2015年8月19日(水)
8月6日に発売されたPS4/PS Vita用ソフト『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』の開発者インタビューを掲載する。
本作は、今までにないタイプのシューティングゲーム『ぎゃる☆がん』シリーズの新作。言い寄ってくる女の子たちを眼力(がんりき、通称フェロモンショット)でなぎ払いながら意中の女の子に告白することになる。新作『ぎゃる☆がん だぷるぴーす』では、新ヒロインや新1年生に加えて、悪魔化した過激な女の子による新たなアクションや、スケスケになる新システムが用意されている。
インタビューでは、開発の経緯やキャラクターデザインのコンセプト、システムなどについて、開発を手掛けたインティ・クリエイツの開発プロデューサー・田村行政さんと、デザイナーの伊東大典さんに語っていただいた。なお、インタビュー中は敬称略。
▲左から田村さん、伊東さん。 |
――2月のイベントで発表し、情報を公開して反響はいかがでしたか?
田村:PS3版『ぎゃる☆がん』が発売され、けっこう時間が経っていたので不安もあったのですが、ユーザーの方は「やっと出るんですね!」と言っていただけました。そこからいろいろな情報が出るに従い、声が大きくなっていきました。ただ、業界関係者のかたのほうが気にしてくださっていたようで、いろいろと声をかけてくださいましたね。
伊東:僕は意識的に反響を聞いていませんでした。一回気にしてしまうと、とことん気になってしまうので、そこらへんはおまかせして、開発メンバーは作るものを粛々と作るというイメージですね。
田村:もちろん、『ぎゃる☆がん』でいただいたご意見、ご要望は検討したうえで、開発しています。それをふまえて2年以上作ってきたものなので、現場のメンバーは意見に右往左往するとのではなく、やるべきことをやる方針だったのです。
――開発がスタートした時期はいつですか?
田村:僕がさかのぼってメールを見たところ、2年前の2013年2~3月でした。そこから、伊東と前作に引き続き、本作も企画とディレクションを担当した“えろ太郎”の2人でゲームの仕様を2カ月ほど固めていたようです。
伊東:弊社の第2回コンペ中でしたね。でも2カ月間でしたっけ? もっと長くやっていた覚えがあるのですが!
田村:2カ月でしたね。その時は弊社20周年に向けてオリジナル作品を作りたいということで、アイデアを募集していたのですが、2人は『ぎゃる☆がん』の新作に取り組んでいました。
――仕様が固まり、開発が動き始めたのでしょうか?
田村:そこからキャラを作るグラフィッカーが1人、2人と加わり、モデルの実験が始まりました。そして9月ごろからプログラマーが加わり、いろいろな検証がスタートしました。振り返ると長い準備期間がありましたね。
――シナリオやセリフは伊東さんが考えられているのですか?
田村:弊社は基本的に、パブリッシャーさんからゲームを依頼されて作るため、シナリオを書ける人間が少ないんです。書けるメンバーが引き受けることが多く、本作であれば、あるスタッフが手がけています。アクションボイスやセリフも彼が書いているものが多いですね。
伊東:雑魚のアクションボイスは僕がやっていますが、ヒロイン関係は半分くらい、お願いしています。アクションイベントはほぼ僕の方で担当しています。
――あとでお聞きしようと思っていたのですが、今回のアクションイベントは前作以上に攻めているという印象を受けましたね。
田村:シューティングパートでできないシチュエーションを再現するからこそ、特別感があります。「こういうシーンがあったらいいよね」という願望を集めているので、攻めていると感じるのだと思います。
伊東:ゲームの仕様が決まっていない段階から、シナリオにアクションイベントの内容は組みこまれていました。さらに音声収録を終えてしまったので、変えるわけにはいかなくなってしまった。これはあせりましたね……ただ、最終的にはおもしろいものになってよかったです。
▲こちらは開発段階でのラフイメージ。 |
――PS4とPS Vitaで発売することになった経緯を教えてください。
田村:開発が動き出した時、ソフトが発売されるころの市場状況はわかりません。ただ、PS Vitaについては発売から時間も経っているうえに、要望もあったので決めていました。
伊東:タッチと『ぎゃる☆がん』の相性がいいだろうと考えていました。さらにユーザーの方から「PS Vitaで遊びたい」という意見が多く来ていたので、ハードを決めました。
▲PS Vita版の画像。 |
――そこにPS4が加わったのはなぜですか?
田村:開発の時間経過とともに他のハードでもやってみたいという話になり、いろいろ検討した結果PS4を選択しました。PS4のコントローラにタッチパネルがあり、操作性という部分で親和性があったのも理由として大きかったです。
――“ダブルピース昇天”を入れた理由について、改めて語っていただけますか?
伊東:タイトルを決める打ち合わせをしている時に、そこを通りかかったある開発スタッフが、「ダブルというタイトルだったら、ダブルピースだね!」と言っていたことからタイトルが決まりました。そこから、絵的にはどういうものになるか決まっていませんでしたが、システムとして用意するべきという流れになりました。
ただ……ドキドキモードが当時は1人を相手にするものでした。ダブルピース昇天を組み込むことになったのは、ドキドキモードに3人を入れることが決まってからです。
――すごい絵ですよね?
伊東:絵的にインパクトがあるので、社内でも好評でした。一番最初にイメージイラストを出したのですが、女子高生が仲よくピースをしているプリントシール機を連想していたんですね。花もそれがあってデザインしました。
田村:このイラストからゲームへの再現度は相当高いと思います。
▲伊東さんが描かれた“ダブルピース昇天”のイメージラフ。 |
伊東:そうなんですよ。このイラストをそのままゲームに入れてくれたので、個人的には大満足ですね! 音もいいんですよね。
田村:体験会でプレイされた人がダブルピース昇天を実際にご覧になられて、「これかぁ~!」って笑顔になられていたのが印象的ですね。
――前作でえころのプロフィールに「1年後にぱたこを超える伝説を残す」とあったのですが、作っていた時から本作の構想はあったのでしょうか?
伊東:実は……まったく決まっていなかったんです!(笑)
――え? そうだったんですか!? ではなぜあのプロフィールにしたのですか?
伊東:僕の願いです! 「いずれ続編を作れたらいいな」という想いをメッセージとして残したのです。シナリオやシステムを含め、何か考えていたわけではないんですが、「次回作で中心として動かすのは天使のえころかな……」と漠然と考えていました。
――ぱたこはなぜ人間になったのですか? PS3版のエンディングではえころと2人でテンゾウを見守るというものでしたが……。
伊東:実は、PS3版の“ドキドキカーニバル”の後、ぱたこは補修を受けているんですね。ただ、それでも及第点に達しなかったため、バツとして人間化された……とシナリオを担当したメンバーが考えました。そのため、どんな失敗をしたのかは僕も知りません(笑)。
――新作を作るうえで、ぱたこを登場させたいとは思っていたのでしょうか?
伊東:何かの形で出したいという気持ちはありました。ただ、どういう形で出すのがおもしろいかなと考えて、一般女子にまぎれていたらおもしろいということになりました。……「そんな扱いでいいのか?」という気持ちもあったんですが(笑)。
――前作で主要キャラですし、演じてられているのが田村ゆかりさんですからね。
伊東:そうなんですよ! にもかかわらず、社内では「雑魚キャラ」と呼ばれていました。
田村:完全にいなくしてしまうとさびしいじゃないですか? そのため、えころにスポットが当たることになった理由にあわせて、ぱたこを人間化する理由を用意して、登場してもらいました。
――“天使(あまつか)”という名前は、会心の出来だったのでしょうか?
伊東:僕的には「これはキタ!」という感じだったんですが……わりと「まんまだね」と言われているようです。
田村:一般女子の名前は伊東が考えているんですよ。ただ、ヒロイン系はなぜか別の人間が考えることが多いんですよね。
――え? それは意外ですね。
伊東:くろなだけは僕が付けましたが、ヒロインは違います。しのぶも真夜も、“えろ太郎”に「和風っぽい名前がいいんだけど、何かない?」と聞いて、付けてもらいました。
思い返せば前作『ぎゃる☆がん』の時もヒロインの名前はつけていませんね(笑)。あれは別のスタッフだったかと。
――葵ちゃん(兎野葵)が購買部にいるのは当初から予定されていた?
伊東:そうですね。前作からなんらかの形で登場させたいと思っていました。ショップを入れる予定だったので、その店員で一番合いそうだったのが葵ちゃんでした。貧乏という設定だったので、バイトをしていたらおもしろいかなと。
――葵ちゃんは授業中もバイトをしているんですか?
伊東:いや、休み時間に来て働いている設定です。普段は授業を受けたり、バンド“LOVEHEARTS”の練習をしていたりするんではないでしょうか?
――前作から制服がリニューアルされていますが、どこにこだわりましたか?
伊東:ワンピースらしいつなぎの部分を変えたのでそこですね。「綺麗な見た目にしたい」という意識があり、ビジュアル的には白を基調にして、前作と差別化を図っています。その時は透視の企画もまだ決まっていなかったのですが、もしそもそもお腹が出ている衣装だった場合、透かして見えてもうれしくないじゃないですか?
そんなこともあってか、ワンピース風にしたことは透視のシステムとはマッチしていたと思いました。
――くろなのデザインで意識したことは?
伊東:カワイイ系のいたずら悪魔で、ちょっと無理してセクシーを出しているような、子どもらしさをイメージしています。前の『ぎゃる☆がん』の時もそうですが、メインヒロインのデザインはすんなりいくことが多いんですよね。
――その中でもすんなりいかなかったキャラは誰ですか?
ヒロインであえてあげるならば、しのぶですね。真夜は一発OKだったので。これは初期のしのぶですね。銃くらいしか面影はないんじゃないですかね? 制服は当時、以前のものでいく予定でした。
▲しのぶの初期デザイン。 |
――ただ、全体から受ける印象は、しのぶらしいですね。
伊東:次にこちらのイラストを描いて、ほぼ決まりました。靴くらいしかそこから変わってしませんね。
▲しのぶと真夜の第2案デザイン。かなりゲームに採用されたデザインと近いのがわかる。 |
――前から気になっていたのですが、なぜサブマシンガンはイングラムのようなモデルを持っているのですか?
伊東:あんまり深く考えたことはなかったですね……なんとなくカッコいいからモチーフにしました。僕的にはSMGといえばイングラムですね。
――真夜はどういうコンセプトがあったのでしょうか?
伊東:「別の制服にしたい」という狙いがあり、転校生にしました。暗い雰囲気があり、目立たないキャラにしようとしてデザインしたのを覚えています。その中で、キャラとの差別化という意味でお面を付けてみました。
あとは、2人とも悪魔ハンターという意味もあり、クロスや鈴をちりばめています。
――前作から1年が経過し、3年生は基本的に卒業していますが、けっこうな数の生徒が旧1年、2年にも転校しているようですが、あえてこちらはゲーム的に足してしまおうということでしょうか?
伊東:本作から登場する一般女子は別に転校してきたわけではないんです。もともといたんですが、テンゾウのフェロモンに反応しなかった。今回ゲーム的に出てくるのは、ホウダイのフェロモンに感じてしまった子というわけです。前作で出ていた子も、学校にはいるんですが、反応していないと。
――久時峰大(クドキホウダイ)という名前は、どのように命名されたのですか?
伊東:これはシナリオ担当が名づけました。最初はディレクターの“えろ太郎”がつけた、“種蒔一誠(タネマキイッセイ)”だったんです。ただ、ちょっとひっかかるところがあったので、シナリオ担当の彼に出してもらいました。それが世界観にあっていたので、採用しました。
――踏んだり抱きつかれたりというのは、どのようにして生まれたのでしょうか?
伊東:悪魔っ娘として出てきた時に、どういうアクションをするか、ユーザーが喜ばれるかを想像して出しました。絵的にも前作と差別化できておもしろいじゃないですか?
あとは、PS3版の“ドキドキカーニバル”の時に「なじられるのがよかった!」と言っている人が結構いたので、幅広く趣味嗜好をカバーできるだろうと。
田村:前作からメロメロになった攻撃パターンはある中で、本作ならではの要素として見た目だけでなくゲーム的にも売りになる。そこで用意しました。
伊東:個人的には、囲まれて踏まれるというのをやりたかったんですよね(笑)。
――他にボツになった攻撃方法があれば教えてください。
伊東:ボディアタックですかね。女の子が飛んできて抱きつくアクションがありましたが、ボツになりました。あとは……まあ前作でもアイデアはあったんですが……神風ボムを入れたいと思っていました。
これを使うと、風が吹いてめくれたスカートを抑えるため、女子の動きが止まるんです。
田村:いわゆるSTGのボムのようなシステムですね。実は、ドキドキモードをどういう仕様にするか、紆余曲折があったんですよ。今のようにシューティング中に組み込むか、それとも分離させて別のものとして成立させるか。模索している中で、シューティングパートからドキドキモードを分けた時に、一度に攻撃するものが欲しいということで考えたシステムです。
伊東:最終的にはドキドキモードでボムが発生するので、オミットされました。ただ、アイデアや絵的には悪くないと思っています。
――くろなを出すことになった時点から、悪魔ならではの要素を混ぜたシステムを作りたいと考えていたのでしょうか?
伊東:それは狙いとしてありました。ただ、悪魔っ娘を採用することで収録ボイスが倍になり、苦労したこともありましたね。
田村:セリフが倍以上に増え、削ってちょうど倍くらいになりました。もともとは最後に登場するファイナルドキドキモードにも悪魔っ娘モードもあったのですが、それは都合もあって削られました。
――悪魔っ娘でのドキドキモードはセリフが特長的で、ついつい発動したくなってしまいます。こちらは想定していましたか? それとも偶然生まれたものですか?
伊東:キャラの二面性を出したいと考えていたので企画初期の段階から想定していました。悪魔っ娘を混ぜることで、ドキドキモードのキャラ選択によりプレイヤーの好みが反映されるものになればいいなと考えました。ただ3人同時ドキドキモードだと、にぎやかになりすぎて何を言ってるのかわからないんですがね。
――収録には今回も立ち会われたのでしょうか?
伊東:最初の1回だけ行けなかったのですが、ほぼ立ち会いました。前作の収録では間近であえぎ声を聞いて、ドキドキしましたが……本作でかなり慣れました。慣れは恐ろしいですね。
――……あれは……あえぎ声になるのでしょうか?
同席していた広報の中川さん:あれはあえぎ声じゃないです!
伊東:いや、あれはあえぎ声ですよ! どう聞いても。
中川:いやいや、健全なゲームですから。
伊東:……アクションボイスにはややセクシーなものもあるんですが、収録では慣れましたね。
中川:それで!
――しのぶ、真夜、くろなをフレッシュなメンバーが演じられていますが、どなたか印象的だった人はいますか?
伊東:上間さんには、前作で一般女子を演じていただいたのですが、そこまで印象はなかったんです。ただ、今回はしのぶをおまかせして、どんぴしゃでした。演じていただいてよかったと思いました。
田村:以前のインタビューでもお話しましたが、最初はくろなでオーディションを受けてもらいました。ただ、イメージと異なったため、しのぶにチャレンジしていただきました。くろなの印象があったため、そのままだと「しのぶとマッチしないかな?」という不安もあったのですが、ピッタリでした。
伊東:すごく、しのぶっぽい演技だったのですごく驚きました。
田村:しのぶの話ばかりになってしまうのですが、上間さんとしのぶはマッチしていると思っています。生放送でいろいろといじられている姿を見ていても、しのぶのことをヘッポコと説明しているところを見ても、すごく愛嬌があっていいと感じますね。
真夜も、橋本さんの少しさばさばとしたところもすごくよくて、この2人の姉妹はいいキャスティングだったんだなと振り返ってみて感じています。
伊東:実は僕はゲームをプレイするまでは、しのぶはクールであるところを押したかったんですが……発売前からヘッポコキャラでしたね(笑)。
――桜咲薫子の銅像が校門に立っているのですが、こちらの理由は?
伊東:校門は入った時に一番目立つところ。それが変化がないと、前作と同じ印象を受けてしまうと思ったのです。そこでオブジェのようなもので、目立つものを置こうとしました。そこでインパクトのある薫子の銅像を置くことになりました。
――目立つものを置こうとしたところまではわかります。でも、そこから薫子の銅像を出すという発想には至らないと思うのですが……。
伊東:よく覚えていないんですが……あれは在校生が立てたんですよ。
――え? 生徒がお金を出したんですか?
伊東:本作から制服が変わっているのは、実は薫子先輩がお金を出しているからなんですね。それに対して感謝の気持ちを込めて、銅像を立てたということです。
――制服が変わる運動は生徒会長の牛頭百合奈がやっていたということですが、お金は薫子先輩が出していたんですね!
田村:銅像を作るお金があったのであれば、制服を変更できたと思うのですが(笑)。
――それこそ、キックスターターのような感じで、可能な範囲で出していったのではないでしょうか?
田村:そうだったのかもしれませんね(笑)。
中川:実は最初は、銅像を撃つと内田真礼さんのボイスが出るという案もあったのですが、ボツになりました。
伊東:開発段階では、撃つと声が出るボタンが4つついていたんですが、使われなくなりました。とはいえ、撃てるような大きさではなかったんですが……。
――拡大すれば!
田村:ズームすると透けてしまうんで、狙えないんですよ。
――そうですね……まさかシステムが阻害することになるとは……。
伊東:実は、銅像を立てた時、透視で建物は透けない仕様だったのですが、途中でよりゲーム性を高めるために追加されました。そのために、ますます銅像のボタンを狙えなくなりモデルからも削除しました。
――透視で透けるのは服だけで、建物は後付けで透けることになったんですね。
田村:そうです。透視は前作『ぎゃる☆がん』を踏まえて開発されました。迫ってくる女の子を撃つところから進化させようと、いろいろなアイデアを出している中で、物陰にいる女の子を撃てた方がよりおもしろいだろうということで、加わりました。
――透視と関係するんですが、落し物やスリーサイズの判別など、基本は前作を踏襲しつつも、さまざまな要素が変わっているという印象を受けましたね。
田村:透けるのがおもしろいところから、透けることをどう利用できるのか、どうゲームとして落としこんでいくか、そこをつめていきました。透けることでプロポーションがはっきりわかるから、3サイズが正確にわかるよねとか、服の中に持っている物が見えたら校内SNS“Sakura Talk”で渡せるよね、という具合です。
――アイテムを集めるために、ルートをやり直すこともありますからね。
田村:ロッカーの中にアイテムがあったり、女子がアイテムを持っていたりします。“Sakura Talk”の達成ボーナスがクリア時に入るので、スコアアタックにも活用できますね。
伊東:校内に落ちている“しあわせくん”もスコアに加わるのでぜひ倒してください。まとめて8匹がいるところもありますよ。
田村:慣れてくると、しあわせくんを倒すためだけにチャージショットを溜めているのが当たり前になってくるかもしれません。
伊東:しあわせくんはチャージショットではなく、連打したほうが点になるので、そこは人によるかもしれませんね。倒すことを優先するか、得点を優先するか……。
――透視といえば、“天使の目薬”はどなたの考案だったのですか?
伊東:「これじゃ透けが足りないよ!」という意見がどこからか出ていたので、採用することになったと記憶しています。
――お2人が気に入っているキャラは誰ですか?
田村:僕は朝野すずめちゃんですね。『だぶるぴーす』発表前からラジオドラマを『ぎゃる☆がん』でやらせていただいていたんですが、そこでやってもらっていたので愛着がでました。あと、ゲーム中の校内放送で流れるので、気になる人も多いと思います。校内放送は生徒会からのお知らせと、昼時特急列車の2種類あるので、ぜひチェックしてください。
伊東:僕はですね……どのキャラも愛着はあるんですが、やはりスウェーデン出身のアニタですねえ。
――おお、アニタ・ベルマン。それはなぜですか?
伊東:まずは見た目がカワイイ。あとは、この子はすべてのスペックが一番小さいんですよ。
――え? ……ああ、伊東さんは小さい子好きだったんですね。
(一同笑)
伊東:いや、そうでもないんですが……。作っている時に思い入れが出てしまったキャラなんですよ。ムーミンが好きという隠れ設定があって、叫び声が「ムミーン」なんですね。
――あれ? ……ムーミンはスウェーデンではなくて、フィンランドでは?
伊東:そうなんですよ! 勘違いしていたんですよ!!
(一同爆笑)
伊東:僕の勘違いで、「ムミーン」と叫ぶスウェーデンからの留学生になりました。そういうところでも思い入れができてしまったんです……なんかすみません。
――『ぎゃる☆がん』の一般女子は、小杉ねね子が圧倒的に人気でしたが、どのキャラの人気が出ると思っていますか?
伊東:僕の予想だと、家がメイドの鯨井このみさんですね。声がカワイイんですよ。あとは体育の先生・服部明日香は社内でも人気です。
▲左が服部明日香先生。 |
田村:開発メンバーによるチェック中には、柳田真冬がフィーチャーされていたような印象ですね。
伊東:柳田さんはおもしろいですね。ちょっとセリフが怖すぎるとも思うんですが……人気ありますね。
――ギャルゲーのようにキャラが人気の本作で、女子生徒が留年するという設定はなぜ生まれたんですか?
伊東:3年生の中で、誰か1人くらいは残しておきたいと思っていたんですね。3年の一番人気だと鮫島さんになるんですが、風紀委員で留年するイメージがなかった。柳田さんであれば、学校に来ていなさそうだし、雰囲気とあうかなと。
もし、次の『ぎゃる☆がん』が出て、さらに時間が進んでいても、在籍しているかもしれませんね。
――そろそろ卒業させてあげてもいいんではないでしょうか?
(一同笑)
――選択肢で“わからない”を選ぶと、一般女子を選べるようになるルートがあるのですが、こちらを用意した経緯は?
伊東:『ぎゃる☆がん』ではバッドエンドとして一般女子と結ばれましたが、本作ではトゥルーエンドになります。好きな一般女子と結ばれたいという意見があったので、今回はそういうルートも用意しました。
――いろいろと衣装を作られているという話をお聞きしていますが、ダウンロードコンテンツの価格はいくらくらいを想定されているのでしょうか?
田村:ドキッ!
伊東:ドキッ!
中川:ドキッ!
――3人一緒にドキドキモードに入りましたね(笑)。
中川:普通の衣装は500円を想定しています。
田村:現状は一般販売のDLCを、12個ほど予定しています。定期的に少しずつ販売していく予定です。もし好評であれば、増えるかもしれません。一枚絵のイラスト以外のイベントシーンの衣装が変更されるので、かなりオススメですよ。
▲浴衣 | ▲うさぎの着ぐるみ |
▲チャイナドレス | ▲メイド服 |
――本作で自信があるという要素をアピールしていただけますか?
田村:“だぶるぴーす”というネーミングはよかったと思いますね。
伊東:そうですね! ……まあ、僕は考えていませんが(笑)。
田村:僕らは聞きなれてしまったんですが、“だぶるぴーす”という名前は聞いた時のインパクトがあると思います。どう考えてもまともじゃない感じがしますからね!
伊東:僕は透視ですね。実は技術的に入るかどうかわからなかったんですよ。最終的に外す可能性もありましたが、売りが減ってしまうので、できれば入れたい要素でした。それを入れられたことがうれしかったです。
田村:透視については、グラフィッカーにかなりがんばってもらいました。PS4とPS Vitaの2ハードで開発することがハードルになったこともありました。ただ、PS4を開発できたのはよかったことだと思いますね。
――というのは?
田村:もともとはPS Vitaで始まったんですが、開発が進むに従ってPS4版のグラフィックが綺麗であるという評価に社内でもなりました。
美麗なグラフィックという要因に関係することなのですが、本作はUnreal Engine(アンリアルエンジン)という社外のエンジンを使って開発しました。ゲームの中に反映される部分ではないんですが、そこには苦労しましたね。そのかいあって、クオリティを上げることはできましたが……。
――今回は前作以上に、さまざまな場所にいくというイメージですが……。
伊東:そうですね。洞窟はすごくよかったです。
田村:実は最初に「学校だけど、洞窟があるんです!」とプレゼンしたところ「え? 洞窟? なんで!?」と首をかしげられましたね(笑)。
伊東:ばらしてしまうと、ただ単に下からのアングルを増やしたかったんです!
▲こちらは開発ラフイラスト。製品版にはない要素もあるようだ。 |
――最後にここを楽しんでほしいというメッセージをお願いします。
伊東:今作の売りである悪魔っ娘と透視という部分をぜひ楽しんでいただきたいです。透視をゲームシステムに採用しているタイトルはなかなかないと思うので、そこをじっくり遊んでいただきたいです。男の子であれば欲望を爆発させてやり込んでいただきたいです。
田村:パンツも女の子の数も前作を超えています。店舗特典で衣装をつけさせていただきましたが、これから一般販売用の衣装もあります。組み合わせることで、違った印象で遊べると思います。クリアした後も繰り返し、長く遊んでいただければうれしいです。
▲2人をはじめ、開発スタッフが尽力した『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』。気になった人はまずは体験版をプレイしてみては? |
(C)INTI CREATES CO., LTD./Alchemist
発売元:(株)エクスペリエンス
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