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2015年3月26日(木)

『Bloodborne(ブラッドボーン)』レビュー! 高難易度が生み出すアクションの手ごたえや死闘感をお届け

文:る~ぱ

 SCEから本日3月26日に発売されたPS4用ソフト『Bloodborne(ブラッドボーン)』の特集企画として、本作のレビューを掲載します。

『Bloodborne(ブラッドボーン)』

 本作は、アクションRPGの金字塔『Demon’s Souls(デモンズソウル)』を生んだフロム・ソフトウェアとSCE JAPANスタジオが再びタッグを組んで送り出す完全新作アクションRPG。風土病である“獣の病”が蔓延する古都ヤーナムを舞台に、死闘感あふれるバトルと壮大な物語が展開します。

 ついに発売となったPS4期待のタイトル『ブラッドボーン』について、アクションやバトルを中心にレビュー。気になるシステムの魅力や戦闘の難易度について迫ります。

■容赦なくプレイヤーに襲いかかる高い難易度

 このゲームをプレイしてまず感じるであろうことは“プレイヤーキャラがもろい”ということ。いわゆるザコ敵が相手でも、何度か攻撃を受けただけであっさりとやられます。しかも本作では複数の敵と戦わざるを得ない場面も多く、ゲームを初めてから数時間は数えきれないほど死んでしまいました。また、アクションがやや特殊で、独特の操作感が求められるため、最初は操作に戸惑い、死亡してしまう場面も。

『Bloodborne(ブラッドボーン)』
▲最初に心を折った敵が、少し大きめのコイツ。とにかく攻撃力が高く、回避に失敗するとあっという間にやられてしまいます。

 薄暗い街中を進んでいく最初のエリアでは、曲がり角や荷物の裏側には敵が待ち構えており、先に進むだけでもおっかなびっくり。立体的に入り組んだ構造のエリアでは、眼前の敵と戦っていると気づいたら背後から敵が迫っていた……なんて場面も多く、つねに緊張感のある戦闘を強いられます。

『Bloodborne(ブラッドボーン)』 『Bloodborne(ブラッドボーン)』
▲背後から敵は来ていないか、物陰に敵はいないか……進むごとに緊張感が増してきます。

 本作では、敵を倒した際に“血の遺志”というものを獲得できます。これは他のゲームでいうところの経験値&お金のようなもので、拠点に戻った際にプレイヤーのレベルアップに使用する他、装備や道具に交換することができます。ゲームを進めるうえで重要になる“血の遺志”ですが、途中でやられてしまうと“0”になってしまうのが本作の難易度に拍車をかけています。失った“血の遺志”は死亡した地点に残っており、再びその地点まで行くと回収できます。ただし、“血の意志”を敵が拾ってしまうことがあり、その場合は拾った敵を倒さないと回収できません。

『Bloodborne(ブラッドボーン)』
▲失った“血の遺志”を回収する前に再び死亡してしまうと、完全にロストとなるので注意!

 これらの要素により、もう少し先に進んで探索をするか、一度戻って体勢を立て直すか、といった判断も重要。大量に集めた“血の遺志”を回収する時のプレイは、緊張感2割増しの探索が味わえます。

■何度も挑戦することで見えてくる光明

 前述の通り難易度が高く、ゲームを始めてすぐは何度も死亡をくり返しました。しかし、本作には理不尽な死亡というものはほとんどなく、死亡には必ず理由があるのが特徴。「あそこで無理に攻めずに一度逃げておけばよかった」や「先にアイテムを使ってあの敵を倒しておけば戦闘が有利に運んだ」など反省点も明快で、悔しさからついつい何度も挑戦したくなります。

 また、何度もやられていると敵の配置や行動の流れを把握できるように。「ここまで進むと敵が来るから、先にこちらの敵を倒して待ち構える」など戦略を自分で構築していくことで、スムーズに探索できるようになります。

『Bloodborne(ブラッドボーン)』
▲たとえ血の遺志をロストしてしまったとしても、そこまでのプレイはプレイヤー自身の経験値として蓄積されます。本作では、プレイヤーとしてレベルアップも試されるのです。
『Bloodborne(ブラッドボーン)』
▲探索を進めていくと、門やエレベーターなどの仕掛けを見つけることも。中にはショートカットに使えるギミックもあり、見つけた時の安堵感はすさまじいものがあります。

 アイテムの種類とその活用法の多さも特徴の1つ。探索を進めていくとさまざまなアイテムが手に入り、これらをどう使っていくかが攻略のカギとなります。アイテムを所持できる数に限りがありますが、ケチって死んでしまっては元も子もありません。ケチって死ぬより、使って生きる! 慎重でありつつも、大胆なプレイイングが求められます。

『Bloodborne(ブラッドボーン)』
▲火炎瓶を投げつけて敵に大ダメージ! 手ごわい敵にも弱点が存在するため、いろいろと試してみると思わぬ攻略法が見つかることもあります。

■操作に慣れてくると戦闘の駆け引きも楽しく

 油断するとあっさりと死亡してしまう戦闘ですが、だからこそ生まれてくるギリギリ死闘感も本作ならではと言えます。最初はメイン武器のノコギリ鉈を振るだけで精一杯でしたが、少し余裕が生まれてきて、変形した状態や銃撃を組み込めるようになると、戦闘がグッとおもしろくなります。 

『Bloodborne(ブラッドボーン)』
▲敵の攻撃の出がかりを銃撃すると強力な“内臓攻撃”がさく裂! 銃撃に限らず、それぞれの攻撃にはいろいろな追加効果があるため、それらを探す楽しみも存在。

 最初は当てるタイミングが難しく使いにくかった“ため攻撃”ですが、敵の動きをじっくりと観察していくと、当てるタイミングが見えてくるように。相手の攻撃をステップで回避し、背後からため攻撃を当てた時の爽快感はバツグンです!

『Bloodborne(ブラッドボーン)』
▲背後からため攻撃を当てた時にも内臓攻撃が可能。狙いすぎると反撃を受けてしまうこともあるため、タイミングを狙う駆け引きがアツいですよ。

 また、何度も物陰から襲われていると、怪しい場所の予想もできて“ここに敵がいそう”などと考えながら進む余裕も。ここまで来ると、本作ならではの緊張感がやみつきになり、ドキドキしながらも先に進むのが楽しくなってきます。

『Bloodborne(ブラッドボーン)』
▲……などと調子にのって進んで行くと新たなボス登場。再び容赦のない攻撃がプレイヤーを襲います。

■RPGとしてのやり込み要素も

 アクションRPGである本作は武器やステータスの強化も魅力の1つ。特にステータスはどの能力を伸ばしていくかで、有効な攻撃方法が変化します。“筋力”を上げて武器でガンガン攻める、リゲインなどの回復量を上昇させる“血質”を伸ばすなど、自分のプレイスタイルに応じた強化が可能です。

『Bloodborne(ブラッドボーン)』
▲武器の強化は“血の遺志”以外に特定のアイテムが必要な場合も。どの武器を強化していくかが悩みどころです。
『Bloodborne(ブラッドボーン)』
▲防具や消費アイテムは“血の遺志”で交換可能。いつ死亡してしまうかわからない本作では、なるべく性能の高い防具を装備して挑みたいです。

 とにかくキャラクターの強化には“血の遺志”が必要な『ブラッドボーン』。逆に言うと“血の遺志”さえあれば、かなりの強化が可能なのです。攻略に困った場合は、ザコ敵との戦闘をくり返しレベルを上げてから挑戦する、といったRPGのようなパワープレイをしてみるのもありだと思います。

■挑戦する喜びを求めているゲーマーにオススメの1本

『Bloodborne(ブラッドボーン)』

 高い難易度から生まれる手ごたえと、それを乗り越えた時の達成感を味わえる『ブラッドボーン』。アクションの腕前に自信がある人、ゲームにやりがいを求めている人は間違いなく楽しめる内容になっています。また、今回は書いていませんでしたが、PS4だからこそ実現できたゴシックホラーのテイストで描かれた世界は必見です。

 “アクションが苦手な人にもオススメ”と言い切るのは難しいですが、クリアできないような場面でも観察や工夫によって乗り越えられるようになっています。ダークな世界観やストーリーが気になった人にもぜひ挑戦してもらいたいタイトルです。

(C)Sony Computer Entertainment Inc. Developed by FromSoftware, Inc.

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