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2015年1月29日(木)

『ひつじとどろぼう』で制作者の坂下裕一氏と対戦! 自分だけの牧場を作ろう!!【アナログゲーム連載】

文:梅津爆発

 アナログゲームの制作者と、その人が作ったゲームを一緒に遊んで戦略やテクニックを勉強させていただく企画“アナログゲームでガチバトル”

 2015年最初の記事となる今回は、ひつじ年にちなんで、ボードゲーム制作サークル“Power9Games”の坂下裕一さんが手がけた『ひつじとどろぼう』を取り上げます。

 今回は制作者の坂下さんだけではなく、以前電撃オンラインで取り上げたカードゲーム『赤ずきんは眠らない』の制作者で、坂下さんのご友人でもあるじゅんさんにも参加していただきました!(※リプレイ中は敬称略)

『ひつじとどろぼう』
▲左が坂下裕一さん、右がじゅんさん。ちなみにじゅんさんが持っているのはイタリアuplay社版の『赤ずきんは眠らない』。

【リプレイ参加者(敬称略)】

坂下裕一:ボードゲーム制作サークル“Power9Games”の代表。2012年の秋に『Dragon’s Stone』でゲームデザイナーデビューを果たした。ドラフト形式のゲームに強いこだわりを持つ。

じゅん:ボードゲーム制作サークル“Junias<ユニアス>”の代表。代表作の『赤ずきんは眠らない』は、海外版も発売されるなど大きな注目を集めた。最新作は『ワリトリペンギン』。

てけおん:電撃オンラインスタッフの1人。TCGやアナログゲームにも詳しく、『ひつじとどろぼう』もかなり遊んだということで参加してもらった。

梅津爆発:アナログゲームをこよなく愛するフリーランスの編集者。最近のお気に入りは『グラスロード』『ゴリティア』など。このリプレイは梅津爆発の視点で書かれています。

■ゲーム概要

 『ひつじとどろぼう』は初心者から熟練者までが手軽に楽しめるドラフトゲーム。街道やひつじ、川やどろぼうなどが描かれた数枚の草原カード(以下カード)から、欲しいカードを1枚取り、残りを隣のプレイヤーにわたします(この配り方をドラフトと呼びます)。

 わたされたカードからさらに1枚取ることを繰り返し、5枚になったら今度は入手したカードを配置。これを3ラウンド行い、街道を家から街へとつなげるのが基本的な目的です。

『ひつじとどろぼう』
▲グラフィックデザインを担当したのは、魅力的なアートワークで人気を集め、多くのアナログゲームを手がけているTANSAN&Co.のU井さん。

■ルール説明

坂下:まず簡単にルールを説明します。ゲームの目的は、各プレイヤーに配られた4×4の地図にカードを置いて街道を伸ばし、12枚置いた時点でもっとも得点の高いプレイヤーになることです。

『ひつじとどろぼう』
▲各プレイヤーに配られる地図はこちら。左上には一番最初にランダムで配る家カードを配置(1と書いてある家カードを受け取った人がスタートプレイヤー)。左下、右上、右下にある街まで街道をつなげると得点獲得。

坂下:カードは最初に全員に5枚ずつ配り、各自欲しいカードを1枚選んだら残りを左隣の人にわたします。すると右隣から4枚わたされますので同じように1枚選んで残りを左隣の人に。これを繰り返して手札を5枚にします。

『ひつじとどろぼう』
▲配られたカードの中から1枚しか選べないので、どれを選ぶのかがとても重要に。

坂下:続いてスタートプレイヤーから1枚ずつ順番にカードを置いていきます。置き方にはルールがあって、すでに置かれているカードと縦か横に接する場所にしか置けません。最初は左上のスタート地点にしかカードがないため、ここからだんだんとカードが広がっていく感じになります。

『ひつじとどろぼう』
▲基本的には街道がつながるようにカードを配置。なおスタート地点には最初から1匹のひつじと小屋が描かれています。

坂下:川が描かれたカードにはもう1つ決まりがあって、川の流れが矛盾なくつながるように置かなければなりません。地図の外やまだカードを置いていない場所に対して川がつながっているのは大丈夫ですが、川の流れを寸断するように街道などをつなげるのはNGになります。置きにくい代わりに、2枚以上つながっている川は最後に1枚あたり2点となります。

『ひつじとどろぼう』
▲川が描かれたカードは高得点につながる分、ほかのカードが置きにくくなるデメリットも。

坂下:そしてカードを置いたら、描かれているイラストによってさまざまな効果が発生します。

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲ひつじが描かれていると、同じ数のひつじコマをそのカードの上に置ける。最後まで残ったひつじコマは1個1点に。▲牧羊犬が描かれていると、牧羊犬の数だけ好きな1マスにいるひつじすべてを、隣のカードへ動かせる。
『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲どろぼうが描かれていると、どろぼうの人数だけどろぼうコマを隣のマスへ動かせる(詳細は後述)。▲小屋が描かれたカードの上にいるひつじコマは、どろぼうに奪われなくなる。

坂下:特に重要などろぼうについて詳しく説明します。まずどろぼうの位置は全プレイヤーで共通です。誰かがどろぼうを動かしたら、その通りに自分の地図上にあるどろぼうを動かします。

 この時、移動先にひつじがいた場合は、その場所にいるすべてのひつじがどろぼうを動かした人に奪われます。また、どろぼうがいるマスにはカードが置けないという妨害効果もあります。

『ひつじとどろぼう』
▲他のプレイヤーがこの状態の時、どろぼうを左に動かすと左隣にあるひつじをすべて奪える。奪ったひつじは自分の柵カードに置き、1個1点に。なお、自分のひつじがある場所に自分でどろぼうを動かしてしまった場合は、そのひつじはストックに戻り、誰の物でもなくなる。

坂下:こうして各プレイヤーが順番に1枚ずつカードを置いていき、5枚中4枚置いたら1ラウンド目は終わりです。次のラウンドで新たにカードを4枚ずつ配り、余った1枚とあわせてまたドラフトを行います。

 これを3ラウンド繰り返してカードを12枚ずつ置いたらゲームは終了。街道の点数、地図上とほかの人から奪ったひつじコマの数、2枚以上つながっている川が描かれたカードの枚数×2点を合計して、もっとも得点の高い人が勝者となります。

『ひつじとどろぼう』
▲左下と右上の街に街道がつながれば各5点、右下の街までつながれば10点を獲得。ちなみにこの写真は練習試合で坂下さんが勝利した時のもの。街道で5点、ひつじで16点、川で12点で合計33点。

●『ひつじとどろぼう』のルール要約

(1):地図やどろぼうコマを受け取って最初の準備を行い、ランダムに家カードを1枚ずつ配ってスタートプレイヤーを決める。

(2):全員に5枚ずつ配ったカードから、1枚ずつドラフト形式で5枚選ぶ。

(3):ドラフトが終わったらスタートプレイヤーから順番に1枚ずつ、自分の地図上へルールに従ってカードを配置

(4):全員が4枚ずつカードを配置したらスタートプレイヤーが左隣に移り、新たにカードを4枚ずつ配って手札を5枚に。

(5):(2)~(4)を3ラウンド分繰り返し、全員が12枚ずつカードを置いたらゲーム終了。得点を計算して一番多い人が勝者。

 ルール説明が終わったところで試しに1戦練習をしてみたら、坂下さんの圧勝! しかし誰かの圧勝では記事としておもしろくないので、坂下さんからテクニックを学び、いい勝負ができるように気合を入れなおしていよいよ本番!!

■1ラウンド目ドラフト(カードをわたす方向は爆発→じゅん→てけおん→坂下)

爆発:練習では、うっかり川のルールを間違えるという恥ずかしいプレイをしてしまったので、今度は恥ずかしくないプレイを目指します!

坂下:川が強いという声をよく聞くのですが、一度置いてしまったらその周りにカードを置く時も、川の流れに矛盾がでないようにしなければならないため、カードが置きにくくなるデメリットがあるんです。また、川の描かれたカードには小屋がないため、どろぼうからひつじを守りにくくもなるんですよ。

爆発:川メインの人にはどろぼうで攻めるのが効果的ってことですね。

『ひつじとどろぼう』
▲爆発に最初に配られた手札はこちら。一番左の横街道と縦川が交差するカードなら、初手で川を作りつつ右に街道も伸ばせると考えてチョイス。

てけおん:最初から迷うなぁ。

坂下:初手は後から何がきてもいいように、安定なカードを取っておくのが安全ではありますね。

『ひつじとどろぼう』
▲坂下さんから回ってきた4枚のカードで2枚目のドラフト。横直線の街道はあまり多くないので、取れる時に取っておく。

坂下:てけおんさんから回ってきたカード、結構キツイなぁ。

てけおん:それキツイですよね。

坂下:あえてこっちを取ろうかな。(次のカードが回ってきて)……うわ、失敗した。軌道修正しないと(笑)。

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲3枚目のドラフト。下向きの川につなげられるT字の川を迷うことなく取る。▲4枚目のドラフト。うまいこと川がつながる右のカードを選択。
『ひつじとどろぼう』
▲最後に1枚だけ回ってきた一番左のカードを加えて、最初のドラフトが終了。流れに身を任せていたら川中心の手札に。

坂下:う~ん、最悪だ(笑)。この手札だと、今までほとんどやったことがないような特殊なプレイになりそう。

一同:(笑)。

じゅん:僕が回したカードは川が多めだった気がする。

てけおん:じゅんさんから流れてくるカードを見て「これはヒドイ」と思いつつ、ヒドイカードを残して坂下さんに回してました(笑)。

■1ラウンド目カード配置(プレイ順は爆発→じゅん→てけおん→坂下)

●1枚目

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発「一番最初に配られたカードにいいのがあったので、それから置きます」。▲じゅん「僕は無難に街道から置きますね」。
『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲てけおん「こちらも街道から。練習試合は序盤から川を多く置いて失敗しましたからね」。▲坂下「こういう置き方もあるよってことで、冒険します。どろぼうは左で」。

てけおん:爆発さんいいカード持ってますねぇ。

爆発:坂下さんは初手で下への道を封鎖した~(笑)。

坂下:冒険しましたから!

じゅん:川重視プレイですかね。

坂下:川重視も何も、こんなことしかできません(笑)。

●2枚目

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発「右の街を目指して2枚目はこれで。どろぼうは左に」。▲じゅん「また何も書いていない街道を置きます」。

坂下:あんなカードを回しておいて、自分は無難なカードばかり取ってる!

じゅん:ふふふっ。

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲てけおん「小屋ありひつじで確実に点を増やします」。▲坂下「川とひつじ2匹は今置くしかない」。

てけおん:どろぼうさん、ひつじが上のほうにいますよー。

じゅん:逃げる前に早く~。

坂下:練習で「街道を大事にしたほうが、勝利にもつながるしゲーム自体もおもしろくなる」とアドバイスした人間の置き方じゃないですね(笑)。

●3枚目

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発「どろぼうさん、は~い。上、右と動かします」。▲じゅん「さらに安定のT字街道をつなげます」。

坂下:うちのひつじは全滅しました(笑)。どろぼう2人のカードは2枚しかないのに!

爆発:坂下さんから3匹、てけおんさんから1匹のひつじをいただきました~。でもこれで目立っちゃったなぁ。

てけおん:爆発さん叩かないとダメですね。川もひつじもあるし。

爆発:どろぼう2人は回ってきたカードですから、仕方ない!

坂下:そうですね。取っておけばよかったかなぁ。じゅんさんは1人で黙々と碁盤の目みたいな地図を作ってるし。

じゅん:京都をお手本にしました!

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲てけおん「直線の街道を伸ばします」。▲坂下「池で川を閉じました」。

てけおん:妨害されても、もう川だけで6点ですか。

じゅん:もう川はあまり回したくないなぁ。

坂下:でも上から流れてくる川しかないので。

●4枚目

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発「ひつじ2匹は奪われても仕方ない」。▲じゅん「ようやくひつじを呼べました」。
『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲てけおん「ムダのない一本道の街道に。……もっと分岐点が欲しいです」。▲坂下「このT字で、街道の得点はまだ狙える!」。

じゅん:坂下さんには横直線の街道をわたさないようにしないと。

坂下:まだ結構残ってるはずなので、自分でも引けるはず……。

爆発:これで1ラウンド目終了ですね。

坂下:スタートプレイヤーが爆発さんの左隣にいるじゅんさんに移って、ドラフトする方向も逆回りになります。

■2ラウンド目ドラフト(カードをわたす方向はじゅん→爆発→坂下→てけおん)

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発の2ラウンド目のドラフトはこの手札から。坂下さんに横直線をわたすことが確定してしまったので、欲張ってひつじ3匹のT字川をチョイス。▲爆発のドラフト2枚目。縦直線の街道を取るが、よく考えたらT字川を置くと、縦直線の街道なんて置いてる場所がなかったとあとで後悔……。

坂下:毎回「お前は、どこまで欲張るんだ?」と問われているかのようなカードが流れてきてます。迷うけど、まだ欲張れるかな。

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発のドラフト3枚目。川の流れを止めつつ、どろぼうも動かせる池をチョイス。▲爆発のドラフト4枚目。そろそろひつじを逃がすための牧羊犬が欲しかったので、街道の形は気にせず右をチョイス。
『ひつじとどろぼう』
▲最後に回ってきたL字の川を加えてドラフト完了。横直線は2枚とも取られたか……。だったら思い切って10点の街を目指しちゃおうかな。

じゅん:せっかくひつじがたくさんいるのに、どろぼうが回ってこないなぁ。誰かがどろぼうを大量に確保してるのかな。

坂下:さもなくば山札に眠っているのかも。

■2ラウンド目カード配置(プレイ順はじゅん→てけおん→坂下→爆発)

●5枚目

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲じゅん「5点街に到着でメェメェ付き」。▲てけおん「どろぼうが来る前に置いちゃおう」。

坂下:じゅんさんのひつじを狙ってどろぼうが右に行きそうだ。しかも途中にうちのひつじもいるし。

てけおん:それが怖かったのでさっさとT字街道を置きました。

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲坂下「まずは無事に手に入った横直線で街道をつなげておきます」。▲爆発「将来的なことを考えて池から出します。どろぼうは上に」。

坂下:坂下、アウトー!

爆発:ひつじ1匹いただきました。

てけおん:坂下さん狙われてますね。

坂下:まあ川で稼ぐから大丈夫です!

●6枚目

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲じゅん「次は10点の街を目指して」。▲てけおん「無難に小屋とひつじ付きの街道を伸ばします」。
『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲坂下「川を伸ばし続けます」。▲爆発「下の街に街道をつなげるのは諦めました」。

坂下:爆発さんが、1枚で5点稼げるひつじ3匹と川のカードをうまく出しちゃいましたね。

じゅん:もう川のカードはわたせないなぁ。僕とてけおんさんが街道を多く取ってる分、2人が川を多く取ってる感じですね。

●7枚目

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲じゅん「素直に街道を伸ばす」。▲てけおん「先にこれを置いて10点街リーチ」。
『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲坂下「ここでは意味のないカードを置いて、牧羊犬でひつじを逃がします」。▲爆発「僕も次の一手のためにカードを置きます。牧羊犬でひつじを下に集めるのは正解なのかなぁ」。

坂下:爆発さんのノーガードのひつじを奪いたい! 2人どろぼうのカードは全部で2枚で、1枚は使われているからあと1枚か。

じゅん:やっぱり川重視のプレイはリスキーですね。

坂下:川にはひつじの安全を確保できる小屋がないですからね。

●8枚目

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲じゅん「小屋の隣にカードを置いて、牧羊犬で置いたばかりのひつじを小屋に逃がします」。▲てけおん「街に到着で10点獲得。どろぼうは下に動かして、爆発さんのひつじを奪う布石にします」。
『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲坂下「街道を下に伸ばしつつ、牧羊犬でひつじ2匹を小屋に逃がします」。▲爆発「いろいろな可能性を残すために……」。

坂下:爆発さんには、左右下のT字街道はわたせないでしょう。

てけおん:こちらは珍しく、全部の街に街道がつながりそうです。

坂下:それは凄い。なかなか成功しないですから。

じゅん:さあ最終ラウンド。

坂下:スタートプレイヤーがじゅんさんの左隣にいるてけおんさんに移って、ドラフトする方向が元に戻ります。

■3ラウンド目ドラフト(カードをわたす方向はてけおん→坂下→爆発→じゅん)

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発の3ラウンド目のドラフトはこの手札から。5点街確定の横直線よりも、10点街を目指せてどろぼうも動かせるL字を選択。▲爆発のドラフト2枚目。ここで縦直線がなかったので、10点街は厳しそうと判断。少しでも点数を高めるためにひつじ2匹のカードを取る。
『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発のドラフト3枚目。ひつじを奪われないために、牧羊犬が必要と判断。そして縦直線がくれば一度は諦めた10点街に到達できる状況に。▲爆発のドラフト4枚目。やはり縦直線はこなかった……。点数を伸ばすためにひつじ2匹を選択。
『ひつじとどろぼう』
▲ドラフト完了。最後に横直線が回ってきたおかげで、5点街には何とか到達できそう。

坂下:1ラウンド目はどうなることかと思ったけど、今回のカードがかなりいいのでなんとかなるかも。

てけおん:勝てますか?

坂下:勝てるんじゃないかな!

じゅん:おー! 僕は今回も勝てそうにありません(笑)。

坂下:ちなみに、4枚だけ最後まで配られないカードがあるので、そこに重要なカードが眠っている可能性もあります。

■3ラウンド目カード配置(プレイ順はてけおん→坂下→爆発→じゅん)

●9枚目

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲てけおん「ひつじ2匹置くけど、どろぼうはこっちにこないだろう(願望)」。▲坂下「先を考えて10点街にリーチしておきます。牧羊犬2匹でひつじは上のほうに逃がそう」。

てけおん:爆発さんがほかの人の地図をキョロキョロ見てる。

坂下:あれはどろぼうの目ですね(笑)。

爆発:いやいや、気のせいです(笑)。

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発「横直線で5点街到達! 牧羊犬でひつじは左下に集めます」。▲じゅん「街での15点獲得がほぼ確定している坂下さんを妨害するため、どろぼうを上に」。

坂下:き、厳しい。

●10枚目

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲てけおん「右上の5点街は諦めて、牧羊犬でひつじを下に逃がします」。▲坂下「どろぼうは怖いが、10点街到着!」。

坂下:てけおんさんのひつじが、うちのひつじを残してさっさと逃げた!

てけおん:右に逃がすとひつじが3匹固まっちゃうから、リスク分散で下に逃がしました。坂下さんも早く逃がしましょう(笑)。

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発「街道はもう気にせず、どろぼうを右に」。▲じゅん「10点街まであと1枚」。

爆発:坂下さんのひつじ2匹を頂戴します。

坂下:爆発さんの持っているひつじの数で負ける気がする……。

●11枚目

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲てけおん「左下の5点街に到達」。▲坂下「このどろぼう2人で勝てるんじゃなかろうか」。

じゅん:2人どろぼう取ってたかぁ。

坂下:右に行って、下と動きます! 合計6匹ゲット!

じゅん:4匹も奪われたぁ。

坂下:自分のひつじ2匹を囮にしてどろぼうを誘導していたのです!

てけおん:ひつじを分散させておいてよかったぁ。

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発「ひつじが奪われたけど、また2匹発見!」。▲じゅん「10点街到達とひつじ1匹」。

坂下:爆発さんはまだひつじ持ってたかぁ。まあ持ってますよね。

爆発:そして次がラストの配置ですね。

●12枚目(ラスト)

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲てけおん「川を伸ばしてひつじ2匹」。▲坂下「ひつじのオマケ付きで5点街にも無事到達」。

じゅん:坂下さんのところ穏やかじゃないなぁ。

坂下:これで逆転できたんじゃないかな? 爆発さんの暴力的なひつじの数が怖いけど。

『ひつじとどろぼう』 『ひつじとどろぼう』
▲爆発「ラストもひつじ2匹!」。▲じゅん「こちらも最後はひつじ2匹で」。

じゅん:これでゲーム終了ですね。牧羊犬とどろぼうが全然回ってこなかったのが辛かったなぁ。

てけおん:うちも同じです。その辺は坂下さんと爆発さんに取られちゃいましたね。

爆発:では点数計算をしましょうか。


●最終結果

『ひつじとどろぼう』
▲4位は街道15点、ひつじ7点、川4点で合計26点だったてけおん。
『ひつじとどろぼう』
▲3位は街道15点、ひつじ9点、川4点で合計28点だったじゅん。
『ひつじとどろぼう』
▲2位は街道15点、ひつじ10点、川8点で合計33点だった坂下。
『ひつじとどろぼう』
▲1位は街道5点、ひつじ19点、川10点で合計34点だった爆発。

爆発:1点差で勝った!!

てけおん:いい勝負でしたね!

坂下:どこかで1度でもひつじが盗まれていなければなぁ。

じゅん:こっちは3ラウンド目にひつじ4匹を奪われていなければ、1位の可能性があったかも。

てけおん:3ラウンド目のどろぼうの動き次第で、順位は大きく入れ替わったでしょうね。

坂下:囮のひつじ2匹を爆発さんに奪わせたのも間違いだったかも。う~ん、難しい。

爆発:ひつじを19匹も集めたのは初めてですよ。

坂下:どろぼうが大活躍すると、ひつじもたくさん集まりますね。

てけおん:こっちはひつじが厳しかったです。やっぱり川もある程度置かないと点数が伸びませんね。

坂下:私は勝てませんでしたが今回のプレイを見て、1ラウンド目の手札が悪くても街道を封鎖せずに我慢すれば、2ラウンド目以降で街道がつながることもある、とわかっていただけたのではないかと。序盤に街道での点数を完全に諦めるのはもったいないので。

■初心者にもドラフトで遊んでもらいたいから『ひつじとどろぼう』が生まれた!

爆発:ではここからは『ひつじとどろぼう』についていろいろと伺わせてください。まず『ひつじとどろぼう』を作られた経緯から教えてください。

坂下:『マジック:ザ・ギャザリング』のドラフトが好きで、もっといろいろな人とドラフトで遊びたいと思って最初に『Dragon’s Stone』を作ったのですが、実際に頒布して「このゲームは初心者が遊ぶには結構難しいぞ」と(笑)。

爆発:ドラフトは全カードの効果を覚えてからが本番、みたいなところがありますからね。

坂下:それで、ドラフトの仕組みだけど初心者でも取っつきやすいゲームを作りたいなと思ったわけです。そこからいろいろとアイデアを練ったのですが、没案もかなりありました。

爆発:“初心者でもすぐに楽しめるドラフトゲーム”というのが入口だったわけですね。

坂下:私自身はややこしいゲームが好きなので、最初のほうの案はかなりややこしい内容でした。それで“道がつながっている場所に建物を建てて連結していく”案と、“ひつじコマを柵で囲うと点になる”案の2つが混ざって『ひつじとどろぼう』になりました。

爆発:ドラフトしたカードを置いていくゲームにすることは、早めに決まったのですか?

坂下:ドラフトしたあとに何をするのが楽しいかを考えた時、カードを並べてだんだんと広げていくのは楽しそうだなと。

じゅん:自分だけの盤面が広がっていく楽しさってありますよね。

坂下:ありますね。そうしてアイデアを詰めていく中で、全員が自分の盤面を広げていくけれど、どろぼうだけは全員シンクロして同じ位置に動くと閃いた時、「これはうまくいきそうだな」と思いました。ちなみに最初はどろぼうじゃなくて狼でしたが。

爆発:それまでは、他者へ干渉する手段はなかったのですか?

坂下:もっと極端な効果でしたね。ひつじのエサを置いたら、周囲のエリアにいるひつじが全部寄ってくるとか。

じゅん:それはそれでハデで楽しそうだけどね。

坂下:エサでひつじが引っ張られないように、フェンスで囲っておくと被害なしなんて仕組みもありました。

爆発:そういえばカードにテキストが書かれていませんが、これも初心者向けを意識したうえでのことですか?

坂下:カードを置いて広げていくゲームにすると決めた時、頭に浮かんだイメージは名作アナログゲームの『カルカソンヌ』のタイルでした。だからなんとかテキストなしでまとめたいなと。テキストがない分、特殊効果の数を絞って、内容自体もわかりやすくすることに気を使いました。

爆発:特殊効果がシンプルでわかりやすいので、テキストが書いてなくてもとても遊びやすく感じました。

坂下:テキストのないシンプルなカードでドラフトしている割に、遊びながらちゃんと悩めるので、うまくいったかなと。そういえば、最終形になる1歩前の段階では、得点計算の方法が今と違いました。街に到達すると街スコアが1、2点もらえて、街スコア×ひつじの数が得点になるルールでしたから。

爆発:いくらひつじが多くても、街に到達できなければ0点というルールだったんですね。

坂下:しかし掛け算には危険な部分があって、倍数が大きい人が大体勝ってしまうんです。だから最終的には今の形に落ち着きました。『Dragon’s Stone』と比べると、今回は調整時間もあまりかからなかったです。

■多くの人に遊んでもらえたのはTANSAN&Co.さんのパッケージのおかげ!?

爆発:そしてゲームが世に出て、反響はいかがですか?

坂下:TANSAN&Co.さんのアートワークがとても素敵で、それを見た時に「これはイケル!」と直感したんです。その直感を信じて、最初に1,000個も作ったんですよ。

爆発:個人制作でいきなり1,000個も作るなんて、かなり思い切ってますよね!

じゅん:同業者から見ても、相当思い切った数だと思いますね(笑)。

坂下:もちろん、ダメだった時は全部消化するのに2年くらいかかってしまってもいいかな、という覚悟のうえでの制作数でした。それで実際に頒布した結果、部数が多いのでそれに比例して反響も多かったですね。Twitterでも、頒布当初はほぼ毎日何かしら呟かれてましたし。

じゅん:500個を超えたくらいから、Twitterでの反響が目に見えて多くなるんですよ。

坂下:反響の多さは素直に嬉しいですね。小学校1年の子が楽しそうに遊んでいたという感想も見かけましたし。

爆発:多くの人に遊んでもらえた理由を、御自身ではどのように分析しているんですか?

坂下:1つは、TANSAN&Co.さんのパッケージがとてもイイということですね。個人的にもひつじのユルさというか、見ていてホッとするカワイイところが好きで。実はゲーム内容はそこそこガチなんですが、パッケージからはガチさは伝わってこないので、初心者の方にも手に取ってもらいやすかったのかなと。

■ゲームマーケット2015春では『ひつじとどろぼう』の再販と……

爆発:それだけ多くの人が楽しんでいるとなると、今後の展開が気になるところです。

坂下:最初にゲームマーケット2014秋で頒布した時にも「拡張セットは出ますか?」と聞かれましたね(笑)。

爆発:遊ぶ前から拡張セットを期待するなんて気が早い(笑)。

坂下:拡張セットが好きな方っているんですよ。

じゅん:個人的に『ひつじとどろぼう』は、遊んでいて足りないと思う箇所はあまりないと思っているので、どんな拡張セットならおもしろいのか想像がつかないですね。

坂下:拡張セットの案は2、3案あるんですよ。

じゅん:あるんだ(笑)。

坂下:でも作るかどうかはわかりません。現在、自分のプライベートも含めて少しバタバタしていることもあり、実際に作ろうとはあまり考えていないです。ただ、再販は考えています。それと、また全然違ったテイストのゲームを作りたいなという気持ちはありますね。

爆発:次もまたドラフト形式のゲームですか?

坂下:さすがにもういいかなと思っています(笑)。ドラフトの仕組みは好きですが、そろそろ違うものも作ってみたいなと。またドラフトのゲームを作りたくなったら戻ってくると思いますが。

じゅん:コア向けなドラフトゲームとライト向けなドラフトゲームの2種類を作られたし、十分ですよね。

坂下:今はヤポンブランド(日本人デザイナーのゲームを海外へ紹介しているプロジェクト)の方と話をしていて、『ひつじとどろぼう』を海外で出版して下さる方を探すための準備も少しずつ始めています。

爆発:英字タイトルは『Sheep&Thief』で、こちらも韻を踏んだ素敵なタイトルになってますね。

坂下:『Sheep&Thief』というタイトルで海外のどこかの企業がもしかしたら拾って下さるかもしれないなー、というのが現状で決まっている今後の展開ですね。

じゅん:絶対にどこかからオファーがくると思いますよ。

坂下:大先輩が言うならくるんでしょう(笑)。

爆発:3月1日のゲームマーケット2015大阪には参加されないんですか?

坂下:二次募集で応募しようと思っていたら、今回は二次募集がなかったので今回は残念ながら不参加です。5月5日のゲームマーケット2015春にはエントリーしたのでブースがある予定です。春は再販分と、万が一作ったら拡張セットを持っていきます(笑)。

てけおん:今から作れるんですか(笑)。

坂下:そんなに多くない拡張セットなら(笑)。得点が得られる追加目標のカードを作るか、スタート地点に黄金のひつじを置いて、どろぼうが徘徊する中を牧羊犬で進ませて最終的に到達した場所でボーナス点がもらえるというネタをやるか。でも現時点では実際に作る気はあまりないので、本当に期待しないでくださいね。

じゅん:ひつじは小屋まで連れていったらそれで終わりだったから、黄金のひつじのアイデアはアリかも。

坂下:現状だと牧羊犬がそれほど重要な役目を担ってないので、そういう意味でも黄金のひつじはおもしろそうだなと。

■2人が注目しているゲームデザイナーは?

爆発:話は変わりますが最近注目しているゲームやゲームデザイナーさんはいますか?

坂下:おもしろさのエッセンスをなんとかして学びたいと思っている人がいて、『枯山水』や『ポストマンレース』を作られた山田空太さんです。

爆発:『枯山水』は話題になりましたね。

坂下:山田さんのゲームは仕組みはもちろんですが、遊んでいる時にストーリーを感じることができる作りになっているんです。そういうところは自分にはまだまだ足りていないと思っているので、ストーリーを感じるゲームを自分も作れたらいいなと。

てけおん:『ポストマンレース』もおもしろいですよね。カードを出すたびに笑いが起きる(笑)。

坂下:「パンダカーで走るの!?」みたいな(笑)。

じゅん:『枯山水』は、そういう文化がありきで、そこから逸脱していないのにゲームとしても完璧に仕上がっているのがすごいと思います。

坂下:あの規模の物を個人で作ってしまうのがすごいです。

爆発:じゅんさんは注目しているゲームやデザイナーさんはいますか?

じゅん:尊敬している人が周りにいっぱいいるんです。“I was game”の大爆笑カレーさんや、“カナイ製作所”のカナイセイジさん。最近だと“かぼへる”さんのこともやるなぁと思いながら見てますし、ぼーっとしていると僕のことはすぐに忘れ去られそうだなといつも考えています

坂下:いやいやいや(笑)。

■せっかくのひつじ年なら『ひつじとどろぼう』で遊ぼう!

爆発:では最後に、まだ『ひつじとどろぼう』で遊んでいない人へメッセージをお願いします。

坂下:そういえば今年はひつじ年ですね(笑)。

爆発:よく言われると思うのですが、狙ったんですか?

坂下:本当に狙っていなかったんですけど、「狙っているよねぇ」とよく言われます。でもせっかくのひつじ年ですので今年中にぜひ(笑)。

じゅん:12年に1度しかないですからね。

てけおん:じゃあ来年は遊ばなくてもいいのかと(笑)。

坂下:イラストもルールも牧歌的でのんびり遊べますし、牧場が広がっていったりモフモフのひつじが増えていったりするのは老若男女問わずに楽しいと思います。時間もルール説明を含めて30分程度で手軽ですし、ドラフトの仕組みを知らない人でも問題なく遊べるように作りました。もしどこかで見かける機会がありましたら、気負わずに気軽に遊んでもらいたいなと。

爆発:個人的には、最初に遊ぶドラフト形式のゲームとしてベストだと思いました。

坂下:それを目指したゲームですから、そう言ってもらえてうれしいです。最初はドラフトを意識せずに遊んでもらって、何度か遊ぶ中で「これを取ったら次の人は困るぞ」みたいなドラフトならではの戦法に気付いてもらえると、さらにおもしろくなると思います。

爆発:じゅんさんも読者へメッセージをお願いします。

じゅん:去年作った『ワリトリペンギン』は今のところ一般流通しておらず、当面その予定もないので、今買えるのは『赤ずきんは眠らない』だけになります。『赤ずきんは眠らない』で遊んだことがない方は、1月31日と2月1日に幕張メッセで開催される闘会議2015で遊ぶことができるので、ぜひよろしくお願いします。2日目には、海外版の『赤ずきん』も持っていきますので。

爆発:『ワリトリペンギン』は、ペンギンがカワイイのにやることは結構えげつないですよね。

じゅん:そうですね(笑)。アレはノンビリ遊ぶ余地なく、ガチバトルになることが多いゲームです。見た目のかわいらしい感じとゲーム内容が乖離してしまったのは反省点ですね。

爆発:そのギャップを狙ったんじゃないんですか?

じゅん:正直、狙いました(笑)。

爆発:新作についてはいかがでしょうか?

じゅん:じゅん:これまでは“ミニマルゲーム”と呼ばれる、小規模でシンプルなわかりやすいものばかりを作ってきたのですが、そこから脱却するのが今年の目標ですね。中規模、大規模なゲームを秋までにノンビリ作って、あわよくばドイツに持っていけたらなと(笑)。


 2015年最初の“アナログゲームでガチバトル”は、“Power9Games”の『ひつじとどろぼう』をお届けしました。『ひつじとどろぼう』が欲しくなった方は、“Power9Games”の公式サイトに委託先が書いてありますのでチェックしてみてください。なお今回は、坂下さんから読者プレゼントとして『ひつじとどろぼう』を1セットいただきました! ご希望の方は下記のフォームからご応募ください。締切は2月4日(水)23時59分です。

プレゼント応募フォームはこちら

 同席していただいたじゅんさんの『赤ずきんは眠らない』は、Amazon.co.jpで購入可能です。どんなゲームか気になる方は、電撃オンラインで掲載したインスト&対戦記事や、1月31日~2月1日に開催される闘会議2015のアナログゲームエリアで実際に試してみてください。

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