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2015年1月21日(水)

シリーズファンが『ブレイブリーアーカイブ』を評価。ジョブ選びやキャラ育成が楽しすぎる!

文:そみん

 スクウェア・エニックスが配信中のスマホアプリ『BRAVELY ARCHIVE D’s report(ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート)』(Android版は配信中/iOS版は1月配信予定)のレビューをお届けします。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 このタイトル、3DS用ソフト『ブレイブリーデフォルト』の大ファンである自分にとっては、その続編『ブレイブリーセカンド』と同じくらい気になっていました。ちなみに信者レベルで大好きな『ブレイブリー』の名前を冠した作品だけに、発表直後から「シリーズ作品をスマホで遊べるなんて!」という期待と「名前を借りただけの凡作だったらどうしよう……」という不安が入り交じる複雑な心境に。

 そんな中、いよいよ配信が始まったAndroid版を遊んだ率直な感想は、「これはおもしろい!」と興奮するよりも、「今のスマホRPGの“王道”として、とても出来がよい」と冷静に感心してしまうほどの完成度の高さでした。なんて書き方をするとネガティブに感じるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。配信開始から1日10時間ペースで遊びまくっているほどハマっています。仕事中でも“ながらプレイ”ができるオートバトルの搭載も、“今のスマホRPG”の常識ですしね。

 このおもしろさをぜひ多くの人に伝えたい! というわけで、ストーリーやシステムの出来がどうなのか、本作を遊ぶ前に知りたいであろうことを一問一答形式でまとめました。『ブレイブリー』が好きな人、RPGが好きな人、楽しいスマホアプリを遊びたい人……いろいろな人にオススメです!

●『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』プロモーション動画


Q:『ブレイブリー』シリーズを遊んでない人でも楽しめるの?

A:予備知識なしでもOK! 世界観は共通しているけどキャラも物語もオリジナル寄りです!

 シリーズものと聞くと「前作や関連作を遊んでいないから……」とおよび腰になる方もいるかと思いますが、『ブレイブリーアーカイブ』は大丈夫です。関連作品のキャラが登場するものの、メインストーリーにからむというよりも、“歴代キャラクターで夢のパーティを組める!”という部分が大きいので、置いてけぼりにされることはありません。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 物語の舞台は『ブレイブリーデフォルト』と同じルクセンダルクですが、時間軸はまったく異なります。本作からのオリジナルキャラクターによるストーリーが展開するので、関連作品をまったく知らなくても大丈夫です。


Q:じゃあ逆に、シリーズを遊んでいても意味がないの?

A:随所の小ネタでニヤリとできます。PC『プレイングブレージュ』ファンは特に!

 システム面は後述するとして、設定やストーリー的な部分で考えると、3DS用ソフト『ブレイブリーデフォルト』と『ブレイブリーアーカイブ』の接点はほとんどありません。もちろん、ジョブやアビリティ、専門用語や地名、登場するモンスターといった部分は一部共通していますが、あくまでもおまけのレベルかと(後述しますが、ゲーム的なおもしろさの部分では共通する部分が多々あります)。

 かといって過去作品と『ブレイブリーアーカイブ』になんのつながりもないのかと言えば、それは違います。例えば、キャラクターごとに設定されたプロフィールを読むと、3DS用ソフト『ブレイブリーデフォルト』や『ブレイブリー』シリーズのPCブラウザゲーム『ブレブリーデフォルト レイングブレージュ』に出てきた用語や事件がちょこちょこと出てきます。まあ、そもそも『プレイングブレージュ』から参戦しているキャラクターも多いので、なつかしい用語が出てくることも当然といえば当然ですけどね。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』 『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 そしてもう1つは、“キャラクターダンジョン”の存在です。これはメインストーリーとは別軸で展開するもので、特定のキャラクターにスポットを当てたエピソードを楽しめます。前述したように、メインストーリーは新規ユーザーでも楽しめるように本作オリジナルの展開が主体ですが、このキャラクターダンジョンのエピソードは比較的“わかっているシリーズファン向け”の内容となっています。『プレイングブレージュ』で大活躍したプリンちゃんを筆頭とするアイドルグループ“プリティ・ケイクス”など、シリーズファンならニヤリとできるエピソードも楽しめますよ!

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』 『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

Q:そもそも『ブレイブリーアーカイブ』って何が楽しいゲームなの?

A:個人的にはバトル8:ストーリー2。あと、レベル上げが尋常じゃなく楽しい!

 あくまで個人の感覚ですが、ストーリーはまだ序盤ということもあって普通です。12章ぐらいまでを遊んだ感覚としては、キャラの顔見せが終わって、これから盛り上がっていきそうな感じがしますけどね。先のストーリーやキャラ別のエピソード(キャラクターダンジョン)を楽しみたいというモチベーションはあるものの、やはり『ブレイブリーアーカイブ』の最大の魅力はバトルだと思います。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 『ブレイブリーデフォルト』が好きな人には言わずもがなですが、『ブレイブリー』シリーズは本当にバトルがおもしろいことが特徴。親しみやすい“ターン制コマンドバトル”をベースにしながら+αを加えてオリジナリティを生み出しています。ひとまず簡単に説明すると、敵を浮かせる&地面に叩きつけてダメージアップをはかるシステムと、行動回数と特殊効果(2回行動や全体攻撃など)を兼ね備えたジュエルの概念によって、他のRPGとはひと味違うバトルの楽しさを味わうことができます。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 さらに声を大にして言いたいのは、キャラのレベル上げが楽しいこと! これは別に育成のシステムどうこうではなく、単純作業としてのバトルで敵を倒す→経験値を稼いでレベルアップというルーチンワークのテンポが絶妙で楽しいという意味です。ルーチンと聞くとマイナスの印象もあるかもしれませんが、自分のようにファミコンやスーパーファミコンのRPGを遊んできた世代なら、あの“同じ場所をぐるぐる歩きながらレベル上げをする楽しさ”をわかっていただけるのではないかと。適度に戦うと適度にレベルが上がっていくテンポ感って、RPGの楽しさの1つだと思います!


Q:敵を浮かせるとかジュエルがどうこうとか、バトルが複雑で難しそう……

A:いやいや、フリック操作でのターン制コマンドバトルなので超簡単ですよ!

 バトルは本作のキモであり、非常に楽しい部分です。ただ、ちょっと要素が多いので難しそうに見えてしまうかもしれません。なので、ここではそんな誤解を解きつつ、要点を説明していこうと思います。

●『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』バトルプレイ動画

 まず大前提として、本作は敵味方が交互で行動するターン制なので、焦る必要はありません。コマンド入力の方法は、キャラの顔を上下左右にフリックするだけと簡単です。基本的に左入力が通常攻撃、右入力が防御行動や回復、上入力がアッパー攻撃や補助行動で、下入力がダウン攻撃となります。また、ゲージがたまった状態でダブルタップをすれば必殺技を繰り出せる他、回復や補助アイテムを使うこともできます。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 ここで覚えてもらいたいのが、アッパー攻撃とダウン攻撃の存在です。これは『ブレイブリーアーカイブ』のバトルで大ダメージを狙う際に重要な要素となります。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 といっても、要はアッパー攻撃で敵を浮かせて、ダウン攻撃で地面に叩きつければ大ダメージを与えられるということです。難しく考える必要はありません。ただし、重い敵は浮かせにくいので、アッパー攻撃に設定された浮力が低いとダメなことがあります。浮力が1~2だとちょっと不安な感じで、4以上だとだいたいの敵を浮かせることができるはずです。

 もう1つ大事なのは、一度浮かせてしまえば、浮力が低いアッパー攻撃でも、浮かせた状態を維持できること。初撃として浮力が高いアッパー攻撃を使い、その後は別のキャラがアッパー攻撃を何度も決めて敵を高く浮かせて=ダメージアップの補正を高くして、最後の最後にガツンとダウン攻撃を叩き込むのがセオリーです!

 おさらいとして、敵を浮かせる&叩きつける際の主なルールをまとめましたので、こちらも参考にしてみてください。

●敵を浮かせる&叩きつける際の主なルール

・アッパー攻撃を当てると敵を空中に浮かせることができ、その状態の敵をダウン攻撃で地面に叩きつけると大ダメージを与えらる

・重い敵ほど浮かせにくく、キャラのステータスやアッパー攻撃に設定された浮力が高くないと浮かせることができない

・重い敵ほど、浮かせてからダウン攻撃を決めた際に大ダメージを与えられる

・浮いた敵を1ターン放置すると、高さが1下がる

・浮いた状態の敵に追加でアッパー攻撃を加えると、より高く浮かせることができる=ダメージアップの補正が高くなる(浮力が低くても成功する)

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』 『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 続いて、本作独自のジュエルについて解説していきます。ジュエルは行動力のようなもので、パーティメンバーが1回行動すると1つずつなくなり、全部なくなると敵のターンに移ります。このジュエルは敵を1体倒すと1つ増えるので、うまく順番を考えて敵を倒すことが行動回数を増やすコツとなります。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 これだけならばわりとオーソドックスなシステムなのですが、そこに特殊効果が加わることで、『ブレイブリーアーカイブ』のバトルは飛躍的におもしろくなっています! ジュエルには特殊な効果が備わっており、誰にどの“ジュエル”を使ってどんな行動をさせるのかを考えることが楽しいのです。

●ジュエルの特殊な効果

・ノーマルジュエル:通常の行動を取る

・アタックルビー:物理攻撃力が2倍の行動を取る

・マジックアメジスト:魔法攻撃力が2倍の行動を取る

・オールトパーズ:対象が敵全体となる。ランダムを対象にした複数回攻撃は、初撃のみ全体効果となる

・ライフエメラルド:行動後にHPが回復する。大ダメージを与えるほど回復量が増える

・ツインジュエル:同じ行動を2回取る

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 これらの効果は必殺技に対しても有効なので、うまく行動順番を考えることが大切です。ちなみに1ターン内に同じ行動は1回しか行えません。強力な必殺技、もしくはダウン攻撃をどこで繰り出すのか? いろいろと考えながら戦うことが楽しくなってくると、『ブレイブリーアーカイブ』にハマってきた証拠ですよ。

 ちなみに時魔道士系の場合、敵全体にアッパー攻撃を繰り出すクエイク系→敵全体にダウン攻撃を繰り出すグラビデ系で手軽にダメージアップを狙えます。ただ、グラビデ系は敵が浮いている状態じゃないとミスとなるのでご注意ください。


Q:最近のゲームはなんでもかんでも3Dで性(しょう)に合わぬ!

A:むしろ2Dのチビキャラが動きまくります! 武器出しアクションとかオークの攻撃アクションとか、いい意味で無駄にこだわりすぎ!!

 ファミコン時代からゲームを遊んできた自分にとって、どちらかといえば2Dグラフィックのほうが親しみが湧きます。ゲーム好きの方の中には、自分のようなタイプも多いのでは?

 そんな方はぜひ、『ブレイブリーアーカイブ』のチビキャラのアクションを見てください! なんかもう、とにかくぬるぬると動きます。各攻撃アクションで派手に動くのはもちろん、バトル突入時に武器を出すアクションだけでも気合が入っています!! 個人的にはアイドル系がマイクスタンドを取り出す動きがかわいすぎ♪

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』 『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』
『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』 『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』
▲武器出しのアクション。ちなみに、勝利後に武器をしまう時はまた別のアクションになります。これぞ職人芸!

 そのクオリティの高さは敵についても惜しみなく力が注がれています。オーク系の敵なんかも動きが細かくて、倒れこむアクションまでしっかりと描かれていた点に驚きました。なぜオークにここまで力を入れるのか? 点滅させて消滅させれば苦労せずに済むのに(笑)。

 女の子系のサキュバスを倒した時に、目を閉じて膝をつく演出を見た時は、その仕草がかわいすぎて胸がキュンとしました♪ でも、こういったある意味で無駄なところに力を入れることって大事だと思いますし、大好きです!

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』 『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 余談ですが、ダンジョンの移動中はちゃんとパーティメンバー6人がぞろぞろと並んで移動します。こういう演出もRPGらしさが感じられて、『ブレイブリーデフォルト』が好きだった自分としてはポイントが高いですね。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

Q:ストーリーの出来は? かわいいキャラはいるの?

A:12章時点ではほのぼの日常寄り。女性キャラはいい味を出しています!

 ストーリー的にはまだ序盤ということもあり、大事件は起きていません。シリアス系というより、先輩や同僚といっしょに世界各地で冒険をしている感じですね。ちなみに本作のストーリー概要は以下となります。

 『ブレイブリー』シリーズの世界からは数百年後の舞台。あるかもしれなかった別の並行世界。

 アナスタシス図書館。ルクセンダルクの中央に位置するすべての知識が集められる場所。

 新米司書となった君は、クリスタルへと封じられた“記憶”から知識を集めるために世界中を飛び回ることになる。

 それが、どんなに危険な場所だとしても……。

 というわけでプレイヤーは新米司書となり、図書館に知識を収めるため、世界中を駆け回ることになります。本作における司書とは、世界に散らばるクリスタルに秘められた知識を求め、危険なダンジョンを探索する図書館の職員のこと。メインキャラクターは主に同僚ですが、時にはクリスタルを狙うライバル的なブローカーが登場することもあります。


●ダリア ~主人公の先輩となる指導役

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 いわゆる男勝りな姐御肌で、ちょこちょこと主人公に説教やアドバイスをするシーンも出てきます。自分自身を女性として考えていないタイプなんですが、ひょんな時にかわいい反応を見せることがあるのが萌えです。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

●ビビアン ~主人公に対抗意識を燃やす女性司書

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 ダリアを慕う女の子で、とにかく主人公にかみついてきます。口癖は“オタンコ○○”で、オタンコピーマンやオタンコニンジンといった使い方になります。その理由は野菜のナスが嫌いだから(笑)。そんな子どもっぽさに萌えちゃいます。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』 『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

●チャリア ~天然ふわふわ系のお姉さん

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 いい意味でベタです。外見から想像できるように、ふわふわしたしゃべり方をするお姉さんで、とてもかわいいです! ダリアとのかけあいもおもしろくて、萌えの塊ですね。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

●フランク ~アナスタシス図書館の長

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 主人公へのアドバイスや仕事の依頼を行うことが多い老人です。今のところは普通によき上司といった感じです。

 『プレイングブレージュ』では重要なキャラクターでしたが、今回はどのように物語にからんでくるのでしょうか。


●ドミトリ ~いつでも妹ラブなブローカー

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 クリスタルをめぐって司書と対立するブローカーです。まだ詳細は明かされていませんが、どうやら司書を恨んでいるようで、過去に何かあったようですね。ちなみに現在のところは単なるシスコンの印象が強いです。


●リーチェ ~人見知りが激しい女性ブローカー

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 外見的には明るそうに見えますが、実はシャイというギャップが萌えですね。近寄る男に対しては兄のドミトリが容赦をしないようです。個人的にはこういうライバルキャラには、物語後半で仲間になることを願います!


Q:音楽重視派なんですが、ちゃんと熱い音楽はある?

A:筋肉がはじけて血がたぎるほど熱い神曲ぞろいです!

 本作の音楽には『ブレイブリーデフォルト』の楽曲が使われています。ひたすら熱くてかっこいい神曲がそろっているので、ぜひ一度聴いてみてもらえればと思います。

 ちなみに『ブレイブリーアーカイブ』では中ボス戦やボス戦で『彼の者の名は』(『ブレイブリーデフォルト』でのアスタリスク所持者とのバトル曲)が流れるのですが、たまにオーク系と戦う時にこの曲が流れて、無駄にテンションが上がりまくることがあります。オークがかっこよく見えてくるから不思議(笑)。

『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』

 自分のように「RPGのバトル音楽は熱いものが好き!」とか「フィールド曲は冒険感が感じられないとヤダ!」なんて人にはマッチすると思いますよ。


 最後にまとめとなりますが、『ブレイブリーデフォルト』が好きだった自分としては、この『ブレイブリーアーカイブ』は非常にツボでした。シリーズファンでなくても楽しめるものとなっているので、スマホでRPGを遊びたい人、特に自分のようにレベル上げやキャラクターの育成が好きな人はぜひ遊んでみてほしいと思います!

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