2015年7月30日(木)
凶悪なトラップがなぜ美少女に!? 『影牢』最新作の誕生秘話を菊地啓介プロデューサーが語る
DMM.comとコーエーテクモゲームスが本日7月30日より展開する、PCブラウザゲーム『影牢 ~トラップ ガールズ~』を紹介する。
襲いくる敵をトラップにかけて倒す、斬新なゲーム性が人気の『影牢』シリーズ。その最新作『影牢 ~トラップ ガールズ~』は、メディウムと呼ばれるトラップの魂が擬人化した存在を操作して戦う、ブラウザゲームとして登場する。
今回は『影牢』シリーズの菊地啓介プロデューサーに、実機でのデモプレイとインタビューをすることができた。まずは実機によるデモプレイで判明した内容を紹介しよう。
▲菊地啓介プロデューサー |
■ソフト概要
●特徴1:マウス1つで遊べるシンプルな操作性
本作では、俯瞰カメラの3Dで構成されたマップを使って敵とトラップバトルを繰り広げる。キャラの移動をはじめ、トラップの配置や発動、メニューなどもすべてマウス1つで行うことが可能。コントローラをフルに使うコンシューマ版から考えると、大幅に操作の簡略化に成功している。なお、各ステージはマップ内の敵をすべて倒すとクリアとなる。
▲マップ内でリーダーとなるキャラを移動し、敵をトラップまでおびきよせる。トラップの発動は対応するアイコンをクリックすればよい。 |
●特徴2:コンボがつなげやすく、自動でもつながる!
トラップをマップに1つ配置したあとに次のトラップを選ぶと、前のトラップからコンボがつながる位置に自動で合わせてくれる。せり出す壁やペンデュラムなどで、敵がどれだけ移動して計算するかを気にしなくていいのはかなり便利。また、1つ目のコンボが発動すると、自動でコンボをつなげてくれる機能もあり、シリーズを遊んだことがない人でも爽快なトラップコンボがすぐに体験できる。もちろん、トラップの発動は手動で行うことも可能。
▲スプリングフロアで敵を跳ね上げた先にペンデュラムが当たるように設定。敵が移動する先に配置してくれるので、スムーズにトラップコンボが作成できる。 |
●特徴3:アーマーブレイクでセクシーなご褒美イラストをゲット!
トラップにはアビリティの概念があり、中には特定のコンボ数でアーマーブレイクができるものも。アーマーブレイクをすると、服が破れるなどのセクシーな姿を鑑賞できる。アーマーブレイクを決めれば、あられもない姿に!
▲アーマーブレイクしたときのイラストは、一見の価値アリ! 一度見た画像はいつでも閲覧できるようになる。 |
●特徴4:華麗・残虐・屈辱の魂で新たなメディウムを開発
敵をトラップでハメると、トラップの種類によって華麗・残虐・屈辱の魂が手に入る。それぞれの魂を使う量を調整し、魂の混合を行うことで新たなメディウムが入手可能。同じキャラにもレアリティが存在し、レアリティが高いメディウムは習得できるアビリティの内容や必殺技が多く持てるなどのメリットが存在。さまざまなメディウムを入手し、強敵を打ち破っていこう。
▲3種類の魂の量を変えることで、入手できるトラップの内容をある程度しぼれる。また“●●の魂片”というアイテムを一緒に入れると、対象となるトラップを確率で入手できるようだ。 |
■菊地啓介プロデューサーインタビュー
▲『影牢』シリーズや『零』シリーズなど、人気作を手がけたプロデューサー。PS Vita版『アトリエ』シリーズや『よるのないくに』の開発も担当している。 |
●トラップのおもしろさだけを抽出しつつ『影牢』らしさは残したい
――『影牢』シリーズの最新作をブラウザゲームで出すことにしたきっかけを教えて下さい。
昨年にPS3/PS Vita『影牢 ~ダークサイド プリンセス~』、今年はPS4/PS3/PS Vita『影牢 ~もう1人のプリンセス~』と発売して、シリーズ作品としては久しぶりということもあり、新しいことややりたいことをできるだけ詰め込んだんですね。シリーズのファンにはそれが評価をいただいた部分もあったのですが、『影牢』シリーズをはじめてプレイされた方には“難しい”という意見もありまして。
トラップゲームというのはあまりないジャンルですし、敵を待ち構えて待ち構えて「今だ!」とトラップを起動するところはおもしろいのですが、その敷居を低くしてもっとたくさんの方に遊んでもらいたい、というのが発端ですね。
それで「複雑なカメラはいらなくて、俯瞰で見せる形がいいよね」とか「パッケージソフトよりも簡単に手が出せて、試しに遊んでもらえるものがいいよね」と希望をまとめたところ、カチッとハマったのがブラウザゲームでした。
普及台数でいえばスマホゲームも選択肢にあったんですが、キャラクターを動かすゲームなので、ある程度画面が大きいものが合っているんじゃないかと。
――実際のデモプレイを見ると、シンプルながら『影牢』のエッセンスはすべて入っていますね。これらの仕様は開発初期からあったのですか?
複雑な要素や考えなきゃいけないところを廃して、トラップのおもしろさだけを抽出しようと、最初に設計したので。“マウス1つで遊べる”というのは、最初からあったところですね。オートトラップコンボは、後から追加した要素です。
――トラップはいくつまで持っていけるのでしょう?
最初は少ないんですけど、ゲームを進んでいくと増えていって最大8個になります。
――バトル中に操作するのは、主人公の魔神ではなくメディウムですか?
そうです。編成画面で1番上に設定したメディウムがリーダーで操作キャラになります。操作時に出せる必殺技もあって“動くトラップ”のように使えるキャラもいます。また、移動速度や運搬量などのステータスも違っているので、いろいろと使ってみてほしいですね。運搬量は後日追加予定の探索系要素に影響する能力です。
――デモプレイにはプレイヤー同士が対戦する“決闘”がありましたが、こちらはどのようなものですか?
リアルタイム対戦ではなく、COMが操作する他のプレイヤーのチームを倒す擬似対戦ですね。倒すとレアな魂などがドロップします。捕獲のトラップがあるので、それを利用して捕まえると確率が上がります。リリース後の近い時期に公開する予定です。
――トラップたちを擬人化した理由は?
メディウムという存在は『ダークサイド プリンセス』ですでにあったものです。この作品の場合は華麗・残虐・屈辱のトラップカテゴリーのイメージを擬人化したものでした。
その考え方をさらに発展させて1つ1つのトラップにも魂があるよね、ということでそれぞれのトラップの特徴を外見に反映させたのが本作のメディウムになります。
リーダーとして選んだメディウムは人間の姿で戦うこともあります。その他のメディウムはトラップとして敵を攻撃する形です。
――擬人化されたトラップがすべてセクシーな女の子なのはなぜですか?
主人公の魔神が男だからです(笑)。それは冗談ですが、設定としては、その魂が一番美しい自然体でいられる形状が、それぞれの姿ということになっています。
――メディウムたちのイラストレーターさんは、どのような方なのでしょうか?
複数のデザイナーで作業しています。メインのキャラクターのデザイナーは、当社でパチンコ・パチスロ部門を担当しているイラストレーターにお願いしました。なかには設定からデザインを起こした時に、私のイメージと大きく違うデザインになってきていい意味で「そうきたか!」と驚かされたことも多いです。もちろん外部のイラストレーターさんにも、ご協力いただいています。
――アーマーブレイク時のイラストの構図などは、細かく指示を出されたのでしょうか?
メインとなる中核のキャラクターは細かくチェックしました。アーマーブレイク後に弱点のトラップを当てると見られる画像も、ただセクシーな画像じゃなくて、実は弱点にあった壊れ方や破れ方をしているんです。そこにも注目してほしいですね。
▲取材時に公開されたニーナ・ペンデュラム。弱点であるバナナの皮でつるりとすべっているデザインになっている。 |
――コンシューマ版と同じスタッフが本作を手がけているそうですが、ブラウザゲームということもあり、いつもとやり方が違った部分もあったのでは?
ブラウザゲームを制作するのは、ほぼ初めてのことだったので「考え方からして違う」と思いましたね。コンシューマ版の場合は、まずは物語の設定を固めるところから始めるのですが、ブラウザゲームは“どんなキャラクターを用意するか”というキャラの設定から固めないといけません。
トラップの種類もすごく多いので、これだけたくさんのキャライメージを決めるのはあまりなかったことですね。コンシューマ版の場合、ディレクターと担当プランナーがトラップの機能を決めていくのですが、今回はスタッフみんなで手分けして意見を出し合いました。そのおかげで、各スタッフの好きな女性のタイプがいろいろとわかったことも、おもしろいところでした(笑)。
――これまでと違って大変だった部分はどこですか?
プラットホームこそ違いますが、『影牢』らしさをどの程度出すかという加減です。ずっとコンシューマ版を作ってきたので、ゲームがうまい人が得をするゲームデザインにしがちなんですけど、ブラウザゲームはある程度時間をかけてがんばった人が強いところも出していかないと成立しないので、このあたりのバランスは難しいですね。
●世界観設定はどうなる? また過去のシリーズのヒロインも登場予定は?
――世界観の雰囲気は『影牢』シリーズと共通ですね。
魔神の存在はシリーズで共通してありますが、お話はまったく別のものです。今回は自分が魔神になって下僕たちを従えて戦うことになります。今まで抽象的な存在だった魔神が、プレイヤー自身になって、その力を復活させるためにメディウムたちを使う、みたいな。
みんなに持ちあげられ、慕われている存在なんですよね。そこでも王様気分を味わってもらおうという、新しい設定です。
――先ほどのデモプレイでは会話シーンなどもありましたが、ストーリーのボリュームは?
バージョンアップで更新できるので、かなりあります。サービスが続く限り、ストーリーは更新されていきますよ。
――となると魔神が本格的に復活できちゃうなんてこともあるのでしょうか!? そうなったらゲーム性が変わってきそうですが……。
アハハハハ(笑)。もしもそうなったら、お話終わっちゃいますよね。今度は大魔神になるために……とか、展開に何かしらの変化をつけたいですね。
――『影牢 ~もう1人のプリンセス~』のように、過去作のヒロインたちが登場する予定はありますか?
『もう1人のプリンセス』の場合は、悪夢の世界だから世界がつながっているという設定があって実現したものです。設定が違うもの同士が混ざることを好まないファンの方も多いと思うので、メインストーリーに直接登場することは、今のところないです。
ただ、このゲームに登場はさせたいとは考えています。なんらかの設定を通して「こういうことなら出てきてもおかしくないよね」といえるものにしたいです。例えばイベントやキャンペーンなどですね。
――イベントやキャンペーンはどのようなものが予定されているのですか?
まずはゲームの仕組みを理解していただいて、徐々にイベントを追加していこうと思っています。新しいキャラが出てくるものや、本編とは違う物語など、徐々にいろいろなものをやっていきたいですね。ある程度運営が安定してきたらコラボも考えたいです。
●気になる課金要素は?
――本作は基本プレイ無料のタイトルですが、マネタイズの部分はメディウムの入手やガチャなどになるのでしょうか?
そうですね。いろいろと用意していますが、捕獲用の釣り牢なども販売しています。ボスを捕獲用の釣り牢に入れると、そのトラップの魂が入手しやすくなるものです。「どうしてもこのトラップが欲しい!」という人に活用していただければ。
また、メディウムを入手するための“メディウムの種”は普通にプレイしていれば、何個か手に入るのですが、それ以上に手に入れたい時や、所持できる枠を増やす時に使うなど、より有利に遊べる要素はあります。
さらに“ひみつのカギ”は、キャラの隠しボイスや高解像度のイラストが見られるものです。お気に入りのキャラにぜひ使ってあげてみてください。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
「トラップゲームって、おもしろいんだよ」という原点に立ち戻った作品にしたくて、ここまでがんばって開発してきました。
シリーズを遊んだことがない人もマウスだけで遊べるので、こんな攻撃方法があるんだというコンボや爽快感が味わえるしっかりしたゲームに仕上がりつつあります。そこを楽しんでいただきたいです。それぞれのトラップがどんな形で、魂の形が再現されているのかもご期待ください。
(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
(C)since 1998 DMM All Rights Reserved.
データ
- ▼『影牢 ~トラップ ガールズ~』
- ■メーカー:コーエーテクモゲームス
- ■対応機種:PC
- ■ジャンル:ACT
- ■配信日:2015年7月30日
- ■価格:無料(アイテム課金)