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2015年5月2日(土)

他人のスマホをのぞき見る楽しみ。DeNAの意欲作『Lie~嘘と真実~』を高評価(コードプレゼントあり)

文:そみん

 ミステリー好きの自分が最近ハマっているのが、DeNAが提供中の謎解きノベル『Lie~嘘と真実~(ライ)』。“スマホドラマ”という新ジャンルで登場する本作はADVの派生作となりますが、一般的なコマンド選択型のADVとはちょっと異なる特殊なゲームとなっています。

『Lie~嘘と真実~』

 おもしろいゲームって、人に勧めたくなりますよね。特に“隠れた名作”の匂いを感じるものなら、なおさらです。

 その点、本作は非常にユニークなプレイ感覚を味わえる意欲作となっており、ぜひ多くのADVやミステリーファンに遊んでほしいと感じました。

『Lie~嘘と真実~』 『Lie~嘘と真実~』

 そんなわけで、4月下旬時点で配信されている全5本のストーリーをすべてクリアした自分なりの観点で、新ジャンル“スマホドラマ”の魅力を紹介していこうと思います。

※本作はスマートフォンのブラウザ上で遊べるゲームです。

 ちなみに記事の最後にはゲーム中でストーリーを読む際に使う“チケット×3”のシリアルコードのプレゼントも用意しています。100名様へのプレゼントとなるので、ぜひ本作に興味を持った方はご応募ください!

プレゼントに応募する

■個人情報が詰まったスマホ。そこに隠された“秘密”を盗み見る楽しみ

 まずは簡単に『Lie~嘘と真実~』の概要を紹介します。本作は連載型・体験型の謎解きノベル“スマホドラマ”と銘打たれており、プレイヤーは作中の登場人物になりきり、疑似的なスマートフォンを操作しながら“嘘”をめぐる物語を進めていきます。

 ストーリーは5本配信されており、各ストーリーは複数の章(チャプター)で構成されています。そして、章ごとに異なる主人公の視点で物語が展開していきます。

『Lie~嘘と真実~』
▲まさにスマホっぽいインターフェース。リアルな操作と同じ感覚で、アイコンをタッチしてメールをしたり、SNSを調べたりして謎解きを行います。

 基本的に“見る”や“話す”といったコマンド選択はなく、ビジュアルノベル感覚でストーリーが進むパートと、スマホを操作して謎を解くパートが交互に展開し、最終的にはその物語の真相を探り当てることになります。

『Lie~嘘と真実~』
▲真相に迫るシーンはADVテイスト。難易度自体はそれほど高くないので、気軽に楽しめます。どちらかというと、物語の過程を楽しむタイプですね。

 さて、この“スマホを操作して謎解きをしていく”感覚もかなりユニークなのですが、個人的にツボだったポイントは別にあります。

 それは、作中の登場人物のスマホを好き勝手にいじれるという部分です!

『Lie~嘘と真実~』
▲特に女性キャラクターのスマホを操作する時は、えもいわれぬ興奮が……! 中でも待ち受け画面の女子力が高い女子高生とかOLとかのスマホはたまりません!!

 スマホって、個人情報の塊じゃないですか。例えば、電話帳に登録されている人数を見ると友人や人間関係がわかります。この人、実は意外とリア充なんだなと感じたり、逆に本当はぼっちだったのかと感じたり。

 待ち受け画面に自分のペットや子どもを設定している人もいて、人それぞれの個性を感じられるところもいんですよね。

『Lie~嘘と真実~』
▲ちなみに作中に本名が登場しない場合でも、このようにメアドを見るとカイトという名前が判別できることも。こういう本筋とは無関係の部分までしっかりと作り込まれています。

 メールのやりとりも見られるのですが、人によっては友人と家族でまったく口調が変わるんですよね。ストーリーによっては不倫相手とのやりとりメールとか、いじめに関するシリアスなメールなどを見ることもでき、なかなかドキドキしてしまいます。

『Lie~嘘と真実~』
『Lie~嘘と真実~』
▲もし自分のメールが人に見られたら、間違いなくもだえ転げます。だからこそ、他人のスマホを見るのって楽しく感じちゃうんですよね(ニコリ)。

 その他、スケジュール帳や天気予報、スマホで撮影した写真が保存されたアルバムなんかも見ることができます。撮影した写真を見ると人となりを妄想しやすいので、個人的には新たなキャラのスマホをいじれるようになるたびに、真っ先にアルバムをチェックしています。

『Lie~嘘と真実~』 『Lie~嘘と真実~』
▲妄想好きの自分としては、アルバム画像でいろいろと妄想がはかどります。不倫中の男女のアルバムに同日同時間帯の画像があったら、この日にデートしたんだなと連想できますからね。

 ちなみに、ここまでの感想を読むと“『Lie~嘘と真実~』=他人のスマホをのぞくゲーム”と勘違いされてしまう気がしてきました。ええと、それは誤解です。

 プレイヤーは主人公となりきり、自分のスマホをいじってメールでやりとりをしたり、SNSで情報収集をしたりすることで、謎を解くヒントを探していくゲームです。

『Lie~嘘と真実~』

 この“主人公となりきる感覚”のリアリティを増すために用意された細かなギミック(電話帳やアルバムの作り込み)が秀逸だからこそ、まるで本当のスマホをのぞき見ているような感覚が生まれるわけですね。

■SNS(ポスッター)の無駄な作り込みがヤバイ! もちろん“無駄”はホメ言葉です

 続いて『Lie~嘘と真実~』の大きな特徴となるのが、ゲーム中に登場するポスターと呼ばれるSNSの作り込みのすごさです。このポスッターはリアルなつぶやき系SNSと同じような感じでタイムラインでのコメントを読めたり、ダイレクトメッセージを送れたりします。

『Lie~嘘と真実~』

 とはいえ、ゲーム中で自由に投稿できるわけではありません。メールや電話もそうなのですが、基本的にはストーリー進行で必要となる時に投稿を行う流れとなるので、そういう意味での自由度は低いです。

 メールやSNS投稿時に複数の文面を選べることもありますが、そこで物語が変わるわけではなく、ストーリーは1本道です。余談ですが、自分は間違った選択を選んだ時のリアクションが好きなので、あえて変な選択肢から選ぶタイプです。

『Lie~嘘と真実~』
『Lie~嘘と真実~』
▲メールやSNS投稿時に変な文面を選ぶことも可能。物語展開は変わりませんが、こういう寄り道が好きな人にはたまりませんね。

 ちょっと話がそれましたが、あらためてポスッターの何がすごいのかをお伝えします。それは、フォローやフォロワーをたどることで、物語本編とは無関係な一般人のコメントを追っていけるところです!

『Lie~嘘と真実~』
▲知り合いの知り合いをたどっていくことが可能。どんどん物語本編と関係がない話題になりますが、あえてそこまで作り込んでいるところが素晴らしい!
『Lie~嘘と真実~』 『Lie~嘘と真実~』
▲名言ボットとか雑学を披露するアカウントとか、ゲーム中の世界観を広げるためのスパイスとなっています。見なくてもクリアはできますが、たまに物語のバックグランド推理に役だったり、裏設定につながっていたりすることもあるので侮れません。

 フォロワーが数十万単位のアカウントもあるので、さすがに全部のアカウント分が用意されているわけではありませんが、それでもかなりのボリュームが用意されています。

 本作は最速で進めると1つの章を10分ぐらいでクリアすることもできますが、ポスッターを読み始めると一気にプレイ時間が変わってきます。

 逆に、一度真相にたどりついた物語でも、ヒマな時にポスッターを読み直すと新たな発見に出会えることも。自分の場合を例にすると、無関係だと思っていた2人が、よく見るとポスッターでつながっていることを発見した時なんか、思わずニヤリとしちゃいます。

『Lie~嘘と真実~』

■章ごとに主人公が変わるザッピング的な物語構造も高評価

 先述したように、本作のストーリーは複数の章で構成されており、章ごとに主人公が異なります。

 こういった複数視点での物語の醍醐味となるのが、物語の表と裏を楽しめるところではないでしょうか。その点で本作は、しっかりと複数視点のメリットを生かした物語構造となっていると感じました。

『Lie~嘘と真実~』

 ベタなところでは男女感情のすれ違い、複雑なところでは複数人が同じことを語っているようで実はズレていたという叙述トリック的な見せ方。複数の主人公=複数の視点が存在することが、ちゃんと物語のおもしろさにつながっているところは当然ながら高評価につながります。

 各章が短編で構成されていることもあり、プレイしている感覚はザッピングに近いです。かなり頻繁に主人公が入れ替わり、時系列もかなり近いので、なおさらそう感じますね。

 また、基本的には章が進むと時間軸も進むので、自分以外の人物のポスッターが更新されていくところも楽しいです。本編とは無関係な友人の友人同士のたわいないやり取りが更新されているのを見るのもおもしろいものですよ。

『Lie~嘘と真実~』

■配信中の5本のスマホドラマをレビュー!

 ここからは2015年4月下旬時点で配信中の5本のスマホドラマを遊んだ感想をお届けします。

 ストーリーが魅力のゲームなので極力ネタバレは避けようと思います。とはいえ、物語の雰囲気を伝えるために序盤でわかるレベルのネタバレはありえますので、ご了承ください。


●隣人の嘘

『Lie~嘘と真実~』

●“隣人の嘘”ストーリー概要

 とある高級住宅街、白百合ヶ丘に引っ越してきた一人の女性。

 若く美しい彼女が現れたその日から、平凡だった住民たちの日常が壊れていく……。

 たった1つの嘘からはじまる、愛と憎しみの物語。

『Lie~嘘と真実~』

 高級住宅街に引っ越してきた若き美女・三田村晴美。最初は彼女が気になる男たちによる恋愛ドラマが展開するように感じましたが、実際はもっとサスペンスタッチの物語でした。

 三田村晴美に関する黒い噂を中心に、嘘にまみれた彼女の正体や真意が暴かれていくことになります。

『Lie~嘘と真実~』

 物語中には子役アイドルや高級住宅街の主婦同士の確執なども描かれ、中盤以降はググッとどろどろした展開に。そんな中で無邪気に三田村晴美に恋い焦がれる男子高校生も登場し、いいアクセントとして楽しめました。

 個人的には、謎多き美女の秘密を1つ1つ暴いていくというストーリー展開にぐいぐいと引き込まれました。“きれいなお姉さんの秘密”にピンとくる人は、ぜひこのストーリーを遊んでみてほしいですね。


●春の特番! 恋愛ぶち抜きライオット

『Lie~嘘と真実~』

●“春の特番! 恋愛ぶち抜きライオット”ストーリー概要

 やらせ? まくら営業? そしてまさかの出演辞退!?

 若手お笑いコンビをメインにすえたスペシャル番組制作の裏で、TV業界ならではの嘘と真実が交差する。

 生放送の特番は果たして成功するのか!?

『Lie~嘘と真実~』

 このストーリーの主軸となるのは“浮気”です。若手お笑いコンビの浮気をきっかけに、元彼女の復讐劇が展開していきます。

 復讐といってもダーク寄りではなく、どちらかというとドタバタコメディに近いノリですね。もちろん、かなりシリアスなシーンも多いのですが、お笑いコンビが主要人物ということで、ちょこちょこと笑いがはさまってきます。

『Lie~嘘と真実~』

 そして、もう1つの裏テーマ的な楽しみが、テレビ業界の舞台裏がやや生々しく描写されるところ。プロデューサーと放送作家とのやり取りなど、なかなか真に迫っている気がします。業界の闇が感じられるかも!?

 余談ですが、このストーリーに登場するギャル文字を使う女性芸人の“まなぽょ”が非常にいい味を出しています。物語本編とのからみはそこまで多くありませんが、彼女が登場するとテンションが上がります! ポスッターもおもしろいので、チェックしてみてほしいです。

『Lie~嘘と真実~』

●謎のラーメン五九郎

『Lie~嘘と真実~』

●“謎のラーメン五九郎”ストーリー概要

 完全取材NGの店“ラーメン五九郎”。行列の出来るその店には、さまざまな謎が隠されていた。

 “ラーメン死”、“美人過ぎる客”、そして“店主の謎”。

 謎に包まれた人気ラーメン店をめぐる、嘘と真実とは?

『Lie~嘘と真実~』

 “ゴクロリアン”と呼ばれる熱狂的なファンたちが集う完全取材NGの店“ラーメン五九郎”。ちょっと、これって(笑)。

 設定的にはあのラーメン屋のパロディネタかなと感じましたが、実際のストーリー展開は完全に独立したもの。大盛りの量がヤバすぎるというネタこそ登場するものの、奇妙なラーメン屋の謎に迫る物語が展開します。

『Lie~嘘と真実~』

 このストーリーは他の4本と比べてオムニバス色が強く、章ごとに方向性が違う物語を楽しめるところもポイント。“ラーメン死”とか“美人過ぎる客”とか、気になるキーワードも多数登場するので、気軽に読むのに適していると思います。


●黒の絆

『Lie~嘘と真実~』

●“黒の絆”ストーリー概要

 私の父親は狂ってる――。

 父親の暴力に怯える一人の少女。

 彼女は父親への憎しみを小説にすることで心の平穏を保っていた。しかし彼女の思いは、ある少年との出会いによって爆発する。

 憎み合う親子が迎える衝撃の結末とは?

『Lie~嘘と真実~』

 本作の主要人物の女性・イズミエナは、ネット小説家の女子高生。そんな彼女の小説をポスッターで叩きまくる“人狼”という人物の登場により、物語が動き始めます。

 このストーリーはかなり人を選びます。全般的には鬱展開となるので、そういう展開が苦手な人はご注意ください。

 そもそもイズミエナの執筆動機は、義理の父親の暴力に対する憎しみ。この時点ですでにバッドエンドの匂いがぷんぷんです……。

『Lie~嘘と真実~』

 そんな彼女の前に現れたのは、これまた複雑な家庭事情を持つ同年代の男の子。イズミエナの小説に共感して、信者ともいえる彼とイズミエナの出会いの行方は……ネタバレになるので伏せておきます。


●みている。

『Lie~嘘と真実~』

●“みている。”ストーリー概要

 主人公、佐鳥孝の周囲で起こり始めた異変。そして、孝に思いを寄せる複数の女性。

 孝に付きまとうストーカーの正体は、いったい誰……?

『Lie~嘘と真実~』

 男なら誰もが夢見る(?)、モテ期やハーレム展開。ストーリーの序盤は、わりと男性的に幸せな雰囲気で進みます。

 主人公・佐鳥孝はいわゆる“いい人”で、ゲーマーとしても大活躍中の優しい人。最近彼女ができたものの、それまで彼女がいなかったのが不思議なくらい、天然でフラグを立てまくる人物という設定です。うらやましい!

『Lie~嘘と真実~』

 そんな孝くんですが、誰かにこっそり見られているような違和感を受け始めます。そう、ストーカーの気配を察してしまうのです。

 表面的にはヤンデレ系の女の子がストーカーをしているような展開となりますが、孝くんのモテ力はハンパじゃありません。物語が進むにつれて、どんどん不穏な展開に!?

『Lie~嘘と真実~』

 このストーリー中に何度も繰り返される「ストーカーをしている人間に、自分がストーカーだという自覚はない」という言葉。なんだかもう、最後まで読んだ時には少し人間不信になっちゃいました(苦笑)。

 物語のテーマ的にはシリアスですが、“黒の絆”ほどの重苦しさはありません(いじめとか、ダークな描写はありますけど……)。ひとまずチャプター3くらいまで読み進めると、自分の好みに合うかどうかがハッキリすると思いますよ。


 というわけで、シリアス系からお笑い系まで、なかなか幅広いストーリーが用意されています。気になるストーリーがあったら、ぜひ気軽に遊び始めてみてください。連休の空いた時間に遊び始めてみてはいかがでしょうか。

 今後は『金田一少年の事件簿』、『サイコメトラーEIJI』などで知られる樹林伸氏のストーリーも登場予定とのことで、追加ストーリーが楽しみですね。

[CHECK]ゲーム内で使える“チケット×3”を100名様にプレゼント!

 『Lie~嘘と真実~』に関する簡単なアンケートにお答えいただいた方の中から100名様に、ゲーム中で使える“チケット×3”をプレゼントいたします。締切は5月17日23:59です(5月10日から変更となりました)。

 チケットが3枚あれば一気に3チャプターも楽しめるので、気になるストーリーを一気読みしたい時にご活用ください!

 ちなみに本作は基本無料で遊べます。課金はストーリーを読み進めるものとなりますが、毎日のログインボーナスでも物語を読むために使う“チケット”をもらえるので、無料で全話を最後まで楽しむことができます。

 通勤や通学の際に1日1話、寝る前のちょっとした時間に1日1話といった感じで、ゆっくりと気長に楽しむこともおすすめです!

 なお、ログインボーナスでもらえる“チケット”は当日のみ有効となるので、ためておくことはできません。この記事でプレゼントする“チケット”など、特殊な“チケット”はためることが可能です。

プレゼントに応募する

※シリアルコードはメールで発送いたします。発送日は5月下旬を予定しております(5月中旬から変更となりました)。

※シリアルコードの入力はゲーム1アカウント1回までとなります。

※迷惑メール対策などでドメイン指定受信の設定をされている場合は、【ml.asciimw.jp】ドメインから届くメールの受信を許可してください。

※本作はスマートフォンのブラウザ上で遊べるゲームです。

(C)2015 DeNA Co.,Ltd.

データ

▼『Lie~嘘と真実~』
■メーカー:DeNA
■対応機種:iOS
■ジャンル:ADV
■サービス開始日:2015年4月1日
■価格:基本無料/アイテム課金
▼『Lie~嘘と真実~』
■メーカー:DeNA
■対応機種:Android
■ジャンル:ADV
■サービス開始日:2015年4月1日
■価格:基本無料/アイテム課金

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