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2015年3月18日(水)

『torne mobile』が本日より配信。『nasne』がより便利に、『torne PS4』のコンパニオンアプリとしても動作

文:皐月誠

 SCEは、iOS/Android用アプリ『torne mobile(トルネ モバイル)』を本日3月18日より配信する。対応OSはiOSが7.0以上、Androidが4.1以上。なお、本日はPS3用『地上デジタルレコーダーキット torne(トルネ)』の発売からちょうど5年目にあたる。

『torne mobile』
▲『torne』は今日で5周年。ちなみに『tonre』はアプリケーションの名前で、『地上デジタルレコーダーキット torne』は“PS3専用地上デジタルチューナー”と『torne』ソフトウェアのセットであることには注意されたい。

 『torne mobile』は、ネットワークレコーダー&メディアストレージ『nasne(ナスネ)』と連動させることで、放送中および録画済みTV番組の視聴や、録画予約などを行えるアプリ。『nasne』をリモートするモバイルアプリには『nasne ACCESS』および『TV Side View』がすでに存在するが、『torne mobile』にはビジュアルサーチなど独自の機能が実装されている。

 ダウンロード自体は無料だが、視聴・再生機能を用いるには500円(税込)の利用権をアプリ内で購入する必要がある。また、『torne mobile』の標準的なグラフィックスは白を基調としたデザインだが、これを黒基調に変える権利も300円(税込)にて販売される。カラー変更はあくまでオマケ的な要素のため、開発サイドへの応援的なニュアンスでの購入を期待しているという。

 一般向けのリリースに先立ってメディア向けのプレゼンが開催され、そこでは実際にアプリに触ることができた。

『torne mobile』

■『torne』シリーズらしい“爆速・快適・簡単操作”

 本アプリはほとんどがネイティブ実装となっており、外部へのアクセスは最低限に留められている。そのため挙動は非常に軽快で、『torne』シリーズが掲げる“爆速”を実現している。

 処理系統も消費電力を最小限に抑えるよう設計されている。もちろん『nasne』からのストリーミング視聴時は相応にバッテリーを消耗させるが、待機状態での電力消費についてはそう意識する必要もなく“快適”に端末を使用できるだろう。

 消費電力抑制のため、PS4用の『torne PS4』で見られたような背景アニメーションなど3D表現を要するUIは不採用となっている。同心円状に配置されたアイコンも同様に不採用となっており少し寂しい気もするが、インターフェイスにゲームパッドではなくタッチパネルを用いる上では、シンプルなデザインの方が適しているとのことだ。アイコンを直接タップして機能をセレクトできる点では、『torne PS4』よりも“簡単操作”で秀でていると言えるかもしれない。また、パステルカラーで塗り分けられたカラフルなUIは本アプリにも継承されている。

『torne mobile』 『torne mobile』
▲UIはシンプルなスタイルを採用。白を基調にパステル色を用いたカラーコーディネートは従来の『torne』を継承している。▲録画番組リストの画面(以下に掲載の画像含め、データはすべてダミー)。スマートなデザインでまとめられている。

 さらに、本アプリはあらゆる解像度・縦横比に対して最適な表示を実現している。昨今のモバイル端末はサイズや解像度が多種多様だ。ハードウェアの分類についても携帯電話やタブレットだけでなく、それらの中間であるファブレットや、TVセットボックス型のAndroid端末などが発売されている。マルチ解像度のスタイルで開発を行ったことには、相応の苦労があった模様だ。

『torne mobile』
▲さまざまなハードウェアでの動作を実演してもらった。これらの他、ソニー製の2画面タブレット『Xperia P』シリーズなどでも動作確認を行ったという。
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▲端末方向に関しても、縦横両対応となっている。

 『torne mobile』には『torne PS4』に対応したコンパニオンアプリとしての機能もあり、DUALSHOCK4を用いずに『torne PS4』の操作を行える。「外出先で録画番組を見ることはない」という人でも、“家庭内の新たなリモコン”として『torne mobile』を使用してみてはいかがだろうか?

■『nasne』を持っていなくても使える機能

 『torne mobile』は、『nasne』とペアリングさせずにスタンドアロン状態で起動させることも可能だ。当然ながらスタンドアロンでの番組視聴は行えないが、『torne PS4』にも実装されているトル数(『nasne』を利用した録画予約数)ランキングやトルネフピックアップ(独自にピックアップした番組の紹介)などの閲覧機能は利用できる。

『torne mobile』 『torne mobile』
▲トルネフが独自にリサーチした注目番組を教えてくれる“トルネフピックアップ”。思わぬ時間帯や放映局でおもしろい番組が放映されているかも?▲人気の番組がわかる“トル数ランキング”。話題の作品をチェックしてみよう。

 また、スタンドアロン状態での番組表はダミーのデータが表示されるが、ここにおける番組名や番組紹介文は開発スタッフ入魂の遊び心あふれるテキストとなっている。「『nasne』を持っていない」という人でも、一度は目を通してみてほしいポイントだ。

『torne mobile』
▲番組表ダミーデータの一部。局ごとに担当スタッフが異なっておりネタの方向性が異なるとのことなので、見比べても楽しめるだろう。

■おしゃべりオウム“トルネフ”と遊ぼう!

 TVと美しいもの(主に女性)と甘栗が好きな、torneチームの広報オウム・トルネフ。『torne PS4』やTwitterで人気の彼だが、上記の画像からもわかるように『torne mobile』にも登場する。画面の右下に頭を出しているトルネフは、時たま喋って番組紹介や未視聴録画番組の案内をしてくれる。なお、スワイプで画面下から引き上げて全身を見ることも可能だ。

『torne mobile』
▲トルネフを引き上げた状態。

 また、本アプリには『nasne』のリモートだけでなく、独自の“ルーレットボイスコレクション”という機能も搭載されている。これは、アプリの起動時やアンケート回答時、Twitter連動機能でTweetを行った時などにもらえる“トルネフポイント”を消費してルーレットを回し、トルネフのボイスを集めるというもの。レアなボイスには、思わず笑ってしまうような有名作品のパロディネタが存在する。

『torne mobile』 『torne mobile』
▲『torne PS4』では“答えて結果を見る”だけだったアンケート。新たに“ポイントを集めてルーレットを回す”という遊びが追加された。
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▲ルーレットでトルネフのボイスを入手すると、パネル状のリストが少しずつ開放されていく。なお、ルーレットには“外れるたびにアタリの箇所が増える”という、ユーザーフレンドリなフィーチャーが搭載されている。

 トルネフが喋ったのは、2014年6月に公開された『torne PS4』のプロモーション動画が初。今回のボイス実装は、ここでの反響が大きかったことに起因するという。特にユーザーにとって利点がある機能ではないが、こういった“遊び”は何となく嬉しい要素だ。


 かつてTVは“単なる受像機”だったが、デジタル技術の進歩にともなってインターネットや各種機器との複雑な融合を日進月歩で進めている。TV番組はデータ放送やTwitterを利用したリアルタイム連動、装置としてのTVは『YouTube』や『Hulu』などアプリケーションの搭載、WebサービスではNHKオンデマンドなどの放送局による動画配信、外部接続機器ではAndroidのTVセットボックスや『Apple TV』など、昨今の変化を挙げれば枚挙に暇がないくらいだ。ただ番組を観るだけではなく、全国のユーザー情報やSNSと連携してよりソーシャルなテレビの視録体験ができる『torne』。それを持ち歩ける『torne mobile』は“生活が大きく便利になる”ものではないながら、また少しTVとインターネットの関連性、そしてPS4や『nasne』の価値に進歩を与えてくれるだろう。

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