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2015年8月21日(金)

『がっこうぐらし!』第7話で描かれためぐねえとの絆について水瀬いのりさんが語る

文:喜一

 現在放送されているTVアニメ『がっこうぐらし!』の第7話アフレコ終了後インタビューが公開された。アフレコ後の感想を語ってくれたのはゆき役の水瀬いのりさんだ。

『がっこうぐらし!』第7話アフレコ終了後インタビュー

――第7話では、主にゆきとめぐねえとの絆をめぐって、物語が展開しましたね。

水瀬いのりさん:これまでゆきの中には、ずっとめぐねえという存在がいて、彼女の日常の中には、めぐねえも一緒にいたんですよね。そういう意味で、今回の第7話はある意味、ゆきとめぐねえのお別れというか。「わたしひとりでも頑張る」という、決意表明みたいなところがあったのかな、と思います。

 事件をきっかけにして、ゆきは――幼児退行っていうんですかね? 物事の考え方にしても少し子どもっぽくなっていたわけですけど、彼女の心の中にはちゃんと、年齢相応のゆきがいたということにも感動したし、そんな彼女の背中を押してあげたいな、と思いました。

『がっこうぐらし!』

――ある意味、すでにめぐねえが存在していないということを、ゆきが受け止めるエピソードでもありましたね。

 とはいえ、ほかの学園生活部のみんな――くるみちゃんやみーくん、りーさんと肩を寄せ合って生きていく中にも、やっぱりめぐねえもいるわけで、存在のすべてを否定するわけではなくて……。

 ただ、“めぐねえがいない”という現実が、ゆきの中で確信になったというか。飲み込んだんだろうなと思うんです。そういう意味で、ゆきは成長したんだなと思いました。

――それはやっぱり、ゆきを演じる水瀬さんの中でも変化がありましたか?

 そうですね。これまでは明るく元気に、楽しいシーンが多くて、誰かのために泣くことはあっても、自分の感情で泣くことはなかったんです。でも今回はやっぱり、“めぐねえと自分”というところで涙を流していて……。

 きっとゆきの中では、大きな枷みたいなものが外れたんじゃないかな、と。ひとりの女の子として歩き出すことができるんじゃなかな? というのは感じました。

――ゆきにとってめぐねえは、どんな存在だったと思いますか? お姉さんのようでもあり、友だちのようでもあり……という関係だったと思うのですが。

 うーん、姉のようでも友だちのようでもあり、あるいはもうひとりの自分のようでもあり……。客観的に見た時の自分、というんですかね。めぐねえにもゆきと同様、周りを笑顔でほんわかと包むようなところがあって、そういう近さを――頭で考えるんじゃなくて、本能で感じていたのかな、とは思います。

 私自身も“この人とは絶対仲よくなれる”と思えた人とは、すごく打ち解けることができるんですけど、そういうフィーリングみたいのものが、ゆきとめぐねえの間にもあったんだろうな、と。

 だからこそめぐねえもゆきに対して、あれだけ優しく接してくれたんだろうし、それはきっと“友だち”という言葉では表せないような絆だったんだろう、と思います。なんでしょうね、“家族”のようであり、でも“家族”じゃない、みたいな。そういう関係なのかな、と。

『がっこうぐらし!』

――水瀬さん自身は、人見知りをする方なんでしょうか?

 うーん、誰でも、最初は緊張するものだと思うんですけど……。ただ自分から話題を提供できないタイプではありますね(笑)。自分から「ねえねえ、みんな来て!」ってなかなか言えない。だから振り返ると、仲のいい人はわたしのことを誘ってくれたり、引っ張ってくれる人が多いですね。

――そういう意味では、ちょっとゆきと似てるところがあるのかもしれないですね。

 そうですね。結構流されやすいし、ふわっとしているので(笑)。よくも悪くもマイペースというか、たまに自分のマイペース加減が原因で、痛い目に会ったりします(笑)。

――あと、そうしたゆきの変化にともなって、周りのキャラクターたちも少しずつ変わり始めていますよね。特に、みーくんの変化が大きいのかなと思うのですが……。

 みーくんは変わりましたね。しかも彼女を変えた一番の要因は、多分ゆきなんです。ゆき自身は気づいていないですけど――ずっとあのペースで「みーくん、かわいい」ってデレデレしてるだけなんですけど、知らないうちにみーくんを振り向かせていたんですよね。

 それはゆきの才能のひとつなのかな、と思います。あともうひとつ感じたのは、そんなゆきたちを支えるために頑張っているお姉さんチーム――くるみちゃんとかりーさんは、学年は一緒なんですけど、やっぱり“お姉さん”という感じがします(笑)。

 もしかするとAパートで“わたし、頑張る”と決意した結果なのか、それとも“わたしも先輩だから、みーくんの前ではしっかりしなきゃ”と思ったのか。本当の理由はゆきにしかわからないんですけど。そこは印象的でした。

『がっこうぐらし!』

――なるほど。そんなゆきの決意は、最後の手紙の場面につながっていくと思うんですが……。水瀬さん自身は最近、誰かに手紙を書いたことはありますか?

 うーん、手紙はないかもしれないですね……。あっ、でも好きなアーティストのライブの申し込みハガキを書きました! 「絶対に行きたいです!」みたいな。

――あはは(笑)。

 あとは母の日とか父の日に、ちょっとしたメッセージカードを書いたくらいですかね。……ファンの方からいただくお手紙とかを見ていると、皆さん字が綺麗だなと思います。わたし、あまり字がうまいって言われたことがないので……。

――いやいや、シャベルのサインとか拝見しても、キレイな字でしたよ(笑)。

 そうですか? でも時々無性に、紙にボールペンで字を書きたくなるときがありますよね。あれはなんだろう? やっぱり、文字を書きたいという本能があるんですかね。

『がっこうぐらし!』

――では質問の方向性を変えて、手紙を書いてみたい相手はいますか?

 うーん……。やっぱり友達かな? もう5年くらいの付き合いで、最近もしょっちゅう顔を合わせてるんですけど、実はその子にわたしの職業を伝えてなくて。

――えっ、水瀬さんが声優をやっていることを知らないんですか?

 そうなんです。しかもアニメを観ない人なので、伝えたところで……みたいな気持ちがあって(笑)。なんとなく言いそびれてるんですよね。ただ、遊びの予定を立てるときに土日がイベントだったりすると「あー、ごめん、仕事があるんだ」とか。そういうことがあると、「これは言った方が楽なんじゃないか」と思ったりします(笑)。

――ああ、別に隠してるわけじゃないんだけど、言いそびれてしまったという。

 そうです、そうです。口で直接言うのはあれだけど、手紙に書いて「ちょっとこれ読んで」ってわたせば「えーっ、そういうことだったの」と言ってもらえるかな、って。

――たしかに手紙は、そういうふうに使えそうですね。では最後に、次回以降、楽しみにしているのは?

 やっぱり≪かれら≫が気になりますね。これまでは接触しているようで、正面から向き合う場面はそれほどなかったんですけど、今後は≪かれら≫と直接、顔をあわせる場面もあるのかな、と思っています。

 しかも学校にいる≪かれら≫は、ショッピングモールにいた人たちとは違って、元友人だったりするわけで……。出会った時には、知りたくなかったことも知ってしまうんじゃないか。その時、学園生活部の4人と1匹はどうなってしまうのかな、と。そこが個人的には一番気になっています。

――物語も、ここからいよいよ佳境に入っていく感じですね。

 あとめぐねえの件もそうでしたけど、『がっこうぐらし!』は、大量に伏線が敷かれている作品なんですよ。

 それがどういうふうに回収されていくのか? “あの時のゆきの行動は、こういう理由だったのか!”みたいな、あとから明らかになることがいっぱいあって。今はまだピースが少しずつ集まっている状態ですけど、パズルが完成した時にいったい、どんな風景が見えてくるのか、とても楽しみにしています。

(C)Nitroplus/海法紀光・千葉サドル・芳文社/がっこうぐらし!製作委員会

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