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2015年9月17日(木)

PS Vita&スマホ版『聖剣伝説 FF外伝』配信後は『2』と『3』を制作予定!? 25周年、そして新作『5』の話も

文:まさん

 スクウェア・エニックスから発売予定の、PS Vita/iOS/Android用RPG『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』。9月17日の東京ゲームショウ2015開催に先駆け、17日0時に、その詳細がついに明らかになりました。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』

 テーテテテテー、テテテテー(レベルアップのSE)。

「聖剣伝説のリメイクですぜ。あんたも成長したもんだ」

 というわけで、ついに情報が解禁された、初代『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』のPS Vita/iOS/Android版。さっそくスクウェア・エニックスさんにお邪魔して、プロデューサーである小山田将さんに直撃インタビューを決行してきました!

 リメイクについての疑問はもちろん、『聖剣伝説2』以降のナンバリングタイトルは移植されるのか、小山田さんが作りたいと宣言している『聖剣伝説5』についてはどうなっているのか、といったところまでガッツリお話いただきました。

 さらに、なんと開発中の『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』を特別に先行でプレイさせてもらえることに! 懐かしさで泣きそうになりつつも、プレイしてわかったことを紹介していきたいと思います。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
▲小山田将さんはアプリ『聖剣伝説 RISE of MANA』のプロデューサーも務めています。自身が『聖剣伝説』シリーズのコアなファンであるため、開発秘話だけでなく懐かしい思い話がいろいろと飛び出しました。

 なお、文中は敬称略。

今回の『聖剣伝説』は『2』や『3』のリメイクのベースになる作品

――まずはじめに『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』をリメイクすることとなった経緯を教えてください。

 私は『聖剣伝説 RISE of MANA』を配信した当時から、いろいろなメディアで「ナンバリングタイトルを今の最新プラットフォームで遊べるようにしたい」、「『聖剣伝説5』を作りたい」と言い続けてきました。

 来年は『聖剣伝説』シリーズの25周年ということで「まずはナンバリングタイトルを最新プラットフォームで順次遊べるようにしていこう」と考えていたのです。そこで、まずはじめに初代の『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』からリメイクしようと思いいたったのが、今回のプロジェクトの経緯になります。

――『聖剣伝説』は、過去に携帯電話でGB版をカラーにした移植が存在しています。そちらをスマートフォンに移植することも検討されていたのでしょうか?

 携帯電話版の移植も私が担当したこともあり、2Dでの移植も、もちろん検討していました。ですが、スマートフォンでタッチ操作を行う場合は、3Dのほうが遊びやすいんです。シリーズ自体も『聖剣伝説4』と『聖剣伝説 RISE of MANA』で3Dに移行していますし、ここから2Dに戻すべきかどうかは社内でも議論になりました。

 その時に、今後『聖剣伝説2』と『聖剣伝説3』のリメイクも作るのであれば、3Dのほうがいいのではないか、という話になったんです。3Dにする場合、初代の『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』であればリソース量も少ないので、実験的に作るという意味でも最適でした。

 『聖剣伝説』シリーズはデザインが踏襲(とうしゅう)されているものが多いですし、3Dなら『聖剣伝説 RISE of MANA』の素材も生かせるので、『聖剣伝説2』や『聖剣伝説3』のリメイクも行いやすくなるのではないか、という狙いもあります。

――もしや『聖剣伝説2』や『聖剣伝説3』などのナンバリングも、すでにリメイクが動いているのでしょうか?

 今回の『聖剣伝説』は、まさにそのベースになるものだと考えています。2Dのゲームを3Dにしつつも、昔のよさをそこなわないように作ってみた、というところですね。

 特に『聖剣伝説3』はバーチャルコンソールなどで配信していないため最近のハードでは遊べないのですが、今回の『聖剣伝説』がご好評でしたら、コレをベースに『聖剣伝説3』のリメイクを作りたいですね。

 もし、もっと豪華に作りなおしてほしいという要望が多ければ、今の時代にマッチしたものとして作り直すことも考えています。『聖剣伝説2』は現状でもスマートフォンとバーチャルコンソールで遊べますが、こちらも要望があれば、今回のようなリメイクを検討しようと思います。

――それは楽しみです! まだ『聖剣伝説』の発売前なので気が早い質問かとは思いますが、本作をベースにしてナンバリングをリメイクする場合、どのくらいのペースでの配信を考えられていますか?

 理想を言えば、1年に1本は出していきたいです。『聖剣伝説2』と『聖剣伝説3』はゲームのボリュームが大きく時間もかかるタイトルなのでお約束はできませんが、1年おきくらいの感覚で『聖剣伝説』シリーズのナンバリングをリメイクできるように検討しているところです。

 少なくとも『聖剣伝説3』については、これまでも復活させたいと言い続けてきたので、そこはキチンとできるようにと考えています。ただ『聖剣伝説』シリーズは、ファン層がタイトルごとにバラバラなんです。

 ですので、各タイトルが好きな人に向けて、しっかりとしたものを作っていくようにしていきたいですね。

――話を『聖剣伝説』に戻しますが、本作が最初に発表されたのは『聖剣伝説 RISE of MANA』と本作のコラボレーションキャンペーンのプロモーション動画でした。あの段階ではまだハードが未定でしたね。

 実は、最初からPS Vitaとスマートフォンに対応させるというのは決まっていました。ただ、あの時点ではハードの交渉をしている段階だったので言えなかったんです。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』

 ちなみに、配信された後にはPS4版も考えています。こちらは状況的に今すぐに手を付けられる段階ではないのですが、配信されてからの状況を見守りつつ、PS4にも対応させたいと考えています。

 PS4版を同時に出せない理由についてですが、現状でもモニターに映した時の解像度的には問題はないんです。ただし、本作は携帯電話や携帯ハードで見やすいようにとキャラクターサイズを調整しているので、PS4で出す場合は細かい調整をしないといけないという訳なんです。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
▲GB版のイメージそのままに3D化されている『聖剣伝説』。ヒーローの勇ましさやヒロインの清楚(せいそ)な雰囲気、マップの構成など、すべてが懐かしくて新しい!

――PS4版もぜひ遊びたいです。なお、本作のリメイクなのですが、『新約 聖剣伝説』のようにGB版から追加した要素や変更点などもあるのでしょうか?

 基本的にストーリーやセリフは変えていません。内容はGB版と携帯電話版そのままで、グラフィックだけを3Dにしたものだと思っていただければと思います。

 ボリュームや要素を追加したリメイクとしては『新約 聖剣伝説』がありますので、こちらではGB版で演出的に当時できなかったところをリッチにしよう、という考え方で作っています。

 『新約 聖剣伝説』と『聖剣伝説』は別の作品ととらえられているユーザーさんも多いので、今回は『新約 聖剣伝説』の要素を一切入れていません。あくまでも『聖剣伝説』を3Dでリメイクしたものという位置づけになります。

 ただ、ユーザーさんの反応次第では、本作ならではの追加要素をアップデートで加えることも視野に入れています。

――ちなみに、発売日や価格は決まっているのでしょうか?

 今冬には出したいと考えていますが、開発の進捗としてはまだ50%程度なので、状況を見つつ最適なタイミングで発売したいですね。価格に関してですが、スマートフォンでは売り切り、PS Vitaではダウンロード専売になる予定なので、1,400円前後になるのではないかと思います。

●ミニプレイレポート1:GB版の感動がそのまま再現されている感覚!

 ここからは、実際にPS Vita版とスマートフォン版の『聖剣伝説』をプレイした感想をミニプレイレポート形式でお届けしようと思います。

 まず、起動してすぐに、タイトルがモノクロからカラーに変わる演出で不覚にも涙が出そうに……。これは携帯電話版からあった演出なのですが、小山田さん自身が初代のファンなんだなと、よくわかるほどに丁寧に作られています。

 そして、今回のリメイク用に『聖剣伝説』や『サガ』シリーズなどゲーム楽曲も数多く手がける作曲家・伊藤賢治さんがアレンジした『Rising Sun』も最高! 思わず聞き入ってしまいました。

 GB版の透き通るような音のイメージをシンプルなアレンジで再現していて「そう、コレコレ!」って感じです。これは、ぜひ実際に聞いて欲しいですね。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』

 ……って、まだタイトル部分だけで全然ゲームの話をしてない! そんなわけで、やっとゲームを起動。シャドウナイト様に最高のショウを見せるべく最初のジャッカル戦に挑んだり、アマンダと話したり……と、このあたりのセリフ回しは完全にGB版のまま。

 アクションもサクサクで、動き自体もGB版のイメージそのままなのですが、とにかく快適です。敵の正面で何もしないでいると盾で攻撃を受けるところにもニヤリ。まだ滝から落ちていないどころかヒロインにも会っていませんが、長くなりそうですので続きは次のプレイレポートで!

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
▲ちょっとかわいい感じのジャッカルとアマンダさん。ストーリーを知っているだけに、彼女と会話をしただけでもグっときますね。

初代『聖剣伝説』を忠実に再現しつつ、コンボ攻撃の追加などでゲームバランスを調整

――先ほど触ってみてわかったのですが、アクションの操作や画面の構成が本当に昔のイメージそのままですね。

 基本的にアクションは増やしていませんが、コンボ攻撃ができるといったようにバランスの調整は行っています。単発で剣を振るだけだと今の時代のテンポに合わないので、コンボ攻撃だけは入れる方向にした訳です。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』

 もちろん、それが当時のイメージとは違うと言われてしまった場合は、実装しない可能性もあります。

――そこは難しい部分ですね。さすがに、テンポや操作感までGB版そのままを求める人は少ないと思いますが……。

 この部分は悩みどころでした。ただ、今回2Dにしなかった大きな理由としては、4方向のゲームにしてしまうとタッチ操作では遊びにくいというのが経験的にわかっていたからなんです。特に、アクションは360度、自由に移動できないとタッチ操作では快適に遊べません。

 だからと言って、コントローラがついているPS VitaやPS4だけで配信するというのでは市場を狭めてしまいますので、『聖剣伝説』というブランドを再度広げるためにもスマートフォン対応は欠かせませんでした。

 ですので、各ハードで最適な状態で遊べるようにと、今回のような形で3Dに落とし込んでいます。

――『聖剣伝説 RISE of MANA』をスマートフォンとPS Vitaで展開していた経験が生きているということですね。

 バーチャルパッドのコントローラに関しては、個人的に『聖剣伝説 RISE of MANA』から1歩進んだものになっていると思います。タッチ操作でもだいぶ快適に遊べますし、思ったところにキャラクターを動かして狙ったところを攻撃できるようになっているので、ぜひスマートフォン版も触ってほしいです。

 PS Vita版ではコントローラとバーチャルパッドの両方で遊べるようになっています。

――実際に触ってみるとタッチでも遊びやすいですね。僕は携帯電話版も遊んだのですが、あの移植は最高にすばらしいと思った反面、携帯電話の物理キーで操作するのが非常に大変だった記憶があります。

 そうなんですよ。思ったように操作できないのがもどかしくて……。携帯電話版を作った時は、画面の小ささとキーの操作しづらさが悩みどころでした。

 携帯電話版を移植して欲しいという声も大きいのですが、今ですとどの端末も画面の解像度が大きくなっているので難しいですね。

●ミニプレイレポート2:小山田さん渾身(こんしん)のバーチャルパッドが、本当に操作しやすい!

 ヒロインと出会うために歩いていて気づいたのですが、マップの形がちゃんとGB版のままなんです。もちろん、サイズは大きくなっているのですが、昔の記憶を頼りに動かしても、ちゃんと記憶通りの場所にヒロインがいたのでビックリ!

 彼女を仲間にした後に“そうだん”コマンドの吹き出しをタッチすれば、有名な「おけがはだいじょうぶですか?」のセリフとともに回復してくれるのもうれしいですね。髪の毛はストレートで、性格は清楚(せいそ)。これこそがヒロインですよ!

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
▲会話をするとアップになるヒロイン。回復してくれるのがうれしくて、奇声を上げながら何度も相談コマンドをタッチしていたら、一緒にいた編集に「大丈夫ですか?」と心配されました。

 そんなこんなで、ヒロインを仲間にしてからも周囲をウロウロしていたのですが、ふとバーチャルパットだけで操作したらどうなるのかが気になりました。そこで、操作をコントローラからバーチャルパッドオンリーに切り替えて遊んでみることに。

 ……いいわ、コレ。インタビューでもバーチャルパッドに関する話題があがっていましたが、本当に『聖剣伝説 RISE of MANA』と比べても遊びやすくなっています。触った方向に直感的に動いてくれるので、とてもアクションを行いやすいです。

 携帯電話版を遊んだ時は、僕が使っていた携帯電話のキーがかたくてつらかった……。夢中になりすぎて親指の皮がむけ、エンディングの感動と親指の痛みで二重に泣きながらプレイしたのですが、スマートフォン版はそんな心配をしなくてすみそうです。

 試しに細かく軌道を動かせる魔法“ブリザド”を使ってみたのですが、タッチでもちゃんと動かせます。慎重に動かさないといけないような場面でも問題なく使えそうですよ。雪だるまが壊れてムキーッってなった思い出がよみがえります。あのギミック、好きだったなあ……。

 それはともかく、PS Vita版と両方遊んだのですがタッチ操作でも問題なし! 最初はコントローラがあるPS Vita版を買う予定だったのですが、これはスマホ版も欲しくなってきました!

プレイ感覚は当時のままに、ハーフリングコマンドの実装などでより遊びやすく進化

――思い返してみると、携帯電話版は『新約 聖剣伝説』が出た後でしたし、ユーザーとしても『聖剣伝説』のそのままの移植を望んでいた時期でした。

 携帯電話版のコンセプトは、GB版の内容はそのままに彩色を施すというものでした。今回も物語自体は一緒なので、チョコボやマーシーなど、印象に残るキャラはそのまま入っています。

 昔遊んでくれた人にも遊んでほしいのですが、今のユーザーさんにも、古くないゲームとして認知していただくことを目指してリメイクしました。

――今回、序盤を遊ばせていただいた限りでは、ゲームとしての難易度やプレイ感覚はGB版のままでしたが、古臭さは感じませんでした。

 基本的にGB版のままだと思っていただいて問題ないですが、3Dになっているので多少異なる部分もあります。例えば、バンパイアやマインドフレアがつねに正面を向いていたのが、背後に回り込むようにもなったなどですね。

 ボスが空間を自由に使うようになったので、攻略法など、プレイの感触的には変わっているところもあるかもしれません。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』

 もちろん、GB版のイメージ通りの動きは再現されているので、そこに2、3モーション追加されているといった形になるかと思います。GB版のテクニックがそのまま通用する形にはなりませんので、昔遊んでくれた人も新鮮な気持ちで楽しめるのではないでしょうか。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』

――遊んでいて思ったのですが『聖剣伝説』は武器を使ったギミックが多かったですよね。斧で木を切る、フレイルを巻きつけて進む、といったマップギミックもGB版と同じなのでしょうか?

 はい、マップの構成もギミックも同じです。3Dになったことで視覚的にはマップが広がっているように見えるのですが、GB版を遊んだ人はそのままのイメージで遊べるのではないでしょうか。

 ですので、戦闘に関しては当時の攻略方法が通用しない場面もあるかと思いますが、マップは当時の攻略本の内容がそのまま通用すると思います(笑)。あえて、そういった昔ながらの作りを意識しました。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』

 自分としては、『聖剣伝説』の生みの親である石井浩一さんがやりたかったことは『新約 聖剣伝説』でやりつくしたという認識なんです。ですので『新約 聖剣伝説』とは別の作品として、オリジナルに忠実なリメイク作品にしようと考えました。

 とはいえ、ハードの表現力は上がっているので、表現的にリッチにできるところはリッチにしています。例えば、GB版ですとデータの中にはシャドウナイトの仮面がないドット絵があるんです。

 しかし、これはゲームでは使われていません。そういった、本当は石井さんが使う予定だったものも再現できるように動いています。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
▲ストーリーはセリフ回しも含めて完全再現しつつ、シャドウナイトの仮面をはずした姿など、当時は表現できなかった部分をフォロー。

――当時のままと言えば、タイトルロゴにも“ファイナルファンタジー外伝”の表記が入っています。

 はい。今回もゲーム中のタイトルでは表示されませんが、これはGB版のタイトル画面でも出ていなかったからなんです。当時を知らない人は、なぜ『聖剣伝説』に『FF外伝』と付いているのだろうと思われるかもしれませんが、それも当時を再現するということで残しました。

――こだわっていますね! 当時と違う部分としては、初代の『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』にはなかった“リングコマンド”が実装されていますね。

 UIはどうしようかと悩んでいたのですが、今回は“ハーフリングコマンド”のような形で作ってみました。それからステータス画面のイラストは、現状ですと携帯電話版と同じものが使われていますが、そちらも変更する予定です。

 今回もデザインはイラストレーターのHACCANさん(『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』のリメイク版の他、『ファイアーエムブレム 覚醒』などのイラストも手がける)にお願いしていて、リアルなイメージではなくデフォルメしたイメージで描いてもらっています。

●ミニプレイレポート3:ハーフリングコマンドの便利さとレベルアップ時の演出に感動!

 上のインタビューでも出ましたが、今回の新しい点としてはステータス画面のハーフリングコマンドでしょう。

 普段は画面から隠れているのですが、画面右の“RING”と書かれた部分をタッチで引き出すと半円のコマンドが出現し、アイテムや武器を選択できます。

 GB版にはなかった機能ですが、使いやすくていいですね。ぜひ、『聖剣伝説3』のリメイクでも採用してほしいです。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
▲右画面からタッチでスッと引き出せるハーフリングコマンド(仮称)。『聖剣伝説』らしさがありつつも、スマートフォンの操作にマッチしていて使いやすいUIです。※開発中のため携帯電話版のイラストが入っていますが、こちらは変更される予定です。

 そんな感じでいろいろとチェックしつつ敵を攻撃していたら、懐かしのレベルアップBGMが……って、レベルアップだ! ちゃんと「レベルアップですぜ、あんたも成長したもんだ」というセリフとともにレベルアップしてます。

 当時を知らない人は「なんだ、このセリフは」と感じるかもしれませんが、コレこそが『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』のレベルアップなんですよ!

 レベルアップすると戦士やモンクといった4つのタイプから、キャラクターの成長を決められるんですよね。さっそくレベルアップ……って、これ『ファイナルファンタジー』のイラストじゃないですか! いや、『FF外伝』だから間違いじゃないですけど、笑っちゃいましたよ。

 こういうリメイクならではの遊び心もニクイですね。ちなみに、自分は当時、戦士タイプかモンクタイプばかりを上げていたような記憶があります。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』
▲成長タイプのキャライラストも『FF外伝』という感じがしてニヤっとしてしまいました。それにしても「レベルアップですぜ、あんたも成長したもんだ」って誰が言ってるセリフなんでしょうね?

来年は『聖剣伝説』25周年。ナンバリングタイトルの復活から、最新作『聖剣伝説5』へ

――考えてみると『聖剣伝説』シリーズって、状況がすごく特殊ですよね。現在世に出回っている最新ハードで遊ぼうとすると、ナンバリングタイトルがほぼ遊べない……。

 そうなんです。ナンバリング以外のタイトルも石井さんが考えたすばらしいものではあるのですが、昔のナンバリングタイトルを遊べない状況にしておくのはよくないと思っています。

 最新作の『聖剣伝説4』ですら、PS2で発売されたのが最後ですので現行のハードではプレイできません。ですので、自分としては過去のタイトルを遊べる状況を作りつつ、新作も作っていく流れを作りたいんです。

――新作といえば、やはり気になるのは『聖剣伝説5』です。現状、お話できる範囲でよいので動いているプロジェクトがあれば教えていただけませんか。

 申し訳ありません。まだ、具体的なお話ができる段階ではないのです。ただ、自分はずっと『聖剣伝説5』を作りたいと言い続けていてそれは諦めていないですし、個人的にも『聖剣伝説5』の制作に協力してくれる人たちと話をしています。

 ただ、これまでの『聖剣伝説』は、シリーズとしての方向性が多岐にわたっているんです。『聖剣伝説5』は方向性をどこに定めるのか、どのプラットフォームで出すのか、といった部分で非常に慎重になっているということもあり、まだお話できない段階です。

 ですが、ちゃんと『聖剣伝説5』を出せるように動いています。

――ちなみに、今回のリメイクやシリーズ25周年に合わせて、それに関連した商品などは出るのでしょうか?

 具体的に決まっているものはありませんが、伊藤賢治さんが新たに曲をアレンジしてくださったので、本作のサウンドトラックは出したいと考えています。

――では、最後に『聖剣伝説』シリーズのファンに向けて、意気込みをお聞かせいただけますか?

 『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』は、昔遊ばれていた方にもまだ遊んでいない方にも「こういうタイトルがありますよ」ということをお届けするために作っている作品です。

 当時のイメージとは違うという方や逆にこれがいいという方などもいらっしゃると思います。ぜひ忌憚(きたん)のないご意見をいただけるとありがたいです。

 また『聖剣伝説2』や『聖剣伝説3』のリメイク、そして『聖剣伝説5』の方向性に関しても、ユーザーさんからの意見を吸い上げて行きたいと思っています。

 私個人の意気込みとしては、来年の『聖剣伝説』シリーズ25周年に合わせて『聖剣伝説5』を発表したいと考えております。そちらに関しても、期待して待っていてください!

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