2015年2月20日(金)

『新次元ゲイム ネプテューヌVII』の主題歌を担当したnaoさん&ゲーム制作陣へインタビュー!

文:電撃オンライン

 4月23日にコンパイルハートより発売される、PS4用ソフト『新次元ゲイム ネプテューヌVII(ビクトリィーツー/以下、VII)』。その主題歌である『相対性VISION』のシングルCDが、3月25日にMAGES.の5pb.レーベルより発売される。

 発売に先立って、『相対性VISION』のボーカルを担当したnaoさんと開発陣へのインタビューの場が設けられた。この記事では、その模様をお届けする。

『新次元ゲイム ネプテューヌVII』

■インタビュー参加者

・naoさん
・水野尚子さん(シリーズプロデューサー)
・小野寺真吾さん(ディレクター)
・つなこさん(イラストレーター)
※インタビュー中は敬称略。

●『相対性VISION』製品概要

▼『相対性VISION(DVD付盤)』
■発売元:5pb.
■販売元:株式会社KADOKAWA メディアファクトリー
■品番:FVCG-1337
■発売日:2015年3月25日
■価格:2,000円(税込)
※平野克幸(コンパイルハート)描き下ろしジャケット仕様
※『相対性VISION』のハイレゾ音源ダウンロードコードを封入(e-onkyoから配信)
※初回生産特典として『新次元ゲイム ネプテューヌVII』で使用可能なDLCのコードを封入
【収録内容】
・CD
 1.『相対性VISION』
 2.『平衡SPECTRUM』
 3.『相対性VISION』(off vocal)
 4.『平衡SPECTRUM』(off vocal)
・DVD
 『相対性VISION』Music Videoを収録。

▼『相対性VISION(通常盤)』
■発売元:5pb.
■販売元:株式会社KADOKAWA メディアファクトリー
■品番:FVCG-1338
■発売日:2015年3月25日
■価格:1,200円(税込)
【収録内容】
・CD
 1.『相対性VISION』
 2.『平衡SPECTRUM』
 3.『相対性VISION』(off vocal)
 4.『平衡SPECTRUM』(off vocal)

【初回生産特典】B2 リバーシブルポスター(ジャケットイラスト/アーティスト写真)

『新次元ゲイム ネプテューヌVII』
▲通常盤ジャケット

――まず、主題歌の依頼が来た時の感想をお聞かせください。

nao:たくさんの『ネプテューヌ』シリーズで歌わせていただいていますが、移植版のOPテーマ曲を担当させていただく時期が続いていたので、新作となる今回には新鮮な気持ちやワクワク感がありました。

――『VII』は久々の本編新作となりますが、開発サイドとしてはいかがでしょうか?

水野:今はプロジェクトの終盤で、もう一歩で完成というところに来ています。本作の発売は『V』から2年くらい間が開いていて、構想を含めると結構な年月を費やしています。「あれもやりたい、これもやりたい」とどんどん膨らんでいき、皆の思いがいっぱい詰まった作品になりました。

小野寺:自分は間の2年間、ずっとPS Vita版のリメイクタイトルを作っていましたが、ようやく続編を作れたのでワクワクしています……が、現場は開発終盤で少しピリピリしています(笑)。

つなこ:もう5年も続いてきたシリーズなので、ずっと遊んできたかたもいれば、今回で初めて『ネプテューヌ』に触れるかたもいると思います。シリーズとして新鮮味を出すことと、今まで遊んでくれたかたが違和感を覚えないようにすること、それらを両立させるのが難しかったですが、頑張った部分でもあります。なので、どちらのかたにも『VII』を楽しんでいただきたいです。

――『VII』はどのような作品となっているのでしょうか。

小野寺:『ネプテューヌV』の続編にあたり、ジャンルは引き続きRPGです。今作はシリーズ初のPS4タイトルとなっています。また、3つの世界を舞台に独立した物語が描かれることもシリーズ初です。それぞれの世界で、通常のゲーム1本分くらいのボリュームがあるシナリオを楽しめます。ゲームのシステムでも、40m超えの巨大ボスとの特殊な戦闘や、新たな女神である天王星うずめの登場、女神たちのパワーアップ形態である“ネクストフォーム”の実装など、新要素が詰まっています。

――『VII』の主題歌となる『相対性VISION』はどのような曲ですか?

nao:今回は満を持して、『ネプテューヌ』では初めて志倉千代丸さんに作詞作曲を担当していただきました。私個人としても、志倉さんに作詞作曲を担当していただくのが数年ぶりとなります。非常にカッコいい曲になっていますし、個人的には『ネプテューヌ』の新しい世界観とリンクしたサウンドになっていると思っています。

 アレンジはアニメ版『ネプテューヌ』でもOPのアレンジを担当していただいたMACARONI☆さんに手掛けていただき、デジタル的なサウンドを意識しながらギターでハード気味な印象を加えたカッコいいものになっています。志倉さんの作曲ということで、いわゆるサビキタ感と言うか、溜めてからサビに入る曲調になっています。OPのムービーと相まったらさらにカッコいいだろうと思い、歌もカッコよくなるよう唄わせていただきました。

――できあがった曲を聴いて、開発サイドとしてはいかがですか?

水野:志倉さんによる作詞作曲は無印のころからご相談していたのですが、それがようやく叶って非常に嬉しかったです。志倉さんの曲とnaoさんの歌、『VII』の世界観がうまく重なっていて、曲を聴いた瞬間とても感動しました!

小野寺:歌詞やタイトルにゲームをクリアした人ならわかるネタバレや核心、キーワードが含まれているので、クリア後にタイトルへ戻って改めて曲を聴いてみると、すべて伏線だったことに気付くと思います。曲としてはnaoさんも言ったように溜めからのサビが志倉さんらしくてカッコよく、歌詞もうずめのバックストーリーや心情を描きながら『VII』のメインテーマやキーワードを落としこんでいただいたので、ゲームプレイ前とゲームクリア後で印象がかなり違う曲だと思います。

――うずめにフォーカスをあてた歌詞なのでしょうか。

小野寺:かなりうずめっぽいですね。それでいて、ネプテューヌやうずめを近くで見ていたパートナーの海男など、周りの人たちがうずめを見ている時のイメージ的でもある、さまざまな視点から見られる曲となっています。

つなこ:曲がカッコいいのはもちろんですが、可憐なnaoさんの声がネプテューヌ的な“カッコかわいい”という感じでハマっていると思います。絵を描く時にも聞きながら作業しています。新しい世界に突き進んでいくような雰囲気に溢れていて、すごくいい曲だなと思いました。

――改めて、制作サイドからの評価を受けての感想はいかがでしょうか?

nao:こう言っていただけてすごく嬉しいですし、自分が唄って「こういう解釈で成功だったのかな?」という疑問について、生みの親である皆さんから「よかった」という言葉を聞けてホッとしています。直接にコメントを聞く機会はなかなかないので、お話を聞けて嬉しいです。後はユーザーさんに聞いていただいて、「ネプっぽい」と思っていただけるかどうか、期待や心配などが入り混じりつつ楽しみにしています。

――今回はうずめにフォーカスを当てた歌ですが、今までとの違いはありますか?

nao:従来通りだと、ネプテューヌのカッコいいところやオッチョコチョイなところのイメージがあった上で唄ってしまう部分があるのですが、今回は志倉さんによる攻めのメロディやカッコいいサウンド、うずめちゃんのキャラクターがあった上での曲なので、私の中で“一回崩して再構築”みたいな部分がありました。

――歌詞には核心的な部分があるとのことですが、唄う上でもそれを踏まえていたのでしょうか?

nao:ユーザーさんのような経験を私も体感したいので、唄う前はあまり情報を入れないようにしています。あまりにシナリオを読み込んですべてをわかった上で唄ってしまうと、変な臨場感が生まれてしまう気がしています。ある程度まで資料を見てユーザーさんと同じくらいの知識量になったら、気になったところだけを調べるようにしているんですよ。

――『VII』自体にはどう感じていますか?

nao:うずめちゃんの参戦によってネプテューヌがメインじゃなくなることへの寂しさがありましたが、うずめちゃんの活躍を期待する部分もありました。『Re;Birth3 V CENTURY』の主題歌を書かせていただいた時は“私の中での『ネプテューヌ』の集大成”という感覚でしたが、今回はそこから親心をうずめちゃんに移行させて、「どういう子なのかな?」というワクワク感を入れ込んでいきました。

――なぜ、今回は新キャラクターが中心となったのでしょうか?

小野寺:今までネプテューヌを中心に据えたものが多すぎたので、ネプテューヌというキャラクターが掘り下げられてユーザーの中でイメージが固まってしまい、新たに中心へ据えてもパターン的で新鮮味がないのではという懸念がありました。ユーザーとネプテューヌが同じ視点からうずめのドラマに介入して、彼女の苦悩を解決して救ってあげる……というところが今回のテーマとなっています。

水野:ネプテューヌってすごいパワーがあるので、私は“うずめはいてもネプはネプで、なんだかんだでネプのペースに巻き込む”というところは変わらないのかなと見ています。2人はいいコンビだと思います。

――『VII』についての構想は、どのくらいの時期からあったのでしょうか。

つなこ:フワッとした案は、「今年は『フェアリーフェンサーエフ』と『ネプテューヌ』新作のどちらを作るか」という話になった時からありました。その時はゴールドサァドの話だけでしたね。

小野寺:いい転機になったのはアニメでした。アニメが放送されるにあたって作品作りを学ばせていただきつつ、無印のリメイクも手がけていたので、「それと同じものを今回も描いたところで、お客さんが楽しめるのか?」という疑問が浮かびました。なので、今までとの違いや新しさを表現できないかと考え、今回は思い切ってプレイヤーがネプテューヌと同じ視点からうずめを救済していくという形にしました。

nao:私はネプテューヌが遠くに行ってしまうような感じがあったのですが、もっとネプテューヌに近くなったということなんですね!

――新キャラクターのうずめを造るにあたってはいかがでしたか?

つなこ:うずめは、まずキャラクター性を固めるところで難航しました。今は変身前が男勝りなキャラクターとなっていますが、最初は変身前から明るいキャラクターとなっていました。最初に決まったのはきゃぴきゃぴした変身後のイラストですね。そこで変身前後のギャップを出すということと、男前なキャラクターが今までいなかったことで、現在に続くラフを描いてみたらそれがピッタリはまりました。その後も、名前が決まるまで時間がかかりました。

小野寺:「渦をモチーフとしているので、“ぐる子”はどうだろう」とか「それはないだろう」とか。

水野:「夢見がちな少女なので“夢子”」とか。

小野寺:最終的には、『ネプテューヌ』のキャラクターは惑星の名前を冠しているので、ナンバリング的に天王星をモチーフに、“渦”に“女(め)”で“天王星うずめ”となりました。今までの『ネプテューヌ』シリーズのキャラクターと差別化する形で日本人チックな名前にしています。

つなこ:アマノウズメという神さまもいるので、女神っぽいかなとも思います。

水野:決定したのは、雑誌でキャラクターを紹介するという段階になった直前ですね。

――『相対性VISION』のミュージックビデオが撮影されたとのことですが、どのような映像になっているのでしょうか。

nao:今回は“3つの次元と世界”というお話だったので、MVも平行して存在している次元を表現しながら物語が進んでいくドラマ仕立てとなっています。3つの次元が交錯して、混ざり合ったり離れて行ったりという内容になっています。私自身はカッコいい系の曲でMVを撮るのが久しぶりなので楽しく、勉強にもなりました。

――できあがったMVはいかがでしたか?

nao:私ってカッコいいなと思いました(笑)。3つの次元があって、主人公の白い私が唄っていたり、唄っていなくてやさぐれている主人公じゃない黒い私がいたり、黒い私がちょっかいを出す次元に兄妹がいたり、監督と話をしていたら色々な案が出すぎて、説明が困難になるくらい内容が深くなったので、MVを何回も観て深読みすると楽しいと思います。

――『相対性VISION』のDVD付盤にはハイレゾ音源のDLコードが同梱されますが、この試みについてはどう思われますか?

nao:私の楽曲でハイレゾ音源がリリースされるのは、今回が初なんですよ。ハイレゾ音源は、「ハイレゾって何だろう?」という人や普段は音質を気にしない人でも違いがわかると思います。ファンからは「まだハイレゾにならないの?」という声も聞いていたので、嬉しさがありますね。音質がよくなるということは、私のボーカルもクリアに聴こえるということなので、そこがどう受け取られるかも気になります。

――『相対性VISION』には『VII』で使用できるコードも同梱されますが、どのようなDLCになっているのでしょうか?

水野:現在、内容を詰めているところですが、5pb.さんからリクエストをいただいたので、うずめの武器にしようと思っています。5pb.さんのロゴをあしらったカラーチェンジ版の武器となります。

――第1作のリリースから、今年で5年を迎えます。特に印象的なシーンがあればお聞かせください。

水野:やっぱり1作目ですね。プロデューサーになって初めての作品で、ネプテューヌチームとして組むのも初めて、なんでも初めてづくしのタイトルでもありました。ちなみにキャラソンとアニメ化というのは当時からの夢で、そこを叶えたいというのが私の中では一番にありました。

小野寺:自分の中ではアニメ化ですね。『V』までの3年ちょっとで組み上げてきた楽曲的なところやプロモーション的なところを含めた制作チームがそのまま参加して、主題歌を唄ってもらったnaoさんやBlu-ray特典冊子の“電撃ネプの会”を作ってもらった電撃さんなどにも協力をいただいて、歴史をうまく詰め込みつつアニメを制作できました。

つなこ:私もアニメ化が大きなできごとだったと思います。これをきっかけにメディアミックスが増えて、フィギュアもいっぱい作っていただけるようになりました。その反面、開発者の手を離れていったような寂しい気持ちもありましたが、作品が広がっていくのはすごくいいことなので、その上で「お客さんに満足してもらえるものを頑張って作ろう」と再認識できました。

――つなこさんとしては、関与作のアニメ化は『ネプテューヌ』が初だったのでしょうか?

つなこ:私としては2つ目でしたが、決まったのは1つ目も『ネプテューヌ』も同時くらいでした。2013年の春と夏は2期続けてアニメが流れるという、大変なことになってしまいました(笑)。

――求められる絵のバリューが増えて大変ではなかったですか?

つなこ:ハードルが高くなって、飛び越えていきたいという気持ちがあり、飛ぶのが怖いという気持ちもあり、半々ですね。自分の中でいいと思えたものが世に出ると、それが基準となってしまうので、お客さまに驚いてもらうには、過去の自分にいかにして勝つかというのが悩みではあります。

――続いて、naoさんにとっての5年間における大きなできごとは何でしょうか。

nao:アニメ化はすごく大きかったと思いますし、ゲームの『ネプテューヌ』を尊重するというユーザーさんを大切にした作品作りは素晴らしいと思いました。『ネプテューヌ』がアニメになり、アニメで『ネプテューヌ』を知った人が新たにネプファミリーになるという構図を、一作目から見られて幸せでした。

 あと、皆でアニメを作っているところを、ちょっとした距離感を持ちながらも見られたのは嬉しかったですね。最後の打ち上げでは『Dimension tripper!!!!』を唄わせていただきました。その詞は絆をモチーフとしていて、ネプテューヌたちの絆だけでなく制作チームの愛も含めて書いていたので、皆が集まった前で唄ったことは思い出に残っています。「ここはネプ愛をバッチリ出してしまおう」と思って作詞作曲やサウンドプロデュースを務めて、『ネプテューヌ』でのやりたいことをやらせていただいた『Rave:tech(^_^)New;world』も印象的ですね。

――『相対性VISION』のカップリングはどのような曲なのでしょうか。

nao:今までの私のカップリング曲は、カッコいい曲に対してのかわいい曲が多かったですが、今回はカップリングもカッコいい楽曲となっています。カップリング曲『平衡SPECTRUM』の作詞は彩音さんに担当していただいています。彩音さんはレーベルメイトとしてすごく近い存在のアーティストですが、コラボの経験はなく大先輩でもあるので緊張しました。私のイメージではカップリング曲も『相対性VISION』のMVとリンクした内容になっているので、つなげて見ていただけるとまた1つ楽しみが増えると思います。

――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

つなこ:PS4用の新作ということで、ハードからの購入になるかたもいらっしゃると思いますが、ハードごと買っていただけるように頑張って制作しています。主題歌も素敵なのでぜひ買ってください! 個人的には、また5pb.ちゃんに出てほしいなと思っています(笑)。

小野寺:『相対性VISION』は、『VII』をプレイした人でもプレイしていない人でも楽しめる超カッコいい曲になっていますので、太鼓判を押させていただきます。未プレイのかたにも、CDを手に取っていただきたいと思っています。

水野:PS4のパワーと合わさって、『VII』はビジュアル面もストーリー面も充実しています。『ネプテューヌ』の世界への入り口となる『相対性VISION』、そして『VII』ともどもよろしくお願いします。

nao:私もハードとセットで『VII』を購入するというパターンのユーザーです(笑)。今回は志倉さんに曲を作っていただいて、私としても新しいサウンドを表現できたと思いますので、ぜひとも聴いていただきたいです。『相対性VISION』の歌詞には、EDを迎えてから聞くと新たな発見があるという仕掛けがありますので、プレイ後に改めて聞いていただけたらと思います。

『新次元ゲイム ネプテューヌVII』

■『相対性VISION』発売記念イベント

 『相対性VISION』の発売を記念したイベントが、東京都・AKIHABARAゲーマーズ本店にて開催される。このイベントにはnaoさんが出演し、トークおよびミニライブを実施するとのことだ。参加券は、特定の配布店舗にて『相対性VISION』を購入、または全額内金にて予約した人へ、先着順にて配布される。その他の概要は、ゲーマーズ公式サイトを参照してほしい。

【開催日】2015年4月19日
【会場】AKIHABRAゲーマーズ本店
【内容】トーク&ミニライブ
【開場】12:30~【開演】13:00~【終了】14:00(予定)
【参加条件】
 一部店舗にて対象CDを購入、または全額内金にて予約した人へ先着順で配布される、参加券が必要。
【対象商品】
 CD『相対性VISION DVD付盤(ハイレゾDLコード封入)』2,000円+税
 ※通常盤は対象外
 ※詳細については、開催店舗まで直接問い合わせのこと。

データ

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