2015年9月4日(金)
バトルに忙しくて周囲の景観を見ていられない冒険者さんたちに贈る、ダンジョン掘り下げ企画第2弾! 『ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド』で追加されたさまざまなダンジョンの世界観的な設定を語っていく本企画。今回は“霊峰踏破 ソーム・アル”についてのアレコレを電撃の旅団のMagがお届けいたします。今回も開発スタッフの方々からコメントをいただけたので、最後までぜひご覧ください!
※本記事には若干のネタバレ要素も含まれます。まだ『蒼天のイシュガルド』のメインストーリーを終えていない方はご注意ください
ドラゴン族と融和する道を探し、聖竜フレースヴェルグとの対話を求めた冒険者たち。氷の巫女・イゼルと蒼の竜騎士エスティニアンを加えた一行は、聖竜の住まうドラヴァニア雲海を目指します。しかし、かの地はドラゴン族の聖地である霊峰ソーム・アルの頂の、さらに先にある伝説の場所。やすやすと足を踏み入れられる場所ではありません。冒険者たちは多くの難題を解決したのちに、イゼルと旧知の仲であるドラゴン族・ヴィゾーヴニルの力を借りることに成功。霊峰ソーム・アルへの扉を開き、この地の踏破を目指します。
……以上が、冒険者がこの地へと足を踏み入れるまでの大まかないきさつ。
そもそも霊峰ソーム・アルとは、ドラゴン族が死期を悟ったときに立ち入って永遠の眠りにつく墓所。ゆえに不可侵の聖地であり、ヴィゾーヴニルによると人がこの地に立ち入るのはじつに千年ぶりということです。また、聖地に立ち入る以上、ヒトに敵対する邪竜の眷属による妨害は必至。なかでもソーム・アルの山頂に棲む雌竜ティオマンはイシュガルドの民に“黒竜”と呼ばれ恐れられているだけに、ヒトへの憎しみも相当のものであるはず。邪竜ニーズヘッグのつがいとされる彼女のバックボーンも気になります。
まずはこの地の様子を見ていきましょう。
人が1000年間足を踏み入れておらず、ドラゴン族もあまり足を踏み入れない……そんな場所だけに、地上には見られない独特な動植物が多く見られるのもソーム・アルの特徴です。入口に存在する崩れた石門は、かつてヒトとドラゴン族とが互いを受け容れ文明を築いていた時代に作られたものでしょうか。なお、このあたりは天候にかかわらず昼間でも薄暗く、霧が立ち込めている様子。高所ゆえ、霧というよりはむしろ雲の中といったイメージが強いのかもしれません。
薄暗い山道を抜けると、霊峰の血管と名づけられた洞窟に差し掛かります。山肌をくり抜き、山頂まで突き抜けるように続くさまはまさに山の体内に巡る血管といった体ですが、おもしろいのは、曲がりくねった1本道の最中に、溶岩めいた景観の“紅の墓”と氷中を進んでいるような“蒼の墓”という一見相反する場所があること。
実際に溶岩が滾ったり氷が張ったりしているというわけではないようですが、なぜこのような景観が生まれたのか、その理由にも興味がわくところです。また、一見では気づきにくいですが、中ボスのマイスと戦う場所には巨大な骨がいたるところに存在しています。
洞窟を抜けた先の景観に思わず感嘆の声を漏らした方、じつは多いのではないでしょうか。ふもとの薄暗さとは打って変わって、山頂部には抜けるような蒼穹の空が広がっています。
ところどころに見受けられる石細工などは、やはりかつての文明の名残といったところでしょうか。竜をかたどった文様が多く見られるところにも注目です。
今回も開発スタッフの方々からコメントをいただきました! ぜひご覧ください。
――このダンジョンを作る際の方向性、コンセプトを教えてください
『蒼天のイシュガルド』のメインシナリオにおけるテーマのひとつとして、古典的なFFで感じた“仲間との旅”を再現するというものがありました。個性的な仲間と共に旅をする途中にダンジョンがあり、これを乗り越えて新しいエリアに赴く。その流れを表現する最適の場所として選んだのが、“山のダンジョン”でした。
FF4の“試練の山”、FF5の“北の山”、FF6の“コルツ山”……などなど、山のダンジョンは、旅の途中、物語の試練としてはうってつけの題材です。そのうえで、FF14においては、“ドラゴンの領域”に向けて旅するという物語であるため、“ドラゴンの死に場所、霊峰”というコンセプトを足すことにしました。
――ボスの“ティオマン”について、ニーズヘッグのつがいとありますが、彼女はどういった存在なのか、ダンジョンのボスとして以外の顔……ゲーム中で語られていない設定などはありますか?
本質的には、ドラゴン族に性別の概念はなく、無性生殖によって単体で子を成すことができます。そして生まれた子は、長い一生のうちにそれぞれが進化し、まったく異なる姿になっていきます。
そうした特殊な生き物ですから、“つがい”には、他の生物のように“生殖のためのパートナー”としての意味はなく、より精神的な結びつきなのです。聖竜フレースヴェルグが人であるシヴァを愛したのも、精神こそが重視されるためですね。
性別に関しても、人の概念に当てはめて“雌竜”などと表現しているだけで、ティオマンはニーズヘッグにとって、最も重要な精神的パートナーであったため“つがい”と表現されますが、人でいうところの“婚姻関係”とは、少々異なるものなのです。この辺りは、ドラゴン族とより仲良くなる機会に、ゲーム内で語られることになるでしょう。
――新たな見た目のモンスターについて、生態などの裏設定がありましたらぜひ(ゲイラキャット系や竜毒草、ラフレシアに似たボス・ラスコヴニク、FF11にも登場した芋虫・エルカなど)
ゲイラキャット/フライングキラーは風のエーテルが濃い場所を好むため、雲海やソーム・アルなどに棲息しているという設定です。竜毒草やラスコヴニクは、毒のブレスを吐くドラゴン族が、毒素を体内に取り込むために食べる植物、エルカはそうした草木綱を食む虫、といった位置付けになります。
――洞窟内に紅の墓、蒼の墓、霊峰の傷跡など特徴的な場所がありますが、名前の由来や、どうしてそういった場所が生まれたのかなど語れる部分がありましたらお願いします
先にも述べた通り、ドラゴン族は長い一生の間に“進化”します。火の属性を好む者は、ファイアブレスを吐くように進化し、鱗も赤く染まっていきます。そうした者が終焉の地として好む“火の属性が強い場所”が、“紅の墓”といったイメージになります。“蒼の墓”は、反対に“氷の属性が強い場所”ですね。
ソーム・アルは、山そのものが巨大なクリスタルでもありますので、場所ごとに属性の力に偏りが生じ、あのような特徴的な景色を作り出しているのです。
――ティオマンのいる『ヘス・アファー』はドラゴン語かと思いますが、言葉の意味を教えてください
『ヘス(Hess)』は“監視”、『アファー(Afah)』は“永遠”を意味しますので、“永遠なる監視”といったところでしょうか。聖域の守護者であるティオマンが、侵犯者を見張る場所というような意味合いになります。
――そのほかゲーム内では語られていないけれどという要素がありましたらぜひお願いいします
山のダンジョンということで、FF5の“北の山”や“飛竜の谷”をモチーフに、ゲイラキャットや(飛竜草から着想を得た)竜毒草が配置してあります。ドラゴンの聖域という雰囲気に加えて、ちょっと懐かしい“山のダンジョン”を感じて頂けたら幸いです。
ドラゴン族についての特徴など、まだまだ興味深い世界観がたくさん隠されている様子。今後、ゲーム内で語られる物語も楽しみですね。次回は9月11日に更新予定! お楽しみに!
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