2015年6月19日(金)
“E3 2015(Electronic Entertainment Expo 2015)”の開催期間中、SCEはPS4向けの新作タイトル『Horizon Zero Dawn』のプレゼンテーションを実施。開発スタッフによるデモプレイとともに、本作についての貴重な情報を得ることができた。
『Horizon Zero Dawn』は、『KILLZONE(キルゾーン)』シリーズなどを手がけてきた“Guerrilla Games(ゲリラゲームス)”が、4年半の月日をかけて今も開発している完全新規のPS4タイトル。
広大なオープンワールドの世界を舞台に“TPS(三人称視点シューター)”のような視点でプレイするアクションRPGで、機械でできた動物(以下、マシン)を狩りながら、主人公・Aloyが世界を巡っていくさまが描かれる。
▲本作の主人公・Aloy。敵が機械ということで“Sigourney Weaver(シガニー・ウィーバー)”が演じるような強さのある女性がイメージされている。 |
今回のプレゼンテーションでは、大小いくつかのマシンを狩る映像を見ることができた。ここで、その詳細をお届けする。
プレゼンテーションでまず語られたのは、本作のストーリーだ。舞台となるのは、人類の文明が滅びてから1000年後の世界。長い雌伏のときを終え、人類がしだいに力を取り戻していく姿が描かれる。
▲文明が一度滅んだ世界であるためか、Aloyたち人類の衣装も毛皮を主体としたもののようだ。 |
滅びたとはいえ、一度は人類が栄えた世界。冒険の最中、プレイヤーは滅んだ街やダンジョンから過去の人類にまつわる手がかりを得ることもある。そういった情報を集めるうちに“なぜ人類は滅んだのか?”、“なぜマシンはこの世界にいるのか?”といった、この世界の謎が明らかになっていくようだ。
▲弓の指導を受けているかのようなワンシーン。人類は地上の覇権こそ失ったものの決して孤独ではない。 |
トレーラーでは、世界中の明かりがごくわずかな時間に消え、建築物を侵食するように草木が芽吹いていくさまが見られたが、これが現実に起こったことなのか、あるいは象徴的なものなのかは、実際にプレイすれば判明していくことだろう。
説明が終わると、プレゼンテーションは、開発スタッフによる“あるマシンの背中にあるタンクを取りに行く”というミッションのデモプレイに移った。
プレイが始まると、そこはどこまでも続くかのように見える雄大な景観が広がる。それもそのはず、本作はオープンワールドというだけでなく、世界中のどこへ行ってもエリア切り替え時のロードなどが入らないシームレスな作り。しかも、書き割りのような風景のみのような場所はなく、見えている場所はすべて行けるようになっているそうだ。
プレイ中の撮影が禁止されていたのは残念なところだが、読者には今一度トレーラーを見てもらい、視界に入る場所すべてに立ち入れるという“圧倒的な広大さ”を共感してもらいたいものだ。
ちなみに画面レイアウトは、左下にヘルスバー(体力ゲージ)、上部にコンパス、右上がレベルと経験値、右下に武器の表示と至ってシンプル。ユーザーインターフェースにジャマされることなく、この広大な世界を楽しめるようになっている。
▲広々とした平地に立ち並ぶ山々。この写真に写っているすべての場所を実際に訪れることができる。 |
そんな広すぎるほどの世界でまず出会ったのが“ウォッチャー”という小型のマシン。ウォッチャー(=見張り)は、その名のとおり“索敵能力”に優れており、Aloyを見つけると周囲のマシンを呼び寄せる性質を持っている。
しかし人類は、一度滅びたとはいえ“知恵”がある。マシンに気づかれることなく草むらなどに入れば、ステルスモードとなり、この最中であればウォッチャーが周囲のマシンを呼び寄せることなく撃破可能。デモプレイでも、鮮やかな動きでウォッチャーの機能を難なく停止させていた。
▲ウォッチャーは群れを成して行動していることが多い。それぞれの視界を把握することが重要になりそうだ。 |
そして、倒したマシンからパーツを入手できることも、本作の特徴の1つ。パーツを集めれば、武器などを製作でき、さらに手ごわいマシンに対し、立ち向かいやすくなるというわけだ。矢などの消耗品もフィールド上で製作できるため、状況によっては、いかにして現地調達を行うかという部分がミッション達成のカギとなるのかもしれない。
また、戦闘において、さまざまな工夫ができる点も語っておかなくてはならない。
例えば、鹿のようなマシンの場合、現実の草食動物と同様に群れで行動していることが多い。そのため、あらかじめ引っ掛かるとワナが発動するようにロープを仕掛けておき、そこに誘導するようにマシンを驚かせれば、ワナの効果で一網打尽にすることが可能だ。
さらに、岩をはじめとしたフィールド上のオブジェクトは、すべて自分やマシンの攻撃で破壊できるので、岩を壊して通路を作るといった戦術がミッションにおいて重要となることもあるだろう。
▲トレーラーの最後には、鷹を思わせるマシンも登場。なお、各マシンにはオレンジ色に光るパーツがあり、そこを狙うことで戦闘を効率よく進められるそうだ。 |
ミッションの最後に遭遇したのは、トレーラーでも登場していた巨大な恐竜のようなマシン。このマシンだけで“55万ポリゴン”も使っているというだけあって、架空の生物(?)でありながらリアルささえ感じられた。
巨大なだけあって攻撃も強力で、踏みつぶしやレーザーといった動物らしいものと、機械ならではのものをあわせて、12種類の攻撃でAloyを追い詰めるそうだ。
また、パーツを破壊できるのもこの巨大なマシンの特徴。全部で93カ所にもおよぶパーツ破壊が行え、背中のランチャーは、破壊したらその場でプレイヤーが拾って武器として使用できる。
デモプレイでは、このパーツ破壊に加え、ロープを使ってマシンを転倒させたり、電撃を帯びた矢弾でマシンを一時的に行動不能にしたりと、さまざまな戦術で巨大マシンを相手に大立ち回りを演じていた。
▲デモプレイの最後に戦ったマシン。後ろ足上部にあるランチャーを破壊すると、その場で使用できる。 |
ちなみに、デモプレイやトレーラーでは弓と銃が登場していたが、本作にはほかにもさまざまな武器が登場するそうだ。武器を装備するスロットは4つ用意されているということなので、トレーラーにあったような矢の種類の切り替えだけでなく、敵や状況に応じて武器自体を切り替えるということも行えそうだ。
▲マシンに立ち向かうにはやや力不足にも見える原始的な弓だが、Aloyの力と技術をもってすれば強固な装甲もたやすく貫く。 |
アクションだけでなく、トラップや地形などを駆使してダメージを与えていく本作の戦闘は、まさに“狩り”といったところ。プレゼンテーションの場で「ウエスタンな『モンスターハンター』を意識した」という言葉も聞くことができた。『モンスターハンター』のような、誰かとマッチングして共闘するマルチプレイは用意していないそうだが、非同期型のオンライン要素は用意するとのことだ。
▲世界には、自然が融合した建造物がそこかしこに残っている。滅亡前の人類に関する貴重な資料となることだろう。 |
文明が滅んだことで、原始的な生活をしている人類。一方、地上の覇者たるマシンは、あまりにハイスペックな兵器に身を包んでいる。そんなハードな状況を、知識と工夫を結集した戦術的な戦いで打開していく……そんな“新時代の狩り”を楽しめる『Horizon Zero Dawn』の今後の動向に期待したい。