSFC制作時から全部あります。ただ、デスティニーストーンを全部集めさせる気は最初からありませんでした。ゲームの設計としてはコンプリートできることが当たり前かもしれませんが、お話という意味で見ると必然性はまったくありませんから。デスティニーストーンはストーリー的な意味合いで設定していたので、ボスを倒すための手続きとして全部集めるというものにはしたくなかったんです。

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――他にも、酒場の奥にいるけど戦えないシェラハや、なぜか漢字だけが大きいフォントなど、いろいろとユニークな要素が多かったですね。

河津:シェラハに関しては作り切れなかっただけです(笑)。本当はSFCのころから戦えるようにしたかったんですけどね。漢字が大きく表示されるのは、苦肉の策でした。その時に使っていた8×8ドットのフォントだと漢字がつぶれて読めなくなってしまうのですが、イメージを含めた差別化を意識して、ゲーム中に漢字を使いたかったんですよ。

 特に技名に漢字を使いたかったので、こういう表示のさせ方があるなら漢字を使いましょうと決めました。ひらがなまで大きくしちゃうと容量がもったいないので漢字だけ大きいのですが、今考えるとありえないですよね(笑)。

 PCゲームだと漢字フォントがあるので簡単に使えるのですが、当時のゲーム機は漢字フォントがなかったので、あのようにするしかなかったんです。『ロマンシング サ・ガ2』以降の作品は12×12ドットを管理できるプログラムを組んでもらったので、漢字も普通に表現できるようになりました。

■『ロマンシング サ・ガ2』における七英雄の名前の元ネタが、山手線の駅名になったワケ

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――『ロマンシング サ・ガ2』は、帝位を継承していくという全然違う作品になっていて驚きましたが、この作品の開発経緯について教えてください。

河津:前作の『ロマンシング サ・ガ』は、年末ギリギリまで作っていて翌年に発売されました。その後しばらく、4月に新卒が入ってくるまでスタッフが全然いなかったんですよ。その間にボケ~っといろいろなことを考える時間があったので、あんな風にガラっと変える準備ができたんです。

 もし、そのまま『ロマサガ』開発直後に『ロマンシング サ・ガ2』を作っていたら、あそこまで変えるヒマはなかったと思います。シナリオを含めて変える時間があったので、前作とはまったく違った作品になりました。

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――だから、かなり違う作品になったんですね。自分の周囲では、当時敵側である七英雄の人気が高かったことを覚えています。彼らの名前は山手線の駅名を逆に読んでつけたそうですが、なぜ、七英雄の名前を山手線から取ったのでしょうか?

河津:敵のボスを7人出すことは最初に決めていました。リーダー、冷静なNo.2(実は最強)、ヤラレキャラ、紅一点など、それぞれの役割も決まっていたのですが、名前が全然思いつかなかったんですよ。一番最初に名前がついたのがスービエだったのですが、その理由が、当時、恵比寿にスクウェアのオフィスがあったことと、恵比寿さんが海の神様だったからです。

 それにならって山手線の各駅名をひっくり返してみたら、なんとかなった感じですね。ただ、女性らしい名前については苦戦して、ロックブーケの名前は最後に決まりました。池袋をひっくり返してみたらロックブーケとなり、女性の名前でも違和感がないので、これでいいかな、と。

――ちゃんと女性名っぽいですよね。ロックブーケは今でも人気があるキャラですが、河津さんは七英雄で誰が一番お気に入りですか?

河津:七英雄の中の主役として設定されているのがノエルなので、そういう意味ではノエルがお気に入りです。

市川:七英雄と言えば漫画版ですよね。実は『エンペラーズ サガ』を作る時に漫画版を全部買い直したのですが、河津はあまり覚えていませんでした(苦笑)。

河津:記憶をたどってみると、そういえば漫画版もあったよねと思いだせるのですが……。まあ、20年以上も前の話ですし、当時はメディアミックスの漫画や小説を今ほどしっかりと監修していたわけでもありませんから。

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――確かに『サガ』シリーズは漫画や小説でのメディアミックス展開はほぼありませんが、攻略本や設定資料の内容が濃くて読み応えがあるのがうれしいです。

河津:ファンは、ゲームが好きだからゲームをやっているので、そういう方向に力を入れています。例えば、仮に今『ロマサガ2』をアニメ化したとしても「これは違う」と言われてしまう気がします。

 映像にすると声をつけなくてはいけなくなるので、そこでイメージ論争が巻き起こるんですよ。最近は、ゲーム自体も最初から声が入るようになったのでイメージ論争はなくなりましたが、昔は声をつけること自体が鬼門でしたよね。

――『ロマンシング サ・ガ2』は人によってイメージが違うので、よりアニメ化は難しそうですね。そんな人気作品ですが、携帯アプリでの移植やWiiなどのバーチャルコンソールでしか遊べないのは、個人的にもったいなく感じてしまいます。

河津:リメイクをしようという話は社内でも定期的に出てくるんですよ。ですが、ベタ移植はともかく、リメイクで『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』のように作り変えるのはハードルが高いと思っています。何か新しい要素を入れる、新しい仕組みを入れるということも、ちょっとすぐには思いつかないですね。

――でも、携帯アプリで出ていた移植版では新しいクラスが追加されていましたよね?

河津:移植で何かを+αするのは問題ないと思います。あの際は当時の携帯アプリ版のスタッフがアイデア出しを行い、OKを出した形です。ただ、リメイクは根本的に作り変えたり、新しい要素を入れたりすることを考えなくてはならないので悩みますね。

市川:それにしても、昔に比べるとバーチャルコンソールやゲームアーカイブスで過去のシリーズにも触れやすい、よい時代になったと思いませんか?

河津:ええ、バーチャルコンソールやゲームアーカイブスから遊んでくれている人も多いみたいですね。もちろん、今はコンシューマハードを持っていない人もいて、そういう人たちからスマホで出してほしいという要望もあります。そういう移植もやれればよいとは思っているのですが、いろいろとプログラムやグラフィック的に複雑な部分もあり、手間がかかる部分もあるようですね。

市川:過去の『サガ』シリーズをスマホで遊びたいというユーザーさんからの要望ですが、去年くらいからすごく数が増えて、大きな声となってきています。僕らもコラボイベントの“ロマンシング 佐賀”をやった時など、いろいろな機会で耳にしていますので、25周年という機会にどうにかしたいな、と引き続き考えているところです。

■『ロマンシング サ・ガ3』はバトルなしでもクリアできるRPGにする予定だった

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――『ロマンシング サ・ガ3』は前作と打って変わり、初代の『ロマンシング サ・ガ』に近いイメージに戻りましたが、これにはどういう意図が?

河津:この作品は企画が立ち上がるまでが難産でした。『ロマンシング サ・ガ3』を作ろうと考えた時に結構もめたり、悩んだりした時期があったんですよ。最初は、初代『ロマンシング サ・ガ』の続きを作ろうという話も出たくらいです。結局、ちゃんと新作を作ろうと決めて、その代わりに何か新しい要素を入れていこうと考えました。

 そこでスタッフからアイデアを募って、それぞれの要素をトレードやマスコンバット、コマンダーモードというミニゲーム的な付加要素として入れていきました。本当は、これらの要素はもっと大きな形で入る予定だったんですよ。トーマスだったらトレードだけでゲームをクリアできる。ミカエルならマスコンバットだけでクリアできる……といった形で、主人公がそれぞれの要素を担う形にする予定でした。

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――ああ。だから、現状の『ロマンシング サ・ガ3』でも、マスコンバットやトレードはまるで別ゲームみたいに凝っているんですね。

河津:当時、「本当にRPGは必ずバトルをしなければいけないのか」という話題が自分たちの中で議論にのぼっていました。なので、RPGにバトルの代わりになるものを入れられないかと思っていたんです。

 トレードでお金儲けだけをしていれば、お金の力でラスボスに勝てる。自分は戦わないマスコンバットで、兵士に指図しているだけでラスボスに勝てる……といった違うことをやりたいと思って入れたのが、一連のシステムなんですよ。とはいえ、最終的にはバトル部分が一番よくできていたので、今のようにバトル中心のゲームになりました。

――それが実現していたバージョンも見てみたかったです。それにしても『ロマンシング サ・ガ3』は、カタリナが髪の毛を切るとドット絵まで変わる演出があるなど、いろいろな部分が凝っていた作品でしたね。

河津:前々から、ちゃんとキャラが着替えるようにしたかったんですよ。今でもどこかでやりたいと考えてはいるのですが、無駄な作業を増やすわけにもいかないので……。だから、カタリナだけでもと思って入れてみました。

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▲『ロマサガ3』の主人公の1人であるカタリナ。

――そんな風にキャラクターも個性的な作品でしたが、自分が作っていて一番思い入れが深いキャラを教えてください。

河津:こだわって色付けしていたので、どのキャラクターもそれなりに思い入れがあります。たとえば、タチアナは結構好きなキャラですね。キャラが偽名を名乗るという仕組みが入っているなど、ネタ的にもいろいろあって。

 彼女は“くまちゃん”が固定装備になっているのですが、アレは小林智美さんがくまを描いてきたので、小泉今日治さんが持たせたいと言ってきたんですよ。そこからの後付けで、防具という設定になりました。

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▲『ロマサガ3』に登場したタチアナ。(画像は『エンペラーズ サガ』のもの)

――本当に楽しそうに作られていますよね。キャラクターとは少し違いますが、聖王の設定は当時から女性に決まっていたとTwitterで拝見しました。

河津:はい。設定は、SFC時代にほぼ決めていました。ただ、スタッフには言っていなかったので、グラフィッカーの高井浩さんが男の姿でオープニングを作っちゃったんですよ。あとで、聖王は女性だよと言ったら周りから「ありがちだ」と言われちゃいました(笑)。

 自分としては、シナリオの構成上、女にするのが当然なんですけどね。だって、魔王が男性なんだから、対比として聖王は女性になるじゃないですか。聖王が女性で魔王が男性だから、運命の子がサラと少年になるんですよ。だから、あの話は聖王が女性じゃないと成り立たないんです。

市川:その話を今聞くと納得できますけど、当時1ユーザーとして遊んでいた時はそこまで考えていませんでした(笑)。

 ちなみに『エンペラーズ サガ』で聖王十二将を出すことになって河津に聞きに行ったのですが、ある程度は決めているとのことですが、12人全員の詳細な設定までは決まっていませんでした。だから、まずは一部のキャラの設定をフィックスしてもらったのですが、他の十二将については「まと後で」と、なかなか教えてもらえませんでした(笑)。

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――設定と言えば、特にファンとして忘れられないものが、「私が町長です」のセリフで有名な町長です。あの町長には当時怒りを覚えたのですが、その後の設定などはあるのでしょうか?

河津:ないです。彼の仕事はあそこで終わり(笑)。ああいう決まりきった台詞しか言わなくなったら、このイベントは終わったってサインなんです。

 今は、やたらとセリフを変える作品が多いのですが、それをやると何かあると思って何度も聞きに行くじゃないですか。アレはアレでイヤなんですよ。固定のことしか言わなくなったら、ああ、ここのイベントは終了なんだな、というのがゲームの文法でいうお約束だと思っています。

 あと、町長のイベントは、ニーナやポールに話しかけた順番など、フラグが複雑でタイミングによって細かく変わるんです。だから、自分としては町長はどうでもよかったという部分もあります。

――そんなことを言われても、あのイベントをクリアしたら普通は真っ先に町長へ話しかけに行きますよ!

河津:その通りです。普通は、町長にお金をくれって話しかけに行きますよね。ごほうびをくれるだろうと思って行くと「私が町長です」と言ってシラを切られる。でも、あの場面はこう言ってシラをきるしかないんですよ、町長の立場だと(笑)。

■なんでもアリな『サガ フロンティア』! 連携誕生の秘密とヒューズ編の真実

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――『サガ フロンティア』は『ロマンシング サ・ガ』シリーズとは違って、非常にSF色が強いごった煮な作品になりましたね。

河津:『ロマンシング サ・ガ3』を作った時にも悩んだと言いましたが、それと同じ流れでファンタジーの世界観や作品を作るのがしんどかったことが理由です。当時はオーソドックスなファンタジー系のRPGではなく、なんでもアリで幅広く使えるものがあったほうがありがたいと思っていました。

 あとは、ライン編成の関係なのですが、スタッフの人数が一気に増えたんですよ。『ゼノギアス』の制作が始まって、それまで『聖剣伝説』シリーズを作っていた石井さんたちの手が空き、そのスタッフをそっくり使えることになったんです。それだけスタッフが多いなら何か別のことをしようと思い、それぞれがやりたいことを出してもらって、それを全部やれる都合のいい世界を作ろうと考えたら、ああいう世界設定になりました。

『サガ』シリーズ25周年インタビュー 『サガ』シリーズ25周年インタビュー

――選んだ主人公によって物語が変わるだけではなく、ラスボスまでまったく違うというゲームは、今でも珍しいと思います。

河津:それは、制作手法が変わったことが大きいです。SFCのころのようにチップでマップを作るのではなく、プリレンダで1から全部起こさないといけなかったので、だったらいっそのこと全部変えてしまおう、と。ストーリーが全部違うのでボスも全部違っていていいんじゃないか、と勢いで決まったのですが、かなり無理がありましたね。

 バトル側の負担を考えずに話を通してしまったので、7人分のストーリーを作るのも当然大変なのですが、スタッフもラスボス戦のネタを出すのが大変だったと思います。あまり、気にせずに作っちゃいましたが(笑)。

 アセルス編は最後にオルロワージュと戦う。レッド編はヒーロー物なので悪の軍団の首領が出てくるなど、最初からラスボスが決まっているシナリオもありましたが、クーン編のようにシナリオを作るうちに決まって、メイレンが裏切るような流れができたものもあります。

――メイレンはメインで使っていたので、当時困りましたよ……。あとはブルー編の最後も衝撃の展開でした。

河津:あれに関しては「エンディングがないじゃないか!」と、相当言われました。でも、ブルー編はルージュと対決するところでラストなんですよ。だって、スタッフロールも入っているじゃないですか。あとは余談で一種のエピローグなんです。

 最後にラスボスと戦って、倒した瞬間に白黒になるのはなぜだとよく聞かれますが、そこはもう余談だからです。クリアしてエンディングが終わった後に、世界中を歩いているのと同じことをやっているだけなんですよ。

『サガ』シリーズ25周年インタビュー 『サガ』シリーズ25周年インタビュー

――結構思い切ったことをしていますよね。主人公のヒューズ編がカットされて、『裏解体新書』に小説として掲載されているのもビックリしましたが。あれは、ベニー松山さんが執筆されていましたが、ゲームに実装されていた場合も小説のようなお話になったのでしょうか?

河津:いや、そこはベニーさんが膨らませて書いていったものなので、全然違います。ゲームの時は事件を解決していくという流れまでは決まっていたのですが、ラスボスを何にするのかといった具体的な部分が決まらなくてボツになりました。7人でも相当しんどかったので、8人目まで作っていたら発売には間に合っていなかったですね。

――7人の主人公は全部話が違うし、ボリュームがすごい作品でしたね。まったく新しいシステムとして“連携”が採用されているなど、いろいろと詰め込まれていた印象があります。

河津:連携は『ロマンシング サ・ガ3』で合成術や陣形技をやったので、その延長線上として連携して技が出るようにしたいというアイデアからきています。連携自体はバトル側から出た案なのですが、連携名がデタラメにつながるのは自分のアイデアですね。

 開発当初、連携で技の名前をデタラメにつないで表示させてほしいと話したら「それ、いったいなんの意味があるんですか?」と小泉さんに反対されました。「技の名前を無理矢理途中で切って、こうやってつなげると変な技っぽい名前になるじゃない。それでゲラゲラ笑えるんだよ」と口で説明しても、その時は全然理解してもらえませんでした。

 結局、作ってから自分で連携をつなげてみて、「おおっ!」となったみたいですけどね。なんだこりゃ、と(笑)。

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――連携は、発動の仕方が『サガ フロンティア』とそれ以降で違いますよね。『サガ フロンティア』は連携がつながって技名が出てから攻撃しますが、それ以降は攻撃してから技名が出るようになりました。この変更には、どのような理由があったのでしょうか?

河津:いろいろと理由はありますが、システム的な都合が大きいです。連携がつながるルールや、連携技をストックしておくルールが『サガ フロンティア』とそれ以降で違うんですよ。

 実は『サガ フロンティア』の時は、連携がつながる条件がかなり強引なんです。同じ行動をしてもつながらなかったりするので、わかりやすくするために変えました。

――そういう意図があったのですね。話は変わりますが、タイトルの『サガ フロンティア』における“フロンティア”には、どのような意味がこめられているのでしょうか。

河津:意味がありそうに見えますが、まったくないです。タイトルをどうしようかとさんざん悩んで、どれもピンとこなかったので、最初に考えたものの中からフロンティアを選びました。最終的には、「まあ、いいか、フロンティアで」って、なんとなく語感で決めました(笑)。

■『サガ フロンティア2』の年表システムは『ロマンシング サ・ガ2』のころから考えられていた

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――『サガ フロンティア2』は名前こそ“フロンティア”を踏襲してますが、これまた前作とは全然違いますね。確か、シナリオは河津さんがすべてお書きになられたとか。

河津:そうです。シナリオは自分で書くしかなかったので、全部自分だけで書いてます。といっても、実はどの作品も自分でシナリオを書いているんですよ。『サガ フロンティア』は主人公別にアイデアを出してもらったのですが、シナリオという形に落とす段階では、全部自分でやっています。そういう意味では、いつも通りですね。

――『サガ フロンティア』とは違ってファンタジー系になった理由は覚えていますか?

河津:もう1回『サガ フロンティア』を作り直すことだけはないと思っていました。同じことをやってもしょうがないですし、スタッフも石井さんたちが『聖剣伝説 レジェンド オブ マナ』を作ることになったのでガラっと変わりましたから。

 年表を使うというアイデアは『ロマンシング サ・ガ2』の時も考えていたのですが、その時にやれなかったので、あらためてやりたいなと思っていてああいう形になりました。

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――ここで『ロマサガ』以降のシリーズでおなじみのフリーシナリオ要素がなくなったような……。

河津:特に意識はしていません。フリーシナリオよりも、年表をどういう順番で読んでもいいという遊びをやりたかったので。プレイの自由度という意味では、ダンジョンをクリアする方法や成長のさせ方は変わっていませんので、あまり気にせずに作っていました。

――過去のインタビューを拝見すると、フリーシナリオに飽きたという発言もあったようですが?

河津:そのころ、新しい仕組みで何かをしなくちゃいけないと思っていたんですよ。シナリオ進行というのはフラグの集積なので、フリーシナリオもフラグをどう管理していくかという仕組みでしかありません。そこを突き詰めるうえで『サガ フロンティア2』のような別の手法を一回やってみよう、という感じでした。

 シナリオはストーリーやドラマ性をゲームで表現するためにやっているので、必ずしもフリーシナリオにこだわっているわけではありません。

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――シナリオという意味で考えると、この『サガ フロンティア2』は、シリーズの中でもかなりシナリオに力が入っている作品だと感じました。河津さんは、普段システムとシナリオのどちらを重視していますか?

河津:システムから考えるので、そういう意味ではシステム優先です。システムが先にないとシナリオを書けませんからね。システムを決めて、そこにはこういった世界観やキャラクターがいいだろうと決めていくので、あくまでもシステムありきです。

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――なるほど。『サガ フロンティア2』はかなり設定を作り込んでいる作品でしたが、ゲームで語られていない設定を教えてください。

河津:基本的に、ゲーム内で全部語ってしまっているのでありません。読むだけのシナリオがあるくらいですから、カットした部分はほぼないですね。

 もちろん、長い歴史の一部なので成り立ちなどは語っていません。あとは、“エッグの正体が何か”というのもプレイしている側はわかりませんね。エッグは、あの歴史で語る人がいないから明かされないようになっています。もちろん、きちんとエッグの正体も設定していますが、それをTwitterなどで語っても「ふーん」で終わってしまうので言わないと思いますよ(笑)。

――ということは、ギュスターヴ暗殺の真相も設定してあるんですね?

河津:いえ、あれは設定していません。たとえば『エンペラーズ サガ』で『サガ フロンティア2』が出るとして、『エンペラーズ サガ』的な解釈で“犯人はこいつだった”というのをやってもらうことがあるかもしれません。

市川:『エンペラーズ サガ』はスピンオフという印象が強いですけど、本編のゲームには影響しないという設定なんですよ。だから、本編の裏設定を語る時は河津に聞かないとできません。

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――話は変わりますが『サガ フロンティア2』からは音楽が浜渦正志さんになりました。その経緯について教えてください。

河津:それは、イトケンが退社しちゃったからという単純な理由です。基本的に社内の人間で作っているので、音楽は誰がいいかなと考えていたら、植松さんから「浜渦君がいいよ」と勧められたので彼を起用しました。

■『アンリミテッド:サガ』と『FF:U ~ファイナルファンタジー:アンリミテッド~』の関係

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――『アンリミテッド:サガ』について、当時の思い出を教えていただけますか? 個人的にTRPGのエッセンスをすごく感じた作品でした。

河津:いらない要素を削ってしまおうという部分もあったのですが、もともと携帯ゲーム機向けに作っていたので、あの形になりました。ゲーム機のRPGを再設計しようという気持ちもあり、バトルができればいいんじゃないかなと考えた結果、バトルのシステムだけに注力したゲームになったんです。

――イラストも小林智美さんから直良有祐さんに交代するなど、いろいろと変わった印象があった作品でした。

河津:直良はもともとBG担当だったのですが、キャラクターにも挑戦したいと言っていた時期だったので、彼に全キャラクターを描いてもらいました。最初にどういう画面作りにするのか、といったところから描いてもらっていますね。

市川:お二方とも色がありますよね。『エンペラーズ サガ』でカードの発注をするときに、他の人に発注してもなかなか『サガ』っぽくならなくて困るんですよ。

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――それまでのシリーズといろいろな部分が違っていて話題になりましたが、特に全身に鎧が装備できるのは驚きました。あれは、どういうことを意図して入れたシステムだったのでしょうか?

河津:最初から、どこに何を装備してもいいというシステムを入れる予定でした。その理由は、七大脅威で見つかる遺物は正体がわかっていないという設定だからです。あの世界では、本当はよくわからない物を、使っている人が自分で勝手に決めつけて使っているんですよ。

 だから、遺物として手に入れた武器はナイフに見えるかもしれないけれど、本当にナイフなのかはわからないんです。ナイフっぽいからナイフのように使っているだけ。そういう設定があったので、どこにでも装備をつけられるようにしました。

――そんな設定があったのですね。個人的には、攻略本に載っていたイスカンダール編の小説が気になっているのですが、ゲームでもイスカンダール編を入れる予定があったのでしょうか?

河津:はい。もともと、イスカンダールが主人公のシナリオをやるつもりでした。といっても、かなり初期の段階でその構想はやめています。ルビィだけは七大脅威をすべて回るのですが、あれはイスカンダール編で彼が全部回るという構想が最初にあったからです。結果的に、その役割をルビィが取っちゃった形ですね。

――それまで数字のついた存在は敵幹部でしたが、本作では地形に“七大脅威”として冠をつけていることも特徴的でした。

河津:特に意識はしていません。ただ、七英雄の後は四魔貴族で数を減らしたように、エスカレートしていくと大変なので、どこかでやめなきゃということは考えていました。『サガ フロンティア』のように主人公が別々なら考えなくてもいいですし、『サガ フロンティア2』でも特に意識はしていないですね。

 七大脅威はゲームを作り始めたころに思いついた設定で、中身までは決めていなかったのですが、七大脅威があって、それに関していろいろなことが起きる話として考えていました。

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――そもそも、七大脅威自体がクリアしてもよくわからないですよね。あれは、あえて語らないということなのでしょうか。

河津:そうです。イスカンダール自体も知らないことなので、あの世界では語る人がいないんですよ。わかる人が、あの世界には誰もいない。もちろん、自分の中で設定としては決まっています。一応、ナイト・オブ・ザ・ラウンドテーブルは七大脅威について知っているのですが、彼らは敵なので語ってくれません。

――徹底していますね。本作はラスボスも強く、すごくバトルが難しいゲームだったという印象があります。とりわけ特徴的なシステムとして“リール”がありますが、これはどういう意図で導入されたのですか? 

河津:TPRGのサイコロ的な意味合いで入れたのですが、あそこまで複雑になるとは思っていませんでした。バトルは目押しができれば楽勝なんですけど、自分も目押しできませんから(笑)。

 『アンリミテッド:サガ』はシステム的に特殊にしすぎてしまった部分があるので、どこかでまた、キャラと世界観を使ってあげたいと思っています。

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――世界観といえば、当時河津さんが監修している『FF:U ~ファイナルファンタジー:アンリミテッド~』というアニメが放映されていましたね。あの作品と本作は関係があるのでしょうか?

河津:当時、裏設定として関係していました。“アンリミテッド”という設定が共通なんですよ。『アンリミテッド:サガ』の中では直接語っていませんが、イスカンダールがあの世界の“アンリミテッド”なんです。

 彼は、あの世界では普通の強さなのですが、他所の世界にいくと超人的に強くなる。きっと、別の世界ではソイルを使って魔銃(まがん)を撃っていると思いますよ(笑)。

■原点回帰を狙った『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』

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――『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』は、初代『ロマンシング サ・ガ』を大胆にリメイクした作品でした。この作品を開発した経緯について教えてください。

河津:『アンリミテッド:サガ』の時にいろいろ言われたので、原点回帰をやりましょうということになりました。1から世界観を作るのは大変なので、すでにあった『ロマンシング サ・ガ』の世界観やシナリオを使って、PS2向けのゲームを再構築しようと始めたのが本作のスタートですね。

 実は既存の設定を使うことで開発期間を圧縮することが一番の目的だったのですが、全然短くならなかったんですよ(笑)。

――イラストは『アンサガ』に引き続き直良さんが手掛けられていましたが、キャラクターが『ロマンシング サ・ガ』のころとはガラっと変わっていましたね。

河津:彼らのモチベーションもあるので、好きに変えていいよとデザイナーたちに言ったんです。その後、なんだかんだといろいろとありましたが今の形に落ち着きました。シフは角が生えちゃいましたからね。角が本当に生えてるのか、角をつけているのかもわからないですけど。

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――『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』の設定は、SFC版の開発中に考えていたものを使って作られたのでしょうか?

河津:そうです。基本的には当時あった設定を使って、オリジナルの時にやれなかったことを入れた形です。海賊シルバーも当時出さなかっただけで、最初から設定として作っていました。出てこないと言われたデスティニーストーンも全部入れて、それに関連したイベントを増やして……と、そういう意味ではごくごく普通のリメイクですね。

――ということは、隠しキャラクターのダークも当時からいたのでしょうか?

河津:ダークは新キャラです。本当はダークでプレイできるようにするつもりだったのですが、結局プレイキャラにはなりませんでした。

――ダークは1周目で出会おうとするときついキャラでしたね。他にもシェラハとのバトルや真サルーインなど、周回することで楽しめる要素が多かった気がします。

河津:狙ってやっているわけではありませんが、結果的に周回しないと出ないようにしました。シェラハは最低でも3周しないと出てこないので、大半の人はシェラハ戦の曲を生で聞いてないんじゃないでしょうか。

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――『サガ』シリーズはリメイクされた作品が少ないと思いますが、『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』のような名作を遊んでいると、もっとリメイク版も作って欲しいと思っちゃいますね。

市川:リメイクは、河津が主導しないと作れないと思います。

河津:作るのは大変だとは思いますが、やりたい人が作っていいんですよ。ただ。「このキャラクターはひと言しかしゃべらないけど、元の作品を作ったヤツは何考えていたんだ!」とか「これを設定したヤツはいったい何がしたかったんだ!」って、なるような気もしますが(笑)。

 今の時代は、キャラクターを「かえれ!」のひと言だけで放置することってできないじゃないですか。きっと、なぜ「かえれ!」と言うのかといったことまで、ちゃんと作らなきゃいけない。すごく大変だと思います。

■『サガ』の今後……2015年はゲームの外でも中でも、お祭りに!

――『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』以降、『サガ』シリーズはリメイクが続いていました。今回、新作が発表できたのは25周年という節目の年だったことが大きいのでしょうか?

河津:むしろ、市川が『エンペラーズ サガ』をやってくれていたことが大きいです。25周年といっても、きっかけがないと動けませんから。

市川:いやいや、リメイクやIPを再度立ち上げるのは、結構難しいんですよ。河津がいなかったら難しかったと思います。

河津:しばらく新作が出なかった理由をお話しますが、これは、自分が『サガ』の新作をやっているヒマがなかったからです。途中で、いろいろなプロジェクトをやっていましたが、今回ようやくこういう形で新作にたどりつきました。

 『サガ』以外にも『ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル』など、いろいろな作品をやらなくてはいけなかったので、なかなか『サガ』をやりたいとは言えない状態だったんですよ。そうこうしているうちにスタッフも集まらなくなっちゃったので、いろいろ大変でした。

市川:PS2からPS3へ移った段階で、社内でもゲーム制作の方針が変わっちゃいましたからね。

河津:社内方針も結構影響しましたね。当時は社内で“ワールドワイドなゲームを作りましょう”という合言葉があって、そうなると『サガ』を作る意味はあるのか難しい部分もありましたから。

 そもそも『サガ』は最初からユーザーを限定するシリーズという部分もあったので、海外に持っていっても売る時に制約がついてしまうんですよ。だったら、世界に向けた新作を作ったほうがいいと。そういうプロジェクトで作られたのが『ラストレムナント』という作品でした。そんな感じで『サガ』をお休みしている間に、気が付いたら時間が経ってしまいましたね。

――あの時代は、シリーズよりも新作が重視されていた感じもあり、PS2まで出ていたタイトルがPS3で出なくなるというパターンも多かったですね。

河津:当時、うちの会社だけではなく、日本のゲームメーカー自体がどこもそういう呪縛にとらわれていた気がします。その間に、携帯電話やスマホへゲーム機の市場が移っちゃいましたね。海外展開を気にしすぎてしまっていたので、今思うと自分としてはあまりいい時期ではなかったかもしれません。

 逆に、今は海外を気にせずに、日本のユーザーに向けたものを作ろうという流れがあるんです。スマホでは遊べないゲームを遊びたいという声がすごく高まっているので、コンシューマでゲームを作ろうというメーカーも多いですよね。『サガ』の新作も、そうした流れの一環で作れたという部分があります。

――スマートフォン市場では『エンペラーズ サガ』を展開されていますが、スクウェア・エニックスのソーシャルゲームタイトルとしても、かなり早い段階からサービスが始まっていますね。河津さんの方針もあると思いますが、ハードに関係なくチャレンジするのは、すごく『サガ』っぽいと思います。

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市川:『ファイナルファンタジー ブリゲイド ブレイク ザ シール』と同じ年に始まったので、弊社のソーシャルゲームの中でも早いほうですね。当時のことはあまり覚えていませんが、大好きな『サガ』の仕事が降ってわいてきたのですごくうれしかったんですよ。

 実際に『エンペラーズ サガ』を始める時は、河津と毎週定例をさせてくださいとお願いしました。そうしないとエッセンスはわからないだろうなと思いましたし、密に河津と話すことでいろいろと得られたことが多いです。やっぱり、ちゃんと直接会って話さないとわからない部分ってありますから。とはいえ、結局、“サガらしさ”のエッセンスはお客様の体験やプレイした経験によるところがあるので、いまだにわかりませんけどね。

 『サガ』とは何かという話だけでも、開発のオルトプラスさんと激しく議論をするぐらい話し合っています。うちの社内でも『サガ』とはなんなのか、もっと意識が高くないと『サガ』を作ってはいけないんじゃないのか、という話がよく出ているくらいです。

 でも、そこは河津じゃないとわからないものですよね。たとえば、河津が『ロマンシング サ・ガ2』をリメイクしたら、きっとお客さんが驚くような設定を頭の中に隠し持っていると思いますが、たぶん、河津しか知らないことなんですよ。当時のスタッフにもあえて言っていないと、よく言っていますから。

――過去のインタビューでも、あえてスタッフに設定を語らないとおっしゃってましたね。

河津:スタッフが最初のユーザーなので、そこの反応を見ていろいろ決めているんです。だって、スタッフが喜ばないものを作ってもしょうがないじゃないですか。

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▲鋭意開発中の『SAGA2015(仮称)』。いったいどんなゲームになるのでしょうか。(画像はニコ生での番組をキャプチャーしたもの)

――そうした、あえてスタッフへ伝えず、想定以上のものが上がってくるのを期待するという制作スタイルは『SAGA2015(仮称)』でも変わりませんか?

河津:できるだけそうしたいとは思っていますが、今風の作り方になると思います。もうちょっと、ちゃんと教えてくれと言われるでしょう(笑)。今は昔みたいに「好きに作っていいよ」と言って、「わかりました」と喜んで作る人ばかりではありませんので。

 プロジェクトの管理としては当たり前なのですが、かといって「いつまでに何をここまでやっておいて」と指定しちゃうと、こちらの想定内におさまってしまうことが多いので、本当はそれはイヤなんですよね。

 きっちりと作れば、当然きっちりしたものができますが、それ以上にはならないと思っているんです。何が起きるのかわからないというところまで含めて、『サガ』になるんですよ。

市川:プロデューサーとしては、きっちり作って利益を出さないと困るので、そのバランスは難しいところなんですよね。

――先ほど『サガ』とは何か、というお話が出ましたが、河津さんの中で“サガらしさ”とはどういうものだと思いますか?

河津:気にしていませんし、特にないと思います。“サガらしさ”なんていらないですよ。あえて何かと言われれば、まあ、とりあえずひらめいとけばいいんじゃない、みたいな(笑)。

市川:河津は、おそらくご自身が『サガ』そのものみたいなものなので、それでいいと思いますけど、周りのスタッフはみんな大変だと思います。何が“サガらしさ”なのかを考えるのって。

河津:よくスタッフに「これってちゃんと『サガ』になっていますか?」と聞かれますが、困るんですよね。「おもしろければ別になんでもいいよ」と返していますが。『サガ』らしいかというよりも、おもしろいかどうかのほうが先ですよ。まず、ゲームがおもしろくなければ話になりません。

――となると、『SAGA2015(仮称)』でも“サガらしさ”は意識されずに作られている、と。

河津:今回に関しては、シリーズ25周年として発表した物なので最低限は気にしています(笑)。全然見たことも聞いたこともないようなゲームが出てきて「これが『サガ』です」ということにはならないと思いますよ。小林智美さんとイトケンを起用したのも、鉄板として最初からそうしようと決めていました。

 これには、外見で“サガらしさ”を担保しておけば、ちょっとシステムなどが特殊でも大丈夫だろうという狙いもありますけれど(笑)。

――小林さんは現在発表されているキービジュアルのキャラクターを手掛けてますね。これはいったい?

河津:何者なんでしょうね? そこに関しては、本作の核心に触れる部分なので、まだお答えできません。

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――わかりました。まだまだ、お話しできないことも多いと思いますが、『SAGA2015(仮称)』は、これまで出てきた『サガ』シリーズの中でどれに近い作品になると思いますか?

河津:近さでいえば『ロマンシング サ・ガ』シリーズです。今回はそこを意識して作っているので、ファンタジーよりの『サガ』になりますね。とはいえ、『ロマンシング サ・ガ』そのものかと言われれば、また違うものではありますが。

――『サガ』はシステムが重要になってくる作品ですが、今回は『ロマンシング サ・ガ』にあったシステムを踏襲していると考えてもよろしいのでしょうか?

河津:それはどうでしょう。『ロマンシング サ・ガ』シリーズはシステムが毎回違いましたし、連携もありませんでしたから。むしろ、いろいろな『サガ』から要素を集めている作品になりそうですね。

――期待しています。ところで、現状ではどれくらい開発が進んでいるのでしょうか。

河津:シナリオはまだ終わっていません。今、まさに改造中で大変なところですね。システムは、ほぼ固まっていますが、バトルはまだまだ二転三転すると思っています。

 すでに、ひらめきや連携や陣形といった伝統的な要素があるので、あるなら使えばいいんじゃないとスタッフに言っているのですが、それらをどうミックスするのか、どのような形で使っていくのかは、なかなか決まりにくい部分ではあるんですよ。全然違う要素が入るかもしれませんし、まだまだ練っている最中です。

 あと、本作は今風のゲームにする必要も感じています。PS Vitaで遊ぶという操作感も含めて、そういうところはつねに変えていかなきゃいけないと思っています。

――わかりました。今年は『SAGA2015(仮称)』にかかりっきりだと思いますが、同日に発表された『インペリアル サガ』のほうには、どれくらいかかわっているのでしょうか?

河津:『インペリアル サガ』に関しては、基本的にスタッフにおまかせしていますが、要所要所で確認しているようなスタンスです。

市川:『インペリアル サガ』は、まさに現在鋭意制作中です。ただ、シナリオを『エンペラーズ サガ』のスタッフが書いてるので、世界観がつながっていたりするかもしれません。こちらはオールスターの『サガ』なので、河津が作っている『SAGA2015(仮称)』とは全然別のポジションになると思います。

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――最後に、今年はあらためて『サガ』イヤーということになりますが、『SAGA2015(仮称)』を楽しみに待っているファンの方へひと言お願いします。

市川:自分は『エンペラーズ サガ』から入って、河津が今手掛けている新作を横で見ているのですが、数人の人が動くだけでも何かが盛り上がるきっかけになると思っています。『サガ』シリーズに縁があると自分では思っているので、恩返しではないですが、『サガ』が盛り上がる一翼を担えるならなんでもする気持ちでいます。

河津:今年は『サガ』25周年ということで、新作以外にもお祭り的なことをいろいろやりたいと考えています。佐賀県とのコラボレーション第2弾“ロマンシング 佐賀2”で“ロマンシング 佐賀 ラッピング電車”を走らせるのもその一環ですね。もちろん、『サガ』はゲームタイトルなので、ゲームがメインにはなりますが、ゲーム以外でもお祭り的にファンの方たちと盛り上がっていきたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いします。

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データ

▼『SAGA2015(仮称)』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS Vita
■ジャンル:未定
■発売日:未定
■希望小売価格:未定

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