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2015年5月8日(金)

『このラブリードールは俺の妹ですか?』は妹似のラブリードールを愛する物語ではない!?【電撃文庫新作紹介】

文:電撃オンライン

 芦屋六月先生が執筆する、電撃文庫『このラブリードールは俺の妹ですか?』の紹介記事をお届けします。

『このラブリードールは俺の妹ですか?』

■人間みたいだろ? ラブリードールなんだぜ、彼女。

 日々魅力的に成長していく妹への劣情を抑えきれない俺は、その背徳的なリビドーから逃れるように、偶然出会った自主映画製作チームに参加する。

 美しくも凜々しい乙黒監督、幼女にしか見えないもちこさんなど、個性豊かな人たちと映画作りに没頭していたある日、運命の出会いを果たす。

 相手は、妹に激似のラブリードール。
 生身の妹か、口きかぬ等身大のドールか……どちらをとるのが正解なんだ!?

 妹LOVEの少年が経験する、コミカルで切ないエッチな青春の1ページ。

『このラブリードールは俺の妹ですか?』

【物語のここに注目!】

■妹への満たされぬリビドーを綴った妄想ノートが
 映画監督に評価されて脚本家デビュー!?

 タイトルを見た時、ドール(人形)を妹に見立ててかわいがっている兄の物語だと思いませんでしたか? その予想は裏切られます、いい意味で!

 この物語は妹への背徳的な恋心を忘れるため、自主映画製作に熱中する兄のちょっぴりエッチな青春ストーリーです! 「え? ドールと関係ないじゃん!!」と思ったみなさん、慌てないでください。妹のドールはちゃんと登場します。最高に笑えて、最高に救えないタイミングで……。

 兄・恋木杳一郎は高校にもいかず、妹・みさらとのラブな妄想をノートに書きつづることを日課としています。いわゆる、現実逃避という行為です。みさら自身は兄が自分に対して恋心を抱いていることは知りません。ただ、兄が秘密のノートを書いていることには気づいており、中身を見たいとねだります。杳一郎は断固拒否! 秘密の恋心ですから。

 その“妄想ノート”を映画監督・乙黒が偶然読んでしまったことから、物語は予想外の展開へ。才能を見出された杳一郎は、ラブリードールをヒロインに据えたシナリオを書き上げ、原作&脚本家としてデビューするのです。

 ところが、そのドールの名前がミスで“ミサラ”になったまま台本が完成。さらに撮影用の等身大ラブリードール“ミサラちゃん”まで製作されるという大惨事に!! 自宅で保管していたので妹にもバレてしまいます、当然ながら。

 表面はコミカル風味な自主映画製作物語、中身は大好きな人を本当に大切にするにはどうしたらいいのかを考えさせられる純愛ストーリー。誰かを本気で愛する勇気をくれる1冊、大人読者にもオススメです!

【登場人物のここに注目!】

■もの言わぬゆえに、多くのことを語る……
 助演女優賞はラブリードールのミサラちゃんに決まり!?
 「人間みたいだろ? ラブリードールなんだぜ、彼女」というキャッチコピーがぴったり!

 本作の影の主役といえば、等身大ラブリードール“ミサラちゃん”です。

 主人公・恋木杳一郎のミスで妹と同じ名前を与えられ、それが正式な役名になった……否、彼女は何かを演じているわけではないので本名と呼ぶべきでしょうか? 物語の随所で無機質な人形・ミサラちゃんの存在感が光ります。彼女はみさらに外見がそっくりなため、杳一郎にとても大切にされる一方、妹との関係をこじらせてしまう原因も作ります。愛されるのと同時に、煙たがられる不思議な存在なのです。

 妹のみさらはミサラちゃんを受け入れず、敵視します。大好きな兄が自分そっくりの等身大人形を持っていたら、年頃の女の子として複雑な想いを抱くのは当然のこと。兄の好意も妹の敵意も黙って受け止める姿は、まさに人形の鑑です。兄妹が互いの関係を見つめ直すことができたのもミサラちゃんがいたおかげ。もの言わぬ人形だからこそ、多くのことを語りかけてくるのかもしれません。

 たかが人形、されど人形――。ミサラちゃんと兄と妹の不思議な三角関係に注目です!!

(C)芦屋六月/KADOKAWA CORPORATION 2015 イラスト:わだつみ

データ

▼『このラブリードールは俺の妹ですか?』
■著/芦屋六月
■イラスト/わだつみ
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:KADOKAWA
■発売日:2015年4月10日発売
■定価:本体590円+税
 
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