新撰組隊士との逢瀬を描く、大人気シチュエーションCD『勿忘草』シリーズ『比翼録』も、ついに最終巻!　山崎烝を演じる森川智之さんに、たっぷりお話をうかがいました。

――『比翼録』は“幸せ”をテーマにした物語ですが、どんな印象を受けましたか？

　幸せモード全開な山崎になっています。遠く離れていても絆があれば、最後まで添い遂げられるんだなと思いました。時代背景的には、新撰組を取り巻く状況も厳しくなってきているのですが、山崎にかんして言うと監察方として幸せな時間を過ごせたのではないでしょうか。隊士が少なくなってきたことによるさびしさはあるのですが、その哀愁を埋めるヒロインとの時間がたっぷりで、演じていて僕も幸せに感じました。

――本作にはさまざまな逢瀬(デートなどの甘いシチュエーション)が出てきます。とくに印象的だと思われる逢瀬を教えてください。

　ヒロインと広島で生活したシーンです。役目を終えて屯所に戻る日に、近所のお祭りに夫婦として2人で行くんですよ。わたあめを食べたりとか、普通の人にとって他愛ないことも山崎はお祭りが初体験なので、2人にはこの上なく貴重で純粋な体験みたいな感じになっていて……。とてもほほ笑ましいんですけれど、なんだかちょっと切なさも感じられるシーンだったので、とくに印象に残っています。

――シナリオを読むと山崎はかなり甘えん坊な人なのかと思ったのですが、森川さんから見て彼はどんな人物でしょうか？

　甘えん坊でしょうね。でももしかしたら甘えているというよりも、気持ちをストレートに出した結果なのかなという気もします。山崎は普通の状況で育ってきていないので、一般的な“甘え”とはまた違うのかも。そこが彼の魅力なんだと思います。

――森川さんにとって“これだけは譲れない”と思うことやものはなんでしょうか？　または、日課としていることがあれば教えてください。

　僕、じつはけっこう譲る側なんですよ（笑）。だからあまり“これだけは譲れない”というものはないかなぁ。日課としてることは、つねに車をキレイにすることですね！　車の中には必ずクリーニング用品が一式あって、車外も車内も清潔にするよう心がけています。家はそんなでもないのですが、なぜか気になっちゃうんですよね。

――少しでも汚れると気になってしまいますか？

　気になりますね。免許を取ったのが40代になってからで、車に乗り始めたのが5～6年前なんですよ。「ああ、いいオモチャができたな」という感じもあって大切にしています。高いオモチャですけどね（笑）。助手席にはマネージャーが乗ることが多いのですが、男なので遠慮なく乗ってくるんですよ。別に土足厳禁ではないのですが「もうちょっと気をつかえよ！」と思っています（笑）。

――本作は「幸せ」がテーマということで、最近身近にあった幸せなエピソードはありますか？

　昨年末の話になってしまうのですが、スタジオに向かう途中で道にメジロが倒れていたんですよ。かろうじて息をしていたので、拾って温めてあげたところ、目を動かし始めたのでホッとしました。でもまだ心配だったので、車のダッシュボードに乗せてスタジオへ行ったのですが、現場に着くころには元気になって飛び立っていきました。仕事には少し遅刻してしまいましたが、無事に回復してよかったです。……多分、車に乗ったメジロは世界で一匹だけでしょう（笑）。

　ボンネットの上にちょこんと乗っている姿がかわいくて、今でも忘れられません。しかもクリスマスイブのできごとだったので、余計にほっこりしちゃいました。メジロを助けたことで、年末ジャンボが当たるかな？　何かいいことがあるかな？　とか、当時はそういう俗っぽいこともいろいろと考えたりしてしまいましたが、とくに何もありませんでした（笑）。

――これからあるかもしれませんよ！　それにしてもなかなかない体験ですよね。

　調べたところメジロは飼ってはいけない鳥だったのですが、間近で見るとオモチャみたいにキレイな緑色をしているんですよ。このできごと以来、鳥を見る目が少し変わりました。そして今回『比翼録』ということで、鳥だけにピッタリだなと思いました！

――演じられた山崎は、女の子にとっていい恋人だと思われますか？

　だと思います。一途なので、絶対浮気心なんてないじゃないですか。

――では、そんな山崎に賞を与えるとしたら、どんな賞がピッタリだと思われますか

　“一途で賞”。もし、ほかの人とかぶっていたらごめんなさい。山崎は監察方という役職柄、ほかの隊士のみなさんと仲よくすることをはばかっていたんです。親密になればなるほど、いろいろな感情が出てきてしまいますから。だから山崎は新撰組のなかで、ずっと孤独だった。仕事以外にはまったく興味を示さなかったのですが、ヒロインと出会ってついに閉じていた心を開くんですよね。

――今回は、山崎がほかの隊士たちと遊んでいたシーンも描かれていて印象的ですね。

　それこそ歴史が動き始めている証拠ですよね。山崎がほかの隊士たちと羽子板で遊ぶ場面があるのですが、年相応の男性の遊び心みたいなものが開花していたと思います。それは、先ほども言った広島でのお祭りのシーンにも当てはまります。広島では周囲をあざむくため、夫婦としてヒロインと一緒にしばらく過ごすことになるのですが、偽りの関係とはいえ、普通の生活をすることで山崎の人間形成みたいなものにもつながったような気がします。ずっと新撰組のために!　という人生だったはずですが、ヒロインと出会ったことで彼は救われたんじゃないかと思います。

　発売中の電撃Girl'sStyle6月号（5月9日発売）は、『比翼録』の特集記事のラスト回！　隊士たちから、キスについてのコメントもありますよ!!　そちらもぜひチェックしてみてくださいね★

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