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2015年5月1日(金)

スクエニが世界トップクラスの“泣く”CG技術デモを披露。研究成果は『FF15』やルミナス・スタジオに反映

文:そみん

 現地時間4月30日、米マイクロソフトが米国サンフランシスコで開催している開発者向けイベント“Microsoft Build Developer Conference”で、スクウェア・エニックスはWindows10ベースの次世代API“DirectX 12”を使用した技術デモ“WITCH CHAPTER 0[cry]”を初公開しました。

“WITCH CHAPTER 0[cry]”

■“WITCH CHAPTER 0[cry]”動画

 今回の技術デモは、スクウェア・エニックスが取り組んでいる新世代技術を対象とした技術研究プロジェクトの一環として発表されたもの。“DirectX 12”を活用したリアルタイムレンダリングCG技術の研究を進め、マイクロソフトと米NVIDIA Corporationの協力のもと、“DirectX 12”を使用した本技術デモが制作されました。

 この研究によって得られた成果は、スクウェア・エニックスのゲームエンジン“Luminous Studio(ルミナス・スタジオ)”に盛り込まれ、今後のゲーム開発に活用されるとのことです。

“WITCH CHAPTER 0[cry]”
“WITCH CHAPTER 0[cry]”

 技術デモ“WITCH CHAPTER 0[cry]”では、世界最高品質水準のリアルタイムレンダリングCGを実現。これまでのリアルタイムレンダリング技術では困難な表現の1つであった、人物が“泣く”という感情描写を、これまでにないクオリティで表現。

 まるで生きているかのようなキャラクターの生命感あふれる様子をリアルタイムレンダリングCGで見ることができます。

 なお、本技術デモは、2012年6月に発表された“Luminous Studio”の技術デモ映像“AGNI’S PHILOSOPHY-FINAL FANTASY REALTIME TECH DEMO”の制作メンバーが中心となって制作。より高精細で高効率な描画が実現されています。

 また、本技術デモは、NVIDIAのGeForceGTX TITAN X-4-way SLI PCを使用して動作しているとのこと。

●スクウェア・エニックス代表取締役社長・松田洋祐氏のコメント

 スクウェア・エニックスは、当社の新世代を担う技術と表現のショーケースとして、新世代技術研究プロジェクトに取り組んでいます。これは、取り組みを通じて培った成果をゲーム開発に活用して、スクウェア・エニックスが提供するゲームの品質水準を一層向上させることを目的としています。

 今後も、今回発表したDirectX 12を使用したハイエンドリアルタイムグラフィックス技術をはじめとして、さまざまな最先端技術をターゲットにした取り組みを推進してまいります。

●スクウェア・エニックス第2ビジネス・ディヴィジョン・エグゼクティブであり、新世代技術研究プロジェクトの責任者・田畑端氏のコメント

 我々のスタジオは、常に最高峰のプリレンダリングCGとリアルタイムレンダリングCGを追求しています。今回、技術開発の一環で、マイクロソフト様のWindows10/DirectX 12とNVIDIA様のGeForce GTXという、ソフトとハードの両方の最先端からの協力を得て、最高水準のリアルタイムCG技術を追求するArt&Techデモを制作いたしました。

 この新世代技術研究プロジェクトで得られる一連の成果を、今後のゲーム制作はもちろんのこと、現在制作中の『ファイナルファンタジーXV』にも惜しみなく投入していきます。

●マイクロソフトコーポレートヴァイスプレジデント兼チーフエバンジェリスト・Steven Guggenheimer氏のコメント

 私たちマイクロソフトは、さまざまなWindowsデバイスのフォームファクターとグラフィックカードとの広範囲な組み合わせにおいて、DirectX 12が業界最高のパフォーマンスを実現できるように設計しています。

 今回のスクウェア・エニックス様の取り組みは、これからのイノベーションやゲームパフォーマンスの最適化につながるDirectX 12の可能性を示す、という貴重な役割を果たしています。

●NVIDIA社長兼CEOJen-Hsun Huang氏のコメント

 “WITCH CHAPTER 0 [cry]” は、かつて試みられたリアルタイムのシネマ品質のグラフィックスの中でもっとも野心的なものです。スクウェア・エニックスの偉業は驚異的というほかありません。

 スクウェア・エニックスの素晴らしいチームがWITCH CHAPTER 0 [cry] に命をふきこむためにNVIDIA GAMEWORKS EFFECTS STUDIOを頼ってくれたことをうれしく思います。今回のデモは、これからのビデオゲームの美と芸術性の予告編と言えるものです。


 ちなみに“WITCH CHAPTER 0[cry]”は、日本マイクロソフトが5月26日、27日に東京で開催する技術コンファレンス“de:code 2015”にも出展される予定です。そこでも本技術デモの最新情報が公開されるそうです。

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