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2015年8月21日(金)

【電撃の旅団冒険録】『FFXIV』のダンジョンを通して見る『蒼天』の世界観。第1弾は“廃砦捜索 ダスクヴィジル”

文:電撃PlayStation

 『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』で追加されたさまざまなダンジョンたち。メイン/サブストーリークエストに絡む6つのダンジョン、メインストーリー終了後に解放される2つのエキスパートダンジョン……。

 それぞれに独特な景観や生態系、『FFXIV』の世界観にまつわる設定があるわけですが、ダンジョンでは短時間でのクリアを目指すスタイルが基本となるだけに、バトルに忙しくて周囲の様子を見ていられない冒険者さんたちも多いはず。

 というわけで今回からは、ダンジョンにまつわる知られざる(?)アレやコレを電撃の旅団員・Magが紹介! 開発スタッフの方々による裏設定などなどのコメントもあわせて、ぜひご覧ください。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』

※本記事には若干のネタバレ要素も含まれます。まだ『蒼天のイシュガルド』のメインストーリーを終えていない方はご注意ください

堅牢な対竜要塞“廃砦捜索 ダスクヴィジル”の現在――

 第1回は『蒼天のイシュガルド』で最初に挑むことになるダンジョン“廃砦捜索 ダスクヴィジル”に焦点を当ててお届け。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』 『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』

 そもそもこの“廃砦捜索 ダスクヴィジル”は、皇都防衛の重要な拠点として屈強な精鋭騎兵団が駐在していた不落の砦でした。しかし、衛星ダラガブの落下やバハムートによる炎――つまり第七霊災を起点とする破壊の嵐に呑まれ、砦は内外問わず甚大な損害を被ってしまいます。

 さらには第七霊災に端を発するクルザス一帯の極度な寒冷化も手伝い、駐屯していた兵たちの気力・体力はともに限界を迎え――。というのが、ダスクヴィジルにまつわる基本のエピソード。

 冒険者は、とある人物が妻との愛の証としてイシュガルド教皇庁に奉納し、のちにダスクヴィジルの戦神ハルオーネ像に飾られることになったブルーサファイア“氷槍石”を探す依頼を受け、この地に足を踏み入れます。

 そこで目にしたものは、屋内までもが無惨に破壊され、魔物やアンデッドが徘徊する惨状。かつての堅牢な砦としての佇まいは、かろうじて石造りの外郭にのみ見受けられるような状況です。

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』 『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』
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◆果たして第七霊災の直後、ここで何が起きたのか――?

 その謎を解く鍵は、砦の内部に残された日記に記されています。すでに多くのプレイヤーさんがピックアップしてくれてはいますが、ここで改めて確認してみましょう。

・騎士の日記


降り注ぐ隕石、黒き影が放った炎。
私が体験したすべてを、後世に伝えるため、
騎士パスカルレー・ヌールタイユが記す。

まさしく、この世の終わりなのかもしれない。
兵たちは動揺し、“第七霊災”が到来したと騒いでいる。
これを読む者は、その真実を知っているのだろうか。


指揮官であるユヘルメリック卿からの指示で、
砦内の被害状況を調査したが、ひどいものだった。
堅牢を誇った城壁が、見るも無惨に崩れている。

兵たちは皇都への撤退を望んでいるが、
ユヘルメリック卿の下した決断は、砦の死守だった。
当然だ、ダスクヴィジルは皇都を守る盾なのだから。


崩れた瓦礫を取り除き、懸命に救助活動をしたが、
助けることができたのは、わずかに数名のみだった。
その者らも、ここ数日の寒波で衰弱してきている。

季節外れの雪が舞うほどの寒さは、
傷つき、疲れ果てた我々から、体力を奪っていく。
だというのに、皇都からの救援は、未だにこない。


雪と氷によって孤立した砦内で、反乱が起こった。
備蓄食料が底をつきつつあることを知った兵たちが、
ユヘルメリック卿に、撤退を進言したのがきっかけだ。

だが、卿は砦の維持に固執し、これを拒否。
凄惨な戦いになり、多くの命が失われてしまった。
唯一の救いは、新鮮な肉が手に入ったことだけか……。


私は罪を犯した。
穢らわしい罪だ……そう、罪なのだ。
だが、生きるためには必要だった……。

家族の元に帰るには、生き残らなくてはならない。
だが、生きるとは、いったい何なのだ?
奴らは、動いているではないか! 死んでいるはずなのに!


『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』 『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』
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 この日記に記されている“ユヘルメリック卿”、じつは『旧FFXIV』ですでに登場していた人物で、イシュガルド四大名家の一“デュランデル家”の騎兵団を率いるほどの猛者でした。

 彼は結婚直後にダスクヴィジル指揮官の任を拝命し、その際、秘宝のブルーサファイアを教皇庁に納めています。……つまり、冒険者がこの地を訪れるきっかけになった“氷槍石”の、元の持ち主。したがって、冒険者に“氷槍石”を持ってくるよう依頼したウィルドテオは彼の父親ということになりますね。

 さて、砦内で起きた出来事はあらかた騎士の日記に記されていましたが、解せないのは、騎士の同士討ちでできた“新鮮な肉”を食べたのちに死んだ……と思われる騎士たちが起き上がり、アンデッドと化していること。ダンジョンに挑んだ冒険者ならご存知かと思いますが、ユヘルメリック卿もアンデッドとして冒険者を襲う存在と成り果てていました。“新鮮な肉”を食らって死んだらアンデッド化……? 

 この事態に関しては深く考察しているプレイヤーさんもすでにおりますが、ここではあらためてメインストーリーで明らかになる事実を踏まえて考えてみましょう。

【事実1】
イシュガルドのすべての民には、祖先が喰らったドラゴン族の血が薄く受け継がれている

【事実2】
ドラゴン族の因子を持つ者(イシュガルドの民)は、ドラゴン族の血を飲むことでドラゴンの眷属に変身してしまう(ただし、初回使用時はすぐに人間の姿に戻る。常用することでじょじょに完全なドラゴン族となっていく)

【考察・推測1】
イシュガルドの民が、同じくドラゴン族の血を薄く受け継いだ同胞の血肉を食らったことで、不完全ながらも変身の力が発動

【考察・推測2】
血の力が薄く、初回で効果も弱かったがために、変身の力は生きているときに発動せず、死したのちに肉体に仮初の生命力を与えた

【考察・推測3】
その結果、“アンデッド”としか思えない存在と化してしまった

 果たしてその真実とは――? 開発スタッフの方々に、お話をうかがってみました!!

◆“廃砦捜索 ダスクヴィジル”のコンセプト――この地で起きた真実とは

『FFXIV』開発スタッフの方々にお答えいただきました!

――“廃砦捜索 ダスクヴィジル”を作る際の方向性や、コンセプトはどんなものでしたか?

 “イシュガルドの対竜要塞”という基本設定がスチールヴィジルと同じなので、どうしても似通ってしまうリスクがありました。そこで、あえて“ドラゴンを出さない”と決め、“霊災によって崩壊し、放棄されたため、野生生物が入り込んでしまった”というシチュエーションを採用しました。

 ただし、それだけでは野獣や魔物の類ばかりになってしまうため、“ここを守っていた騎士たちがどうなったのか”という要素を入れ、砦内にホラー的雰囲気を出すことにしました。こうすることで、ダンジョンを進む過程での変化を演出しています。

――手記に出てくる“ユヘルメリック卿”は『旧FFXIV』の登場人物ですが、なぜ彼がチョイスされたかの裏設定などはございますか?

 手記を通じて、この砦がなぜ放棄されたのかといった点を表現しようと考えたとき、誰か解らない人物よりも、レガシープレイヤーさんが“ニヤッとできる”要素があった方が良いのかな、と。ちなみに、書き手であるパスカルレーも『旧FFXIV』にて、ユヘルメリックの部下として登場していた人物になります。

――ユヘルメリック卿のように、『旧FFXIV』時代から温めていたネタをようやくここで……といったものはほかにもございますか?

 『旧FFXIV』要素を採り入れたのは、以下のとおり。

 機工士クエストの“ロスティンスタル”。彫金師クエストの“コルベルヌ”。これはけっこう、こだわって話を作りました。PvPエリアの“シールロック”。『旧FFXIV』リムサ編に登場する“彷徨える燕尾岩”のことであり、スタルマンがロスティンスタルとなる切っ掛けの事件が起こった場所です。アシエン・プライム=『旧FFXIV』時代のアシエンのデザインを採用。特に英語圏のプレイヤーさんから、“アレはどうなったんだ”と意見を頂いていたので……。

――グリフィンはアバラシア雲海に多く生息しているようですが、ボスのグリフィンがあの場所にいたことには何か理由があったりしますか?

 獲物を求めて。前述のとおり、ここには野生生物が入り込んでいたので、これを狩るために雲海から降りてきたという想定です。

――新鮮な肉を食してアンデッド化した……と思われる内容の手記がありますが、アンデッド化した理由など、語られていない設定がありましたら教えてください

 裏設定としての“事件の真相”は、以下のとおりです。

(1)兵士による反乱が起き、ユヘルメリックやパスカルレーなどの騎士側が鎮圧する。
(2)お腹すいたなぁ。新鮮な肉が調達できたじゃん。モグモグ
(3)死んだ兵士がきちんと埋葬されなかったので、死体を依り代とする下級妖異に取り憑かれてゾンビ兵化(もしくは、怨念により幽霊化)
(4)死んだはずなのに動いているゾンビ兵にとりかこまれ、ユヘルメリックら騎士たちも殺される
(5)騎士たちもきちんと埋葬されず、以下略

――この地域に出現する新たなモンスターたちについて、生態などの裏設定がございましたらぜひ教えてください

 西部高地にいる“寒冷地にいそうな生き物たち”(オリファント、ポーラーベアー、イエティ、ヤク、ミロドンなど)は、本来ならアルデナード小大陸の北部(北アバラシア山脈)に棲息していたものたち。これが、クルザス(中央アバラシア山脈)の寒冷化により、南下してきたという設定になります。

 ダスクヴィジルについての掘り下げはとりあえず以上で一区切り。アンデッド化がドラゴン因子とは関係なかったというところが個人的に驚きでした。

◆無糖 党さんの漫画第3弾! Vol.596掲載作品をお届け!

 漫画家・無糖 党さんと“電撃の旅団”の面々のプレイ模様をもとにした『FFXIV』漫画は、電撃PS Vol.592から好評掲載中! 今回お届けするのはVol.596に掲載された作品です!

『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』
▲クリックすると拡大表示されます。

◆スクウェア・エニックス『FFXIV』チームによる公式14時間生放送は明日8月22日(土)12:00から!

 『FFXIV』の新生2周年を記念した14時間の生放送が、いよいよ明日8月22日(土)の正午から放送スタートします! 今回もメイン放送と並行して各種企画を放送予定とのこと。プロデューサーレターライブや昨年話題になった高井浩氏のチャレンジ企画、祖堅正慶氏のコーナーなどなど盛りだくさんな内容です! 詳細は公式サイトをご覧ください。

 さらに! 生放送の裏側では、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏と『FFXIV』を愛するブロガーさんたちの座談会が行われるとのこと。突っ込んだ質問も飛び出すであろう注目の内容は、それぞれのブロガーさんのページをチェック!

 次回は8月28日に更新予定! お楽しみに!

(C) 2010 - 2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

データ

▼『電撃PlayStation Vol.596』
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2015年8月12日
■定価:676円+税
 
■『電撃PlayStation Vol.596』の購入はこちら
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