2015年5月26日(火)
6月23日にサービスが開始される『FFXIV』初の拡張パッケージ『ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド』。約1カ月後に控えたその日を前に、5月18日~20日(現地時間)、フランスにてヨーロッパメディアツアーが開催されました。今回はその模様を2回に分けて電撃の旅団・Oshoがレポートしていきます。
ヨーロッパメディアツアーに参加するため、フランス北西部の街・ナントへ。ただし会場はこのナントの街ではなく、なんと! ナントから車で1時間ほど離れた郊外にある“Chateau de Challain”というシャトー。簡単にいうとお城ですね。このお城は1854年に建てられたものらしく、荘厳なお城に広大な庭園と、まさにハイファンタジーの世界。ここで世界各地のメディアが集まり、世界初の試遊プレイが開催されました。
▲この荘厳なたたずまいは圧倒的! 尖塔に竜騎士が立っていてもおかしくない雰囲気。 |
▲城外の庭園&城を見上げるプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏。実は会場周辺は日本の5月からは想像のできない寒さ。 |
会場到着後、世界各地のメディアとともにプレゼンテーションを受け、さっそく体験プレイを開始したのですが、もう、何からレポートすればいいのかわからないくらい要素が膨大! そこでまずは、先日のプロデューサーレターLIVEでも大きな反響を呼んだ、ジョブ関連の要素からレポートしていきます。
→吉田プロデューサーへのインタビュー記事はこちら
→第21回プロデューサーレターLIVEの情報まとめはこちら
それではまず、3つの新ジョブのアクションをチェックしていきます。なお、取材時にプレイしたキャラ(アウラ男性)は全戦闘クラスがレベル60・アイテムレベル170の状態だったため、『蒼天のイシュガルド』スタート時(レベル30または50台前半)の際はまだ使用できないアクションも数多くありますのでご注意ください。また、本記事内容は5月上旬のもので、最終調整によって記事の内容と、最終的に実装される効果や技名が変更となる可能性があります。
ナイト・戦士に続く3番目のタンクジョブとなる暗黒騎士。アディショナルアクションとして設定できるのは、剣術士&斧術士のアクションとなります。
まず基本のコンボとしては、初期アクションである“ハードスラッシュ”を起点とした、“ハードスラッシュ→スピンスラッシュ→パワースラッシュ”という敵視アップコンボが存在。そして別ルートとして“ハードスラッシュ→サイフォンストライク”と続くMP回復コンボがあります。
これだけみるとコンボ内容はナイトに近いといえるかもしれませんが、サイフォンストライクからは、さらに“ソウルイーター”(特定条件下で与ダメージ分のHP吸収)と“デリリアムブレード”の2つのアクションへと派生可能です。このコンボには敵を弱体化するデバフ効果がついていましたが、リリースギリギリまで調整するとのことで、レポートへの記載は見送りとのこと。現段階ではかなり有用性の高い効果とだけお伝えしておきましょう。
また、何より注目なのがその攻撃モーション。大柄なアウラ男性でのプレイだったこともあわせて、とにかく大剣をブン回すモーションがカッコイイ。なかでも、武器を投げるのではなく自分が敵に特攻していく遠距離攻撃“プランジカット”がかなり“ダークナイトっぽい”モーションになっています。
そしてナイトの忠義の盾や戦士のディフェンダーに相当する、タンク特化アクションとして“グリットスタンス”(被ダメージ減少、敵視アップ、与ダメージダウン、命中アップ)があり、一方で攻撃寄りのアクションとしてMPを継続消費しつつ攻撃力をアップする“暗黒”や、を消費して特定のアクションを強化する“ダークアーツ”があります。
さらに敵視アップ用の魔法アクションが多数あり、フルスロットルでアクションを使用していくと、MPが枯渇してしまう場面も。被ダメージ時や攻撃時にMPを回復するアクションがいくつかあるので、それらを要所要所で織り交ぜていくことが重要となりそうです。
また、ほかにも被ダメージ軽減アクションが複数あったり、継続ダメージフィールドを生成するアクションがあったりと、防御面でも攻撃面でもできることがかなり多い印象。ちなみにほかのメディアの方と8人パーティで“ギルガメッシュ討伐戦”に挑んだ時、暗黒騎士のリミットブレイクLv3を見ることができましたが、防御系の技ながら、ディアボロスの“ルイナスオーメン”のような超ド派手なエフェクトでした!
遠隔DPSである機工士。アディショナルアクションとして設定できるのは、槍術士と弓術士のアクションでした。まず基本的な攻撃アクションである“スプリットショット”や“スラッグショット”、“クリーンショット”は吟遊詩人に近い印象ですが、独自の要素として目を引いたのが特殊弾の存在。
“リロード”で5発、“クイックリロード”で1発装填するのですが(後者はTP回復効果もあり)、この特殊弾があるときは“スプリットショット”使用時に“スラッグショット”の威力上昇効果が100%発生し、“スラッグショット”使用時に“クリーンショット”の威力上昇効果が100%発生します(通常時は一定確率)。
また、ヘヴィ、ノックバック、沈黙、スタン、与ダメージ減少、与魔法ダメージ減少などの多彩なデバフ効果のアクションを持つのも特徴。ただしこれらは一部でリキャストを共有するので、場面場面でどのデバフを重視するのかを見極める必要がありそうです。
次に印象的だったのが、固定砲台モードともいえる“ガウスバレル”の存在。この効果時は飛躍的に与ダメージがアップするかわりに、ウェポンスキルにキャストタイムが発生し、移動するとキャンセルされてしまいます。またオートアタックも発動しなくなるため、バトル中に足を止めて攻撃に徹するタイミングを図る必要があるでしょう。
あと忘れてはならないのが、機工士ならではの要素であるタレットの存在。これはフィールドに設置する機械で、“オートターレット・ルーク”と“オートターレット・ビショップ”の2種が用意されています。
前者は単体攻撃、後者は範囲攻撃を自動で行う他、モードをチェンジすると周囲のメンバーに支援効果を発生させます。つまり、敵のそばに置いて攻撃重視にすることも、メンバーのそばに置いて補助に徹することもできるということ。バトル時は自身の立ち回りのほかにこのタレットの置き方が腕の見せどころとなりそうです。
占星術師は白魔道士・学者に続く3番目のヒーラー。アディショナルアクションとして設定できるのは、幻術士と呪術士のアクションです。まずはヒーラーらしく、単体・範囲回復魔法をひととおり持ち、さらに巴術士の“ルイン”のような無属性魔法攻撃を複数使用できます。
このジョブの最大の特徴は2つあり、その1つは回復に特化する“ダイアーナルセクト”とバリア型の“ノクターナルセクト”を切り替えられること。いわば白魔道士に近い立ち回りと、学者に近い立ち回りの両方ができることになります。
ただし注意点として、戦闘中の切り替えは不可。パーティ編成を見て、あらかじめ切り替えておく必要がありそうです。とくに自身を中心に発生させるフィールド“運命の輪”は、どちらのモードかで効果(前者は継続回復、後者は被ダメージ軽減バリア)が大きく変わります。
そして2つめの特徴が、カードをドローしてさまざまな効果を発生させることができること。カードには“アーゼマの均衡”、“ビエルゴの塔”など、エオルゼアの神の名前を冠したものが多く、その効果は数種類の効果が存在します。デメリットのある効果は存在しないので安心です。
なお、このカードは完全に運まかせというわけではなく、“シャッフル”でドローし直したり、“キープ”でここぞというタイミングまで温存することが可能。さらに“ロイヤルロード”を使うとドローしたカードを消費して、次に実行するカードの効果をアップさせることができます。カードをドローするたびに、今使うのか、あとで使うのか、別のカードを引き直すのかの選択に悩むことになりそう。
他にも自身や周囲のメンバーの強化効果時間を延長するアクションを複数持ち、対象の次のアクションのダメージを減少させる“ドンアク”などもあるなど、白魔道士とも学者とも違う立ち回りが可能な印象です。まずはプロデューサーレターLIVEで吉田プロデューサーが言っていたように、2つのモードのどちらかで立ち回りに慣れていくのがいいかもしれないですね。
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さまざまな驚きがあったのは新ジョブだけじゃありません。既存ジョブにも注目の新アクションが追加されていました。以降ではそれらをレポートしていきます。
ライオットソードから続く新コンボ“ゴアブレード”と、サベッジブレードから続く新コンボ“ロイヤルアソリティ”が新登場。前者は継続ダメージ効果があり、後者は威力に優れるウェポンスキルになっています。
いずれも敵視アップ効果はないため、サブタンク時のDPSアップや、敵視が十分に稼げているときのDPSアップに役立ちそう。防御面では、効果中に攻撃を必ず1回ブロックする“シェルトロン”や、メンバーから回復を受けたときに周囲にバリアを張る“ディヴァインヴェール”なども追加されています。
メインタンク時にもサブタンク時にも活用できるものが多く、タンクとしての安定性がより増した印象です。
まず自身に付与されている“型”を次の型へ移行する“演武”というアクションが追加されています。
この説明だけだと“?”という方も多いかもですが、具体例で説明すると、敵の攻撃を回避中はこれまで何のアクションもできず、場合によっては疾風迅雷が切れることが多かったと思いますが、この“演武”を回避中に使えば攻撃しなくても次の型へ進めることができ、疾風迅雷を維持しやすくなっています。
リキャストタイムがウェポンスキルと同様のGCDなのもうれしいところ。なお、何も型が付与されていないときに使うと壱の型が付与されます。つまり戦闘開始時に壱の型を付与して、“双竜脚”の追加効果を最初に相手に与えることも可能になりました。なお、移行できるのは型だけなので、参の型のときに“演武”を使って壱の型にしても、疾風迅雷の効果はありません。
他に注目なのが新たなバフ“闘気”。これは過去シリーズのモンクの“ためる”に近いイメージで、いつでもためることができ、最大でVまでスタックします。そして闘気Vの状態になると、それを消費してTP回復効果の“気孔術”や、大ダメージ技の“陰陽闘気斬”が使用可能になります。さらに“疾風迅雷III”を消費して相手に特大ダメージを与えるアクションや、モンク待望の範囲攻撃技(地面に気を放つモーションがカッコイイ!)も追加され、かなりの変化を感じられました。
タンクモードである従来の“ディフェンダー”に対して、いわばDPSモードともいえる“デストロイヤー”が追加。これは与ダメージアップ効果を持ち、特定のアクションによって“アバンドン”というバフ(クリティカル発動率アップ)が最大5までスタックしていきます。ディフェンダーにおけるラースと同様の仕組みですね。
最大の注目点はディフェンダーとデストロイヤーを切り替えたとき、たまっていたラースやアバンドンのスタック数がそのまま受け継がれるということ。
具体的に言うと、“アバンドンIIIの状態でディフェンダーに切り替えると、自動でラースIIIになる”という感じですね。これにより瞬時に防御重視⇔攻撃重視を切り替えることができ、立ち回りの幅がさらに広がった印象です。ほかにも“原初の直感”(正面時は必ず敵の攻撃を受け流すが、それ以外の方向からは必ずクリティカルを受ける)や、自身のHP回復アクションなど、メインタンク時に有効な新アクションも追加されています。
竜騎士の最大の特徴と言えるのが、新たなバフ“蒼の竜血”の存在。これ自体の効果はジャンプとスパインダイブの効果アップなのですが、これを使用したあとにフルスラストコンボや桜花狂咲コンボを使用すると、その後さらに“竜牙竜爪”や“竜尾大車輪”といった新たな攻撃アクションが使用可能になります。いわば、3段コンボが4段コンボになるイメージですね。
さらに特定のウェポンスキルを使用すると蒼の竜血の効果を延長させることが可能。一方で蒼の竜血の効果時間を短縮させて放つ技もあり、いかに蒼の竜血の効果時間を延長させつつアクションを組み立てていくかが重要になりそうです。
先に説明した機工士の“ガウスバレル”と同様、与ダメージ上昇のかわりにウェポンスキルにキャストタイムが発生し、オートアタックが発動しなくなる“旅神のメヌエット”が追加。
さらにこのメヌエット効果中のみ使用できる攻撃アクション“エンピリアルアロー”と“アイアンジョー”も追加されています。とくに後者はベノムバイトとウィンドバイトの効果が相手にかかっているときに、それらを付与しなおす効果があります。
また、ベノムバイトとウィンドバイトがかかっていると威力がアップする“サイドワインダー”もあり、この2つの継続ダメージ技の管理がこれまで以上に重要になりそうです。
攻撃アクションとして、単体ウェポンスキルを強化する“一双”や、3段物理攻撃技の“夢幻三段”が追加。他にも印象的なのは、メンバーの敵視上昇を抑えたり、自身の稼いだ敵視の大部分を味方に移す“影渡”の存在。パーティメンバーの敵視コントロール役としても活躍できそうです。また、風断ちからの新たなコンボとして、風遁の術の効果を延長させるウェポンスキルがあり、忍者の戦い方の幅をさらに広げそうです。
指定範囲の地面にヒールエリアを生成する“アサイラム”や範囲攻撃と範囲回復を兼ねた“アサイズ”、瞬時に対象のHPを回復する“テトラグラマトン”など、純粋なヒーラーとしての回復手段がより充実しています。
特に“アサイズ”と“テトラグラマトン”で瞬時の回復が可能なため、緊急時の対応能力は確実にアップしているといえるでしょう。さらに土属性の上位魔法“ストンガ”や範囲継続ダメージ魔法“エアロガ”も追加され、攻撃面での幅も大きく広がりそうです。
最重要な新アクションは“エノキアン”。このアクションの効果中かつ、アストラルファイアやアンブラルブリザードの効果中のみ、“ファイジャ”、“ブリザジャ”という2つの強力な攻撃魔法が使用可能になります。
ただし“~ジャ”はアストラルファイアとアンブラルブリザードを延長しないので、ファイアやファイガなどとあわせて、どのようにアクションを組み立てていくかが腕の見せどころでしょう。
さらに、コラプス、ファイア、サンダーの効果アップが必ず発生する“激成魔”や、従来の迅速魔との組み合わせも重要になりそうです。さらに、自身の足下に魔方陣を発生させる“黒魔紋”も新たに追加。この魔方陣の範囲内にいる間は自身の攻撃速度がアップしますが、敵の攻撃を回避するなどで範囲からはずれてしまうと、魔方陣は消滅します。機工士や吟遊詩人と同様、「どこで足を止めて攻撃に専念するか」の見極めが必要になりそうですね。
ペットであるエギではなく、召喚士自身の強化が主体。まず攻撃アクションとしては“ルインガ”と“トライディザスター”(従来の同名アクションは“トライバインド”に名称変更)が追加になっています。
後者はバイオ、バイオラ、ミアズマを同時に付与するだけあって、かなり重要度の高いアクションになりそう。そして最大の注目は、エーテルフロー消費アクションを実行することで蓄積される“バハムートエーテル”。
“バハムートエーテル”はIIIまでスタックすると与魔法ダメージアップの効果を持つ“トランス・バハムート”を発動でき、さらに“トランス・バハムート”の効果中のみ、大ダメージアクションを発動できます。これまでエーテルフローの使い道はある程度固定化していたと思いますが、これでさらに立ち回りを工夫する必要があるでしょう。
特筆すべきは、召喚中のフェアリーを帰還させることで使用可能になる“転化”。フェアリーが効果時間中いなくなるというデメリットはあるものの、強力な効果アップが用意されていました。現状では強力すぎると判断されているようで、こちらはギリギリまで調整されるとのことでした。
さらに回復アクションとしては、エーテルフローを消費する範囲回復アクション“不撓不屈の策”や、鼓舞のバリア効果を回復に変換する“応急戦術”、その他、1人にかけたアイ・フォー・アイや鼓舞効果を周囲のメンバーに拡散するなど、地味ながら使いどころを試案する新アクションも多数。
瞬間回復とバリア役の両面が強化されているイメージですね。また、攻撃アクションとしては無属性魔法攻撃も追加されていました。
以上、1日の試遊プレイのあいだで可能なかぎりジョブをチェックしてみましたが、全体的な感想としては、「どのジョブもレベル60まで育ててみたい」と思える内容でした。まずどのジョブからレベル上げをするかが悩みどころですね(笑)。
なお、現地で収録した吉田プロデューサーへのインタビュー記事も本日同時公開されていますので、ぜひご覧ください。ジョブ以外の要素に関するレポートと後日改めてお届けいたします。
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