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2015年3月3日(火)

『ブレイブリーセカンド』考察。PVに隠されたアニエスやマグノリアの伏線とは?(ネタバレあり)

文:そみん

 スクウェア・エニックスが4月23日に発売する3DS用RPG『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』の世界観・キャラクターに関する考察記事をお届けします。考察ということで、前作『ブレイブリーデフォルト』に関するネタバレも少し含みますので、未プレイの方はご注意ください!

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 体験版が配信され、正式タイトルの“END LAYER(エンドレイヤー)”が公開され、さらに前作の主人公であるティズの登場も決定した今こそ、『ブレイブリーセカンド』の世界観を見つめ直し、いろいろと考察や妄想を行う絶好のタイミングなのではないでしょうか。

 というわけで、まずは考察を行うための準備やリサーチを兼ねて、これまでに発表されてきたPVを徹底的に見直してみることにしました。うすうす感じてはいたのですが、PVは伏線の宝庫となっておりまして、最近発表されたばかりの最新情報が数カ月前の時点でほのめかされていた……なんてことばかりです。

 ストーリーのヒントとなりそうなメッセージもふんだんに詰まっているので、いろいろと主観を交えて紹介していこうと思います! なお、基本的には自分の耳で聞いて書き起こしたものなので、聞き間違いがある可能性もあります。その点はご了承ください。


●『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』ジャイロムービー

 まずは『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』のクリア後に見られるジャイロムービーのセリフを書き起こしてみました。

 なお、このジャイロムービーはゲーム中にちゃんとセリフが表示されるので、それを書き起こした形です。

●ジャイロムービーのセリフ

:脳波の乱れは落ち着いてきたようだな。

:脈拍は?

:…やや低下しているようです。

:廃棄システムの状態は?

:問題なくスタンバイ状態を維持しております…。

:うむ。

――兵士風の男がやって来る。

:憐れなものだ…。あれからずっと眠ったまま…。これがかつて世界を救った英雄の末路なのか…。

――停電したようで、画面が暗くなる。

:す、すぐに予備電力に切り替えます!

:切り替え完了! 電力、順次復帰します!

――マグノリアが登場。

マグノリア:ショウタ~イム…。

:侵入者だぁっ!

:は、廃棄だっ!

――兵士風の男がマグノリアの前に立ちはだかる。

:ファイアッ!

――マグノリアは、兵士の攻撃を受け止める。

マグノリア:いけないっ! デフォルトッ! ふぅ、大丈夫ね。

:ブリザラ!

――マグノリアは、兵士の攻撃を避けていく。

マグノリア:ブレイブ! ブレイブ! ブレイブッ! エーンド『ライトニング・アロー!!』

――兵士を倒したマグノリアが、ティズのほうに寄ってくる。

マグノリア:大丈夫…みたいね! よかった~…。

――巨大な敵がマグノリアに襲いかかる。

マグノリア:オーマイガー…。ウップス…。ノーブレイブポイント…。仕方がないわね…。…行くわよ! ブレイブリーセカンドッ!

――時間が止まる。

マグノリア:(敵を攻撃しながら)「カモミーーールッ!!」

――マグノリアが敵を倒す。

マグノリア:ふぅ、カモミールの花言葉は「逆境のエナジー」…。こんな状況、いつだって逆転してみせる!!

 (歩きながら)あーぁ、帰れなくなっちゃった…。

 (ティズを見ながら)ちょっと待っててね。

――マグノリアがカプセルの上に上がり、扉を開ける。

マグノリア:もしもーし…、こっちよ! こっちだってば~!

 グッモーニン、ティズ! 私はマグノリア。…マグノリア・アーチ。魔王バスターよ。

 大丈夫。怪しい者じゃない。…って言いきれるかどうかわかんないけど……。

 あなたが羨ましいわ。だってティズ、あなたは私が絶対に得られない幸運を持ってる。

 (笑いながら)……私と同じ時代を生きられるって幸運をね。

 さぁ、行くわよ。どこへって?

 ア~ハン…い い と こ ろ (ハートマーク)

◆“ライトニング・アロー”は精霊魔法+修飾句?

 このムービーは見ている向きによって少しセリフが変わることもあります。例えば、マグノリアがカプセルの扉を開けた後によそ見をしていると、いろいろなパターンで呼び続けられたりします。そのため、上記のセリフとは少し異なる部分があるかもしれませんが、おおむねはこのようなセリフ内容となります。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 注目したいキーワードはいくつもありますが、まずはマグノリアが使う“ライトニング・アロー”について。どうして間に・(ナカグロ)が入っているのか不思議でしたが、これはウィザードが使う精霊魔法“ライトニング”に修飾句“アロー”を付けたものだと考えられます。まだ“アロー”という修飾句は出てきていないので、絶対というわけではありませんが、可能性はかなり高いのではないでしょうか。

◆“廃棄システム”で廃棄しようとしたのはティズなのか?

 その他に気になるのは“廃棄システム”ですね。先日、ティズはエタルニア公国軍総司令部の白魔道プラントで命をつないでいたことが発表されましたが、そもそもこのジャイロムービーの内面に描かれた落書きなどから、このカプセルは『ブレイブリーデフォルト』でビクトリアが使っていた白魔道プラントだとほぼ確定していました。

 そう考えると、何を廃棄するのかよくわからないんですよね。ティズを廃棄しようとしたってこと? どちらかというと、ムービー中にマグノリアに襲いかかった巨大な敵を廃棄しようとしたのかもしれませんが、それはそれで文脈がつながりにくい気が。う~ん。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 このジャイロムービーをよく見ると、魔王とバスターシップらしきものが戦っているように見えるところもあります。そんな状況で何を廃棄しようとしたのか。そもそも、なぜ廃棄しなければならなかったのか。いろいろな考え方ができそうです。

 個人的には、ティズを生かすためのエネルギーを巨大な敵から摘出しつつ、いざとなったらいつでも廃棄できるようにしていたのかなとか思っています。

◆マグノリアが“帰れなくなっちゃった”のはブレイブリーセカンドの副作用?

 そしてマグノリアの言葉の中にも気になるフレーズがいっぱいです。“カモミールとその花言葉”は、彼女の故郷の月面基地が壊滅状態になっていることと重なるような気がします。問題はその後の「あーぁ、帰れなくなっちゃった…」ですね。ストレートに文脈を読むと、本当はどこか(故郷の月面?)に帰れるはずだったのに、“ブレイブリーセカンド”を使って時間を止めたせいで帰れなくなったかのように感じます。

 まあ、冷静に考えると時間を止めるという常識外れのことを行うための代償がまったくないというのもおかしな話。もしかしたら、ブレイブリーセカンドというシステムには大きな伏線が張られているのかもしれません。

◆ティズとマグノリアは次元管理局の同僚か?

 伏線と言えば、前作『フォーザ・シークウェル』でのティズの特典衣装に“次元管理官の服”があり、今回の早期購入特典となるマグノリアの服が“次元管理局士官服”というつながりも明らかに怪しいところ。なぜマグノリアがティズを助けに来たのか? その理由につながってくるのかもしれませんね。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』
▲『フォーザ・シークウェル』の時の特典衣装。アニエスの太ももやリングアベルのお尻にも目が行きますが、ここで注目してほしいのはティズの“次元管理官の服”です。
『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』
▲こちらは『ブレイブリーセカンド』の早期購入キャンペーンで、マグノリアの“次元管理局士官服”に注目です。このキャンペーンでは、2015年5月31日23:59までにスクエニメンバーズにセーブデータをアップすることで、特殊な衣装を4種類すべてもらえます。

→早期購入キャンペーンの詳細はこちら


●動画:『ブレイブリーセカンド』ティザートレーラー

◆ティズはイスタンタールの地下にいるのかも?

 ティザーということで非常に短い動画ですが、いくつか注目点があります。1つは、学魔法園都市イスタンタールのグラフィックからズームする形でマグノリアが登場するシーンへとつながるところ。昼から夜へと時間が変わる描写からの演出となることを考えると、闇に乗じて彼女が白魔道プラントのティズを救いに行く流れが連想されます。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 しかも位置的に考えると、彼女が忍び込もうとしているのは、体験版で秘密の地下室があった学園の寮のように見えます。もしかして、学園の地下に白魔道プラントがあるのかも!? ……よく見たら、単にマグノリアが立っている崖の位置が寮に近いだけという気もしてきました。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 と考えつつも、ティズがいる白魔道プラントはエタルニア公国軍総司令部にあるはず。ということは、単なる僕の深読みかもしれませんね。

◆イスタンタールやラクリーカは魔王との決戦場所になる?

 深読みついでにもう1つ。このPVで流れている音楽は魔王戦のBGM『歪なる思念 其の名は魔王』です。マグノリアが魔王バスターであることから使われているのかもしれませんが、イスタンタールのグラフィックが描き上げられている中で流れることを深読みすると、この場所で魔王との決戦が行われることを暗示しているのかもしれません。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 体験版のストーリーはオリジナルで、本編とは異なるそうですが、体験版ではイスタンタールを魔王が襲おうとしていました。もしかしたら、ラクリーカという国全体や、風のクリスタルがある神殿を魔王が襲撃する展開もありうるのかも?


●動画:『ブレイブリーセカンド』~胎動篇~

 続いては、TGS(東京ゲームショウ)近辺で公開された2本の“胎動篇”について。先に公開されたほうはアニエスのみが登場し、その少し後に主人公のユウたちの存在が明かされました。その内容はほとんど同じなので、基本的には“胎動編(三銃士Ver)”のナレーションを読んでいただければと思います。

●胎動篇のナレーション

:想い。それはとても、強く気高いもの。

 かつてルクセンダルクを闇の氾濫から救ったキミだけど、その想いはあたかも引き裂かれてしまったかに見える。

 だけど、希望を捨てないで。キミの想いが、世界を再び動かしたんだ。

 新しい世界は新しい出会いを生み出し、そして新たな出会いは、新たな物語を生むだろう。

 多くの障害がキミの行く手をはばむかもしれない。

 でもキミなら、これまで通りきっと大丈夫。

 忘れないで。誰かを想う力。それが奇跡を起こすということを。

●動画:『ブレイブリーセカンド』~胎動篇~三銃士Ver

●胎動篇(三銃士Ver)のナレーション

:想い。それはとても、強く気高いもの。

 かつてルクセンダルクを闇の氾濫から救ったキミだけど、その想いはあたかも引き裂かれ、世界は停止してしまったかに見える。

 アニエス・オブリージュ。法王になったキミは、エタルニア公国との和平調印式で囚われの身となってしまったが、正教騎士団三銃士、烈火のウルフ“ジャン・アンガルド”、堅牢のバイソン“ニコライ・ニコラニコフ”、そして疾風のファルコン“ユウ・ゼネオルシア”、彼らが必ず、キミを助け出すだろう。

 世界はまだ、キミを失うわけにはいかないのだから。

 だから、希望を捨てないで。キミの想いが、世界を再び動かしたんだ。

 新しい世界は新しい出会いを生み出し、そして新たな出会いは、新たな物語を生むだろう。

 多くの障害がキミの行く手をはばむかもしれない。

 でもキミなら、これまで通りきっと大丈夫。

 忘れないで。誰かを想う力。それが奇跡を起こすということを。

◆似て非なる2つのPVの違い。“世界は停止してしまったかに見える”の意味は?

 さて、このPVからはより世界観に関するヒントが盛り込まれて、考える材料が増えてきます。まず考えたいのは、2つのPVのナレーションの違いについて。実はごく一部の表現が変更されています。

 1つ目は“その想いはあたかも引き裂かれてしまったかに見える”→“その想いはあたかも引き裂かれ、世界は停止してしまったかに見える”で、もう1つは“だけど、希望を捨てないで”→“だから、希望を捨てないで”の変更です。後者は、間に三銃士の話が入ったための調整かもしれませんが、前者はかなり意図的に情報を伏せた=重要な情報だと推測できます。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 では、“世界は停止してしまったかに見える”は何を表しているのか? まず思い浮かぶのはバトル中の“ブレイブリーセカンド”による“時間停止”です。でも、だからなんだと言った感じで、うまく文脈とつながらないですね。

 もう1つ連想されるのは、前作の冒険後に魂が抜け落ちてしまったかのように倒れてしまったティズのことです。意識を失い、ずっと時間が止まっていたかのようなティズの物語が再び動き始めることを暗示しているようにも感じます。

◆アニエスへと語りかけているナレーションの女性は誰なのか?

 そして、一度意識するとよくわからなくなる部分なのですが、このナレーションを語っているのは誰なのでしょうか? 最初に見た時は、アニエスが走っているシーンなのでアニエスのモノローグかと思ったのですが、声が違いますし、ナレーション中のキミ=アニエスなので、アニエスではありません。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 アニエス以外の女性キャラとなるとイデアやマグノリアなどが考えられますが、彼女たちの声ではありません。川澄綾子さんのナレーションとなりますが、まだ川澄綾子さんが演じるキャラは発表されていないんですよね。単なるナレーションなのか、重要なキャラなのか……気になります。

 個人的には“彼らが必ず、キミを助け出すだろう”という予言めいた断定口調もちょっと気になっています。前作の“Dの手帳”の未来暗示みたいな感じで、わざわざ“必ず”という強い言葉を使っているのがひっかかるんですよね。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

◆アニエスが目指しているのはノルエンデ村?

 よくよく考えると、アニエスが走っている場所にも意味があるのかもしれません。見た感じは谷なので、無難に考えるとノルエンデ渓谷なのかと。ティズとアニエスが出会った場所とも言えるので、因縁がありますし。流星のような演出がある場所は大穴があった場所で、アニエスはそこを目指して走っているのかもしれません。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 途中でアニエスが転び、立ち上がることも、何かを暗示しているような気がします。ゲーム中でもアニエスを大きな苦難が襲い、一度は敗北しつつも、それでも立ち上がってもう一度戦うシーンなどがあるのかしれませんね。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 場所も気になりますが、PVの最後のシーンでロゴにかぶさるように演出される青白い光の波も引っかかります。単なる演出なのかもしれませんが、一度見るだけでも印象に残るほど強調されているので、何か意味がありそうな気がします。

 ちょうど先日公開された新ジョブのガーディアンも青白い感じですし、もしかしたら関係があるのかもしれません。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

◆“ヘブンズゲート”や“烈火のウルフ”など新技が続出

 ちなみに“胎動篇(三銃士Ver)”のPVのバトルシーンには、まだ詳細が不明なアビリティや敵がガンガン登場しています。ユウが使う“ヘブンズゲート”は広範囲の敵に光の剣が降り注ぐ技で、ジャンは狼のような形の赤いオーラを放つ“烈火のウルフ”や“ウルフファング”という技を使っています。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』
『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 そんな中、ニコライさんだけは“ヒール”で全体回復をするという地味な感じでほっこりしてしまいました。まあ、この“ヒール”も実は前作になかった新アビリティなんですけどね。個人的な予測としては、ウィザードの精霊魔法になりそうな気がします。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 ユウのバトルシーンの中には明らかに前作の“必殺技”的なカメラアングルがありますし、このPVで公開された森の中の小屋的なイメージボードも公式にはアナウンスされていない場所です。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』
『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 イスタンタールの中を走るシーンでは、単なるNPCとは思えないほどかっぷくがいい王様のような人に目がいきます。礼拝堂らしき場所でマグノリアとアニエスが対峙しているシーンもありますが、よくよく考えると不思議ですよね。アニエスって、囚われているんじゃ?

 囚われる前なのか、助けた後なのか、わざわざPVの中に入れてあることを考えると、深読みをしたくなります。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』
『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 PVの後半にはマグノリアが敵と戦いまくるラッシュシーンがありますが、ここに登場する敵はほとんど今作から登場する新たなものばかり。防護服のようなものを着た人間らしき敵や、二足歩行で盾を持った竜人のような敵など、世界観とも関係しそうな敵もいます。

 そんな中、なんだかちょっとコミカルでかわいいロバっぽい敵もいて、ついついなごんでしまいます。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』
『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

●動画:『ブレイブリーセカンド』~旋律編~

 体験版にも収録されているアスタリスク所持者とのバトル曲が使われた“旋律編”は、アニエスをさらった皇帝オブリビオンや謎の妖精アンネなどが登場し、かなりシリアスな雰囲気となっています。

 僕が実際に聞いて書き起こしているので、誰がしゃべっているのか断定できない部分が多いのですが、気になる単語がいくつも登場しています。

●旋律篇のナレーション

ユウ:オレの使命はあなたをお守りすること! 疾風のファルコン、ユウ・ゼネオルシア参上!

ジャン:やれやれ、圧倒的だな! オレの強さはよぉ。烈火のウルフ、ジャン・アンガルド!

ニコライ:大事なことなので二度申し上げました。堅牢のバイソン、ニコライ・ニコラニコフ!

マグノリア:イッツ・ショウタイム! 時間停止よ。魔王バスター、マグノリア・アーチ登場よ。

アニエス:何かが始まろうとしている。そんな気がするのです。

男?:世界。それは認識なのさ。キミが認識するから、そこに世界が存在するんだ。

マグノリア:ブレイブリーセカンド!

ジャン?:今までのヤツとはレベルが違うってことか。

プリン?:ズタボロのボロ雑巾になっちゃってくださーい。

ガイスト?:まだ宴は始まったばかり…。

アニエス?:何者にも邪魔はさせません!

ユウ:正教騎士団三銃士の名にかけて、アニエス様を守る!

アニエス:この世界に無駄なことなんて1つもないのです。

 想いをつなげなさい。きっと方法があります。

 あなた自身の手で。

男?:すべてはキミしだい、なんだよ。

ティズ?:ただいま、アニエス。

◆カントのコペルニクス的転回にも通じる「キミが認識するから、そこに世界が存在するんだ」という言葉

 このPVで気になるのは、とにかく“認識”と“世界”という言葉ですね。この言葉をしゃべっているのが誰なのかも気になります。未発表のキャラだと思われますが、果たしてどんなキャラなのでしょうか?

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 “世界”という言葉は、“胎動篇”でも何度か使われています。“世界は停止してしまったかに見える”、“世界はまだ、キミを失うわけにはいかないのだから”、“キミの想いが、世界を再び動かしたんだ”など、あらためて考えるとあえて多用されているようにも感じます。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 ネタバレになるので深くは触れませんが、『ブレイブリー』シリーズの世界は多元世界やパラレルワールド的な意味合いを持つ側面があります。そうなると、“認識”されたものだけが“世界”として成立するという考え方はしっくりきます。

 逆に考えると、認識されない世界や忘れられた世界は存在しない、もしくは停止してしまうとも考えられます。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 ……なんて考えると、認識論や存在論といった哲学的なしそうにもつながってくるかと。かつてカントが提示した“コペルニクス的転回”では、世界があるから人間が認識するのではなく、人間が認識するからこそ世界が存在しうるという認識論が展開されました。

 『ブレイブリーセカンド』でも、その考え方ができるとしたら? 前作の物語を含めて、いろいろと考え直してみてもおもしろそうな気がしますね。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

◆“傲慢”を司る強敵ルシファーなど、多くの未公開情報にも注目

 PV中に確認できる画面写真も、意味深なものばかり。グランツ帝国の空飛ぶ城は巨大な氷やクリスタルのようにも見えますし、ユウが本を読んでいるのか、「風は強く、木々のそよぎは、まるで死んだ仲間たちの怨念の声」というセリフも不思議な感じがしますね。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』
『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 しれっと『フォーザ・シークウェル』に登場した“傲慢”を司る強敵ルシファーが登場して“エアロジャ”を使っているところも見逃せません。『ブレイブリーセカンド』にも七つの大罪を模した強敵が登場するのかも?

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 皇帝オブリブオンいわく「この世界の否定に、その力、利用させてもらうぞ」とのことで、アニエスをさらった目的の一端が見えた気がします。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

◆「ただいま、アニエス」の言葉とともに流れる流星は何を暗示する?

 PVの最後で「想いをつなげなさい。きっと方法があります」という言葉とともにアニエスがクリスタルに向かって歩いているシーンを見て、前作の勇気を持ってクリスタルを××するシーンが連想されるのは僕だけでしょうか。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 そしてもっと気になるのが、最後の最後にティズらしき人物による「ただいま、アニエス」にあわせて、流星らしいものが横切ること。空から地上に星が落ちてくるように、ティズやその魂が天から地上に帰ってくることを意味するのでしょうか?

 この演出の意図は分析できていませんが、何か深い意味がありそうなので、ゲームをプレイする時に意識しておこうと思います。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

●動画:『ブレイブリーセカンド』~覚醒編~

 このPVはなんといっても音楽が熱いです! 『ブレイブリーセカンド』の曲はどれもクオリティが高いのですが、特にこの皇帝オブリビオンのテーマ曲は激しいアップテンポな曲となっており、RPGファンは心が震えるんじゃないかと。必聴です!

 動画の内容についても、前作の重要キャラのアナゼルらしき人物のセリフなど、意味深なキーワードが多数登場しています。

●覚醒篇のナレーション

アナゼル?:イデアはオレが守る! たとえ相手が誰であろうと!(苦しそうに)

オブリビオン:世界よ、秩序よ、私はすべてを否定するものだ。

アンネ:さあ、私の全存在をかけて、殺して差し上げますわ。

オブリビオン:力の差も省みず私に挑むか、若き騎士よ。

イデア:あのころは私もそう思ってたよ。自分の正義を貫くことが大切だってさ。

アナゼル?:イデアに近寄るなぁ!

アンネ?:この失態、万死に値しますわ。

ジャン?:4つのクリスタルが暴走した時、この世界は終わる。

ミネット:ひとりぼっちになるのは、もうイヤなのにゃー!

ガイスト:キサマらの攻撃はすべて無に帰す…。

ジャン?:本当にうっとおしい野郎だ!

オブリビオン:しかし私はそれを否定する!

マグノリア:魔王バスターの力を見せてあげるわ!

オブリビオン?:この忌まわしき世界もろとも!

ユウ:世界を巻き込むな!

アンネ:ふふふ。やはり、邪魔しに来るのですわね。

◆この暗黒騎士アナゼルは“どのアナゼル”なのか?

 まずはなんといっても、冒頭のアナゼルらしき人物のセリフが気になります。兜でくぐもった感じとなっているので、暗黒騎士のアスタリスク所持者であるアナゼルであることは間違いないと思いますが、問題はどのアナゼルなのかなんですよね(意味深)。

 前作をプレイ中の人のために直接は書きませんが、アナゼルはいろいろと複雑な設定を持ったキャラクターですから……。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 セリフ的には、“たとえ相手が誰であろうと”という言い回しが気になります。これって、“どんな強い相手でも立ち向かう”という読み方もできますが、“本当は戦いたくない相手でもイデアのためならなんでもやる”という風にも感じますよね。

 アナゼルにとってのそんな相手はそう多くないはず。もしかしたらイデアの父であり、育ててくれた恩人であるブレイブと剣を交えることがあるのかも?

 イデアといえば、このPVには彼女が登場しており、ピンチのユウを助けるシーンがあるようです。イデアはパーティメンバーになることが確定しているので、どんな流れで登場するのか楽しみですね。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』
『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

◆記憶喪失のリングアベルと、“忘却”の名を持つ皇帝オブリビオンの関係

 それにしても、アニエス、ティズ、イデアと来たら、残る1人の前作のパーティメンバーのリングアベルが登場するのかどうかも気になるところ。まさか出ないってことはないと思うのですが、いろいろと複雑な立ち位置のキャラですからね。リングアベルという名前では登場しない可能性もありえるんじゃないかと。

 余談ですが、仮面をつけた皇帝オブリビオンが発表された時に、彼の正体がリングアベルなんじゃないかと疑ったことがあります。声優さんが発表されたこともあり、オブリビオン=リングアベル説は消えたような気がしますが、前作のリングアベルは記憶を失っていて、オブリビオンは英語で“忘却”を意味することを考えると、まったくの無関係とも思えないんですよね……。うーん。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 オブリビオンに付き従う謎の妖精アンネもまた、前作のあのキャラとの類似を含めてめちゃくちゃ気になりますが、さすがに前作のネタバレになりすぎるので今回はあまり深くは書かないつもりです。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 ……ただ、前作の最後の最後に出てきたあのキャラの姉(?)的な存在との関係は疑ってかかっています。名前的にもアンネと姉(アネ)で似てますしね。なんて冗談半分ですが、意外と『ブレイブリー』シリーズはダジャレや言葉遊びが多いので、深い意味が隠されているかもしれませんよ!

◆クリスタルの巫女たちに関する妄想と考察

 その他、気になるキーワードとして“4つのクリスタル”という言葉が出てきています。クリスタルが暴走するとこの世界は終わるということは、誰かが暴走させようとしているわけですよね。そして、暴走しそうなクリスタルを制御できそうな人物と言えば、かつての風のクリスタルの巫女で、今は法王となっているアニエスぐらいなんじゃないかと。

 と考えた時に、ちょっと気になったのがアニエス以外の巫女の存在です。アニエスが法王になった後、別の誰かが風のクリスタルの巫女になっていたりはしないのでしょうか? また、前作でアニエスの親友として登場した水のクリスタルの巫女のオリビアの動向も気になります。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 ちょっと脇道にそれますが、月島総記さんが執筆した小説版『ブレイブリーデフォルト Rの手帳』ではオリビアはパーティメンバーに加わり、時魔道士とかにジョブチェンジして戦う場面もありました(てか、アスタリスク所持者をすべて仲間にしていくので、パーティメンバーが10人以上の大所帯になっていました。笑)。彼女が盗賊のジャッカルとくっつきそうになる展開もドキドキしながら読んだものです。

 なんて小説のネタバレはさておき、もしオリビアが生きているなら、『ブレイブリーセカンド』で巫女たちの力を借りるために世界各国を回る展開なんかもありそうだと感じました。

◆街を歩く猫と会話ができるかも!? ねこ使いに関する個人的な希望

 また、個人的に非常に気になっている新ジョブ“ねこ使い”のアスタリスク所持者・ミネットのセリフも意味深です。「ひとりぼっちになるのは、もうイヤなのにゃー!」で“もう”と言っているからには、かつてはひとりぼっちで今は違うということ。

 間違いなく誰かと一緒に行動しているはずですが、それが皇帝オブリビオンの一派とは考えにくい気がするんですよね。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 これはもう個人的なひいき目ですが、ミネットは悪人じゃないと思うので、世界を否定するようなグランツ帝国の仲間にならない気がします。逆にパティシエのパネットーネやエクソシトのガイストなんかは、グランツ帝国に所属していても違和感がないかなー、なんて。

 冷静に思い返すと、ジャンプフェスタの生放送で公開されたミネットのイベントでは、「お仕事はねこのお世話と暗殺にゃ」といっていたので、わりとそういうキャラなのかもしれませんね。あれ? なんか完全に個人的な思い入れの差のような気もしてきました(笑)。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 これは単なる妄想ですが、体験版でイスタンタールの街の南西の壁の上に猫がいたじゃないです。個人的にあの猫は、ミネットを仲間にするというか、ねこ使いのジョブを入手したら、何かヒントをくれそうな予感がしています。

 ミネットは猫の王で、全世界の猫たちによるネットワークを持っているとのことなので、街を歩いている猫から情報をもらえそうな気がするんですよね。

 『ブレイブリーセカンド』を手掛ける浅野智也プロデューサーがDSで手掛けた『光の4戦士』では、動物に変身することで街の動物と話せるようになるギミックがありました。だからきっと、今回の猫とも話せるようになるはず!

 まあ、半分以上は単に僕が猫が好きだからという願望ですけどね。

◆船の形をした新たな召喚魔法が登場?

 PV中のバトルシーンでは、巨大な船のような存在が砲撃を行う場面に注目したいところ。前作の召喚魔法に電車や飛行機といった乗り物をモチーフにしたものがあったので、この船も新たな召喚魔法である可能性が高いです。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

 といった感じで、考察の前段階としてPVの気になる部分を列挙するだけのつもりが、思いのほか長くなってしまった気がします。やっぱり『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー』を遊んだ時の衝撃が大きかった分、いろいろと妄想しちゃうんですよね。

 こうしてPVを見直してみるだけでも、『ブレイブリーセカンド』には前作以上にいろいろな伏線が張られている感じがします。少なくとも前作を遊んで楽しかった人は、本作も存分に楽しめるのではないでしょうか。

 個人的には2015年のRPGの中でもトップクラスで期待している大作RPGです。シリーズものではありますが、主人公パーティが一新されているので、本作から遊び始めても楽しめるはず。体験版が配信中なので、気になる方はぜひ遊んでみてほしいと思います!


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●QRコードを使用した『体験版』ダウンロード方法

[01]3DSのHOME画面でLとRボタンを同時押しして、カメラを起動します。

[02]下画面の左下のボタンを押して、QRコードリーダーを起動します。

[03]下のQRコードを読み込ませましょう。

『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』

(C)2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. MAIN CHARACTER DESIGN : Akihiko Yoshida.

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