2015年6月18日(木)

『バトルボーン』試遊レビュー&キーマンインタビュー。25キャラの個性が光るシューターの新星【E3 2015】

文:電撃PlayStation

 『Boarderlands』シリーズを制作した2KとGearbox Softwareが手掛けるPS4/Xbox One/PC用ソフト『Battleborn(バトルボーン)』。FPS(一人称視点シューター)とMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)が融合したゲームシステムで、日本でも今冬の発売が予定されている期待作だ。

『Battleborn』
『Battleborn』

 現在開催中の『E3 2015』において、この『バトルボーン』の試遊と開発者にインタビューをすることができたので、その模様をお届けしよう。

■5人で連携しながらミッション達成を目指す

 今回プレイしたのはストーリーモードのとあるミッションを5人協力プレイで進むというもの。E3のビルドでは、25人のプレイアブルキャラクターのなかから10人が選択可能。

『Battleborn』

 キャラクターは軽戦士タイプ・重戦士タイプ、近接攻撃タイプ・遠距離攻撃タイプ、ヒーラーなどに個性がはっきりわかれている様子。今回筆者が選んだのは弓で遠距離から攻撃を仕掛けられるソーン。ボールダーなどの近接タイプはクセが強く、最初はオススメしないということだった。

●ソーン:【所属】エルドリッド
『Battleborn』
▲その気性の激しさから“棘(ソーン)”と呼ばれる。使用アビリティは水平の帯状に5本の矢を放つ“ヴォレー”や、前方に腐敗をもたらす円形の結界を召喚して、範囲内の敵に大ダメージを与える“ブライト”など。

 今回のミッションの目的は、山岳地帯を進んでピースキーパーが残した物資集積所の確保が第一目的。遠距離タイプということもあり、味方の後ろを進んでいくと紫色の体を持つミノタウロス風の兵士が出現した。

 前線の維持は味方にまかせつつ、後ろからひたすら弓矢を連射。敵が密集しているところでは固有アビリティの“ブライト”を使用して、まとめて攻撃することができた。攻撃とアビリティはボタンごとに割り振られており、操作は簡単。エイミングもそれほど複雑ではなく、FPSがそれほど得意ではない筆者でも問題なく敵を狙い撃てた。

『Battleborn』

 出現する敵との戦闘をこなしていくと、レベルアップをした。レベルは1~10まで存在し、レベルが上がることでスキルをアップグレードできる。後方で敵の攻撃をあまり受けないキャラなら与ダメージ増で攻撃に特化させたり、前線で敵と接触するキャラはシールドの性能をあげるなど、キャラクターの個性やプレイスタイルに応じてさまざまな特徴が出せそうだ。

 ライフはシールド制で、シールドは一定時間で自動回復した。減ったライフはマップ中で拾えるアイテムなどで回復が可能だ。ソーンはシールドがなくなった状態で交戦するとあっという間にライフが減少してしまったので、近づきすぎず離れすぎず、いかにしてシールドを保つかに苦心した。

 ミッション中、一度だけ敵の攻撃で死亡してしまった。細かくは確認できなかったが、リスポーンしたときに“2/3”という表示がなされたので、1回のミッションで3回倒れると復活はできないようだ。倒れてからリスポーンするまでに10~20秒ほどその場にとどまっていたため、この間に仲間が救出することでリスポーンを回避できそうだが、今回のプレイでは体験できなかった。

 総合して、今回のミッションは難易度が低く、5人各自がバラバラに動いてもそれほど問題はなかったため、『バトルボーン』が提供するCo-opプレイのおもしろさの一端を感じるにとどまったが、高難度のミッションになると、誰がどのポジションを取って、どういう役割をこなすかが重要になるため、そちらもぜひ体験してみたいところだ。


 ここからは、『バトルボーン』のプロダクトディレクターを務めるメリッサ・ミラー氏に行ったインタビューを掲載する。

『Battleborn』
▲『バトルボーン』のプロダクトディレクター、メリッサ・ミラー氏。

――本作はどのようなゲームなのでしょうか?

 『Battleborn』は、Gearbox Softwareが開発を担当する新規IPとなります。ゲームとしてはFPSで、25人の個性豊かなプレイアブルキャラクターが登場するのが特徴です。そのキャラクターたちが力を合わせて、ヴァレルシと呼ばれる敵と戦うという世界設定となっています。

――開発では、とくにどんなところに力を入れていますか?

 まず、本作はFPSではありますが、典型的なFPSの型にはまらないように意識しています。マルチプレイは特徴的な3つのモード(※)がありますし、ストーリーモードに関してはシングルプレイのほかに、最大5人で協力するCo-opプレイもあります。

 25人のキャラクターは、見た目はもちろん、使う武器や能力に明確な違いがあり、成長時に選ぶスキルのバリエーションはかなり豊富です。また、ストーリーでは、ヴァレルシが宇宙の星々を次々に破壊していき、最後に残ったソーラスという星を守るために力を結集して戦う、という話なので、壮大なイメージが出せるように尽力しています。

※ルールが異なる3つの対戦モードが存在

インカーション:AIがコントロールする敵の波状攻撃から拠点を防衛しつつ、自軍の軍勢とともに敵チームの拠点の破壊を目指す

デバステーション:相手チームのプレイヤーと直接対峙するデスマッチ。マップ上に複数存在する目標地点の占領と維持を争う

メルトダウン:マップ中央に存在する焼却炉に向かう自軍の軍勢を先導し、護衛する。焼却炉に身を投じた自軍の軍勢はポイントに換算され、より多くのポイントを獲得したチームが勝利する

――マッチごとにリセットされるレベルのほか、キャラごとの恒久的なランクがあるようですが、マッチごとのレベル上昇で得られるものと、キャラクターランクで得られるものの差を教えてください

 正確には、本作にレベルの概念は3つ存在します。まず1つが“Helixシステム”と呼ばれるもので、ゲーム中に1から10までレベルが上がり、上昇するたびに2つのスキルのうちから1つを選択して得ていくものとなります。

『Battleborn』

 それとは別に、“キャラクターランク”システムというものが存在します。これは、一度上がったレベルは保たれる恒久的なもので、こちらも最大でレベル10まで上昇します。キャラクターランクの経験値は、シングルプレイでもマルチプレイでも共通でたまり、一定以上になるとキャラクターのスキン(肌の色)や、Helixシステムで選択できるスキルなどを得ることができます。

 最後は“コマンドランク”と呼ばれるもので、これはプレイヤー自身のランクです。これも恒久的なもので、『ボーダーランズ』シリーズに登場した“Badassランク(※)”に近いものです。

※Badassランク

 ゲーム中のチャレンジをクリアすることでトークンが支払われ、このトークンを使用することでさまざまな能力上昇を得られるシステム。得た能力上昇はアカウントで管理され、操作キャラを変更しても反映される。

――キャラクターランクの差が、マッチ開始時の強さに大きく影響するのでしょうか?

 キャラクターランクシステムで得られるものは、あくまでスキンやスキルの解放など、対戦時の強さに影響のないものなので、仮にランク1とランク10のプレイヤーの対戦であっても、勝敗には直接関係しないように配慮しています。

――マルチプレイ時、異なる勢力のキャラ同士でチームを組むとメリットがあったり、使用キャラに制限があったりはしますか?

 勢力に関しては、あくまでゲームの世界観としての位置づけ程度にとどめているので、対戦時に勢力が影響することはありません。同じ勢力のキャラクター同士は見た目のイメージが近いので、同じ勢力でそろえれば格好良くは見えるでしょうね(笑)

『Battleborn』

――同じキャラは使えないのでしょうか? 使用キャラは早いもの勝ちですか?

 今回のE3のビルドでは選べない設定にしています。発売時にどのような設定にするかは現時点では未定です。

――対戦において一方的な差が生まれてしまった場合、不利なチームが一発逆転を狙える要素はありますか?

 いわゆる一発逆転技のようなものはありません。本作ではキャラクターごとの特性がかなり違うので、一方的な差を生まないためにも、キャラクターの特性を生かしたチームプレイをすることが重要となります。

 例えばマイコーというキャラクターはヒーリングを得意としていますが、マイコーがチームの攻撃役を一手に担っていないかなど、チームとしてキャラクターの運用を考える必要があります。

 マイコーであれば、ヒーリング能力を生かして防御的に使ったほうがいいでしょう。このように、キャラクターの特性を理解して、その性質にあった使い方をするのが勝利のカギとなります。

――最後に、主観で構わないので、初心者にオススメのキャラクターや、難しいけど扱えれば強いキャラクターなど、オススメを教えてください

 個人的に好きなキャラクターは、ソーンという弓を扱うキャラクターです。ですが、うまく扱うにはうまく敵を照準に収める技術が必要なので、それができる人向けかもしれません。

 オススメはカルダリアスやオスカー・マイクです。いわゆる典型的な銃を乱射するタイプですね。ただ、ストーリーモードでは勝ち負けをあまり気にしなくていいので、自分の好きなキャラクターを使っています。

 GearBox Software内でも、やはり個人で得意不得意があり、近接攻撃を得意とする人はボールダーをよく使っています。ラースも人気が高いですね。あらゆるタイプのキャラクターがいるので、個人の好みや戦闘スタイルに合ったキャラクターを探してみてください。

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