2015年5月27日(水)
『蒼の三国志』リニューアルの狙いは? 進化した国づくりや董卓サイドも描く裏の章に注目
コロプラが配信しているiOS/Android用RPG『軍勢RPG 蒼の三国志』。その大規模アップデートが5月28日予定で行われることを受けて、先行プレイや開発者インタビューを行った。
大山源プロデューサーへのインタビューでは、大型アップデートの狙いや今後の展開についてもお聞きした。従来よりもかなり遊びやすく進化しているので、まだ本作を遊んだことがない方もこの機会にぜひチェックしてみてほしい。
■基本情報:そもそも『蒼の三国志』とは?
『蒼の三国志』は三国志をモチーフにしたRPG。バトルは5人の武将が率いる部隊をリアルタイムで動かす形で展開し、さまざまな施設を建築して戦力をアップする国づくりを楽しむことも可能。
アップデートの詳細を紹介する前に、まずは本作の基本情報を紹介していこう。
●さまざまな武将たちが入り乱れる三国志の世界
ゲームの舞台は有名武将たちが群雄割拠する中国、後漢の時代。プレイヤーは一国の主となり、国づくりや軍を指揮しながら、三国最強の座を目指すことが目的となる。
主人公の立ち位置はオリジナルの君主で、劉備や曹操といった人物たちと戦う場面も。また、桃園の誓いや黄巾賊との戦い、赤壁の戦いなど、三国志の名場面を追体験できることも、本作の大きな魅力となっている。
●直観的な操作で行う敵武将とのバトル
バトルは5人の武将が率いる5つの部隊をスワイプ操作で動かす形で展開。基本システムはシンプルながら、陣を利用してHP回復を狙うことができ、槍兵>騎兵>弓兵>槍兵……といった3すくみも存在するなど、熱い戦いが楽しめる。
うまく敵の背後を突くと大ダメージを与えられる要素もあり、感覚的にはアクションゲームのように直観的かつテンポよく遊べることも特徴といえるだろう。
▲部隊を移動させてバトル! うまく敵を誘導して、背後から攻撃をできた時はかなり爽快だ。 |
また、奥義ポイントを使うことで武将ごとに異なる奥義を使用可能。奥義には攻撃系から回復系、補助系など、さまざまな種類があるので、自分なりの戦術を考える楽しみもある。
多少の劣勢はプレイヤーの腕前や戦術でくつがえせるというゲーム性の高さは、本作の大きな特徴となっている。
●国づくりで戦力をアップ
ゲーム攻略のカギとなるのが国づくり。“兵舎”で体力を上げる、“訓練所”で攻撃力を上げるなど、役立つ施設を作りながら、自軍の戦力を強化していこう。
本作の行動力は“飯”で表現され、これは戦に出ると消費して、実時間の経過で回復していく。施設の建築にも実時間がかかるので、飯が回復する間や寝ている間など、少し時間が空いた際にじっくりと国づくりを進めていくという遊び方ができる。
▲大幅リニューアルで生まれ変わった国づくり。詳しくはレビューで紹介していこう。 |
■レビュー:1人用RPGとしてじっくり遊べる新要素が多くて好感触!
ここからは実際にアップデート版を先行プレイした感想をお届け。気になる変更点や触り心地などを紹介していく。
●大きく変化した国づくり。もはや別ゲー!
アップデートで特に変化したのが国づくり。新たに“道”の設置が可能になり、施設と道をつなげるように配置するというパズル的な遊び方が加わった。
また、従来は国力(国のレベルを示すもの)が上がると施設を建築できる数が増えていくというシンプルな流れだったが、アップデート後は一定エリアが解放(厳密には、一定の国力になると次のエリアにつながる障害物を開拓できるようになる流れ)され、そこに自由に道や施設を建築できるという本格的な街づくりゲームに近い形に進化した。
自分のような効率的なプレイが好きなタイプは能力重視で考えてしまうが、施設の並べ方によって見た目も大きく変わるため、より遊び方の幅が広がったといえるだろう。施設は基本的に2×2のスペースが必要だが、道は1×1のスペースで作れる。同じスペースでも、道の作り方によって施設を建てられる数に若干の差が出てくるところも、ゲーム性が高くなって楽しく感じた。
施設の移動が簡単になったことも好印象。以前は一度保管庫にしまって、そこから出すような流れで施設の移動を行っていたが、アップデート後は施設をたっぷすれば、そのまま任意の場所に移動可能。特に道は試行錯誤しながら配置することも多いので、施設移動がスムーズにできることは本当にありがたい。
また、“木”や“岩”といった障害物的なものを開拓する要素も新登場。余談だが、開拓した際にはおまけで資材を得ることもできる。空地を放置していると何度も木が生えてくるので、建築物を建てるスペースがない時は、あえて放置して木から資材を得るのも効率的かもしれない。
ちなみに開拓に必要な時間は数秒や数分レベルなので、プレイしていてストレスはなし。とはいえ、国づくりが進むと開拓に少し時間がかかる場合もあるようだ。
なお、当然のことながら、アップデート前に育てていた国力や施設のレベルはそのまま引き継がれる。施設を保管庫から出して配置し直す必要こそあるものの、デメリットはない。再建築の時間は通常よりも大幅に短くなるので、さくさくと再配置をできるはずだ。
●他プレイヤーとの自動対戦を楽しめる修練所がとても便利
新たな施設として“修練所”が登場。これは部隊を派遣して、他プレイヤーとオートで戦闘を行うというもの。他プレイヤーが設定した部隊とCPU対戦を行う“決戦”とは異なり、操作はせずに対戦が行われ、結果が報告される形となる。
難易度が異なる4つの派遣先が用意されており、勝利することで資材や金が手に入る。施設のレベルを上げることで、同時に派遣できる部隊の数が増えていく。
派遣する際には飯が必要で、結果が出るまで数時間ほどかかるので、主に学校や会社に行く前、寝る前など、まとまった時間ができる時に利用することになるだろう。
●決戦の仕様が変わり、全員参加から任意参加の形に
従来は他プレイヤーが設定した部隊とCPU対戦を行う“決戦”によって、勝者が敗者の資材などを奪うことができた。その仕組みは変わらないが、これまでは全員参加だったところが任意での参加に変わり、他プレイヤーとの対戦が苦手な人は参加しなくてもよくなる。
細かな変更ではあるが、これによって新規プレイヤーがより安心して遊べるようになったと感じる。とはいえ本作は他プレイヤーとの対戦もおもしろいので、戦力が整ってきたら参加してみることがおすすめ。効率的な部隊編成に出会い、勉強になることも多いはずだ。
“決戦”とは別にリアルタイムでの対人戦も用意されており、こちらも熱い対戦が楽しめるのでおすすめだ。
●“秘技覚醒”によって、従来の武将がパワーアップ!
武将の新たな強化システムとして“秘技覚醒”が追加。鳥を模した特殊な素材を使うことで武将を強化させ、数種類の特殊な効果を付与することができる。その効果は、攻撃力アップや奥義発動に必要なポイント減少など、武将ごとに異なるものとなっている。
▲“秘技覚醒”に必要となる秘鳥。 |
原則的にすべてのSR以上の武将、一部のRやRRなどの武将がアップデート直後から秘技覚醒可能になる予定。秘技覚醒によって使い勝手が変わる武将も出てくるはずだ。
●新たに物語が始まり、裏の章の出現も!
三国志の名場面を追体験できる“列伝”が一新され、新たな物語を楽しめるように。従来は蜀を中心とした物語が多かったが、今後は“裏の章”という形でもストーリーが追加されていくという。
先行プレイでは遊べなかったが、黄巾賊や董卓、呉や魏など、これまで主人公の味方サイドとして描かれてきた劉備や蜀と敵対した勢力に身を置く物語が楽しめるとのこと。
三国志といえば、同じ戦いであってもメインとなる勢力や武将が異なれば、異なる視点での物語が紡がれていくことが特徴だ。これまでも期間限定ベントなどで蜀以外の勢力が描かれることがあったが、裏の章ではよりしっかりと各戦いの裏側が描かれていくようだ。
●他にも大小さまざまな部分がリニューアル!
その他、先行プレイを通じてさまざまな部分が変更されていることが確認できた。例えば音楽が一新されており、ナビゲーター役の女性キャラも変更となった。
ナビゲーターはツインテール風の女の子に変わり、見た目が変化しただけかと思いきや、しっかりと口調も変わっていて驚いた。コロプラのこういう芸の細かさには、本当に感心させられることが多い。
武将召喚、いわゆる召喚演出も派手になり、かつテンポもよくなっていた。すべてを確認できたわけではないが、バトル時の演出などもよくなっているように感じた。
▲召喚演出が一新。音楽なども変更され、かなり大規模なリニューアルとなっている。 |
個人的にかなりうれしかったのが、最近はやりのご褒美付きのミッション機能的なものも追加されたこと。武将を強化したり戦に挑戦したりと、チュートリアルを兼ねるような形で特殊な条件を満たすと龍玉(召喚などに使う課金アイテム)などをもらえるので、非常にお得。
▲任務を達成することで龍玉などがもらえるように! |
表と裏の列伝を普通にクリアしていくだけでもガンガン龍玉をもらえるようなので、これからゲームを遊び始める人にとっても、序盤のブーストアップに役立つはずだ。
■インタビュー:音楽から演出まで一新した大型アップデートの狙いは?
ここからは本作のプロデューサーの大山源氏へのインタビューをお届け。アップデートの注目点や、今後の展開について語ってもらった。
●遊び続けてきてくれたファンのためのアップデート
――これまでにない大規模なアップデートとなりましたが、今の時期にこれだけたくさんの新要素を盛り込んだ狙いはなんですか?
これまでもオンライン対戦の追加や新兵種の追加など、節目となる時期に大きめのアップデートは行ってきました。ありがたいことに今でも多くのユーザーの皆さまに遊び続けてもらっているため、その期待に応えたいと考え、今回は特に多くの部分をリニューアルすることにしました。
今回のアップデートは既存ユーザーの皆さまにさらに本作を遊び続けていただけるよう、国づくりやストーリーを掘り下げたものになっています。
――実際にプレイしたところ、国づくりは完全に別ゲーでした。これまで以上にじっくりと楽しめそうです。
本作はバトルと国づくりが二本柱となっていますが、完成度の高いバトルに比べて、国づくりはまだ伸びしろがある状態でした。
以前のバージョンだと、どうしても同じことをくり返すプレイになりがちだったので、ここを変えたかったという気持ちも強かったですね。
――新しい国づくりを楽しむ際のコツやポイントを教えてください。
これまではとにかく国力を高めていくという流れでしたが、これからは建物が隙間なく置けるようになっています。また、道の要素によって、ちゃんと考えて配置しないと効率が悪くなるので、このあたりを考えてプレイしてもらいたいですね。
ちなみに撤去などで資材を入手できるようになったので、こまめにログインして撤去するだけで結構な資材がたまりますよ。また、修練所の派遣でも金や資材が手に入ります。時間がない時は派遣を利用して資材や金を集めてみてください。
●これまでと違う視点で三国志の名場面を描く“裏の章”
――新しく追加される裏の章について教えてください。
イメージとしてはこれまでの列伝の別バージョンですね。これまでは蜀側でのストーリーが語られることが多かったので、別の軍勢にスポットを当てたシチュエーションになっています。
――難易度はどうなるのでしょうか?
これまでの列伝が表とすると、表をクリアしてから挑むことになるので、難易度も高くなっています。表だとこちらが攻城兵器を使って攻めていた戦いが、裏だと逆に兵器を使われるなど、シチュエーションの逆転に注目すると、より楽しめると思います。
――今後はステージのギミックが追加されていくとのことですが、それは裏の章がメインとなるのでしょうか?
従来の列伝などのステージを調整するというより、今後新たに作るものに適用していく予定です。そのため、期間限定イベントや裏の章での登場がメインになるでしょうね。
▲さまざまな新ステージが登場。今後はステージギミックの追加も予定しているとのこと。 |
これまでも赤壁の戦いの際に、船の上しか移動できないようなステージがありましたが、ああいった風に実際の戦いに即したシチュエーションをステージギミックで再現できればと考えています。
――長坂橋のような狭い場所で戦う、火計でダメージを受けながら戦うなど、より三国志らしいシチュエーションが増えそうで楽しみです!
そういったギミックは積極的に取り入れていきたいと考えています。孔明がよく使った落とし穴なども再現できるとおもしろそうですね。
また、南蛮の密林のような場所では視界が悪くなり、ミニマップのレーダー的なものが機能しないような場所を作るというアイデアもあります。より伏兵や増援のいやらしさが上がり、遊び方の幅が広がるとも思いますので。
――ちなみに、ステージギミックとあわせて新たな兵種を追加する予定などはあるのでしょうか?
比較的最近に剣兵や機動兵を追加したばかりですし、当分はないと思います。ただ、ステージギミックが増えてきたら、罠を設置できる兵種や、逆に罠を回避できる兵種なども検討する可能性はありますね。
●その他の追加要素や今後の展開について
――武将を強化する新要素の“秘技覚醒”について教えてください。“進化”とは違うのでしょうか?
今いる武将たちを強化するシステムになっています。これまでの武将に思い入れのあるユーザーさまも多いので、強い武将を追加するだけ、という形にはしたくはありませんでした。
カードイラストや能力などがすべて変わる“進化”と違い、“秘技覚醒”はその武将をベースとしつつ、そこに特殊なスキル的なものを付与する形です。
秘技覚醒は単純なステータスアップだけではなく、仲間の武将に効果を与えるものもあるので、秘技覚醒を考慮した部隊構築が重要になります。
――秘技覚醒の効果にはどんなものがあるのでしょうか?
わかりやすいものだとHPや攻撃力などを強化するステータスアップ系ですね。他には回避性能や移動力アップなどもあるので、戦闘の操作面も変わってくるかと思います。“呉に所属する味方の全武将のHP+100”など、自分以外にも効果がおよぶものもあります。
奥義関連の秘技覚醒は特に有用になっていて、奥義ポイントが軽減されるものや、範囲が広がる場合もあります。1人の武将につき、複数回の秘技覚醒ができるので、フルで秘技覚醒させた武将はかなり使い勝手が変わると思いますよ。
――修練所の派遣はどのような意図があるのでしょうか?
プレイヤー間での奪い合いの要素が決戦システムに対して抵抗があるユーザーさまもいらっしゃったので、そこを回避しつつ新たな遊び方を提示する形としています。派遣したユーザーさま同士がオートで戦闘をして、勝ったら金や資源を獲得できますが、負けても失うものはないので気軽にプレイできるようになっています。
▲施設のレベルを上げれば、同時に複数の部隊を派遣できるように。 |
また、ランキング上位のプレイヤーには何かしらのメリットを用意しているので、こちらで上位を狙ってみるのも手かもしれません。
検討中のアイデアですが、修練所でランキングの上位に入ると、イベントでそのプレイヤーさん自身が暴走武将として登場するという流れも検討しています。そうすれば単なるご褒美獲得だけではない、名誉的なものにもなり、モチベーションアップにつながると思いますので。
――今回のアップデートを機に本作を遊び始める方も多いと思います。序盤の攻略アドバイスをいただけますか?
増えてくれるとうれしいですね。この手のジャンルの場合、バトルだけやっていればゲームが進行していくものが多いですが、本作では国づくりが重要になっています。
編成コストなども国づくりで拡大していくので、戦だけではなく、国づくりも並行していくとスムーズに進めると思います。また、武将ごとの兵種も見落としがちですが重要です。本作は3すくみの補正が大きいので、勝てない時は敵の編成を見て弱点を突く編成に変えたほうが楽に戦えると思います。
ちなみに従来は飯や部隊の編制コストを上げるためには国づくりでの施設建築がメインでしたが、今後はメインストーリーとなる“列伝”をクリアしていくことでもそれらが底上げされていきます。
先ほどお話したミッション機能でのご褒美とあわせて、新規プレイヤーの方はかなり遊びやすくなったと思います。
▲これまでも新兵種の追加や共闘機能の追加など、大幅な改修が行われてきた『蒼の三国志』。今後もまだまだおもしろいアイデアが用意されているようだ。 |
――最後に本作のファンに向けてメッセージをお願いします
まずは今までプレイしてくださって、本当にありがとうございます。皆さまが遊び続けてくださったおかげで、今回の大幅リニューアルを実現することができました。
この感謝の気持ちをゲームプレイとしてお返ししたいと考えており、今回の国づくりのように、今後もより遊んで楽しいものを提供していきたいと思います。
また、これからスタートするユーザーさまは戦や国づくりをじっくりと遊んでみてください。今回のリニューアルでいろいろと遊びやすく進化しましたので、まずは気軽に楽しんでみてもらえるとうれしいです。
■まとめ:さらなる盛り上がりを期待させる充実したアップデート
かなり大規模なアップデート内容だが、やはり一番の注目システムは国づくり。道の要素によって、街作りの趣が強くなっているので、この手のジャンルが好きなプレイヤーはより楽しめそうだ。
また、秘技覚醒による武将強化も見逃せない。単純な強化だけではなく、仲間に効果を与えるものもあるため、今まで以上に部隊の編成が攻略のカギになるハズ。
さらに、部隊の編成の変化にともない、決戦&修練所の対戦がこれまで以上に熱くなることは間違いない。より奥深く、より快適に遊べるようになった『軍勢RPG 蒼の三国志』。三国志好きの人はもちろん、じっくり遊べるRPGが好きな人も一度遊んでみてはいかがだろうか。
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