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2015年3月3日(火)

『鮮血のエルフ』はエルフと人間による種族間戦争を描くダークファンタジー。【電撃文庫新作紹介】

文:電撃オンライン

 藤原 祐先生が執筆する、電撃文庫『鮮血のエルフ』の紹介記事をお届けします。

『鮮血のエルフ』

■少女(エルフ)とともに敵(エルフ)を討て。

 辺境の村に暮らす人間の姉弟と、森の奥深くに棲まうエルフの兄妹。仲睦まじい友人同士である彼らの平穏は、いつまでも続くはずだった。

 けれど、突如としてエルフ側が人間世界への侵攻作戦を開始する。それは四人の想いを引き裂き、道を違えてしまう。やがて人間の少年――イミナは、エルフの少女――エリスとともに戦場へ立つ。彼の携える剣は真紅。かつて流し、これから流れるものと同じ色をしていた……。痛切なる鮮血に彩られたダークファンタジー、ここに開幕!

『鮮血のエルフ』

【物語のここに注目!】

■真紅の剣を携え、復讐に立ち上がった少年が望む未来は――?
 エルフと人間の戦争を描く、ダークファンタジー

 中世風の王政のもとに人間が暮らす“ミドガルズ皇国”。ケルベロスやゴブリンなどの魔獣を操るエルフが住まう国“妖精郷”。種族が違う2つの国の戦争で家族を失った人間の少年とエルフの少女が、過酷な運命に立ち向かっていく物語――それが電撃文庫『鮮血のエルフ』です。

 描かれるのは、エルフが人間の国へ侵攻した“第二次妖精戦争”と呼ばれる大戦で活躍した剣士・イミナの半生。構成的には回顧録といってもよく、冒頭にエルフと戦う精鋭部隊“金狼騎士団”の勇者として活躍する現在の姿が紹介され、続いて過去へ――辺境の村で平和に暮らしながら王立兵団に憧れていた13歳のころから、兵士候補生が集う教練都市で将来の仲間たちと出会う17歳までのエピソードが綴られます。

 イミナの運命が大きく動き出したのは13歳のころ。家族同然につきあっていたエルフの王子・シルジスがイミナの家族を殺害し、故郷の村を滅ぼしたことがきっかけでした。ジルジスの妹・エリスは、兄の暴挙に反発してイミナと行動を共にするのですが……。

 平和な日常が一変、殺戮と鮮血に濡れた日々へ。この事件が第二次妖精戦争の引き金となり、イミナ自身も復讐心に駆られ、戦いに身を投じていきます。イミナが振るう血刀の向こうに、新しい時代が待っているのではないかという予感と、このまま復讐に溺れてしまうのではないかという不安と――。

「救いがどこにあるのかわからない」

 そう感じても最後まで読み進めてみてください。命のかぎり現実に抵抗し、もがき、“今”を切り拓く若き剣士の姿に胸が熱くなるはずです。

【登場人物のここに注目!】

■親友同士が刃を交える悲運に心はハラハラ……
 凛々しい王家の姫君と優しいエルフの姫君にドキドキ!

 本作の見どころの1つは、愛情と憎しみが絡み合う人間関係です。イミナにとって最大の悲劇は、家族同然のつき合いをしていたエルフの王子・シルジスに、最愛の姉と母、そして故郷の村を滅ぼされたこと――。この日を境に、イミナはシルジスと彼が率いるエルフ集団に復讐をする決意を固めます。

 仇とはいえ、心通わせたかつての親友を殺せるのか? シルジスのほうはイミナをどうするつもりなのか? 2人の関係が気になって、ついついページをめくる速度が上がります。敵対する元親友という構図に萌える人は、きっと夢中になるはず!!

 関係が気になるといえば、イミナとエリスもそう。エリスはシルジスの実妹ですが、エルフ側には味方せず、愛する人間の少年と行動をともにします。イミナの亡き母親直伝の料理をマスターしており、胃袋もがっちりつかんでいる様子。

 しかし、エリスのライバル候補も登場するので気は抜けないかも!? その少女の名はミリフィカといい、ミドガルズ王家の姫君で教練学校の総代を務めています。ミリフィカの言動や態度から察するに、イミナに特別な興味を抱いているのは明らか。凛々しい王家の姫君と優しいエルフの姫君。正反対の魅力を放つ姫たちの活躍にも、乞うご期待です!

(C)藤原 祐/KADOKAWA CORPORATION 2015
イラスト:kona

データ

▼『鮮血のエルフ』
■著/藤原 祐
■イラスト/kona
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:KADOKAWA
■発売日:2015年2月10日発売
■定価:本体630円+税
 
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