2015年7月23日(木)
『FFXIV』吉田直樹氏&ゲーム『SAO』二見鷹介氏の対談を全文掲載。7年後の先に見えるMMORPGの姿とは?
6月23日より初の拡張パッケージ“蒼天のイシュガルド”の正式サービスがスタートした『ファイナルファンタジーXIV』の吉田直樹プロデューサー兼ディレクターと、ゲーム『ソードアート・オンライン』シリーズを手掛ける二見鷹介プロデューサーの対談をお届けする。
▲吉田直樹プロデューサー兼ディレクター(左)と二見鷹介プロデューサー(右)。 |
→translated English version from here.
全世界で400万人以上がプレイするMMORPGというジャンルにおける超大作『ファイナルファンタジーXIV』と、VRMMORPGの世界を描いた小説作品を、RPGやアクションとして楽しめる形にしたゲーム『ソードアート・オンライン』シリーズ。それぞれの作品を築き上げてきたクリエイター2人は、MMORPGというジャンルをどのように見ているのか? 吉田氏と二見氏には、MMORPGが持っている魅力や未来について語っていただいた。
▲『ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド』 |
▲『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』 |
この記事に掲載された対談は、『電撃PlayStation Vol.593』に掲載されたものの完全版となっている。すでに読んだという人はもちろん、まだ読んでいない人もぜひチェックしてもらいたい。
コミュニケーションが生み出すMMORPGの魅力
――まずはお2人の自己紹介も兼ねて、ご自身のお仕事や手がけられているタイトルについてお聞かせください。
吉田直樹氏:僕はスクウェア・エニックスで『ファイナルファンタジーXIV(以下、FFXIV)』のプロデューサーとディレクターを兼任しています。このタイトルに携わった経緯は少し変わっていて、オリジナルの『旧FFXIV』(註1)が2010年にローンチしたのですが、改めて作り直すことになり、本作の全権を引き受けることになりました。
そこでオリジナルの世界がバハムートによって焼き尽くされ、新たな世界として新生したのが今の『FFXIV』です。そして、いよいよ5年越しに『FFXIV』初の拡張パッケージとなる『蒼天のイシュガルド』をリリースさせていただくことになりました。本当に世界中の多くの方に支えていただいたからこそ、ようやくここまでくることができたと思っています。
二見鷹介氏:僕は電撃文庫の『ソードアート・オンライン(以下、SAO)』(註2)のゲーム化をさせていただいている、バンダイナムコエンターテインメントのプロデューサーです。ゲーム『SAO』は擬似MMORPGを目指して作っていて、MMORPG(註3)が苦手な人や、興味はあるけどまだプレイしていない人、小説『SAO』の物語が好きな人に対して「MMORPGの世界はこんなに楽しいんだよ」と、ゲームを通じて描いていけたらなと思っています。
――『SAO』は原作やアニメのファンがとても多くて、この作品をきっかけにMMORPGを始めた人も多いですよね。実際に『FFXIV』にも、『SAO』のキャラクターと同じ名前にしているユーザーが、かなりの数いますし。
二見氏:黒の剣士がいっぱいいますよね(笑)。
――次に、お2人のこれまでのMMORPG遍歴について教えてください。
吉田氏:『SAO』の原作者である川原礫先生(註4)も『ウルティマオンライン』(註5)からMMORPGの世界に入られているとお聞きしていますが、僕も世代的には一緒です。
世界初のMMORPGであったこの作品に触れることができたのは大きな経験でした。それとMORPG(註6)では『ディアブロ』(註7)をはずすことはできません。インターネットやLANを使って、離れた場所にいる人ともマルチプレイができる楽しみを『ディアブロ』に教えてもらい、それが『ウルティマオンライン』では数千人規模で世界が共有されていて……あの影響力は計り知れないですね。そこからさまざまなMMORPGをプレイしてきています。
二見氏:MMORPGのプレイヤーとしてはライトなユーザーなんですけど、『ラグナロクオンライン』(註8)が最初にプレイしたMMORPGでした。そのあとで『信長の野望Online』(註9)をプレイして、そこから時間がかなり空いたのですが、今は『FFXIV』をプレイしているところです。
吉田氏:ありがとうございます(笑)。
二見氏:『ディアブロ』もプレイしてはいましたけど、一時期はMMORPGよりもFPSやTPSのオンライン対戦のほうにハマっていた時期がありました(笑)。ネットワークでコミュニケーションを取るのが楽しくて、MMORPGをプレイしていない時期でも、ネットワークを使ったゲームはプレイし続けていました。
――擬似MMORPGを描くゲーム版の『SAO』は、そんな二見さんの経験も生かされているのでしょうか?
二見氏:実は、ネットワークでのコミュニケーションは好きなんですけど、苦手で、人に話しかけられると全部丁寧語で返したりするんですよ。何かされた時には、「お礼を言わなきゃ!」とあせってガチャガチャとキーボードをたたいてしまったたり。触れ合うことの楽しさは知っているんですけど、どこか踏み込めない部分もあって、ソロだったりフリーのパーティに入って遊んだりして、人から誘われるのをひたすら待ってプレイしているんです。
『SAO』の原作にハマったのも、主人公のキリトがソロプレイヤーで、そこが共感できたからなんです。本当は人と話したいんですけど、でも自分からは動けなかったりして(笑)。
吉田氏:『SAO』はオンラインゲーマーが見た場合だと、とても理想的なゲーム。「自分がゲームをプレイする時は、こうありたい」と思うものが全部詰まっているのが特徴ですよね。しかも、MMORPGやオンラインゲームを知らない人が読んだ時には、「こんなにもよくできた世界があるのか」と感じる。ゲームのプレイヤーへの感情移入度がすごく強い作品だと思います。
MMORPGをプレイしている人にとっては理想の世界だし、MMORPGを知らない人には新しい魅力の詰まった世界だし。それに主人公のキリトは、ゲームの世界では孤高でも、実は周りからは一目置かれていて……それは、誰もがあこがれるところがあるじゃないですか(笑)。
――MMORPGをソロでプレイしたいというユーザーは、やはり一定数いるものなのでしょうか?
吉田氏:昔はTRPG(註10)を一部の人たちが熱狂してプレイしていた時期があり、でもTRPGではコミュニケーションを取れないと遊べないゲームでした。それがコンピュータに置き換わってCPUがGM(ゲームマスター)をやってくれるようになり、1人でもRPGを遊べるようになっていったんです。MMORPGも実は同じで、最初はコアな遊び上手な人たちが遊んでいたゲームでした。そこからMMORPGのおもしろさというものが広まっていって、いろんな人たちがMMORPGをプレイするようになっていきました。
そうして市場が広がるにつれ、現実世界で人間関係のストレスがあるのに、ゲームの世界でもそれを感じるのはイヤだなあ、という考え方も増えてきました(笑)。でも、たくさんの人と同じ世界を共有している感じは、なにものにも代えがたい魅力です。よく釣りに例えるのですが、現実での釣りは基本的には1人で行います。でも、ふと遠くを見ると、他の人も浮きをじっと見ながら釣りをしている。お互いの会話はないけれど、そこに一体感みたいなものは生まれる。だからこそ世界を共有している気持ちになれる。
MMORPGにおいても、そういう部分は大事にしていかないと、本当にコアな人しか遊べないゲームになってしまいます。だからコミュニケーションが最小限でも、ゲームを楽しんでいける部分は必要になります。ただ、自分がキリトのような主人公になりたいんだったら、やっぱり自分から積極的に動く必要はあるのかもしれません(笑)。
――二見さんはMMORPGのそんな世界を『SAO』のゲームで再現しようとした際、どういった部分を特に重要視したんでしょうか?
二見氏:吉田さんもおっしゃっていた、“コミュニケーション”の部分ですね。ゲーム『SAO』では、“他のプレイヤーが自分を見てくれるような感覚”を得られるようにNPCの動かし方に注意しました。
僕自身がプレイヤーに話しかけることが苦手なので、なるべくNPCからプレイヤーに話しかけさせようとしたんです。他のプレイヤーがいるような空気感を、『ホロウ・フラグメント』(註11)では特に描いていきました。この作品では街にNPCが100人いて、仲よくなるとNPCとパーティが組めるようになるんですね。さらに街中ですれ違うと、声をかけてくれるようにもなります。そういう擬似的な体験を描こうと、開発の人たちと話していきました。
吉田氏:NPCに気に入ってもらえるようになるためには、ある程度、自発的な努力も必要だと思うので。僕としては、そこでがんばれるなら実際のMMORPGでもがんばってほしいな、と……(笑)。
二見氏:自分から声をかけるんじゃなく、声をかけられたりメールが届いたりするのが、ポイントだったりします。声をかけられることで「手伝ってやるか!」みたいな気持ちも出てきたりするので(笑)。
吉田氏:ああ、なるほど、そういう仕組みですか……。それなら『FFXIV』でも、NPCが話しかけてくれる機能をつけてみようかな(笑)。
二見氏:ちなみに僕は、『FFXIV』で久々にMMORPGをプレイしたせいか、全体チャット(シャウト)で普通に返事しちゃいました(笑)。
――古いオンラインゲームのほうが、パブリックチャット(註12)が盛んだったイメージがありますよね。
吉田氏:盛んというよりも、パーティ単位でチャットできたりする機能がなかったというのもあるかもしれません。『ウルティマオンライン』が特に顕著で、PC(プレイヤーキャラ)の頭の上にテキストが表示されるんですけど、少し離れると見えなくなるんです。しかもチャットのログも自分の周囲の発言しか記録されません。
コミュニケーションを取るには、相手に近づく必要があったんです。ある意味そこがリアルだったんですけど、MMORPGが複数出るようになってきて、チャットにもスポットが当たって変わってきましたよね。
国内外のプレイヤーの違いとオフラインとオンラインの特徴
――国内と海外でMMORPGプレイヤーの気質の違いなどは感じますか?
吉田氏:基本的にコアゲーマーのゲームに向かう姿勢や、ゲームデザインに対する反応にはほとんど違いはないんです。ドロップ率(註13)が厳しいものに対しての反応は世界中同じですし(笑)。プレイヤースキルの平均レベルは日本のほうが高い印象がありますが、それ以外はほとんど同じです。
ただ、どのように“個”をゲームに扱っていくのかは歴然とした差がありますね。日本のプレイヤーは自分が所属しているコミュニティや、コミュニティに所属していなくとも、その場の空気を特に気にする傾向があると思います。よく言えば調和なんですが、そこを気にしている人が多い。
逆に海外は、個と個が集まって集団になって、個が集まるから楽しめる、という雰囲気があります。人に合わせるというよりは、個の主張をしたうえで、みんなで相談して……という感じですね。
――『SAO』を海外展開していくうえで、海外のプレイヤーに向けて気にしているところなどは?
二見氏:実はないんですよ。そもそも『SAO』は、原作やアニメありきでゲームを制作させていただいています。川原先生が作った世界観や物語は海外でも受け入れられているので、それならゲームも同じように届けようと。海外だからと意識して変えることはせず、むしろそのままのゲームをお届けして、反応を見てみたいというところがあります。
吉田氏:ゲームの『SAO』シリーズは、日本じゃないと生まれない発想だと思うんです。海外だと、「MMORPGを体感したいのなら、MMORPGをプレイすればいいじゃん」というストレートな考え方になります。
しかし、敷居を高く感じる人に向けたおもしろさの提示が、ゲーム『SAO』シリーズのすごさで、疑似体験ならではのおもしろさを描いていくゲームは、日本でしか生まれないものだと思います。そのユニークさが逆に海外でも受け入れられる部分だと思うので、海外に合わせて調整する必要はないと思います。
二見氏:日本だけでなく海外のユーザーからもコメントをいただいたりするんですけど、日本のユーザーは自分で作ったオリジナルキャラを使いたいという要望が多いんです。そのキャラを使って、キリトたちと冒険したいと言われますね。逆に海外は、キリトになって冒険したいというコメントが多いんですよ。
吉田氏:日本だと原作を知っているからこそ、そのキャラクターたちと一緒に冒険をしたい気持ちになるんだと思います。海外の場合は、MMORPGの主人公=自分という遊び方をしている人も多く、『SAO』のように、きちんとした主人公がいるんだったら、むしろそのキャラクターになって冒険したいって思うんじゃないでしょうか。
――その部分は、日本と海外の意見は逆だと思っていました。
吉田氏:日本人が考えたユニークなキャラクターや物語を疑似体験したいという点が、海外のプレイヤーが注目してくれるポイントだと思いますね。
――『SAO』では、ゲーム性の部分で実際のMMORPGを参考にしている部分はありますか?
二見氏:あります。開発現場の人たちが『FFXI』(註14)や『FFXIV』をかなりプレイしているんですよ。特に『FFXI』を参考にしているところは多いです。あと『エバークエスト』(註15)などの古典的なMMORPGをプレイしていたスタッフもいて、ドロップ率やスキルに関しても、そういう作品を参考にしながら、1人でも遊べるようなバランスにしようと最後まで調整していました。
あくまでも1人でプレイするRPGで、実際のMMORPGほど長時間プレイするわけではないので、ドロップ率は実際のMMORPGよりもかなり緩いんです。でもなかなかアイテムが出なかったり(笑)。
――オフラインのRPGとMMORPGって、そこの感覚はかなり違いますよね。ドロップ率などもそうですが、攻略速度も段違いだったりしますし。
二見氏:あくまで1人で遊ぶことになるので、それを長すぎると感じないような、でもそれなりの長さを感じるバランスが大事ですよね。オフラインゲームだと何十時間ですが、MMORPGだと何百時間になったりしますから。
――MMORPGは約18年ほどの歴史になりますけど、変わるものと変わらないものがありますよね。先ほどのアイテムドロップの感触などは、今のプレイヤーと昔のプレイヤーではかなり違ってくると思います。
吉田氏:MMORPGの始祖である『ウルティマオンライン』はエンドレスなゲームでした。ゲームを開発したのはリチャード・ギャリオット(註16)という人物で、彼の思想として共有すべき世界は用意してあり、最低限のルールもあり、スキルも(最初は)64種あり、「あとはどう遊ぶかは自分たちで決めてくれ」と(笑)。
ゴールが設定されていないので、遊ぼうと思ったらいくらでも遊べるゲームでした。そのあと、『エバークエスト』が出たのですが、こちらはより月額課金を意識してあり、プレイヤーの1行動が時間消費として考えられていました。時間を消費するのがゲームデザインの根幹に据えられていたんです。第1世代のMMORPGのアイテムドロップ率は、こうして生まれたものです。
そして『ワールド・オブ・ウォークラフト』(註17)以降は、「プレイヤーはゲームを1日に何時間遊ぶか」を考えたデザインがなされました。カジュアルゲーマーで2~3日に1~2時間しか遊べないという人に対して、どうゲームとしてこたえていくか。『FFXIV』も同じですが、トータル時間からデザインするのではなく、1日で何時間、1週間で何時間プレイするかを想定したうえでデザインするようになっています。
――プレイヤーの限られた時間で、いかにプレイしてもらうかというのは、オフラインゲームでも考えてデザインされているのでしょうか?
二見氏:僕はそこまで気にしてはいません。ただ、ユーザーがメインストーリーをクリアしたあとも、自由に遊べるような要素を入れるようにはしていて、クリア後は好きなタイミングでゲームをやめられるようにはしています。
それと、コンシューマゲームにも運営的な要素は今後必要になると考えていて、僕は“半運営”と読んでいるんですけど、発売後のアップデートでユーザーの不満点を解消したり、新しいクエストなどを追加していくようにしています。このアップデートがあるおかげで、開発段階では見えなかったものが見えたり、ユーザーの声を聞くことで次につなげていけたりできますよね。
――パッケージゲームだとDLCはかなりありますが、アップデートという形で追加していくものというのは、まだそれほど多くないですよね。
二見氏:アップデートについては『FFXI』や『FFXIV』などをかなり参考にしています。MMORPGのアップデートって、ワクワクするじゃないですか。『SAO』の場合は、開発途中でアイデアがふくらみすぎて、発売段階では入れられなかった要素などもありました。でもどうしても入れたい要素だったので『ホロウ・フラグメント』ではアップデートという形で無償配布したんです。
『ロスト・ソング』もスケジュールなどの都合で、開発途中の段階ではあったPvP(註18)要素をパッケージに入れることができなかったんですよ。バランスがまったく取れなくて……。僕自身はどうしてもそれを入れたかったんですが、無理に入れようとすると満足のいくものにはなりません。だったらアップデートできちんと開発したものを追加しようと考えたんです。
本来は発売日に入っていることが望ましいですが、アップデートの形を取ることで、ユーザーの意見も反映する期間ができたので、逆によかった点が多いですね。
――アップデートは確かにMMORPGには付きものですし、新鮮な気持ちでゲームをプレイできるポイントでもありますよね。
吉田氏:今の日本のパッケージゲームのセールスは、発売週が一番の山であり、それがどんどん顕著になっています。しかし、アップデートがあることで話題が継続して、結果的にプレイヤーの皆さんも長く遊べ、それが人を呼ぶ結果となり、発売後もゲームの販売本数が伸びていく流れが作れるのはとてもよいと思います。
先ほどのPvPの要素なども、こういう形ではっきりと言ってもらえることは、プレイする側にとってもうれしいですよね。どうしても入らなかったけれど、きちんとしたものをあとからでも届けてくれる。そういう開発側の真摯な気持ちは、お客様にも伝わると思います。
――ネットのコンテンツなどを通じて、ユーザーの声が10年前より届きやすくなっていますよね。
二見氏:それと、現場で考えていたこととユーザーの声が同じだったなんてことも意外と多いんですよ。もちろん、気付かされることも多いんですけど、開発側が感じていた改善点をユーザーから指摘されることで、だったら早く調整しないと、と思うところもありますよね。
ユーザーとの信頼関係を築くための運営方針
――『FFXIV』は「プロデューサーレターLIVE」(註19)や公式サイトのフォーラム(註20)などを通じて、ユーザーの反響がすぐ届く環境ができていますよね。
吉田氏:僕らはゲーム開発者の第3世代と言われていて、実際にゲームをプレイして育ってきた開発者です。二見さんも話していましたが、ユーザーが言いたいことと、僕らがゲーマーとして言いたいことは、実は同じところにあります。
でも、ビジネス的な面であったり、開発者として長期的な計画があったりするので、その差をプレイヤーやお客様とどうやって埋めていくか、開発者を含めた『FFXIV』のコミュニティをどう育てていくのかが重要になります。プレイヤーの皆さんが思っていることを言ってもらい、僕らが思っていることも話して、お互いに理解していくのが大事ですよね。
ゲームの『SAO』もそうだと思うのですが、原作の世界観をゲームのコミュニティ全体が共通の価値観として持っていて、そこからゲームではこういうものを描いていくと話していくことで、コミュニティの人たちに安心感を与えることができますよね。
二見氏:会社に属する人間としての建前もありますが、僕はユーザーには正直にいたいと思っていて、言えることはできるだけ伝えるようにしています。特に生放送などは自分の言葉で伝えられるので、いろいろ心苦しい時もありますけど(笑)、不幸じゃない形でユーザーに声を届けられますよね。できないものはできないと言いますし、検討できるものはそう言いますし。吉田さんの『プロデューサーレターLIVE』も、はっきり言うところがありますよね。
吉田氏:そうですね。できないことや、やらないことは「やらない」と言いますし、その理由もあえて話すのは、珍しいかもしれないですけど……。本当なら、やらないなんて言いたくはないですが、自分がプレイヤーだった時に、期待感だけ引っ張られてもなあ……と思うこともあるので、できるだけ率直に話したほうが相互理解は深まるのでは、と思っています。
それにプレイヤーの皆さんに対してだけでなく、僕がライブの中でごまかしを言うと、現場の開発チームの中にも「ごまかさないでほしい」という気持ちが生まれます。開発現場でそれがまったく知らされていないと、開発のモチベーションも下がりますし、僕への信頼も下がりますよね。プレイヤーに楽しんでもらおうと開発ががんばっているのを、嘘をついてごまかしても誰の得にもならないのかなと思います。
もちろんすべてをあけすけに話すことが正しいわけでもないと思いますし、慎重に考えるところもあります。要望として大きくてもコストなどでできないこともありますし、その要望を言われ続けることで開発が苦しくなるのなら、できない理由を話したほうが建設的かもしれないと考えています。
普通ならプロデューサーは、あまり「できない」とは言わないと思うのです。でも僕は開発を取りまとめるディレクターでもあるので、そこはディレクターとして言っていかないといけないかなと。
――『SAO』では、MMORPGユーザーからの反応はどんなものがあるのでしょうか?
二見氏:『ホロウ・フラグメント』の時にいただいた感想の中でおもしろかったものに、「MMORPGのコミュニケーションに疲れてきた自分には、とてもいいゲームでした。ここで癒やされたら、またMMORPGに戻ります」というものがありました(笑)。
他にはMMORPGを知らない人の意見では「『SAO』がRPGだと初めて知りました」や、アニメから入った人からは「ゲームはおもしろいけど、アクションじゃないし『SAO』のゲームじゃないですよね」といった意見もいただきました。割合で言うと、MMORPGをしている人が4割、原作やアニメから入ってきた人が6割くらいですね。年齢層的にも中高生が多くて、ここからMMORPGを知った人も多いんじゃないでしょうか。
吉田氏:MMORPGの体験をゲームやアニメで描こうとすると、どうしても尺やコストの都合で落とさなきゃいけないところが出てくると思うんです。しかし、『SAO』は原作の世界構築のルールが恐ろしいほどMMORPGのいいところの仕様を持ってきていて、こちら側からするとうらやましくてしょうがない(笑)。
オレンジプレイヤーの部分なども『ウルティマオンライン』から発想を得た設定だと思うんですが、カルマを消却すれば元に戻ることができたりします。そういうMMORPGのモチーフをエピソードとして落とし込むところが、作品としてすごくよくできていると感じます。MMORPGで受けた衝撃を読者に伝えようとしているのが、とても伝わってくるんです。
二見氏:小説の『SAO』を読むと、MMORPGで人に触れてみたいと思うんですよね。僕はMMORPGだけでなく『.hack』シリーズ(註21)も大好きで、その世界に僕らの青春がある感じがするじゃないですか。
『SAO』だと、ゲーム中で死んだら現実でも死んでしまう“デスゲーム”に囚われた女の子がお風呂に入るところで、ウィンドウを広げて髪型を変えるシーンがあるんですよ。ゲームの世界で生きることを強制されている状況なんですが、女の子でありたい。そういう描写が印象的ですね。デスゲームで少年少女が青春を謳歌しようとしている様子が、とても好きなんです。僕自身、青春時代はほとんどゲームで過ごしてきたので、共感できるところも多いです(笑)。
吉田氏:でも開発者の視点からすると、お風呂で髪型を変えるシーンをやろうとするなら髪型のパターンがいくつ必要なんだよ、と考えてしまう(笑)。MMORPGは、日本だとまだプレイ人口が少ないジャンルで、開発会社もまだ少ない。でもMMORPGが好きだからこそ、ゲームがもっと増えてほしいし、人口も増えてほしいという、原作者の思いを感じますよね。
――MMORPGの体験は、他のゲームより濃密だと思うんです。そこから現実でのコミュニケーションが生まれていく場合もあります。でもかつてのMMORPGに比べると、他者とのコミュニケーションを楽しみたいけれど、わずらわしいコミュニケーションはさけたいと考えるプレイヤーが増えてきた印象があります。
吉田氏:それは市場が広がったことで、いろんな人がMMORPGの世界に入ってきて、そういう考え方のプレイヤーも生まれてきただけだと思います。コアなゲーマーだけでなく、もっと気軽に遊びたいという人たちもMMORPGをプレイするようになった証かなと思います。
――『FFXIV』でも、“コンテンツファインダー”(註22)で気軽にパーティが組める仕組みを取り入れたりしていますよね。
吉田氏:「コンテンツファインダーでマッチングした場合は、他のパーティメンバーをNPCと思えるくらい気軽に」と言ったこともありますね(笑)。これは相手がNPCだから、自分勝手な振る舞いをしても大丈夫というわけではなく、それくらい気軽にパーティを組んで遊んでほしいということなんです。
二見氏:僕は4月から『FFXIV』を始めて、今“クリスタルタワー:闇の世界”(註23)をクリアしたところなんですね。社会人になってからは時間も取れなくてMMORPGをプレイしてこなかったんですけど、この2カ月プレイしてここまで行けるなんて、なんて初心者に優しい世界なんだろうと思いました。
いろいろな人と簡単にパーティを組めますし、そんな仲間たちもサポートしてくれますし、初心者でもさくさく遊べるのは、すごい作品だと思うんですよ。しかもアップデートでさらにコンテンツが増えるわけじゃないですか。MMORPGは時間もそうですけど、始めるタイミングも難しいと思っていたんですが、実はそうじゃなかったんですね。
吉田氏:「今から『FFXIV』をプレイしても十分に楽しめます」と言っても、なかなか信じてもらえないんです(笑)。MMORPGには、どうしてもハードルが高そうなイメージがあるんですよね。
二見氏:オフラインのゲームに比べると画面の情報量が多いですし、そこにとまどう部分もあるとは思います。
吉田氏:そこはあえて開き直った部分でもあります。ジャンルがMMORPGである以上、いずれは今の『FFXIV』のような情報量が必要になってしまいます。MMORPGは、他のジャンルのゲームに比べてまだ歴史は浅いのですが、プレイヤーが経験してきた時間は、他のジャンル以上に膨大なんです。
そんなプレイヤーたちによって磨き上げられたジャンルのゲームなので、プレイヤーの最終的なリクエストに応えようとしたら、情報量は増やさざるをえません。だから最初に表示するUIを少なくして、先に進んでオプションを変更すると情報量が一気に増えるという作りも検討しましたが、それでは知識差があまりに埋まらないだろうと感じました。
例えば、そのオプションを知らないまま先に進んだ人がいると、同じレベルの人でも見ている情報がまるで違うことになってしまいます。パーティプレイがおもしろいゲームだからこそ、そういうことをしたくなかったので、悩んだすえに最低限の情報は最初から出そうと決めた部分です。
これから7年後の先に見えるMMORPGの姿
――『SAO』は2022年という7年後の世界が舞台の作品ですが、未来のMMORPGの展望についてお聞かせください。『Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)』(註24)や『Oculus Rift(オキュラス リフト)』(註25)といったハードも出てきて、今後はVRMMORPGライクに遊べるものは登場すると思いますか?
吉田氏:後々出てくるとは思いますが、まずは戦闘機にせよ、バトルシップにせよ、乗り物に乗って遊ぶタイプのゲームが出てくると思っています。あとは環境シミュレーション。
今のVRは非常によくできているぶん、自分でキャラクターを歩かせようとすると、自分の足を動かしていないのに先に進んでいくような、移動に対する認識や体感のズレがすごく大きいんです。フレームレート(註26)も60fpsではまだ足りなくて、120fpsくらいないと、人間の目の情報処理感覚とずれて、“酔って”しまいます。
ですので、それらをクリアしてVRに特化したゲームじゃないと、最初は難しい。だから乗り物タイプが向いていると考えているんです。しかし、そこまでVRに特化して作り込んだゲームで、開発費を回収できるのかと言うと……(笑)。ハードとソフトの2つがあることでブームが作れると思っているので、徐々に浸透するでしょうが、爆発的ブームとなると、もう少し時間がかかるんじゃないでしょうか。
二見氏:7年後はわかりませんけど、今の段階だとまだ難しいですよね。MMORPGは世界観に浸って長時間プレイするゲームじゃないですか。でも、今のハードでVRMMOゲームを作っても長時間プレイするのは厳しいと思います。
でも、短い時間で疑似体験できるものができてくれば、おもしろそうですよね。あと7年後に実現できるかはわかりませんが、VRタイプのものよりはフルダイブタイプのほうがMMORPGには適しているんじゃないでしょうか。VRタイプのゲームは、アーケードのほうが相性がよさそうですよね。
吉田氏:そうですね、アーケードであれば、ある程度コストをつぎ込んだとしても、そこでしか体験できないものとして話題になれば成功すると思います。あとはそうですね……いくら7年後とはいえ、親が部屋に入ってきた時に、頭に機械を付けてゲームをしていたら、「なにやってんの!?」って心配されるんじゃないかな(笑)。
二見氏:PS2で『オペレーターズサイド』というゲームがあったんですけど、それでゲームのキャラクターに話しかけていたところを親に見られて、心配されたことがあります(笑)。
吉田氏:今でも、ボイスチャットで話しているだけでも何か言われたりすることもありますしね。
――ではビジネス的な形態も含めて、7年後のMMORPGはどうなっていると思いますか?
吉田氏:僕は現実主義者なのほうなので、ここまでMMORPGの話をしてきておきながら言うのもはばかられるんですが……大型のMMORPGは、今よりも少し衰退していそうな雰囲気を感じます。
まず、MMORPGを開発するためのリスクがあまりにも大きい。また、世界中のメーカーが感じていることだと思いますが、ソーシャルのデバイスの普及率とゲーマーのライフサイクルの変化。今はゲーマーと言えども、ゲームという娯楽に割ける時間の割合が減ってきているんです。これはゲームが市民権を得た証でもあり、よいことでもありますが、MMORPGのように“たくさん遊んでもらう、継続して遊んでもらうジャンルのゲーム”では、費用対効果が合わないと出資者側は考えがちです。
また大型のMMORPGを本気で作ろうとすると、開発期間におおむね5年はかかると思います。そうすると今から作り始めたとしても、7年後には1つしかゲームが完成しないことになり、その間にアイデア重視のF2Pのソーシャルゲームはいくつ出せるのだろう、と。それを考えた時に、わざわざMMORPGの新規タイトルに投資して、開発しきれる人たちがどのくらいいるのか? ビジネスの側面もふくめて冷静に考えると、あまり楽観視できないと思っています。
しかし、ビジネスや品質の問題をクリアして、市場に受け入れられるMMORPGが完成したとすれば、それは恐ろしく完成度の高いゲームになっていると思います。MMORPGはプレイヤーによって鍛えに鍛え抜かれた、非常に品質意識の高いジャンルのゲームです。ローンチ初期から要求される品質のレベルが非常に高いからこそ、それをクリアしたゲームは大きく市場を席巻できる可能性を持っています。
……というわけで、市場は極端な賭けをきらいますので、本格的なMMORPGをイチから作るというよりも、カジュアル方向でコミュニケーションがあって、ネイティブクライアント(註27)で遊べるMMORPGが増える。これが今後の業界の流れじゃないかなと思っています。だから、MMORPGというジャンルは消えはしないけど、試行錯誤の7年になると思います(笑)。
二見氏:僕はどちらかというと、その中間のゲームを作っていこうと思っています(笑)。MMORPGの空気感も感じられるような、ネットワークゲームとコンシューマゲームの境目みたいなゲームが今後は増えていくと読んでいます。MMORPGも、プレイヤーとNPCが半々くらいのMMORPGが出てくるんじゃないでしょうか。
NPCも進化して、NPCと話しているのか、PCと話しているのかわからないくらいのものが出てきて、プレイヤー自身もNPCと話していても気にならないような、そんな環境になってほしいと思います。ようは『FFXIV』のタタルさん(註28)と仲よくなれるようなものができてほしいんですけど(笑)。
吉田氏:オンラインゲームというキーワードで考えるなら、今後はオンラインにつながっていないゲームはなくなると思っているので、多分、“オンラインゲーム”という単語が消えるんじゃないでしょうか。
SNSと連携しているだけでもオンラインと連携しているわけですし、オンラインにはつながっていて当たり前で、“わざわざオンラインゲームと呼ぶこと”がなくなると思います。もちろん『FFXIV』は7年後もサービスを続けていきたいですし、MMORPGを作る人も増えてほしいので、これからもがんばります。
――ありがとうございます、最後にそれぞれ聞いてみたいことや今回の感想をお願いします。
二見氏:僕はタタルさんが次にいつ活躍するのか教えてほしいです(笑)。
吉田氏:『蒼天のイシュガルド』では要所要所で活躍してくれるので、期待してください(笑)。僕は『SAO』の疑似体験について聞くことができて、とても刺激を受けました。MMORPGに疲れた時に『SAO』に癒されに来たというお話しがありましたが、本来ならそういう要素もMMORPGに入れておくべきだと感じました。
またゲーム『SAO』シリーズに携わっている方々が、MMORPGのよさをどう体験してもらおうかと、試行錯誤していることも知ることができてよかったです。『SAO』の世界にハマってから、MMORPGに期待してゲームを始めた方が『FFXIV』をプレイして、「ぜんぜん違う」と思われてしまうと、MMORPG製作者としてはとても悔しいことになってしまいます。そういった人たちが遊びに来た時に、『SAO』でおもしろそうだと思った要素がしっかり実現できているような、そんなゲームを目指していきたいと思います!
●注釈
【註1:旧FFXIV】2010年にリリースされたMMORPG。さまざまな問題点が指摘され2012年にサービス終了となったが、その際、バハムートによる世界破壊とサービス終了を絡めた一大イベントを実施し、大いに話題を呼んだ。その後、吉田直樹氏とスタッフの尽力により『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』として文字どおりの新生をとげる。(本文に戻る)
【註2:ソードアート・オンライン】川原礫氏が原作を手がける電撃文庫の人気小説で、TVアニメ化もされた。さまざまなVRMMORPGを舞台に、主人公・キリトや彼の仲間たちの冒険が描かれる。(本文に戻る)
【註3:MMORPG】大規模多人数同時参加型オンラインRPGなどと言われる、オンラインゲームの1つ。1つのサーバ(ゲーム世界)に同時に数千人以上のプレイヤーが参加することができるのが特徴。(本文に戻る)
【註4:川原礫】電撃文庫『ソードアート・オンライン』の作者。『アクセル・ワールド』、『絶対ナル孤独者』などの作品も手がけている。(本文に戻る)
【註5:ウルティマオンライン】1997年にエレクトロニック・アーツから発売された、MMORPGの始祖とも呼ばれるゲーム。冒険者から大工、泥棒など多彩な職業でプレイすることができた。(本文に戻る)
【註6:MORPG】複数プレイヤー参加型オンラインRPGなどと言われる、オンラインゲームの1つ。1つのサーバの参加人数がMMORPGよりも少なく、ロビーに集ったメンバーとパーティを組んでプレイする。(本文に戻る)
【註7:ディアブロ】1997年にBlizzard Entertainmentから発売されたアクションRPG。オンラインを通じて複数人が同時に同じ世界でゲームをプレイできた。(本文に戻る)
【註8:ラグナロクオンライン】グラビティによって開発され、2002年にサービスを開始したMMORPG。日本ではガンホー・オンライン・エンターテイメントが運営している。ドット絵のキャラクターやモンスターのグラフィックが特徴的で、日本でも多くのプレイヤーを獲得した。(本文に戻る)
【註9:信長の野望Online】『信長の野望』の世界観をベースにしたMMORPG。2003年にコーエーテクモゲームスよりPS2用のタイトルとして発売された。(本文に戻る)
【註10:TRPG】テーブルトークRPGのこと。ゲームの進行を管理するGMと、キャラクターを演じるプレイヤーで遊ぶアナログゲーム。(本文に戻る)
【註11:ホロウ・フラグメント】ゲーム版『SAO』の第2弾。第1弾の『インフィニティ・モーメント』の内容に加え、新たに《ホロウ・エリア》などが追加されたRPG。(本文に戻る)
【註12:パブリックチャット】広範囲のプレイヤーにも見えるように発言するチャットタイプのこと。(本文に戻る)
【註13:ドロップ率】モンスターなどから獲得できるアイテムの確率のこと。コンシューマゲームに比べてネットワークゲームはレアアイテムが出現する確率はかなり低い。(本文に戻る)
【註14:FFXI】日本において社会現象となるほどの人気を得た、スクウェア・エニックス初のMMORPG。2002年にリリースされてから今日まで13年もの間、サービスが続いている。(本文に戻る)
【註15:エバークエスト】1999年にSony Online Entertainmentがアメリカでサービスを開始したMMORPG。基本は一人称視点で進行するゲームで、作り込まれたファンタジーの世界観が大きな特徴。(本文に戻る)
【註16:リチャード・ギャリオット】『ウルティマ』シリーズを手がけたゲームクリエイター。(本文に戻る)
【註17:ワールド・オブ・ウォークラフト】2004年にBlizzard Entertainmentから発売されたMMORPG。『ウォークラフト』シリーズの世界観が受け継がれており、プレイ開始時に選んだ種族で陣営が決定するなど、特徴的なシステムがある。(本文に戻る)
【註18:PvP】プレイヤー・バーサス・プレイヤーの略称。PC同士が戦える対戦モードのこと。(本文に戻る)
【註19:プロデューサーレターLIVE】吉田直樹氏や開発スタッフが出演し、大きなバージョンアップやイベントの前に内容のお披露目をする不定期の生放送。新情報への期待感を抱くプレイヤーの心をつかみ続け、“ゲーム外のゲームコンテンツ”として大きな人気を獲得している。(本文に戻る)
【註20:フォーラム】『ファイナルファンタジー』に関するあらゆる話題を気軽に投稿でき、ファン同士で語り合うことが可能な、スクウェア・エニックス公式サイト上のオンラインコンテンツ。(本文に戻る)
【註21:.hackシリーズ】バンダイナムコエンターテインメントが発売するRPGシリーズ。「Project .hack」のコンテンツの1つで、架空のオンラインゲーム「The World」を舞台に物語が描かれていく。(本文に戻る)
【註22:コンテンツファインダー】いつでも簡単にダンジョンに挑めるようにするためのシステム。ダンジョンに参加申請をすると、サーバーの垣根を越えて、同じように参加申請をしたプレイヤーと自動でパーティを組むことができる。(本文に戻る)
【註23:クリスタルタワー】最大24人で挑む、レイドコンテンツの一種。「闇の世界」は関連コンテンツの中で最後に実装されたダンジョンで、『ファイナルファンタジーIII』に登場した同名ダ1ンジョンの特徴を忠実に再現した内容が話題となった。(本文に戻る)
【註24:Project Morpheus】SGEが開発する、PS4用のVRシステムのこと。PS Cameraやコントローラと連動して、360度全方向の動きを検知することができる。(本文に戻る)
【註25:Oculus Rift】VRに特化したヘッドマウントディスプレイ。頭の動きに合わせて映像も動く、ヘッドトラッキングが可能。(本文に戻る)
【註26:フレームレート】1秒間に表示できる画像の数。120fpsだと1秒間に120回の画像表示ができ、この数字が大きいほどなめらかな動きの映像として認識される。(本文に戻る)
【註27:ネイティブクライアント】PCやスマホなど、さまざまなハードのウェブブラウザ上で、ゲームなどが楽しめる技術。(本文に戻る)
【註28:タタルさん】『FFXIV』でプレイヤーがかかわる組織「暁の血盟」の受付嬢。独特の口調と愛らしい見た目、味のある性格から、多くのプレイヤーに愛されている。(本文に戻る)
――Let’s start by having you introduce yourselves. Could you tell us about your job and the titles that you’ve worked on?
Yoshida Naoki:I work for Square Enix. I was a producer and director on Final Fantasy XIV. I came onboard this project in a roundabout way; the original FFXIV(※1) was released back in 2010. When the decision was made to remake it, I was given the task of leading the effort. We decided to scrap the original world and create something completely new. Now, 5 years later, we have released the first ever Expansion Pack(※2) for FFXIV entitled Heavensward. There are a lot of people around the world to whom I owe a debt for having been able to come this far.
▲FINAL FANTASY XIV:Heavensward |
Futami Yosuke:I am a producer for Bandai Namco Entertainment. I’m currently working on the game adaptation of Dengeki Bunko’s Sword Art Online (SAO(※3)). Our SAO game will mimic an MMORPG(※4), but it will be designed specifically for gamers who aren’t crazy about the genre, or for those who perhaps have an interest but haven’t yet experienced an MMORPG, and of course for the SAO fans. We want to use this game to emphasize the fact that the worlds that MMORPGs create can offer a lot of fun.
▲Sword Art Online Lost Song |
――There are many fans of the SAO books as well as the anime adaptation. In fact, many people started playing MMORPGs due to SAO. Many FFXIV players even name their characters after SAO characters.
Futami:There seem to be a lot of Black Swordsman(※5). (Laughter)
――Could you tell us a bit about your experience with MMORPGs?
Yoshida:Kawahara Reki(※6), the author of SAO, has been an avid MMORPG fan since the days of Ultima Online(※7). I’m actually of that same generation in terms of gaming. Ultima Online is known as the world’s first MMORPG, so obviously it influenced me a great deal. In terms of an MORPG(※8), Diablo(※9) comes to mind. Diablo showed me how much fun it could be to connect over a network and multiplay with someone far away. In Ultima Online, that experience became something that was shared with thousands of people worldwide. It was really revelatory. From there, my experience with MMORPGs just grew.
>Futami:I’m only a casual gamer when it comes to MMORPGs. The first one I played was Ragnarok Online(※10). Afterwards I played Nobunaga’s Ambition Online(※11). Then comes a long blank period, but now I’m getting into FFXIV.
Yoshida:I appreciate that. (Laughter)
Futami:I’ve played Diablo as well, but I generally have preferred my online games to be of the FPS or TPS variety, rather than MMORPGs. (Laughter) It’s always a great deal of fun to communicate over the network. Even when I wasn’t playing an MMORPG, there would be elements of network play in any game that I played.
――The SAO game will be mimicking the MMORPG experience. Has your past gaming experience served to guide you in developing such a game?
Futami:I’m actually pretty bad at communicating over a network. (Laughter) When people talk to me, I respond with proper grammar and complete sentences. If someone does me a favor, I get flustered trying to type up a long thank you message. I understand how the social aspect of gaming can be fun, but it can be intimidating at the same time. I usually would play solo(※12) or join in with a party on the spot; often times I’m just waiting around for someone to invite me to join them. When I read SAO, I could relate to how the protagonist, Kirito, was more attuned to solo gaming. I’m not against communicating with other gamers, but it can be hard to initiate the conversation. (Laughter)
Yoshida:I think that when online gamers see SAO, they see an ideal game. It’s packed with what those gamers want such a game to embody. On the other hand, people who aren’t familiar with MMORPGs and online gaming would read SAO and say, “I didn’t know that these worlds existed.” Everybody is able to identify with the characters of the story in one way or another. MMORPG gamers see it as an ideal world, while MMORPG neophytes are offered a glimpse of a world that they hadn’t previously known. In the story, Kirito acts as a lone wolf, but he still garners respect from others. I think that’s something that a lot of people can admire about him.
――Do you think that there will always be gamers who prefer to play an MMORPG as a solo experience?
Yoshida:There was a time when TRPG (Tabletop RPG)(※13) games were all the rage, but that’s a genre that really requires good communication skills. Once computers came onto the scene, CPUs took over GM (Game Master) duties, so gamers could play RPGs all by themselves. MMORPGs actually started out in the same way. At first, they appealed to a really hardcore group of gamers who had no problems with regard to communication. The appeal of MMORPGs gradually spread from there, and eventually people from all walks of life began to play them. The tricky thing is that all sorts of stressful situations from real life started to manifest themselves within the game world. (Laughter) However, you still want that sense of sharing this epic world and experience with other players. I like to compare it to fishing. When you go fishing, you’re pretty much on your own. But if you gaze across the lake, you might see other people focusing on their lures, fishing just like you are. You may not be directly communicating, but there is a sense of camaraderie there. I think that’s an important aspect, because without it, you’re only going to be able to appeal to the aforementioned hardcore gamers. A game needs to be appealing even if communication is held to the bare minimum. Of course, if you really want to be a protagonist in the story, then you’re going to have to be a bit more assertive. (Laughter)
――Mr. Futami, when you embarked on recreating the world of an MMORPG for SAO, which elements did you pay special attention to?
Futami:Mr. Yoshida just touched upon it, but I would say “Communication” was our biggest focus. I wanted to create a game that would draw attention to you from other players, even though you play as an NPC. You can’t approach NPCs yourself, so I wanted the NPCs to initiate conversations with the players. I tried to recreate the sense that the world was populated with many other players, particularly in Hollow Fragment(※14). In that game, there are 100 NPCs, and you can eventually form parties with them. As time progresses, some NPCs in town will actually talk to you as you walk by. Those are the type of immersive features that I worked on with our development team.
Yoshida:You really need to work diligently in-game in order to get the NPCs to start talking to you. I feel like anyone who can do that could have the same experience in a true MMORPG. (Laughter)
Futami:The trick is to not force the player to initiate a conversation. NPCs will talk to you, or send you messages. When someone contacts you first, you’re more likely to say “OK, I’ll help you on this quest”, and so on. (Laughter)
Yoshida:Maybe I should look into having NPCs that approach players as well. (Laughter)
Futami:By the way, I could tell that I hadn’t played an MMORPG in a while, because when I was playing FFXIV, I kept responding to mass chats (shouts). (Laughter)
――Some people would say that public chats(※15) were more robust in the older online games.
Yoshida:It was a different dynamic, because older games didn’t give you the ability to chat exclusively with your party. In Ultima Online, chat text was displayed above your character’s head, so you had to be close to each other for it to be readable. Not only that, but the chat log was a pain to access. You really needed to get physically close to someone and pay attention to what they were saying, which is quite realistic when you think about it. Once MMORPGs caught on, chatting became a focal point of the experience, and it evolved from there.
――Have you noticed any differences between domestic and foreign MMORPG players?
Yoshida:In terms of how the hardcore gamers approach things and react to game design, I don’t think that there’s any difference at all. Everybody around the world has the same reaction to a stingy drop rate(※16), right? (Laughter) I do get the impression that the skill level of the average gamer(※17) is a bit higher in Japan, but that’s about it. One thing that does stand out to me is how gamers treat the concept of being an individual within these game communities. In Japan, players strongly adhere to the communities that they are a part of. Even if they aren’t a member of a particular community, they tend to strive to blend in with regards to the tone and atmosphere of the setting that they’re in. You could view it as being harmonious, but you could also view it as being passive as well. On the other hand, foreign gamers are much more likely to be highly individualistic. You gather a group of these unique individuals together to form a party and go on adventures. Instead of going with the flow, everybody seems to discuss their objectives and opinions more freely.
――In bringing SAO to overseas markets(※18), is there anything in particular that you are doing to accommodate a different type of player?
Futami:Actually, there really isn’t. The SAO game only exists because of the books and the anime, both of which have been accepted by foreign audiences. Knowing that, I wouldn’t want to change the world and feel that Mr. Kawahara has created with regards to SAO. I think our objective is to deliver the exact experience that we would offer to a Japanese audience, and see how well it is received.
Yoshida:The idea for an SAO game could have only come from Japan. The foreign way of thinking is, you get into the books and anime of SAO and become interested in MMORPGs, so then you go and play an actual MMORPG. But in Japan the thought process is a bit different, and players are actually more interested in the fact that it isn’t a true MMORPG. The mock-MMORPG concept is very uniquely Japanese, and I think that foreign audiences appreciate that fact, so there’s really no reason to try and change things to cater to a particular audience.
Futami:We do get comments from foreign users in addition to those from Japan. Players from Japan tend to want the ability to create an original character. They want an avatar of themselves, so that they can go on adventures alongside Kirito. Foreign users are the opposite; they want to go on the adventures as Kirito.
Yoshida:Players from Japan are more familiar with the source material, so they are more likely to want to participate alongside these characters themselves. Foreign gamers tend to have the impression that one plays an MMORPGs as the protagonist, so if there’s an established character filling that role, then that’s whom they want to take control of.
――Actually, I would have thought that it would be the other way around.
Yoshida:Foreign players seem to be more interested in experiencing the uniqueness of the Japanese-designed characters and stories just as they are, without inserting themselves into the game.
――Does SAO adopt any gameplay elements from actual MMORPGs?
Futami:Yes, absolutely. Our developers had played a lot of FFXI(※19) along with FFXIV. I think that FFXI probably had the greatest amount of influence. Some of the guys were really into older titles like EverQuest(※20), and they’d use those games as a guide when trying to calibrate elements like drop rates and skills, so that a soloing player could enjoy the game as well. SAO is a single player RPG that won’t involve the kind of time commitment that an MMORPG would, so our drop rate is fairly generous. Of course, certain items may still be a pain to get. (Laughter)
――That seems to be a clear distinction between most offline games and MMORPGs. The time involved in playing and beating the game is very different.
Futami:With single player games, you need to make sure that it doesn’t drag on forever. You want to offer a substantial experience, but you need to strike a balance between too long and too short. Offline games usually require tens of hours, whereas MMORPGs often require hundreds of hours.
――MMORPGs have been around for roughly 18 years now, and while some things have changed, others have remained the same. The item drop rate, for example, is probably perceived differently by players today when compared to players of past titles.
Yoshida:Ultima Online technically went on indefinitely. The game was developed by Richard Garriott(※21), who basically gave players a bare-bones set of rules and a place to play the game. You started with a choice of 64 skills, and the rest was up to you. There was no clear objective or goal; you could literally sink an endless number of hours into that game. EverQuest came after that, and due to its monthly payment structure(※22), all the time requirements for various quests and objectives had to be calculated beforehand. Once World of Warcraft(※23) came out, the though process became:“How many hours will I play today?” Developers had to consider that casual gamers could most likely only afford to play 1 or 2 hours per day. This applies to our development process as well. We don’t think of the total gameplay time that will be required. Instead, we try to calculate how many hours per day or per week that something will require, and then base our designs on that figure.
――Is the concept of tailoring a player’s gaming experience to a set amount of time something that one needs to consider in developing an offline game as well?
Futami:I’ve never put much thought into it. I do make sure that players are still able to enjoy the game freely after completing the main story arc, so that they can choose to stop playing the game whenever they decide to do so. I also think that some management and oversight has become necessary for all consumer games. Call it “half-management”, if you will. After you release a game, you need to address user concerns with updates and patches, or add on new quests to keep things fresh. These updates allow you to tackle issues that you couldn’t have foreseen during development, and they are also a great way to incorporate and respond to ideas and criticism from users.
――Console games often offer DLC options these days, but it’s still rare for an update to completely change an aspect of gameplay, isn’t it?
Futami:We used FFXI and FFXIV as guides when developing our updates(※24). MMORPG updates really bring about a lot of excitement. With SAO, there were a lot of game elements that we couldn’t include in the launch product for one reason or another. But we refused to just give up on those features, so we released them as a free update in Hollow Fragment. It was a similar situation with Lost Song, where we just couldn’t include the PvP(※25) design aspect in our launch product. I was really adamant about having that feature, but if you just cram it into the game without proper development, you’re going to end up with half-baked results. So, we decided that we would give it the proper amount of time it required for development, and eventually release it as an update.
――Updates definitely seem to be an integral part of MMORPGs, especially in terms of keeping players engaged.
Yoshida:With regards to packaged games in Japan, it’s all about your sales numbers during that first week of release. I like that you can bypass that with updates. You can build up buzz instead of having it fade away, and your sales numbers can actually increase over time. I think that the players appreciate it as well. It’s like the PvP example that I just discussed. When the developers come out and say “We want to include this feature too, but it’s not ready, so we’re not going to include it until we’re satisfied with it”, I think that gamers can appreciate where we’re coming from.
――With all of the streaming and media tools readily available these days, you must get more feedback from users than ever before.
Futami:Yes, and a lot of the time, the users are thinking exactly what we’re thinking while in development. Of course there are instances where someone will point out something that we were totally oblivious to, but when a user touches upon something that we felt we had to fix in the first place, we make sure to get that sort of thing taken care of as soon as possible.
――FFXIV seems to have developed an environment where user feedback is delivered extremely quickly through “Letter from the Producer LIVE(※26)” and other official forums(※27).
Yoshida:Our generation of game developers are referred to as the 3rd generation, because we grew up playing games. Often times, as Mr. Futami just mentioned, what we want is exactly what the gamers want as well. Of course, there are long term issues and business considerations that affect things on our end, but I think that involving the developers in a game’s community is a very important communication tool to have. FFXIV did that really well. It’s essential to get honest feedback from users, and to respond to it in order to develop an understanding between the two parties. With SAO, the entire community already has a sense of how the SAO world operates from reading or watching the source material, so the conversation is often about how to adapt these elements into a gaming medium. By having these frank discussions, you can reassure the gamers who participate in this community.
Futami:I have a responsibility to represent my company, but I also try to be as honest and forthcoming as possible in these situations. Of course, it can come back to haunt you if you’re too candid during a live interview. (Laughter) But in general, I like to be honest with our users. If we can’t do something, I’ll tell them that. If we might be able to do it, I’ll say that too. I think that Mr. Yoshida does the same with “Letters from the Producer LIVE”.
Yoshida:If we can’t do something, I’ll certainly say so, although I may not disclose the reasons why we can’t do it. (Laughter) Obviously you never want to admit that you can’t do something, but you don’t want to give users a sense of false hope either. Also, leading people on can result in your development team harboring resentment as well. They don’t want to be made out to be liars, after all. If I were to promise gamers everything and the moon without consulting my developers first, I’d lose the developer’s trust and they likely would be less inclined to work on the game. The purpose of developing a game is to create something that the users will enjoy, so it really seems counterintuitive to lie to them. That’s not to say that we discuss anything and everything, of course. Sometimes there will be great demand for a certain feature, but the cost will just be too prohibitive for us to implement it. If it threatens to become an issue that will adversely affect the rest of the game development process, then we’ll be honest about not being able to implement it. I think that most producers are really averse to admitting that they can’t do something. However, I’m also tasked with acting as our director of development, so I would need to act in that capacity to make these decisions for the greater good.
――How have MMORPG players reacted to SAO?
Futami:One of the more interesting comments I got for Hollow Fragment said something like, “SAO is a great game for me, because I had been feeling burnt out from all the communication required in a real MMORPG. I’m going to take a break from MMORPGs while I play SAO, and go back to them once I’m done.” (Laughter) We also got some feedback from users unfamiliar with MMORPGs that would say things like, “I wasn’t aware that SAO was an RPG.” On the other hand, people who had only seen the anime would say things like, “I like the game, but it doesn’t have much action, so it doesn’t really feel like an SAO game.” I would say that about 40 percent of our feedback came from MMORPG users, and 60 percent came from people familiar with the books and the anime series. We got a lot of feedback from students in middle school and high school, so I imagine that many of them went on to play MMORPGs for the first time.
Yoshida:When you are trying to describe the MMORPG experience through a book or an anime series, there are certain aspects that you can’t leave out. The way the game was set up in the books really cherry picked all of the good parts from various MMORPGs, so I was actually a bit jealous of this ideal game that had been created. (Laughter) Things like Orange Players(※28) are clearly influenced by Ultima Online, where you can use karma to return to your former state. Those types of motifs and elements from actual MMORPGs really add substance to the story, and I think that it helps to convey the sense of awe you get from playing an MMORPG. You can understand what the author was going for.
Futami:Yes, when I read the SAO books, it gave me the desire to interact with other people in an MMORPG. I also like games such as .hack(※29), which uses its game world to frame a coming-of-age story. In SAO, a girl who is trapped in a death game decides to take a bath, so she opens a window to change her hairstyle. She’s basically only alive within this game world, but she still maintains these real world sensibilities, and I think that sort of role playing is really what gives the story a sort of sentimental and nostalgic edge. I spent my youth playing videogames nonstop, so I can really relate to it.
Yoshida:Of course from a developer’s point of view, with regards to that scene you just mentioned, we’re just going start to grumbling about how many hairstyle options we’ll need to come up with to fill that window. (Laughter) There really isn’t a large user base of MMORPG players in Japan yet. The same goes for the MMORPG development community. You can tell that the author really likes MMORPGs, and wants to see more games to be developed, which will in turn attract more gamers as well.
――MMORPGs seem to offer a more in depth experience when compared to other games. Sometimes, they can lead to offline communication as well. But compared to MMORPGs from the past, it seems like more players are becoming averse to trivial conversations while still wanting to maintain communications with other players.
Yoshida:I don’t think that’s a change in player behavior. Rather, it’s a reflection of the fact that there’s a large user base now, which includes more casual gamers alongside the hardcore gamers who’ve been playing MMORPGs since the beginning.
――Can you comment on the Content Finder(※30) system that FFXIV has used to let players form parties more easily?
Yoshida:In the past, I’ve said something like:“If you use the Content Finder, you can just treat most of the people you’re matched up with as though they were NPCs.” (Laughter) That’s not meant to encourage players to act out and be jerks, but rather to reinforce the notion that it’s OK to just form a party with people whom you’ve just met and to go out and have fun.
Futami:I started playing FFXIV in April, and I’ve just cleared the Crystal Tower:The World of Darkness dungeon(※31). Once I started working at my job, I didn’t have much time to invest in playing an MMORPG, but I was really impressed that I could get so far in the game in just two months. It’s such a kind and forgiving game! (Laughter) You can form parties with other players very easily, where everybody is supporting one another, and even beginners can blaze right though the game. I was really impressed by it. They also continuously use updates to expand the game. I always felt that MMORPGs were a bit difficult to start playing because of the inevitable time commitment required, but that really wasn’t the case with this title.
Yoshida:Even if you tell people that you can start playing the game now and still enjoy it, they tend to be skeptical. (Laughter) I think that a lot of users have this preconceived notion that MMORPGs have a high barrier to entry and a tough learning curve.
Futami:There’s just so much more information shown on-screen compared to an offline game, so I could see how that could be intimidating.
Yoshida:I’ve actually begun to consider that to be a positive thing. MMORPGs are all eventually going to require the sort of information load that you see in something like FFXIV right now. MMORPGs may be relatively new as a genre, but the amount of time that users have put into them is vast. The user’s experiences really shape and form the genre, so in order to meet their ever-growing requests and demands, you’re going to end up with a lot of information. We considered starting the game out with a very simple UI, and adding options and settings to increase the information load as you progressed through the game, but we decided against it. If a player were to progress through the game without realizing that such options existed, then they could end up being the same level as another player who’s had a far more enriched and in-depth experience. It was difficult, but in the end, we decided that that was a scenario that we wanted to avoid.
――SAO takes place in 2022, which is 7 years from now. How do you think MMORPGs will evolve in the future? With new hardware like the Oculus(※32) and Project Morpheus(※33) being developed, do you think that VRMMORPGs are on the horizon?
Yoshida:Eventually, yes. But first, I think that people will develop games where the players will physically ride on some sort of vehicle. When you attempt to walk in VR, your senses move you forward even though your leg hasn’t physically moved, and it can be very disorienting. The frame rates are also at around 60 fps right now, which is inadequate. You need to hit at least 120 fps or so in order to avoid dizziness, because at lower frame rates(※34) there’s a gap between what you’re seeing and what you are able to process. Those are pretty significant hurdles that any virtual reality based platform would have to overcome in order to be successful. There’s also the question of whether or not it’s even feasible to recoup the development costs involved in creating such a game... (Laughter) Having the hardware alone isn’t enough. In order to really make an impact, you’re going to need both the hardware and the software, so I think that we still have a long way to go in that regard.
Futami:I don’t know about 7 years from now, but it would be difficult in the present. MMORPGs are games that require long hours of play time. Given the type of VR hardware available right now, it would be hard to accommodate that. What could be interesting is a game that mimics the MMORPG experience without requiring the time investment. 7 years may not be enough time to see it really take off, but I think that full dive(※35) VR platforms have more potential than standard VR with regards to MMORPGs. This type of VR seems more suited to an arcade game type of experience.
Yoshida:Even considering the higher costs of development, if you can generate a unique and exclusive experience that garners headlines, I think that it could succeed. Of course, even 7 years from now, if your parents walk into your room and see you with this contraption on your head while you’re playing a game, they’re probably going to say, “What on earth are you doing!?” regardless. (Laugher)
Futami:There was a game called Lifeline(※36) for the PlayStation 2, and I remember that my parents caught me talking to the characters once. They were really worried about me. (Laughter)
Yoshida:I still get sideways glances from my parents whenever I use voice chat in a game. (Laughter)
――Where do you see MMORPGs 7 years in the future, including their business prospects?
Yoshida:I’m a realist, and I realize that this goes against everything that we’ve just talked about, but I think that MMORPGs will be in decline. Firstly, they are highly risky to develop. I think that most developers around the world would agree that the explosion of social devices has changed the average gamer’s life cycle. People just don’t have as much time to spend on games as they used to. In a way that’s a good thing, because many games have become so mainstream that they require less of a time commitment, but I think that developers will analyze this and determine that the costs are simply too high if a game requires major investment. Also, if you really want to make a significant MMORPG game, it takes a good 5 years of development. So, even if you started development today, you’d only have one game ready to go 7 years from now. In that time span, you could create any number of high concept F2P social games(※37). When you consider that, you have to wonder how many people are willing to invest the time and money required in developing a brand new MMORPG title. Of course, if someone does endeavor to do so, then you can bet that the end product will be an extremely polished MMORPG. It’s really a whole new ballgame when compared to the good old days of Ultima Online. MMORPGs are continuously improving and evolving, so things that were considered to be exceptional a short while ago will become the new baseline standard for the next game. I think that the industry as a whole will be shifting towards developing more native app type games(※38) that involve casual communication, rather than building hardcore-oriented games from scratch.
Futami:I’d like to make games that fall somewhere in the middle of those two extremes. (Laughter) I think that games that showcase certain elements of MMORPGs, but exist as sort of a network game / consumer game hybrid will be the new normal. In the future, MMORPGs will probably be populated largely by NPCs. NPCs will also evolve, to the point where you won’t be able to tell if you’re talking to an NPC or to another player. Eventually, it will feel like you are having a real conversation with an NPC. Basically, I want something like the experience of becoming friendly with Tataru(※39) in FFXIV. (Laughter)
Yoshida:Speaking of online games, I think that it will become a thing of the past. That is, the term “online game” will become irrelevant. Any game that is linked to an SNS is online by definition, so as more and more games take that route, the term will become less and less relevant. Every game will be an “online game”, so to speak. The question is, how will MMORPGs fit into this new landscape? Players looking for a hardcore MMORPG experience might be faced with very few choices 7 years from now. Hopefully, FFXIV will still be going strong, and of course I’d love it if more developers focused on the MMORPG genre.
――Finally, is there anything that you would like to ask each other?
Futami:I just want to know when Tataru’s next big adventure will be. (Laughter)
Yoshida:She’ll play a big role in Heavensward, so you can look forward to that. (Laughter) I was glad that we got to discuss SAO’s mock-MMORPG experience. We discussed the example of a player who was burnt-out on MMORPGs, and viewed SAO as a refreshing alternative. I think that MMORPGs need to take note, and incorporate some elements that allow users to take breaks from the grind in order to refocus. I think that everybody who worked on SAO was really invested in trying to convey the fun and excitement associated with playing MMORPGs. If a player decides to try out an MMORPG because of SAO and moves on to FFXIV, and subsequently comes away with the impression that SAO didn’t really represent the MMORPG experience at all, then that’s a failure on our part. That means we’ve lost a battle. (Laughter) I’d like to take the elements that SAO incorporates, and in turn flesh those out in a true MMORPG in order to show players what sort of experience they can have with these games. That’s the kind of game that I’d like to make.
【※1:FFXIV】An MMORPG released in 2010. Due to various issues, it ended service in 2012. Ironically, the final event involving Bahamut destroying the game world drew much attention. Afterwards, a team lead by Yoshida Naoki brought the series back to life with Final Fantasy XIV: A Realm Reborn.^
【※2:Expansion Pack】A package that adds large amounts of gameplay data and revisions that cannot be covered by periodic patches to online games.^
【※3:SAO】A popular Dengeki Bunko series by Kawahara Reki. The protagonist, Kirito, leads his friends on various adventures set in a VRMMORPG world.^
【※4:MMORPG】Massively Multiplayer Online Role Playing Game. A type of online RPG where a single server can host thousands of players simultaneously.^
【※5:Black Swordsman】The nickname of Kirito, who is the protagonist of SAO.^
【※6:Kawahara Reki】The creator of the SAO series. Also known for Accel World.^
【※7:Ultima Online】Released in 1997 by Electronic Arts, this game is widely considered to be the original MMORPG. Players could choose from a variety of professions, including adventurer, builder, and thief.^
【※8:MORPG】Multiplayer Online Role Playing Game. A type of online game where multiple players participate in the same RPG. The server contains far less players than in an MMORPG. Players in an MORPG form parties with other players whom they meet in the game lobby.^
【※9:Diablo】An RPG released by Blizzard Entertainment in 1997. Multiple people could connect online and play through the same game world simultaneously.^
【※10:Ragnarok Online】An MMORPG released in 2002 by Gravity Interactive. In Japan, it is run by GungHo Online Entertainment. Known for its unique pixel art graphics, which captured a large Japanese audience.^
【※11:Nobunaga’s Ambition Online】An MMORPG based on the Nobunaga’s Ambition series. Released as a PS2 title in 2003 by Koei Tecmo Games.^
【※12:Solo Player】A player who chooses to play through an MMORPG by themselves instead of with a party.^
【※13:TRPG】An analog game featuring a GM who manages the game, and players who act out their characters.^
【※14:Hollow Fragment】The second game in the SAO series. In addition to content from the first game, Infinity Moment, new features such as the Hollow Area were added.^
【※15:Public Chat】A type of chat that is visible to a large group of players in your area.^
【※16:Drop Rate】The probability of earning an item after defeating an enemy. Compared to single player games, online games generally have tougher drop rates for rare items.^
【※17:Player Skill】The general skill level of the player controlling the character.^
【※18:Overseas Release】The second SAO game slated to be released for the PS4 this autumn was announced for both Europe and Japan.^
【※19:FFXI】Square Enix’s first MMORPG, which became a sensation in Japan. Released in 2002, it is still in service today, 13 years later.^
【※20:EverQuest】An MMORPG released in 1999 by Sony Online Entertainment. Based on FPS gameplay, the title was renowned for its detailed fantasy world and atmosphere.^
【※21:Richard Garriott】The game creator responsible for the Ultima series of games.^
【※22:Monthly Subscription】A type of payment system employed by online games. Players pay a set fee per month to access the game.^
【※23:World of Warcraft】An MMORPG released in 2004 by Blizzard Entertainment. Based on the game world of the RTS series Warcraft, players choose a species when starting the game and are bound to various factions based on their decision.^
【※24:Update】Patches that update the game to the latest version, adjusting game balance and adding content. In Lost Song, elements such as PvP gameplay and new bosses were added.^
【※25:PvP】Player versus Player. This gameplay feature allows player characters to fight one another.^
【※26:Letter from the Producer LIVE】Featuring Yoshida Naoki and various other staff members, this live broadcast discusses topics like large updates and events. Players seeking information about new features are naturally drawn to the popular broadcast, and it is considered to be an out-of-game type of game content.^
【※27:Forum】An official online forum hosted by Square Enix, where players can post various discussions regarding Final Fantasy.^
【※28:Orange Players】Players who commit crimes in SAO’s Aincrad are easily identified because their names change color to orange. These players are referred to as Orange Players. Players who kill other characters are referred to as Red Players.^
【※29:.hack】An RPG series released by Bandai Namco Entertainment. Part of Project .hack, these games explore The World, an imaginary online game.^
【※30:Content Finder】A system that lets players easily play through dungeons. Once a player puts out a request, they are matched with players across all servers who wish to play the same dungeon, and a party is formed.^
【※31:Crystal Tower】A raid that can be played with a party of up to 24 players. It is the final dungeon of the World of Darkness arc, recreating the dungeon of the same name that appeared in Final Fantasy III.^
【※32:Oculus Rift】A head-mounted VR display device. Supports head tracking, where the visuals move to match the movements of your head.^
【※33:Project Morpheus】A VR system for the PS4 being developed by SCE. Supports a 360 degree real time display that is linked to the PS Camera and controller movements.^
【※34:Frame Rate】The number of frames displayed per second. 120 fps indicates that 120 frames are displayed per second. The higher the number, the smoother the image.^
【※35:Full Dive】A VRMMORPG technology seen in SAO. Players control in-game bodies with brainwaves, allowing them to have a more immersive experience.^
【※36:Lifeline】A PS2 game released in 2003 by SCE. Players connect a microphone to their PS2 and play as an operator who guides the protagonist through the stages with their voice.^
【※37:F2P】A type of billing employed by online games, known as “Free to Play”. These games can be played for free, but additional content such as items must be purchased.^
【※38:Native Client】Technology that allows players to play games in-browser across a variety of platforms such as PCs or smartphones.^
【※39:Tataru】The receptionist for the Scions of the Seventh Dawn. Her unique style of speaking, cute appearance, and charming personality have made her a fan-favorite.^
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