2015年6月26日(金)
セガゲームスは、今夏稼働予定のAC『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』のロケテストを、6月26~28日に東京、大阪の合計3カ所で開催している。
本作は、電撃文庫創刊20周年を記念して開発された『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』シリーズの第2弾。開発はエコールソフトウェア/フランスパンが手掛け、電撃文庫作品に登場するキャラクターたちが火花を散らす。新システム追加と既存キャラのバランス調整が実施される。
ロケテストでは、新キャラや新システム、既存キャラのバランス調整などをいち早く体験できる。また実施にあわせて、野中竜太郎プロデューサーと寺田貴治ディレクターが会場に姿を見せ、報道陣にコメントしたのでその様子をお届けする。
▲左が野中プロデューサーで、右が寺田ディレクター。 |
なお、新システムや新キャラのレビュー・紹介についても掲載しているので、あわせてチェックしてほしい。
――今回のロケテストでは新たなプレイアブルキャラとして、エミリアとクウェンサーが2人追加されています。2人の見どころは?
寺田:エミリアはシャナのように、どの状態でも戦えるキャラ。本作から始められる人に最適なキャラです。まだ、小説でしか登場していない、アラス・ラムスが出てきたりとか、ホーリービタンを飲んでパワーアップしたりなどにもこだわっているので原作ファンの方にも見ていただきたいです。
クウェンサーは一転してテクニカルなキャラですので、前作を極めたという人にもぜひさわってほしいですね。この『へヴィーオブジェクト』はアニメ化は決まっていますが、ここまでしゃべることはほぼ初めてですし、クウェンサーとヘイヴィア、ミリンダのアクションを見られるのはまさに初。ロケテストが初めてなので体感してほしいです。性能としては3人の絆をいなした連係攻撃が見どころだと思います。
――イグニッションとブラストキャラクターという新システムについて、その簡単な説明、採用した意図をお話いただけますか? まずはイグニッションから。
寺田:このゲームは、格闘ゲームの駆け引きに加えて、ラウンドのマネージメントがあります。切り札をいつ使うか、ブラストを使っておくか……。ゲージを通じてさまざまな駆け引きがありました。そこをもう少し強化しておもしろくするべく生み出されたのがイグニッションです。
例えば、エスケープブラストを間違えてはいてしまった。でも回復させるまでにラウンドが進んで負けてしまうかもしれないという時は、ブラストをイグニッションすることでゲージを回復させることができます。
他には、切り札を2つ抱えたまま負けてしまい、もったいないことをしたと思った場合はプレイヤーをイグニッションすると切り札が3つになります。
状況を見て、何をイグニッションするのか……3種類をつかいわけることで、ラウンド間の熱い駆け引きを楽しんでほしいと思います。
……というのがゲーム的な意図なんですが、キャラクターファンの方だったら押しキャラがいると思うんですよね。そういう方は好きなキャラをひたすらイグニッションしていただくというものでも問題ありません。戦略的に楽しむ、好きなキャラを楽しむ……どちらもアリな仕組みだと思います。
――続いてブラストキャラクターは?
寺田:イグニッション先を3つ用意しておく必要があったことから生まれたシステムです。コンボブラスト、エスケープブラスト、パワーアップブラストがあるんですが、そのブラストを強化できます。範囲が広くなるので、今まで当たらなかったところでブラストをヒットさせられるようになるので、新たなコンボが生まれたり、抜けられなかったコンボから脱出できるようになったり、いろいろな使い方があります。
ここも先ほどの意図とかぶるんですが、キャラには3つのタイプがあります。パワーアップブラストを持つキャラだとヴィルヘルミナや黒猫、ましろがいますが、能力はすべて一緒。そのため、その日の気分やキャラの誕生日とか、キャラを演じている声優さんがイベントに来ているからとか、そういうところまで楽しんでもらえるといいシステムだと思います。
野中:開発途中で新システムを入れようという話が出ました。プロデューサーという立場なので、このゲームをどういうユーザーに遊んでほしいかを考えました。格闘ゲームの続編が出ると、新システムによって複雑になり、入りにくくなるイメージがあったのでそれは避けたいと思いました。
今回のイグニッションとブラストキャラクターは、一見するととっつきにくいこともあるかもしれませんが、実はシンプルなシステムになっています。戦っているラウンド中での攻防は前作の延長で行えるのですが、前作からラウンドごとに編略を変化させる部分があったので、そこでゲーム性をつけています。
新システムが入ったからといって難しくなったわけではなく、前作でおもしろかったラウンドごとの戦略やゲージのマネージメントがより深くなったと受け取っていただけると幸いです。
――前作と比べてベースの挙動を変えたところはありますか?
寺田:キャラクターの調整しかり、チューニングは結構やっています。静雄であればコマンド投げの“なんだそりゃあああ!!”をCで出すと、空中の攻撃を投げる当て身のようになっています。技が増えていたり、キャラの性能が変わっていたりといろいろ変わっているので、試していただければと。
野中:サポートキャラクターにしても印象が薄いキャラもいるので、そこはバージョンアップしているので、試していただければと。それによって新しいコンボができるようになっていることもあるので。
――ストーリーモードでは対戦相手を選択できるようになっていました。分岐したり、難易度が書いてあったりしましたが何か変わるのでしょうか?
寺田:文字通り、難しいキャラになっています。前作で、クライマックスポイント(CP)をクライマックスアリーナで稼ぎにくいという指摘があったので、難しいキャラを倒すとCPが多めに入るようになっています。
野中:ストーリーモードは基本的に会話劇に変わっています。もともとアーケード版は絶無との戦いだったのですが、キャラが操られている設定でした。キャラ同士の会話を楽しむために、コンシューマで追加しました。それを拡張したのが本作のモードになっています。
寺田:前作のストーリーだと、キャラクターを追加した時におもしろみが少なかった。今回のようなものにすることで、新キャラが追加された時に、全キャラとの会話を新鮮に楽しめると思って、変更しました。
野中:前作でしゃべらなかったキャラも話すようになっているので、「このキャラとこのキャラはこういう会話になるのね」というのもあります。いろいろ試してほしいです。
寺田:晶(アキラ)とセルベリアのストーリーも入っています。ぜひ晶の「小学生は最高だな!」というセリフを聞いてもらえればと(笑)。
野中:僕は桐乃とセルベリアの会話を初めて見た時に、声をあげて笑ってしまったのでオススメです。
▲新キャラ同士の会話や、既存キャラとの会話も収録されている。 |
――バトルバランスの調整ですが、どういったコンセプトになっているのでしょうか?
寺田:前作で皆さんが気になられている部分を中心に調整しています。強い部分を抑えるのではなく、上に引き上げるようなイメージで調整しています。できなくなっていることはないと思います。それはできるうえで、新たなコンボルートが増えているような、発展的に楽しめる調整です。
――先ほどイベントに声優さんが来ているという話がありました。稼働前から気が早いかもしれないのですが、大会は行われるのでしょうか?
寺田:記者さんの後ろで苦笑いしているスタッフがいますが(笑)。
野中:ただ、なんかやれるといいですよね!
寺田:今回、公式サイトでロケテストのアンケートを行っています。そこで“アーケードでイベントを開催したら参加したいですか?”という項目があるので、もし皆さんが興味あるのであれば開かれるのではないかなと。
野中:現状では具体的な予定はありません。ただ、何かやりたいとは思っています。ぜひ、ユーザーさんの意見を聞いてみたいです。
――記事を読んでいる読者へのメッセージをお願いします。
寺田:新システムのイグニッションは、本作のタイトルである『IGNITION』を冠したシステムになっています。『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』が稼働して1年以上が経過しました。落ち着いてきたプレイヤーの心を再び点火し遊んでほしいということで、“IGNITION”という名前をつけました。
ぜひイグニッションを使う時には、自分の心も燃やしていただき、キャラと一緒に熱くなり、楽しんでいただければうれしいです。よろしくお願いいたします。
野中:一番最初にアーケード版が出た時は1.0から始まり、キャラクターを追加し、コンシューマ版を出して1.3まで行きました。もともと今回のバージョンアップは1.4の予定だったんです。
ただ、システムを入れたり、いろいろな要素を加えたりしたいという意見が膨らむに従い、「これは1.4ではなく大きいバージョンアップだろう」ということでタイトルを『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』にしました。
いままでの流れの中のステップではなく、新しいチャレンジを入れています。今回はロケテストということで、荒削りな部分もありますが、いろいろな所に挑戦しています。ぜひ遊んでいただいて、いいところ、悪いところなど、感じた思いのたけをアンケートでいただければと思います。
寺田:今回のロケテストでは入っていないのですが、もう1つネットを使った新しい仕組みを考えて……。
野中:おっと!? キミは何を言い出すんだ!
寺田:え? そういうことを言っていたのではない?
野中:……まあ、いいけど。予定にはなかったなぁと。ハッハッハッ!(渇いた笑い)。……まあ、なんかあるみたいですよ。
寺田:今日はここまでですが、まだまだこれだけじゃない部分にも期待しておいてください。
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イラスト/029、凪良
※画面は開発中のもの。
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