2015年6月12日(金)
カプコンが開発中のPS4/PC用ソフト『ストリートファイターV』。その新システム、プレイアブルキャラをさわったレビューを掲載する。
『ストリートファイターV』は、シリーズナンバリングの最新作として、ビジュアルが刷新し開発中のタイトル。必殺技やステージのギミックなどが新しく追加されるという。
発表から半年が経過し、世界中で期待が高まる『ストリートファイターV』。今回は体験プレイで判明した新システムを解説していく。さらに、プレイアブルキャラクターのリュウ、春麗、ナッシュ、ベガの特徴や操作感もお届けする。
基本的な操作方法は既存のシリーズから大きな変更点はナシ。スティック(十字ボタン)と弱、中、強のパンチ&キックボタンで操作する。ダッシュや受け身、投げ&投げ抜けといった基本システムも『ウルトラストリートファイターIV』と同じ感覚で使用可能だ。
すべての通常攻撃ガード時にリカバリアブルダメージが発生すること。リカバリアブルダメージは時間経過で回復するが、連続で打撃を食らうと実ダメージとなる。これまで必殺技以上の攻撃でしか発生しなかった削りダメージが通常技でも発生するようになったため、ガードを固めて反撃を狙う、といった戦法がしにくくなっている。
画面下の2種類のゲージに注目。青いゲージは“EXゲージ”で、前作のスーパーコンボゲージに相当する。赤いゲージは“Vゲージ”と呼ばれ、新システムの“Vトリガー”や“Vリバーサル”、“Vスキル”を発動する際に使用する。
攻撃をヒットさせると増加。ゲージがMAXになると強力な“クリティカルアーツ”を使用できる。ラウンドで使用しなかったゲージは、次ラウンドに持ち越せる。
攻撃を受けたり、Vスキルを使用することで増加。ゲージを1ブロック使用してVリバーサルを、MAXになるとVトリガーを使用できる。EXゲージと異なり、次ラウンドに持ちこせない。
EXゲージの使用感は、これまでのゲージシステムとほぼ同じ感じ。クリティカルアーツは前作のスーパーコンボに相当している。本作の特徴でもあるVゲージを使うことで、VトリガーとVリバーサルを発動できる。
VゲージがMAXのときに強パンチと強キック同時押しで発動し、キャラクター固有のアクションをくり出す。
相手の攻撃をガード中に、相手のいる方向に十字ボタンを入力しながら、弱中強パンチボタンorキックボタンを同時押しすると、Vゲージを1ブロック消費して切り替えし技を出す。
Vリバーサルは『ストリートファイターZERO』シリーズの“ZEROカウンター”のような性能で、画面端に追いこまれた時に有効だ。一方のVトリガーは一定時間のパワーアップや瞬間移動などキャラクターごとに性質が異なるが、どれも戦局を左右する効果を秘めている。詳細はキャラクター紹介とあわせて解説していく。
そしてもう1つの“V”となるシステムが“Vスキル”。こちらはVトリガーと異なりコストなしで使用できるため、必殺技と同じ感覚で使っていくことになるだろう。こちらの性能も後述のキャラクター紹介に記載している。
中パンチと中キックの同時押しで発動。キャラクター特有のアクションをくり出す。
これまでに公開されている、リュウ、春麗、ナッシュ、ベガについてレポートしていく。なお、すべて開発中のもので、内容やコマンドは変更となることがある。
Vスキル:心眼……相手の攻撃にあわせて発動することで、攻撃を受け流すことができる。
Vトリガー:電刃練気……一定時間、各技のスタン値を上昇させる。また、波動拳のタメ撃ちが可能。
『ストリートファイター』シリーズの主人公で、対戦格闘ゲーム界の顔とも言える孤高の格闘家。飛び道具の“波動拳”と対空技の“昇龍拳”による堅実な立ち回りは今回も健在だ。
Vスキルの“心眼”は『ストリートファイター3rd』シリーズのブロッキングのようなイメージのアクション。成功すれば状況が有利になるが、有効時間が短い点に注意。ハイリスクハイリターンなシステムで、上級者向けのアクションになっている。
Vトリガーの“電刃練気”は各技のスタン値を上昇させる、これまでのリュウにはなかったタイプのアクション。最大まで溜めた時にガードをはじくようになる波動拳など、攻めに関する能力が強化されるように。従来のような手堅い戦術に加え、Vトリガーを使ったラッシュなど、本作のリュウはより立ち回りの幅が広がっている。
▲電刃練気でスタンさせられれば、劣勢をひっくり返すことも可能だ。 |
▲クリティカルアーツは“真空波動拳”。コンボに組みこんで大ダメージを与えられる。 |
Vスキル:鸞脚……攻撃判定を出しながらナナメ上方向へジャンプする。
Vトリガー:錬気功……一定時間、各技のヒット数を増加させる。
対戦格闘ゲーム界のヒロインといっても過言ではない、春麗が参戦。使いやすい通常技に加えて、素早さを駆使してラッシュをしかけるキャラクターだ。
Vスキルの“鸞脚”は通常のジャンプとは違う軌道で飛びこめるため、移動技としても優秀。2種類のジャンプを起点とした攻めが春麗のポイントになりそうだ。
攻撃のヒット数を増加させるVトリガー“錬気功”は、春麗の低い攻撃力を補える優秀なアクション。通常ではつながらないようなコンボが可能になるため、一気に大ダメージを狙うことができる。また、ヒット数の多さを利用して、通常技での削りダメージ狙いで使っていくことも有効だ。
▲コマンドの変更にともない、新たに空中で発動可能になった“百裂脚”。 |
▲攻撃判定のあるジャンプを繰り出すVスキルの“鸞脚”。 |
Vスキル:バレットクリア……相手の飛び道具をかき消しゲージを増加させる。
Vトリガー:ソニックムーブ・ハイド、ソニックムーブ・ブリッツエア、ソニックムーブ・スティールエア……コマンドに対応した位置へ瞬間移動する。
ガイルのかつての親友・ナッシュが変わりはてた姿で登場。ガイル&ナッシュの代名詞である“ソニックブーム”がコマンド技になるなど、姿だけではなく性能も大きく変わっている。なかでも、“サマーソルトキック”に相当する技がなくなっており、いわゆる“待ち”戦法は取りにくくなったと感じた。
必殺技は中間距離で機能するものが目立ち、特に飛びこみながら蹴り込む“ムーンサルトスラッシュ”が優秀。この技をちらつかせて相手のガードを固めつつ、“ソニックサイズ”や“トラジディアサルト”を使ったコンボでダメージを稼いでいこう。
Vスキルは飛び道具をかき消す“バレットクリア”。成功時はゲージが増えるため、飛び道具持ちには有利に戦える。反面、飛び道具を持たないキャラクターには直接打撃をヒットさせないといけない。
瞬間移動するVトリガーは攻めや逃げにも使えるナッシュの切り札。発動後にすぐ攻撃を出せるため、どの距離から反撃を狙えるのもポイント。VゲージをMAXにしておくことで、相手の動きを制限させて戦うことができるだろう。
▲バレットクリアでゲージを溜めて相手にプレッシャーを与えていこう。 |
▲ジャンプしながらかかと落としのように飛びかかるムーンサルトスラッシュ。相手の対空技に注意しながら使っていきたい。 |
Vスキル:サイコリジェクト……相手の飛び道具をかき消し&はね返すことができる。
Vトリガー:サイコパワー……ダッシュがワープになるなど、機動力が上昇。
悪の結社シャドルーの総帥であり、サイコパワーの支配者・ベガ。基本的な操作感は変わらず、動作は遅いながらも、スライディングや“ヘッドプレス”によってトリッキーな動きができる。スキの少ない“ダブルニープレス”も健在で、これを利用した固めは今回も猛威を振るいそうだ。
Vスキルの“サイコリジェクト”は飛び道具のカウンター技で、ボタンの押す長さで吸収と反射を切り替えられるのが特徴。ナッシュ同様、飛び道具を持つキャラクターには有利に戦えるだろう。“サイコパワー”を発動するとダッシュに無敵時間が発生。タイミングよくダッシュすることで、敵の攻撃を避けながら接近し反撃を決めることもできる。
▲サイコリジェクトによる反射弾は弾速が速く、相手にすると非常にやっかい。 |
▲クリティカルアーツは“アルティメットサイコクラッシャー”。サイコパワーを全開にした連続突進で相手に襲いかかる。 |
映像的にはとてつもない進化を遂げたものの、システム自体は非常にシンプルで遊びやすくなった印象を受けた『ストV』。ブロッキングやセービングといった慣れが必要な要素が少ないので、数回プレイしただけで対戦が成立するのが大きなポイントだ。
最近のコンボ重視の対戦格闘に苦手意識がある人でも、すぐに対戦が楽しめるシステムに仕上がっている。
▲新たに採用された流体表現によって、対戦時の臨場感や迫力も大幅にアップしている。 |
もちろん、ただシンプルだけではなく、新たに追加されたVゲージ関連は奥が深く、やり込みがいのあるシステム。特にキャラクターのコンボや立ち回りを大きく変えるVトリガーの登場により、これまでのシリーズにはなかった駆け引きが楽しめそうだ。
▲キャラクターのステータスも目で見える形で表示されるようになったものうれしいポイント。 |
システムだけではなく、それぞれのストーリーも注目の要素。なかでも外見を大きく変えたナッシュや、白髪化したベガなどのストーリーはファンならずとも気になるところ。また、今後も発表されるであろう追加キャラクターを含め、これからの『ストV』の展開に目が離せない。
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