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2015年6月17日(水)

『テイルズウィーバー』の次なる大型アップデートで広大な新エリアが開放! 開発陣がマル秘情報を語る!?

文:相川ハクブン

 サービス開始からすでに11年目を迎えながらも、今もなお攻めの姿勢を崩さずに意欲的なアップデートを続けているネクソンのPC用MMORPG『テイルズウィーバー』。現在は、5月27日にジョシュア、シベリン、ランジエ、ベンヤ、クロエの5人にバランス調整が入ったのを皮切りに、4回にわたって全15キャラの改修が続いています。

 さらにこの夏には、大型アップデートも実施予定! ファンの皆さんならすでにご存知のことと思いますが、やはり気になるのはその内容。そこで、韓国から緊急来日した開発チームの方々に、アップデートの内容や開発の進捗状況についてお聞きしました。

『テイルズウィーバー』
▲左から キム・セフン氏、 チェ・ヒジン氏、 イ・スンボ氏。現在の『テイルズウィーバー』を支える開発陣の皆さんです!

●『テイルズウィーバー』開発チーム

チェ・ヒジン氏
 『テイルズウィーバー』開発室室長。開発全般のスケジュール管理や、開発の方向性を考えて決定する役割を担っている。

イ・スンボ氏
 『テイルズウィーバー』企画チームのリーダー。自身は企画立案の仕事をこなしつつ、他のチームメンバーの立案も管理している。

キム・セフン氏
 『テイルズウィーバー』のアートディレクター。ゲーム内のグラフィックを統括し、コンセプトやスケジュールの管理を行っている。

■新エリア“必滅の地”は強力な呪いで滅びた古代王国

――『テイルズウィーバー』と言えば2004年9月に日本での運営がスタートし、移り変わりの激しいオンラインゲーム業界において10年以上もの間、安定した人気を保っています。まずは長期運営の秘訣などがありましたら、ぜひお教えください。

チェ・ヒジン:『テイルズウィーバー』はストーリー性が高く、またプレイヤーキャラの個性が強いタイトルです。そういった点をプレイヤーの方々に気に入っていただけたので、長く運営が続けられているのではないかと思っています。

――なるほど。このタイミングでキャラクターにバランス調整が入ったのは、やはり夏の大型アップデートをにらんでのものなのでしょうか?

チェ・ヒジン:そうですね。今度の大型アップデートではさらに高レベルのコンテンツが導入される予定ですので、皆さんに最大限楽しんでいただけるよう調整しています。

イ・スンボ:それからやはり、キャラによっては狩りや戦闘の効率が低いものが出てきてしまっているので、そのバランスを取る狙いもあります。

――それでは夏の大型アップデートについて伺っていきます。まずは具体的なスケジュールを教えください。

チェ・ヒジン:8月26日に新エリア“必滅の地”を開放します。必滅の地は、古代帝国“ガナポリー”が強力な呪いの魔法によって滅亡してしまった後の荒地です。これまでで最も広大なエリアで、2つの大きなダンジョンが存在します。

『テイルズウィーバー』
『テイルズウィーバー』
▲新たな冒険の舞台となる、必滅の地の“アルカディア領域”。古の頃、円卓の魔法使いが発動した“消滅の祈願”により、ガナポリー魔法帝国は世界地図から消失。帝国の首都跡地“アルカディア”は、『テイルズウィーバー』史上で最も広大な狩りフィールドに!

――このエリアならではの特徴などはありますでしょうか?

イ・スンボ:エリア内の2つのダンジョンのボスは、今までのものとはちょっと違う攻略方法が必要になりますね。それから、スイッチシステムという新しいシステムを導入します。

――“スイッチシステム”とはどういったものなのでしょうか?

イ・スンボ:プレイヤーが何かの条件を満たす、あるいはエリア内で何かアクションするといった行動がトリガーとなって、次のステップに進んでエリア内の何かが変化していくというシステムです。プレイヤーがある行動を取ると、それによって特別なクエストがもらえたり、モンスターが増えたりと、徐々に環境が変わっていきます。ステージの内部が変わることもありますね。いろいろ影響してきます。

――そのトリガーとなる条件や行動というのは、プレイヤーで個々に調べていく形になるのでしょうか?

チェ・ヒジン:そうです。頑張って調べていただければと思います(笑)。

『テイルズウィーバー』
▲必滅の地は、残留した魔法と異界から流れ出る力との効果で、どんなことが起るかわからないという予測不可の土地なのです。

――攻略のしがいがありそうです。では、必滅の地のビジュアル面での特徴などを教えてください。

キム・セフン:現時点で背景ビジュアルの作業が進行中なのですが、デザイン的には呪いの魔法を受けて滅亡した土地ということで、いかにも恐ろしいイメージで進めています。

イ・スンボ:エリア内のモンスターは、大きく分けて3種類のものが登場する予定です。滅びてしまったガナポリーの人々がアンデッド化したモンスター、元は魔法帝国であったガナポリーの人々が作った魔法の人形、そしてガナポリーを滅亡させた別の世界の存在、というコンセプトです。

キム・セフン:モンスターもそのコンセプトでデザインされているので、やはり中には薄気味悪いビジュアルのものもいますね。

■特徴が大きく異なる2つのダンジョン!

――あらためて、必滅の地のコンテンツ内容に関して詳しく教えてください。

チェ・ヒジン:すでに発表済みの情報ですが、必滅の地には“封印された宮殿”と“試験の塔”の2つのダンジョンがあります。封印された宮殿は最大8名で挑戦できるダンジョンで、試験の塔はソロ(1人)で挑むダンジョンとなります。

イ・スンボ:また、フィールドにはたくさんのモンスターが存在していて、それを倒すとレイドボスの“ヤヒネル”が出現します。ヤヒネルはすごく強くて、とてもソロでは倒せませんので、ぜひ皆で力を合わせて退治してください。

『テイルズウィーバー』
▲こちらがレイドボスのヤヒネルです。歪みまくったデザインになってますなぁ。

 また、チャンピオンモンスターという特定の敵を倒すと“異空間へのゲート”というポータルが開いて、“ボスゾーン”や“モンスターゾーンA”、そして“モンスターゾーンB”のいずれかのエリアへ行けるようになります。

●異空間へのゲートから行くことができる3つのエリア

(1)ボスゾーン
 ボスモンスターがいる部屋。ボスを倒すと部屋中央に宝箱が出現して、中から報酬を獲得することができます。

(2)モンスターゾーンA
 ステータスは低いにもかかわらず、経験値とSEEDをたっぷりとくれるフィールドモンスターが出現します。モンスターを倒すごとに、新たなモンスターがすぐに再生成! 一定時間が経過すると、時間制限付きの突発ミッションがプレイヤーに課せられます。

(3)モンスターゾーンB
 モンスターゾーンAと同じく、フィールドモンスターが大量出現! しかしこちらでは、通常フィールドのモンスターと似た感じの能力値で、再生成時間にもある程度の時間差がある模様!? 獲得可能な経験値とSEEDは通常フィールドよりは高く、モンスターゾーンAよりは低いといったバランスのようです。

※これら以外にも特別なステージ(エリア)が用意されている。

『テイルズウィーバー』
▲異次元へのゲートから行ける先は天国か地獄か……。ランダムに飛ばされるので、行き先については祈るしかない!?

――なるほど、盛りだくさんですね。そうすると広大なフィールド以外にも、先ほど名前の挙がった封印された宮殿と試験の塔を合わせ、全部で5つの新たな冒険の場所が実装されることになりますね。やはり必滅の地は、難易度的には過去のコンテンツと比較して最上位の難しさになるのでしょうか?

チェ・ヒジン:難易度に関しては調整している最中ですので確かなことは言えませんが、やはり最上位のものとして考えています。どのくらいのさじ加減になるかはこれから決めていきます。ただし、同じ必滅の地の中でも場所によって内容に違いがありますので、キャラクターの推奨レベル帯は分かれていくことになりますね。

――かなり大きいフィールドなので、当然違いは出てくると……。では、いよいよダンジョンについてうかがいます。まずは封印された宮殿の特徴を教えてください。

イ・スンボ:封印された宮殿は、ガナポリーの魔法使いたちが魔法を研究していたという設定の建物です。3名~8名が参加できるレイドダンジョンになります。

 このダンジョンは3つのエリアに分かれています。通常のダンジョンでは、1つの目標に向かって皆で協力していくのがスタンダードなのですが、このダンジョンではそれぞれで違うミッションと目標を持って進んでいきます。

『テイルズウィーバー』
『テイルズウィーバー』
▲封印された宮殿は、ガナポリーの魔法使いが魔法を研究していた場所。間違えて異系の魔物を呼んでしまったために封印され、その後は誰も近づかなくなったとのこと。

 また、各エリアでそれぞれ違う特徴を持ったボスを倒さないとクリアできません。途中でパーティが分断され、別々の場所に行くなど、さまざまな障害がパーティに降りかかります。ボスモンスターの“ブリオニア”も、ちょっとトリッキーな攻撃を仕掛けてきますよ。

 その他にも、普段ソロプレイが多くてチームを組むのが大変というプレイヤーのために、自動的にチームを組む“マッチングシステム”を新たに導入する予定です。

『テイルズウィーバー』
▲ボスモンスターのブリオニアは、ワープで現われては近接攻撃を加え、さらに魔法攻撃を使ってきます。フェーズごとに特定のデバフが追加されるため、工夫して攻略する必要があります。

――それでは、もう1つの試験の塔にはどのような特徴が?

チェ・ヒジン:試験の塔はソロ専用のダンジョンで、古代の魔法使いたちの修練の場として建築されたという設定です。100階に最終ボスである“トゥタートール”が登場するのですが、99階までは過去のコンテンツに登場したボスモンスターと戦うことになります。

『テイルズウィーバー』
▲100階最終ボスのトゥタートール。1,000年もの時を掛けて宿らせた怒りに燃える呪いのかかし!?

イ・スンボ:1日に1階だけクリアすることができ、毎日コツコツと少しずつ上っていく感じになりますね。ただ、平日にプレイできないなど、「毎日遊ぶのは困難」というプレイヤーもいますので、平日にクリアできなかった分は週末に一気にプレイできるという仕様にしています。

――双方のダンジョンで、それぞれ便利なシステムが導入されるんですね。それにしても過去のものとはいえ、99階までずっとボスモンスターと戦い続けるというのは、ただごとではない印象を受けるのですが……。

チェ・ヒジン:そこは10年以上の歴史があるゲームですので(笑)。3カ月以上掛けてじっくり攻略していただければと思います。

『テイルズウィーバー』
『テイルズウィーバー』
▲試験の塔は、古代ガナポリーの魔法使いたちが修練の場として建築した塔。クリア報酬として、1階ごとの基本報酬と、10階ごとの特別報酬、100階クリア時の報酬が用意されています。

■最上位の新たな装備は少しスリムなデザインに……?

――新たに導入される武器に関して教えてください。

イ・スンボ:新武器は、現状では“レベル275の武器”ということになっています。しかし、ここもバランス調整中でして、レベルは少し変わる可能性があります。

キム・セフン:とはいえ、デザインは決定しています。“魔法王国として輝いていたころのガナポリー”というコンセプトで、鮮やかな白と赤を基調にした武器になります。

 また、これまでの『テイルズウィーバー』の武器はどんどん大きくなっていく傾向にあったのですが、今回は装備した時の着用感を考慮しまして、これまでよりは少しスリムになっています。どこかで歯止めを掛けないと、無限に大きくなっていってしまうので……(笑)。

『テイルズウィーバー』
▲新たな武器は、白と赤を基調とした装飾となる模様。強化段階によって使用した時のエフェクトが異なるなど、ビジュアル面でも工夫がされています。

――性能面で、今までの武器と違うところはありますか?

イ・スンボ:作成方法が違うルートになるなど、確実に今までとは違う要素を入れようとは考えています。けれど、そこは少し調整中ですね。これから、現状のプレイヤーの傾向などを調査して決定したいと思います。現段階では、“最大10段階+武器覚醒”の状態が最上位となる予定です。武器の材料は、必滅の地のモンスターからドロップします。また武器の強化材料は、全レベル帯のモンスターからドロップするように設定しています。

チェ・ヒジン:オンラインゲームのプレイヤーにとって、装備品は1つのステータスだと思いますので、どのくらいのプレイヤーが入手できるようにするかなど、入手の難易度などについては慎重に決めたいですね。

――わかりました。まだ武器に関してはこれからの調整ということで、続報を楽しみにしています! この必滅の地では新たな外伝ストーリーが展開されるとのことですが、こちらに関しても教えてください。

イ・スンボ:外伝ストーリーは、メインチャプターとは違う形で展開します。NPCの“エフィビオーノ”という人物にまつわる物語になっていて、ストーリーラインは3つに分かれています。プレイヤーはいずれか1つを選択してプレイすることもできますし、そのすべてを楽しむこともできます。

チェ・ヒジン:外伝ストーリーは必滅の地へ進入するためのトリガーになっているなど、いろんな要素が入っています。

――先ほどのお話で、“ソウルリンクシステム”なるシステムが導入されるとのことですが、こちらの説明をおねがいします。

イ・スンボ:こちらも現在調整中なのですが、プレイヤーがメインで使っているキャラクターに、サブで使っているキャラクターをリンクさせるシステムです。これによって新たなストーリーが発生したり、狩りの時に経験値を分け与えたりできます。

キム・セフン:ソウルリンクされていると、キャラクターの外見も少し変わるなど、ビジュアル面での変化も考えてはいます。でも、こちらはまだ企画段階ですね。

チェ・ヒジン:ソウルリンクは残念ながら、今回の大型アップデートでは実装されません。あらためて後日のアップデートで導入する予定です。

■ビジュアルは80%完成! 8月26日にも新コンテンツが必ず実装

――今回のアップデートで、過去のコンテンツに変化が生じることはありますか?

イ・スンボ:特別に何かが変わるということはありません。でも、上位の装備が実装されることで、それを使えば狩りの効率などは自ずから変わってくるかとは思います。

――なるほど。必滅の地は今回のアップデートで全エリアが公開になるのでしょうか?

チェ・ヒジン:いいえ。夏のアップデートでかなり広範囲のエリアが公開になりますが、それは必滅の地のすべてではありません。さらに、これからの拡張を予定しています。どのストーリーでエリアの拡大を行うかは未定で、スケジュールも確定していません。

――過去最大級に広いのにもかかわらず、さらに拡大していくんですね。では、今回の大型アップデートについて、全体の開発状況はいかがでしょうか?

キム・セフン:ビジュアルに関しましては、モンスターはほぼ80%くらい完成しています。フィールドはとにかく今までで一番広いエリアですので、ちょっと時間が掛かってしまっています。

イ・スンボ:システム面は現在、バランス調整の段階です。

――では、8月26日には予定通り実装されますね?

チェ・ヒジン:そこは皆さんにお約束していますので、必ず(笑)。

――力強いお言葉をありがとうございます(笑)。それでは最後に、大型アップデートを楽しみにされているプレイヤーの皆さんにメッセージをお願いします!

イ・スンボ:本当に長い間、たくさんのリソースを掛けて、頑張って開発しています。ぜひ多くのプレイヤーの方に楽しんでいただければと思います!

キム・セフン:必滅の地は、プレイヤーの皆さんにずっと楽しみにしていただいていたコンテンツです。その期待に応じられるよう、背景に至るまで、すべてに力を入れました。楽しみに待っていただければうれしいです。

チェ・ヒジン:今までとは違う、新しい体験ができる『テイルズウィーバー』を目指して、いろいろと協議しながら進めてきました。ぜひ楽しんでいただきたいです!

――本日はありがとうございました。

(C)NEXON Co., Ltd. All Rights Reserved.

データ

▼『テイルズウィーバー』
■メーカー:ネクソン
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP/Vista)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:2004年9月21日
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

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