News

2015年5月7日(木)

アニメ『Fate/stay night UBW』におけるこだわりとは。あのシーンも実は手描きだった!?

文:喜一

 5月3日~5日に徳島県で開催されていた“マチ★アソビ Vol.14”。その最終日となる5月5日に新町東公園ステージにて、“『Fate/stay night』スタッフトークイベント”が行われた。

“『Fate/stay night』スタッフトークイベント”

 ステージに登壇したのは、アニメ『Fate/Zero』や『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』などの制作で知られるufotableの近藤光代表、同社に所属するスタッフの皆さん、アニプレックスの高橋祐馬さん。

“『Fate/stay night』スタッフトークイベント”
▲奥から、高橋さん、近藤代表。雲ひとつない青空のもとで、イベントが行われた。

■#01と#05の絵コンテの一部を配布

 イベント開始にあたり、アニメ『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』の第1話と第15話の絵コンテの一部が観客に配布された。第1話で原画を担当した茂木さんは、本作における魔力の表現にとても困ったという。

 また、本作での手描きへのこだわりについても語られた。昨今はCGの表現力も増してきているが、手描きでしか表現できない部分に力を入れているとのこと。

“『Fate/stay night』スタッフトークイベント”
▲こちらはイリヤとバーサーカーが手をつないでいるカット。このように資料を用いて、話が展開していった。

 これは三浦貴博監督がもともとアニメーター出身であることも大きく関係しているそうだ。バーサーカーとギルガメッシュ戦で描かれた鎖も手描きだそうで、会場にはどよめきが。

 そんなにこだわりがあるなら「作内(作画打ち合わせ)とか大変そうじゃない?」と近藤代表が質問。茂木さんによると、作内では士郎の魔力の色など細かい設定を決めているそうだ。

■ufotable徳島チームが担当している話数は?

 近藤代表から、ufotableの徳島スタジオは主に作画に特化したチームであることが語られた。東京スタジオのほうでは、アニメーション制作に関するすべてのセクションを社内で持っているそうだが、徳島スタジオは作画担当の人が中心にチームが構成されているとのこと。

 徳島スタジオでお仕事をするスタッフの方によると、そこまで人数が多くないので、いつも和気あいあいと作業していますとコメントがあった。

“『Fate/stay night』スタッフトークイベント”
▲忙しい中、登壇してくれた徳島スタジオの皆さん。

 そして、そんな徳島スタジオが担当する話数の話に。#01、#04、#09などは徳島スタジオの方が主に作画を担当している。そんな中でも直近に放送された#15で、イリヤが狼に襲われるシーンについて言及された。ちなみにこのシーンも、もちろん手描きだそうだ。

 実際にこの話数を視聴した人はわかると思うが、多くの狼がつねに動き回っており、手描きでの表現は非常に困難を極めるということが容易に想像できる。担当した徳島スタジオの方も「本当に大変でした」と、笑いながら語ってくれたが、尋常ではない苦労が感じられた。

 また、最後には放送に際しての苦労話も展開。表現に対する規制や輝度の制限など、特に本作ではエフェクトが派手に表現されているがために、本放送では表現を修正したり、輝度を落としたりしているという。Blu-rayではそのあたりもしっかり描かれているので、ぜひチェックしてほしいと語られた。

“『Fate/stay night』スタッフトークイベント”
“『Fate/stay night』スタッフトークイベント”
▲イベントの最後には徳島スタジオの皆さんが書いた色紙などが贈られることに。近藤代表の「ほしい人は立ってください」のひと声には、会場の全員が起立して、ジャンケンによる“色紙争奪戦”が行われた。

(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

関連サイト